概要

ガイ・アヴェリの戦いとは、ラドリザン1258年6周期、ガルデス共和国とクレアムーンの間で行われた戦いである。


戦闘に至るまでの背景


クレアムーンは、ラグライナ帝国に対しても、ガルデス共和国に対しても、基本的には「防衛戦争」しかしなかった。
だが、レッド・ゲアルの戦いでの勝利もあり、国内の空気は大きく変わっていた。

帝国内乱戦争の結末が全く判らないという情勢もあり、クレアムーンとしては少しでも国土を増強したいという思惑があった。
そして、自衛の為の戦いはいつしか積極的防衛となり、ガルデス共和国を攻め落とす為の侵攻戦へと差し替えられていた。
「来るべきラグライナ帝国との戦いの為」と一言添えれば、いかなる戦いも正当化される風潮が生まれ、(ただし、神聖帝国が勝ち残った時は、何事もなく和睦を結ぶつもりだった)真田弥生は、本人の意思と関係なくこの出陣を「神託」といわざるをえなくなっていた。

クレアムーン軍は、ガルデス共和国を一気に強襲するべく竜の鱗を越えて共和国の旧首都ガイ・アヴェリを目指した。
共和国の領土はこの時縦に伸びていた為、ガイ・アヴェリを奪えばその領土は二分され、ラルティスミスリートガル・レディアを孤立させ、降伏させる事も可能であり、更に新首都であるレイガスの喉元にまで迫ることができる。

しかし、慎重に慎重を重ねた隠密行動の出陣であったが、レディスエヴェリーナが仕掛けた情報網と、内部に潜入していた密偵により、ガルデス共和国はいち早くこれを察知する。
奇襲には奇襲で返すべく、密かに部隊を出陣させ、ガイ・アヴェリに駐屯し、クレアムーン軍を待ち構えていたが、この出陣は決して外部に漏らさない為、レディスが独断で動かしている。

この時代、まだ議会と軍部における絶対的な境界線は存在せず、「現場の判断」、「超法規的措置」が幅を利かせる時代であった。
レディスは前任のラヴェリアと違い、議会と軍部の区別を明確なものにしていたが、この時ばかりは緊急を要した為、ラヴェリアの前例に倣った。


両軍の戦力

攻撃側 守備側

クレアムーン
軍勢
ガルデス共和国軍
総兵力52000 兵力 総兵力39000
柊飛鳥 総指揮 レディス
成瀬風華 軍師 ゲイル
主要参戦者

柊飛鳥

成瀬風華

エアード

成瀬有希

ユーコ

レディス

ゲイル

カオス

リナ



戦闘経緯


クレアムーンは、遠征軍を組織すると、予定通り竜の鱗を越えてガイ・アヴェリを攻撃する。
しかし、手薄と見せかけて、万全の構えを見せていたガルデス共和国軍の攻撃により、クレアムーン軍は撃退され一旦後退、竜の鱗の麓にあるフェルディア山に集結する。

共和国軍は、守りを固めると見せかけて、夜陰に紛れてフェルディアを強襲。
ところが、そこにいる筈のクレアムーン軍は一兵もいなかった。
隠密行動のはずだった今回の攻撃がかなり早い段階からばれていたことから、クレアムーン軍のかなり上層部にまでガルデス軍の密偵が潜入していることに気づいたクレアムーン軍は、それを逆手にとりフェルディアで再布陣するという偽情報でガルデス共和国軍を釣りだした。

こうして、フェルディアに共和国軍が入った事を確認すると同時に、仕掛けておいた罠を発動させ、共和国軍を炎に包み込む。


しかし、ガルデス軍においても、クレアムーンの罠を警戒して、全軍を二手に別けることで時間差をつけ、クレアムーン軍に攻撃を仕掛ける。
火攻めと奇襲が入り乱れ両軍は混乱、指揮系統もない混戦状態となるが、「奇襲によって最小限の犠牲で敵の拠点を陥落させる」という目的が果たせないと悟ったクレアムーン軍は、これ以上の戦いはいたずらに損害を出すだけと撤退した。


戦いの結末

両軍が最も避けたかった消耗戦となったが、領土を防衛したガルデス共和国軍の勝利に終わる。
また、この戦いで議会を通さず軍を独断で動かしたレディスに対して、緊急事態とはいえ、度を越しているとゴゥドは徹底的に糾弾し、不信任案を提出して彼女を議長の座から引きずり落とし、自らがその後任となる。

レディスエヴェリーナが時間をかけて潜入させた、情報を提供したという密偵も、この直後連絡が途絶えたことから、クレアムーン軍によって正体が発覚、処断されたと思われる。
この戦いの影の貢献者でありながら、その任務内容から、後世に名を残すことはなかったが、巫女位の一人で、作戦会議に参加するほどの人材であったと言われている。


最終更新:2024年08月17日 00:19