概要
戦闘に至るまでの背景
帝国内乱戦争の結末が全く判らないという情勢もあり、
クレアムーンとしては少しでも国土を増強したいという思惑があった。
そして、自衛の為の戦いはいつしか積極的防衛となり、
ガルデス共和国を攻め落とす為の侵攻戦へと差し替えられていた。
「来るべき
ラグライナ帝国との戦いの為」と一言添えれば、いかなる戦いも正当化される風潮が生まれ、(ただし、
神聖帝国が勝ち残った時は、何事もなく和睦を結ぶつもりだった)
真田弥生は、本人の意思と関係なくこの出陣を「神託」といわざるをえなくなっていた。
しかし、慎重に慎重を重ねた隠密行動の出陣であったが、
レディス、
エヴェリーナが仕掛けた情報網と、内部に潜入していた密偵により、
ガルデス共和国はいち早くこれを察知する。
奇襲には奇襲で返すべく、密かに部隊を出陣させ、
ガイ・アヴェリに駐屯し、
クレアムーン軍を待ち構えていたが、この出陣は決して外部に漏らさない為、
レディスが独断で動かしている。
この時代、まだ議会と軍部における絶対的な境界線は存在せず、「現場の判断」、「超法規的措置」が幅を利かせる時代であった。
レディスは前任の
ラヴェリアと違い、議会と軍部の区別を明確なものにしていたが、この時ばかりは緊急を要した為、
ラヴェリアの前例に倣った。
両軍の戦力
戦闘経緯
共和国軍は、守りを固めると見せかけて、夜陰に紛れてフェルディアを強襲。
ところが、そこにいる筈の
クレアムーン軍は一兵もいなかった。
隠密行動のはずだった今回の攻撃がかなり早い段階からばれていたことから、
クレアムーン軍のかなり上層部にまで
ガルデス軍の密偵が潜入していることに気づいた
クレアムーン軍は、それを逆手にとりフェルディアで再布陣するという偽情報で
ガルデス共和国軍を釣りだした。
こうして、フェルディアに共和国軍が入った事を確認すると同時に、仕掛けておいた罠を発動させ、共和国軍を炎に包み込む。
しかし、
ガルデス軍においても、
クレアムーンの罠を警戒して、全軍を二手に別けることで時間差をつけ、
クレアムーン軍に攻撃を仕掛ける。
火攻めと奇襲が入り乱れ両軍は混乱、指揮系統もない混戦状態となるが、「奇襲によって最小限の犠牲で敵の拠点を陥落させる」という目的が果たせないと悟った
クレアムーン軍は、これ以上の戦いはいたずらに損害を出すだけと撤退した。
戦いの結末
両軍が最も避けたかった消耗戦となったが、領土を防衛した
ガルデス共和国軍の勝利に終わる。
また、この戦いで議会を通さず軍を独断で動かした
レディスに対して、緊急事態とはいえ、度を越していると
ゴゥドは徹底的に糾弾し、不信任案を提出して彼女を議長の座から引きずり落とし、自らがその後任となる。
レディスと
エヴェリーナが時間をかけて潜入させた、情報を提供したという密偵も、この直後連絡が途絶えたことから、
クレアムーン軍によって正体が発覚、処断されたと思われる。
この戦いの影の貢献者でありながら、その任務内容から、後世に名を残すことはなかったが、
巫女位の一人で、作戦会議に参加するほどの人材であったと言われている。
最終更新:2024年08月17日 00:19