概要
戦闘に至るまでの背景
ラグライナ帝国、
ガルデス共和国、
クレアムーンを中心とした戦乱は、ついに「にらみ合い」から、本格的な戦闘へと突入していった。
ラグライナ帝国の勢力は既に共和国、クレアを凌駕していた為、二勢力は手を結び、
ラグライナ帝国は同時に二つの敵を相手にせざるを得なかった。
ほぼ同時期に共和国戦線では
モンレッドの戦いが起き、一触即発から本格的な戦闘へと突入していたが、クレア戦線も、このウネピの戦いにより、
クレアムーン本土を目指す戦いが幕を開ける。
両軍の戦力
戦闘経緯
数で劣る
クレアムーン軍は、帝国軍の挑発をひたすら無視して防御に徹する。
しかし、にらみ合いから数日後、突如この地に長雨が降り始める。
長雨は想像以上に続き、両軍の間で病で倒れる兵が相次ぎ、軍馬にも伝染病が蔓延した。
更に土砂崩れまで起き、両軍は戦いどころではなくなり、ついに一度も刃を交えることなく軍勢を撤退させることとなった。
しかし、帝国軍は本国へは帰らず、それまで、帝国の支配下にありながら、「自治都市
シュツットガルド」を自称して、独立を画策していたへ
シュツットガルドへ進軍。
反乱軍はこれに抵抗したが、帝国の主力部隊の前に半壊、無条件降伏し、再び帝国の属領となった。
シュツットガルドの独立宣言は、今回に限ったことではなかったが、これまで眼中になかったこの都市への電撃的な進軍は、
クレアムーンとの本格的かつ長期的な戦いを見据えて、帝国軍の行動可能な街道を1本でも多く確保する為であった。
その後、街道の復旧を待って、
ラグライナ帝国軍は再び
ウネピへと進軍を再開、両軍は対峙することとなった。
6周期18日目、
ラグライナ帝国軍は再び
ウネピへと進軍、情報を聞いた
クレアムーン軍も迎撃部隊を送り、両軍は再び対峙することとなった。
一旦は引き上げている為、これを第2次
ウネピの戦いとする場合もあるが、
ラグライナ帝国軍は本国には戻らず、そのまま
シュツットガルド、
ウネピと行軍しているので、ここまでの一連の行動を全て含めて
ウネピの戦いとひとくくりにするのが一般的である。
今度は、にらみ合いもなく、対陣するとほぼ同時に真正面から激突した両軍。
成瀬風華が合図を送ったこの伏兵の奇襲は、まさに絶妙のタイミングであり、見事に攻守を入れ替え、
クレアムーン軍が押し戻し始める。
更に、ここが唯一の勝機と、総指揮官である
柊飛鳥が帝国軍本陣を目指して一気に南下する。
しかし、それでもまだ総兵力で勝っている帝国軍は、
ラディスの落ち着いた采配で混乱することなくこれに対処、更に、伏兵による本陣強襲は、
成瀬風華部隊を突破できずに、再編のためたまたま後退していた
紅部隊が偶然にも立ちはだかったことによって防がれる。
本陣の強襲を手間取るうちに、
アリサ部隊も引き返して本陣を防衛、両軍共にこの辺が限界と察し、撤退の合図を送り、
ラグライナ帝国軍は
ウネピの地から一度は退いた。
だが、帝国軍は今度も帰国せずに陣を作って部隊を再編、8周期11日目、両軍は再び激突した。
クレアムーン軍は兵力で劣りながらも奮戦し、この攻撃もかろうじて撃退するものの、帝国軍が更なる増援部隊を派遣した為、これ以上の戦闘継続は不可能と判断、
ウネピの地から後退し、帝国軍の旗が
ウネピに立てられることとなる。
戦いの結末
戦いが終わった後、
ウネピの地の占領したのは
ラグライナ帝国軍であり、間違いなく勝者は彼らであった。
だが、その内容は、彼らの矜持としては決して許されるものではない、「二度攻めて落とせず、最終的に数にものを言わせ様と準備していたら、敵軍が自発的に後退した」というものであった。
これは、
クレアムーンの
月風麻耶が狙っていた「帝国軍をとにかく疲弊させながら引き込む」という戦略の一環であり、長い目で見れば目的を達したのは
クレアムーンということになる。
ただし、
月風麻耶の狙いそのものは
聖都の変という横槍によって実現しなかった。
最終更新:2024年08月16日 18:07