Memo

各論文のメモ in FY2014.




2014年11月

Dark matterのgas inflowが(Dekel 2009のsupplementary informationの図1をもとに)11<log Mh < 12.3くらいに制限つけて、そこから自然に各種のスケーリング関係がでますよ、と主張している論文。

  • Figure 1の右図から、大きいMhのものが早くSFを初めて、早くSFが止まるのがわかる。-> galaxyのdown sizingっぽい。

  • このような関係をz進化させてまとめると、Figure 3のように、観測的によく報告されているcosmic SFの関係も書けてしまう。

  • Figure 4のSFR vs. Mstellarのベキの傾き(0.8)の理解を助ける図としてFigure 7(各々の進化をしている銀河を見ている)がある。右側のSF galaxiesからpassive galaxiesに移動しているところは、おそらくMhの上限のところでSFが止まっているところ。



chemical evolutionの式をいくつかの仮定をおいて解析的に解き、gas outflow, inflowに観測的に制限をつけてみた論文。観測データを元に、inflow rateのz進化を求めてみたのは初めて?

  • 各figureのjointのpanelがkeyとなる図。

  • inflow, outflow rateのどちらもz進化がありそう。昔ほどどちらも活発。そして、常にinflow>outflow。



  • z=3.4-6.2のQSOのextinction curveも、2175A bumpがないそうだ (Gallerani et al.2010)。

  • high-z QSOのほとんどが、significant amount of dust with M>1e8Msun を持っているようだ (Calura et al.2014)。

  • このようなdust massは、1) SN一発ごとに1Msunほどのdust productionを起こす and/or 2)IMFがよりhigh-mass endに偏っていて、頻度を増やすかなどをしないと説明できないらしい。

  • Asano et al. (2013)のdust evolution modelの流れは
1. dust formation by SNe and AGB
2. grain growth due to the accretion of gaseous metals
3. dust destruction by shattering, shocks
4. coagulation due to grain-grain collisions.

  • dust shatteringは1.2 and 2.7 km/s for carbonaceous and silicate grainsを超えると効き始める

  • coagulationは1e-3 - 1e-1 km/sくらいで起きる

  • "the absence of the 2175-A bump in high-z extinction curves may suggest inefficient formation and/or efficient destruction of small size of graphite and PAHs."

high-z universeにおいては、dustはlow-mass starなどによって作られるため、1Gyrほどしてからdustのabundanceが増えてくると思われていたが、high-z QSOではすでにある程度のdustが生成されているようだ。これらのdustの起源として考えられる者の一つとして、supernova起源のdust生成が考えられる。

  • z<4までのLo-BALはdustの赤化を常にうけているので、high-z universeでのdust propertiesを調べるときには良いターゲット。

  • z>6のhigh-z QSOはlocal SMCなどと全く異なるextinction curveを持っているようだ。

  • extinction curveの求め方は、特定の波長を基準にpower-lawでスペクトルを持つとして、それとobserved spectraの比を見て、どの程度のextinctionが各波長で必要かを計算している模様。

近傍のSy 2 AGNであるM51に対して、SMAで観測をした。

  • ratio HCN(1-0)/CO(1-0) が大きいほどheated and dense gasだそうだ。つまり、AGN indicatorに使える。

  • HCNのvibrational excitationは14umにあり、いくつかのULIRGではabsorption lineが見えるそうだ (Lahuis et al.2007; Farrah et al.2007)。

  • high HCN(1-0)/CO(1-0) ratioから、HCNのabundanceが高いことがわかるが、その原因をいくつか議論している。たとえばXDR領域ではHCNのabundanceが増えることが示唆されている(Lintott & Viti 2006) ので、AGNのX線放射がXDRを作り、そこでHCNのabundanceが増えているのかもしれない。

2014年10月


  • dust sublimation radiusとAGN光度に相関があることを言ったのは、Barvainis 1987が始めで、そのあとOknyanskij & Horne 2001; Minezaki et al.2004; Suganuma et al.2006と続く。

  • K band fluxの光度変動は、きちんとaccretion diskの寄与を引いているらしい。

NGC4418の中間赤外線スペクトルを取得したところ、非常に深いSilicate featureを発見した。一連のdeep silicate feature galaxiesの最初の発見例?



NLSy1は、local universeで確認されているM-Lbulge relationとくらべて、同じLbulgeに対してBH質量が小さく出ることを示した論文。これは、NLSy1は、他の銀河とくらべてBH成長が遅い or 今激しく成長している途中であることを示唆している。


  • Lyαはdustに非常に吸収されやすいので、LAEの15%ほどしか、Spitzerでは受かっていない (Webb et al.2009)。

  • 逆に、SMGのようなdusty galaxiesのうち、Lyα輝線が受かっているものは40-50%ほどで、空間的に広がった天体はほとんどいない (Chapman et al. 2005)。



  • black holeをDM core collapseで作るとき、元のDM cloudが<1e9 Msunでは、supernova driven windsが邪魔して作れないらしい(Dekel and Silk 1996).これを信じると、<1e6Msunのblack holeはあまり作られない



現状考えられている、Massive black holeの作り方を、数式を使わずにreferenceを引いて説明している。もし追加で知りたいことがあれば、ここをスタートにして論文を探すとよいかも。

よく知られるM-sigma relationに対して、Dark Matter Halo-sigma relation (つまり、中心のSMBHとも) はどうやらそれほどきれいには成り立っていないぞ、ということを示唆している論文。もしDark Matterと中心のSMBHに相関がないとすると、bulgeを作るようなプロセスがSMBH growthに強く関係していることを示唆している。

Pop III remnantでどの程度も重さのBHができるかを議論した論文。

WISEでbolometric luminosity Lbol>1e14Lsunの天体のうち、L_FIR>1e14Lsunの天体が5天体見つかったと報告している論文. いまのところ、今年一番勉強になった論文。

  • introductionはHyLIRG, ULIRGのエネルギー源は何なのかのよいreviewになっていて参考になるかも?

  • Sander et al.1988, Hopkins et al.2008によると、merger後期ではgasのcloud-cloud collisionによって角運動量を効率よく抜けると言っている。

  • Dust Obscured Galaxies (DOGs) の定義は、24 um flux density f_24um > 0.3 mJy and f_24um/f_R > 1000 (Dey et al. 2008)

  • Hot DOGsの定義は、上記のDOGsの定義に加えて、dust temperatureが>60 Kであること (Wu et al.2012). 通常のDOGsはdust temperatureは30-40 K.

  • ALLWISEというデータリリースが出ている。detection rate, 感度ともにWISE all-sky surveyより良いみたい。

  • 現状でのmost luminous QSOは SDSS J0831+5245, J1424+2256 (Patnaik et al.1992; Lawrence etal. 1992; Irwin et al.1998)

  • Fig.6を見ると、だいたいLbolの50-80%をL(1-20um)で出している。Ichikawa et al.(2014)では、ULIRGでは~20%くらいなので、Lbolが大きくなるにつれ、obscured AGNからの寄与が大きくなっていることがわかる。

  • 今回のELIRGsの場合、dust peak temperatureはT~450Kくらい。半径でいうと、だいたい~40 pcくらい。つまり、century scaleでしか赤外線は光度変動がしないと思われる。

  • では、200年ほど安定的にL>1e14Lsunであるとして、それがすべて星生成由来だとすると、どの程度の星生成率が必要となるのだろうか。Beck et al. (2001)では、L_MIR=2e5Lsun出すためには、だいたいLyman continuum photon NlycがNlyc=1e49個/s必要だとestimateしている。今回の場合、だいたい1e49 * 1e14/2e5 ~ 5e57個/s必要である。この程度のphotonを出す星を用意しないといけない。

  • そのためには2e10Msunほどの星を用意する必要がある (from STARBURST99+IMF)。これが一度に存在するためには、大型星の寿命であるa few Myr以内にすべてできないといけないので、~1e4 Msun/yr程度の星生成率を実現しないといけない。

  • 現在のmost luminous infrared galaxiesはWISE 2246−0526 (Lbol=3.5e14 Lsun)

  • Begelman(2002)はEddington limitは~10-100までいけると主張している。実際の観測では、Eddington ratio~3が最高 (Kelly and Shen 2013)。

  • 現状の光度を説明するためには、いかのどれかが満たされないといけない1) seed BHがでかい 2) substantial super-Eddington eraをすごす 3) radiative efficienctyが小さい(=black hole spinが小さい)



  • Type-1 QSOのEddington ratioは最高でだいたい~3.


SDSSのtype-1 QSOのBH massを見積もって、Eddington光度を超えたQSOがいくつか存在することを報告している論文。

He 2-10のsuper star clusterの数を数えている。だいたい10^4のオーダー。数え方は、cluster内はすべてO型星だと仮定して、luminosityで割ればよい。

  • O型星の光度は2e5Lsunで計算している。詳しい値はMartin et al.2005などを参照するべきだが、太陽の表面温度が6000度であることから、だいたい1e5Lsunくらいのオーダーであることは、温度比から出せる(光度は温度の4乗できく)。

  • Lyman continuumのphoton個数は、LIRからだいたいestimateできて、LIR/Nlyc=2e-44という相関にある。このとき、LIRは太陽光度。

  • O7型星の場合、photon個数は1e49個/sくらい。

Dwarf galaxyの一つであるHe 2-10に、supermassive black holeが見つかって、AGNの状態であることがわかったと報告している論文。このdwarf galaxyはbulgeがないので、もしかしたらSMBHは銀河ができる前の状態ですでにできているかもしれないことを示唆しているそうだ。

  • ちなみに、彼女のスライドがここに上がっていて、彼女の過去の仕事のmotivationおよび結果が簡潔にまとめっていて、勉強になる。

FSRQの中で、synchrotron emissionに埋もれず、torus emissionの寄与が考えられるものが数天体見つかった、という論文。


Gamma-ray bright blazarをSuzakuで観測して、X線の起源はjet由来か、disk/corona由来かを制限をつけようとしている論文。

  • 制限の方法は3通り。1. X線の変動(短ければjet由来) 2. X線のベキ(Γ>2.1でjet由来), 3. FeKα輝線のつよさ(X-ray Baldwin effectの関係よりもEWのupper limitが強く制限されている場合は、jet由来)


colliding galaxy pair NGC2207/IC2163で28個ものULXを見つけたという論文。さらに、多波長イメージを使ってULXの環境も調べているもよう。

Merger後期の近傍銀河の分子ガスの動きを見た結果、大半の銀河でrotation gas diskが見つかった、とする論文。これまでMerger後には楕円銀河ができるとされてきていた(e.g., Toomre 1977)。観測的にそれを支持する結果の一つが、elliptical galaxy周辺の、tidal tailの痕跡である (e.g., Schweizer & Seitzer 1992)。が、円盤銀河のようなものもできることを今回の研究では、観測的に初めて示した。

memo
  • Molecular massの導出についても書かれている。だいたいM=1e7-1e11 Msunくらいの量。

  • Tacconi et al.(2013)によると、z=1-3の銀河の~50%くらいはrotation gas diskを持っているそうだ。

XBootes fieldにおけるAGNの、X線光度をBHARに変え、赤外線光度をSFRに変えてBHAR vs. SFRを出している。言ってしまえば、Lx vs. LIR関係式である。SFがある程度X線に寄与するのはよいが、LMXBはSFRと相関がないような気がするが (HMXBは相方が大型星なので、SFRと関係があるのは理解できる)。。


semi-analytic modelを使用。tuningはAGN LF at 0<z<4, and Mass function at z=0.

AGN中心を空間的に分解して、nuclear region(~100pc scale)におけるgasの inflow/outflowの存在を調べた論文。
サンプル数は近傍AGN5天体。非常にサンプル数は少ないが、いくつか見つかった共通の性質としては、以下のものが報告されている。

1. circumnuclear molecular diskは5天体全部に存在する



"Do all SF galaxies host an AGN?"という問に対して、簡単なモデルを構築することで、観測的にはどのようなcorrelationが得られるかを調べた論文。

modelの設定
1. SF galaxies at 0<z<2. Gruppioni et al.2013のSF galaxy IR Luminosity function derived by Herschelから各zにおけるSFRを求めている。

2. SFRとBlack Hole Accretion Rate (BHAR) の比は、計算時間内での平均がSFR/BHAR = 3000となるようにする (各時間を取ると、別に=3000のconstである必要はない。)

3. 2.の条件を保ちながら、LAGNを求める with LAGN = ε mdot c^2 with ε=0.1 .

このモデルを使うことで、元のgalaxy IR LFからAGN LFは機会的に出すことができる (Fig.5)。local Universeでは、低光度側と高光度側で不足分が存在するが、少なくとも低光度側については、これはおそらくIR LFに寄与しないelliptical起源がある程度効いているはずである。

いくつか知った知識
  • AGNのflux variabilityについては、McHardy 2013が詳しいらしい。AGNのあいだのflux variabilityはだいたいup to 2桁。

  • AGN light echoeがいくつかのnon-active galaxiesですでに見つかっているらしい。(How? [OIII]の光度変動?)>詳細はHanny's voorwerpを見るとよい。

最初に発見されたHanny's Voorwerp (HsV) を持っているIC 2497のX線光度を見積もった論文。もしHanny's VoorwerpがAGNからの放射でエネルギーを得ていたとするのであれば、だいたいL2-10keV~1d44erg/s程度の光度が必要であるが、IC 2497中心のAGNは非常に弱く、だいたい~1e40erg/sていど。X線のスペクトルではFe Kα輝線も受かっておらず、吸収もほとんどない。なので、非常に深く埋もれたAGNの反射成分ではないと考えられる。HsVとIC2497の距離を考えると、IC 4297の活発なAGNは7万年前ていどにAGN活動を終えた可能性がある。

double AGNであるNGC6240を、IRCS+AO188を用いてK',L',M'バンドでimagingし、GTC/CanariCamのN band specを合わせてclumpy torus modelを適用することで、どの程度AGNの寄与があるのかを定量的に見積もった論文。

Wada2012のradiative+hydro simulationと、schartmannのtorus modelを合わせて3Dでの時間変動の絵とSEDの両方を計算できるモデルができたことを報告している論文。Introductionも勉強になる。

  • たとえば、Fig.2のように、viewing angle dependenceの時間変動も見ることができる。

  • また、Fig.12やSection 5.4.のcovering fractionの議論のように、各eddington比に対して、covering fractionの時間変動を見ることができる。やはり、low eddington側ではcovering fractionは小さくなっており、Burlon+11で示唆している結果とconsistentな描像が見られる。

  • 今後は、これを用いてAGNのnuclearな部分を観測してスペクトルをとり、starburst template or SED fitting toolと掛け合わせることで、AGN modelからはtorusの年齢が、starburst modelからnuclear SBの年齢がDavies+07のように見積もれるようになるかもしれない。そうすると、どうやってAGNがtriggerされ、gasが供給されているのかも見ることができるかもしれない。

  • caveatは、gridの分解能がやや悪いこと。典型的な近傍AGNの光度に対して、sublimation radiusが1pcと大きい。これは、gridの分解能が0.125pcと小さいことから。

SFHなどのシミュレーション論文。多くの人が引用しているから読んだが、細かいセッティングをきちんとフォローすることができなかった。。


M82 X-1のmassがだいたい400Msunと主張する論文。詳しい人にどの程度significantな結果なのかを聞きたい。


FR-II typeのjetのageをestimateする手法を紹介している (詳細はきちんと読んでいない)。だいたいt=1-100Myr scaleと幅広いが、t<100Myrで頭打ちになっているのは興味深い。AGNの寿命とどの程度coupleしているのだろう。

Order計算であれば、jetの寿命を見ることができる。たとえば、すべての銀河のうち、AGNとして確認されているのはだいたい数%であるので、大胆に1%ていどとする。銀河が、星生成を終了して死んだ銀河になるまでを寿命と言うことにすると、だいたい100億年程度の寿命といえる。なので、人生で銀河が一回AGNを体験するとすると、AGNの寿命はだいたい1億年=100Myrくらいとなる。次に、radio-loud AGNとradio-quiet AGNの個数比を比較すると、だいたい10%くらいとなるので、jetの寿命は、だいたい100Myr/10 = 10Myr程度となる。なので、上記とconsistentな結果となる。


z=0にいるhaloが、過去のmajor mergerを起こした確率をzの関数で書いてくれている。だいたいz=2くらいでほぼ100%になっている (Fig. 7-9あたり)。


VLT/SINFONIを使って、近傍AGN銀河の中心10-100pcスケールを空間的に分解して、中心の星生成活動を詳細に調べた論文。大事な結果がいくつか報告されており、

1. 中心にhalf light radius ~50pc程度の活発な星生成活動領域がある。この領域のmass surface densityは非常に大きく、10^3-10^4 Msun/pc^2に到達している。星生成密度はEddington limitである1e13 Lsun/kpc^2に達している。

2. 中心のSF ageはだいたい10-300Myrで、中心のAGN光度・Eddington比とSF ageには正の相関がある。

3. だいたいの星生成開始からAGNのtriggerまでのdelayは50-100Myr. massのoriginはAGB starが最も有力。なぜならBondi flowを仮定して、降着率は \dot{M} ∝ V^-4 (ここでVはoutflow velocity) とかけるが、AGB starは数も多く、速度も小さいため。OB型星はmass loss rateはAGB星よりも大きいものの、Vが大きくなり、それが4乗で聞くため、効率的にmassを落とせない。

2014年9月

NHBLR AGNとHBLR AGNの違いはtorusのinclination angleで起きているとするHeisler et al.1997を否定する論文。X線のNHを調べたところ、2種類のグループのNHに有意な違いは見えなかった (しかし、サンプル数は小さい)。他の要因として、host galaxyのcirrusが強い、host galaxyのinclination angleが大きいなどの、torus以外のhost galaxyの外的要因を上げている。


hidden broad lineが見つかっているtype-2 AGN 2天体 (NGC 2110, NGC 5252) に対して、polarized broad lineの時間変動(several month - yr scale) を調べた論文。両天体について、polarized broad lineの強度・スペクトルの形両方が変動していることを発見した。また、scattering regionの中心からの距離dをどうやって求めるかや、そのdがd<10pcていどであること、scattering region clumpsのスケールが<1lt-yr程度であることなども求めており、clumpy torus modelから求めるclumpと同程度のサイズであることをmentionしている。


X-ray type-1 AGN (small NH with logNH<21) かつoptically type-2 (No optical broad lines but detected as Sy with BPT diagram) である3天体 (NGC3147, NGC4698, 1ES 1927+654) に対して、optical/near-IR spec-polarimetryを行った論文。装置はKeck/LRIS。ただし、ターゲットはすべていわゆるLow-luminosity AGNといわれるものである。

結果は、Non-detection. 論文内の議論では、Non-detectionの原因として5つの可能性を考えている。そのうち大事なのは3つで
1) different obscuration in the X-ray and optical
2) low-powered AGN with weak or absence of broad line regions.

1)については、X-ray type-1 AGN (logNH<22)が必ずしもoptical type-1 AGNと同値関係にないという問題である。これは昔から言われていて、特にX線のスペクトルから求められるNHは時間によって激しく変化することから、X線の吸収体は、可視光における吸収体とは別の可能性が大いにあることは昔から言われている (reviewとしては、たとえばMaiolino & Risaliti 2007)。典型例はNGC 1365。

今回のようなX-ray unobscured & optically obscured AGNとなる可能性はありうるのかだが、optical broad linesを隠すために必要なAvはだいたいAv~11-26 (Veilleux et al.1997).つまり、Avを何かしらで求めて、broad lineを隠せるほどのcritical Avを持っているか比較すればよい。最も簡単な方法はbalmer decrementで、そこから求まるAvはAv<1.6. なので、一桁たりない。

2)これは、LLAGNになるとdisk の状態がADAFになり、充分なbroad line regionが作れなくなってしまう、という考え方。実際にADAFかどうかを確かめるためには、eddington比を調べ、それがcritical valueより低いかどうかを見れば良い。今回のターゲットはBLRが見えていないため、一般的なBH massの求め方は使えない。なので、[OIII]のline強度からBHmassを求めているようだ。その結果、これらはeddigton比が~1e-3と低く、diskがADAF状態にあることがわかる。

2014年7月

Polarized BLRが発見されている2型AGNと、それらが観測から見えていない2型AGN(NHBLR)には、intrinsicな違いが見えているのかどうかを議論した論文。velocity dispersionからBH massを求めて、これら2つのグループのeddington比や光度の分布に違いがあるのかどうかを見ている。

結果としては
  • eddington比がlogスケールで-1.9を切ると、NHBLRが増える
  • それに対応する光度が、だいたいlogL_bol = 43.9


HMXBがSFR tracerとしてどの程度使えるのかを議論した論文。Section 10の議論が好き。

L(0.5- 8 keV) erg/s = 2.61e39 SFR(Msun/yr)
と求まっている。

HMXBの場合、
  • HMXBのLFから、N_HMXB (L > 1e35 erg/s) ~ 135 SFR
  • Be/X-ray binaryの寿命は1e5 yr
  • supergiantがpairの場合のbinaryの寿命は1e4 yr
  • our galaxyではsuper giantがpairのHMXBは205ほどなので、寿命を考えるとtotalでのX線エネルギーの寄与はsupergiantは~2%とけっこう小さい。

LMXBの場合、
おそらくN_LMXBは、stellar massに依存するとかんがえられ、Gilfanov et al. (2004) によると、
N_LMXB (> 1e35 erg/s) ~ 50 * Mstellar/1e10Msun
くらい。
IMFを考えると、compact objectが生まれる割合Ncoは、
Nco ~ 5e-3 Mstellar
くらい。これらから、compact objectがLMXBとして生まれる割合fxは、1e-6くらい。





Flux limited far-infrared selected Type-2 AGNのoptical spectropolarimetryの結果を報告した論文。NHBLRは、HBLRとくらべて
1. EW([OIII])が小さい
2. f60/f25が大きい
ことを報告している。1.は観測される[OIII] emissionそのものが少ないと考えると、NHBLRではなにかしらの影響で[OIII] emissionがintrinsicに弱い、あるいは、強い吸収を受けていると考えられる。f[OIII]/f_HβもHBLRに比べて弱いことを考えると、NHBLRはopening angleの小さいトーラスを持っていて、そのような埋もれた環境下では、[OIII] emissionの起源のところが物理的にせまい、and/or トーラスの厚い壁によってトーラスの向こう側からやってくる[OIII] emissionが激しく吸収を受けているという2つが考えられる。

2. については、torus emissionが弱い and/or host galaxyの星生成由来のdust emissionが強い、という2通りが考えられる。

2型AGNは、1型AGNよりもcompanionを持つ割合が高いことを報告している論文。最初のAGN unified modelに行くまでのreviewがよい。

  • Kees 1980で、1型AGNは2型AGNよりもface-onのものが多いという報告を行った。

ALMAの高空間分解能の特徴を活かして、dark GRB host galaxiesのCO観測を行ったところ、GRB周辺ではdust放射は強いが、分子ガスはあまりいないことがわかった。今回の観測は、dark GRBの可視光のafter glowは、ダストの減光を受けることで暗いという描像とconsistentであることと、分子ガスが少ないのは非常に強いUV放射が近くであるため。それらの起源はGRBと星生成?

2014年6月

CDF-SとAEGISとC-COSMOS領域を使って、high-z universeにおけるCT AGNの探査を行った論文。CT AGNの診断の手法はX-ray specにおけるscattered componentとstrong Fe Kα lineのdetection.

XRBからBH mass densityをestimateした論文。Cosmic IR backgroundとXRBの関係も書いている。XRBから推測されるCosmic IR background from the contribution of AGNを求めたいときには読みなおすとよいかも。

2014年5月

AGNの1 keV以下には、originが不明のsoft excessがubiquitousに存在することが知られている (e.g., Walter & Fink 1993)。この起源は、1 keV周辺でO VIIやO VIIIが吸収を起こし、これのopacitiyが0.7 keV以下で急激に現象することによって、"artificial"にsoft excessが起きているのではないか、と言っている論文。

  • Introductionは、当時のsoft excessについてのよいまとめになっている。

AGNのX線光度とUV光度を同時に測定して、その相関を見てみたもの。X線でのベキΓとUV/X-ray光度比に強い相関が見える。


HSTとNACOを使って、opticalとIRにおける近傍の2型AGNの中心位置を求めた論文。opticalとIRでは約10pcほど中心位置がずれるそう。また、IR imageから、AGNの中心にはdust laneのようなものがあり、もしかしたら中心torusの代わりを充分にはたすかもしれないことを示唆している?

GTC/CanariCamを用いた初のpaper. interactiong galaxy Arp 299の両核を中間赤外線で分解し、高空間分解能観測で中心100pcにintense MIR emissionがあることを初めて言った。しかも、両核のスペクトルにはdeep silicate featureが存在し、核の中心には埋もれたAGNが存在することを示唆した。CLUMPYを使ってspectral fittingを行い、N_Hも求めており、Compton-thick AGNであるという結果も出ている。

  • deep silicate featureのfitting方法は2通り今は知られており、ひとつはLevenson et al. 2007 (spherical shell model)で、もう1つはRoche et al. 2007 (Orion model).

片方がultramassive black holeのbinary BHの場合、SMBH separationは、1 kpcから1pcまで落ちてくるのに、だいたい10 Myr程度で落ちるそう。メインの角運動量を抜く機構は、dynamical friction.

LINERや近傍AGNをHubbleの高空間分解能[OIII]撮像したものをまとめたもの。[OIII]なのでNLRをtraceすると考えられるが、それぞれfilamentやpatchyな構造が分解されていて、NLRはcontinuousなoutflow gas由来ではなく、clumpy的なoutflow gasが起源なのかも?

近傍AGNのspec-polとinclination angle情報をまとめた論文。過去にどのようにしてAGN inclination angleが求められたかなどもまとまっていて、辞書的な使い方ができそう。また、近傍AGNのPolarization観測もまとまっている。あと、様々なAGNの幾何構造から、inclination angleによってどの程度polarization degreeが変わるかも求めている。

  • Type-1 AGNはどのモデルでも基本的にはP is up to 2%。それ以上のPの値を持つものは、間接的にはAGN compact jetの存在を示唆しているのかも?

  • Type-2 AGNのPを求めるのは混沌としているようだ。torusの吸収がものすごい効く領域だし。

Swift/BAT 58 month catalogで得られたAGNサンプルをHerschelで観測した。今回は、そのうちPACS 70, 160 um観測についての結果のみのletter論文。
今までoptical selected AGNがnuclear SB vs. AGN activity relationsのメインの結果
だったが、今回、初めてX-ray selected AGNでdust absorptionやstellar contaminationの
ないサンプルに対して、Herschelである程度高空間分解能 (~6 arcsec at 70 um, ~12 arcsec at 160 um)
を達成してnuclear SB activityを見ることができた。

  • SFR_FIR vs. SFR_radio, SFR_NeII, SFR_PAH11.25umを求めている。
面白いことに、SFR_PAHはSFR_FIRとくらべて、systematicにだいたいfactor 3ていど小さい。

  • SFR_70umはSFR_160umよりfactor 2ほど大きくなる。これは、SFR_160umとくらべて、
SFR_70umはAGN heated dust emissionのcontaminationの影響が大きい可能性がある。

  • 今回のサンプルのほとんどの天体で、SF surface density > 0.1 M_sun /kpc^2 となっていた。つまり、
nuclear SB driven windを起こすのに充分なnuclear SFが(ほとんどの天体で)確認できた。

AGNの1型と2型のhost galaxiesと、neighbor environment (up to 400 kpc) には違いがありそうだ、
ということまとめた論文。


WISE selected AGN (W1-W2>0.8) をSDSSとカタログマッチさせ、r-W2のカラーでunobscuredとobscured AGNの区別をつくり、correlationを見てみたところ、obscured AGNはunobscured sourcesよりややclusteringしているようだ。

  • 利点
WISE & SDSS matchingを使うことで、大量のobscured AGNサンプルがあるところ。


Binary ULIRGsのkinematicsを見た論文。binaryのMass比を見て、mass ratioはほぼ同じくらい、
つまり、Major mergerがdominantであることを示唆。

  • ULIRG中の、近赤外線のphotospheric emissionの大部分を占めるのは、giantかred giant.
  • 近傍binary ULIRGsのseparationの平均は7.3 kpc (medianは5.4 kpc).
  • sigmaを求めて、近傍銀河のM-sigma relationを使ってMassを求めたところ、
M_BH ~ 3.9 * 10^7 M_sun
最終更新:2015年03月16日 16:52