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環境変数ガイド

このガイドではBC-250のグラフィックス設定、パフォーマンスチューニング、デバッグに必要なすべての環境変数について説明します。

⚠:重要: RADV_DEBUG は環境変数であり、カーネル引数ではありません。
カーネルパラメータ(grub、/etc/default/grubなど)には追加しないでください。
RADV_DEBUG の設定は、以下の方法でのみ可能です。
●Steam 起動オプションRADV_DEBUG=nohiz %command% 
●シェル:export RADV_DEBUG=nohiz
●起動前 /etc/environment システム全体) - アプリケーションごとのラッパー

RADV_DEBUG=nocompute

ステータス:Mesa 25.1以降では非推奨
計算キューの問題は上流で解決済みです。Mesa 25.0以前のバージョンを実行している場合のみ使用してください。

Mesa 25.1以降では、ゲームモードの安定性を高めるためにRADV_DEBUG=nohizを使用してください。
効果:BC-250の演算キューにハードウェアの問題がありグラフィックの不具合やレンダリングの問題が発生していました。この変数によりすべてのワークロードがグラフィックスキューを経由するように強制されるようになります。

Mesa 25.0以前のバージョンでのみ必要です
Mesa 25.1以降では不要です→計算キューの問題は修正済み
設定方法(旧型Mesaの場合)
# Steam launch options
RADV_DEBUG=nocompute %command%

# System-wide (add to /etc/environment)
RADV_DEBUG=nocompute

# Per-application
RADV_DEBUG=nocompute ./game

RADV_DEBUG=nohiz


目的:グラフィックの不具合を修正します
一部のゲームではnocomputeを指定してもレンダリングの問題が発生することがあります。この変数を設定すると階層型Zバッファの最適化が無効になります。

ゲームで視覚的な不具合やグリッチが発生した場合。他のRADV_DEBUGオプションと組み合わせることができます
設定方法:
# Combine multiple RADV_DEBUG flags with commas
RADV_DEBUG=nocompute,nohiz %command%

RADV(Vulkanドライバー)変数

VK_ICD_ファイル名

Vulkanドライバの場所を明示的に指定する
→一部のアプリケーション、特にSteam Big Pictureモードにおけるハードウェアアクセラレーションに必要です。
設定方法
export VK_ICD_FILENAMES=/usr/share/vulkan/icd.d/radeon_icd.x86_64.json:/usr/share/vulkan/icd.d/radeon_icd.i686.json
下記のような場合に必要です
●Steam Big Picture ハードウェアアクセラレーション利用時
●Vulkanドライバーを自動的に検出しないアプリケーション利用時
●Flatpakアプリケーション利用時(パスが異なる場合)

radv_enable_unified_heap_on_apu

目的:メモリ割り当ての問題に対する回避策
APUシステムで統合メモリヒープを有効にします。一部のゲームで発生するメモリ不足エラーの解消に役立ちます。
設定:
/etc/drirc:に追加
<driconf>
     <device>
          <application
name= "Default">
                    <option name="radv_enable_unified_heap_on_apu" value= "true"/>
          </application>
     </device>
</driconf>
下記のような場合に必要です
●メモリエラーによりゲームがクラッシュする
●アプリケーションがVRAMを正常に認識していない
●BC-250のメモリを完全にサポートする以前のMesaバージョンを利用している

AMD GPU変数

AMD_LOG_LEVEL

目的:AMDドライバーの問題のデバッグ
AMD GPUドライバーのログ出力レベルを制御する
設定値:
0 - エラーのみ
1 - 警告
2 - 情報
3 - 詳細
4 - デバッグ
使用方法:
AMD_LOG_LEVEL=4 ./application
下記のような場合に必要です
●ドライバの問題のトラブルシューティング
●ROCm/computeの問題のデバッグ
●クラッシュやフリーズの原因調査

HSA_OVERRIDE_GFX_VERSION

目的:GPUアーキテクチャの検出を上書きする
アプリケーションに対し、BC-250 (gfx1013) を別のアーキテクチャとして扱うよう強制します。
一般的な値:
10.1.0 - gfx1010(RDNA 1.0)として認識させる
10.3.0 - gfx1030(RDNA 2.0)として認識させる
使用方法:
HSA_OVERRIDE_GFX_VERSION=10.1.0 ./rocm-application
下記のような場合に必要です
●gfx1013をサポートしていない
●ROCmアプリケーション利用時
●コンピュートワークロードでのサポートが限定的である場合
●llama.cppを使用したLLM推論(成功率は限定的)
※この方法は緊急回避策的なものでシステムが不安定になる可能性があるため注意してください

LLM/Compute変数

GGML_VK_FORCE_MAX_ALLOCATION_SIZE

目的:llama.cppにおけるVulkanのメモリ割り当てサイズを制限する
単一の割り当てサイズを制限することでメモリ不足エラーを防止します。
設定:
GGML_VK_FORCE_MAX_ALLOCATION_SIZE=2000000000 # 2GBの場合
下記のような場合に必要です
●Vulkanバックエンドでllama.cppを実行する場合
●大規模モデルでメモリ不足エラーが発生する場合
●メモリ断片化の問題がある場合

パフォーマンス:
4ビット量子化された8Bモデルを約60トークン/秒で実行可能
Vulkanは12GBのVRAMのうち約10GBしか認識しない制限があります

TTMモジュール構成

目的:GPU共有メモリを制御する
TTM(Translation Table Manager)モジュールはCPUとGPU間の共有メモリを管理します。
/etc/modprobe.d/ttm-mem-limit.confを作成
options ttm pages_limit=3959290 page_pool_size=3959290
機能
●GPUで使用可能なメモリページを設定します(値は4KBページ単位)
●デフォルトでは12GBのVRAM分割でも8GBしか許可されない場合があります。
●必要に応じてRAM全体をVRAMに利用できるようにします
pages_limit を計算する:
# For 15GB available to GPU (3959290 pages × 4KB)
# (Total RAM - 1GB) / 4096 bytes per page

パフォーマンス変数

mitigations=off

タイプ:カーネル起動パラメータ(環境変数ではありません)
プロセッサのパフォーマンス向上のため、CPUのセキュリティ対策を無効にします。
設定方法:
/etc/default/grubを編集
GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT="... mitigations=off"
設定後GRUBのアップデートを実施
# Fedora/RHEL
sudo grub2-mkconfig -o /boot/grub2/grub.cfg

# Debian/Ubuntu
sudo update-grub

パフォーマンス向上
●CPU性能が5~10%向上
●特にエミュレーションやCPU負荷の高いゲームに役立ちます
セキュリティ上のトレードオフ:
●Spectre、Meltdown、およびその他の脆弱性対策を無効にします。
●信頼できる/隔離されたシステムでのみ使用してください。

Flatpak変数

FLATPAK_GL_DRIVERS

目的:Flatpakに特定のMesaドライバーを使用させる
Flatpakアプリケーションでmesa-gitドライバーを有効にします。
設定:
sudo mkdir -p /etc/systemd/system/service.d
sudo bash -c 'echo -e "[Service]\nEnvironment=FLATPAK_GL_DRIVERS=mesa-git" > /etc/systemd/system/service.d/99-flatpak-mesa-git.conf'

flatpak remote-add --if-not-exists flathub-beta https://flathub.org/beta-repo/flathub-beta.flatpakrepo
flatpak install --system flathub-beta org.freedesktop.Platform.GL.mesa-git//24.08
flatpak install --system flathub-beta org.freedesktop.Platform.GL32.mesa-git//24.08

ROCm 変数(※サポートは限定的です)

GGML_HIP_UMA

目的:HIP向けのメモリアーキテクチャを有効にする
ROCmサポート有でllama.cpp をコンパイルする際に使用します。
使用方法:
HIPCXX="$(hipconfig -l)/clang" HIP_PATH="$(hipconfig -R)" \
cmake -S . -B build \
-DLLAMA_CURL=ON \
-DGGML_HIP=ON \
-DAMDGPU_TARGETS=gfx1013 \
-DCMAKE_BUILD_TYPE=Release \
-DCMAKE_HIP_COMPILER_ROCM_ROOT=/usr \
-DGGML_HIP_UMA=ON

現在のサポート状況:
●BC-250におけるROCmのサポートは非​​常に限られています。
●rocBLAS に gfx1013 バイナリがありません (TensileLibrary_lazy_gfx1013.dat)
●回避策では意味不明な出力が生成される
●代わりにVulkanバックエンドの使用をお勧めします

変数の設定

ゲーム単位(Steam)

ゲームを右クリック > プロパティ > 起動オプション
RADV_DEBUG=nocompute %command%
RADV_DEBUG=nocompute,nohiz DXVK_HUD=fps %command%

システム全体(すべてのアプリケーション)

/etc/environmentを編集
RADV_DEBUG=nocompute
VK_ICD_FILENAMES=/usr/share/vulkan/icd.d/radeon_icd.x86_64.json:/usr/share/vulkan/icd.d/radeon_icd.i686.json

セッション単位(端末)

export RADV_DEBUG=nocompute
export AMD_LOG_LEVEL=2
./your-application

systemdサービスファイル

ゲームサーバーなどのサービスの場合:
[Service]
Environment="RADV_DEBUG=nocompute"
Environment="VK_ICD_FILENAMES=/usr/share/vulkan/icd.d/radeon_icd.x86_64.json"

Proton/Wine変数

DXVK_HUD¶

目的:DXVKのパフォーマンスオーバーレイを表示する
DXVK_HUD=fps,gpu,cpu %command%

PROTON_LOG¶

目的:Protonのデバッグログを有効にする
PROTON_LOG=1%command%

PROTON_USE_WINED3D¶

目的:Vulkanの代わりにOpenGLを使用する
Vulkanに問題が発生した場合の代替手段:
PROTON_USE_WINED3D=1 %command%

OpenCL変数

RUSTICL_ENABLE

目的:RusticlのOpenCLを有効にする
RUSTICL_ENABLE=radeonsi
※BC-250におけるOpenCLのサポートは限定的です。GPUがGPUデバイスとして認識されない場合があります。

ゲーミング環境の構築例

Steamゲームの推奨起動オプション(Mesa 25.1以降)
RADV_DEBUG=nohiz mangohud %command%
さらにデバッグを行う場合(Mesa 25.1未満のみ — 25.1以降ではnocomputeは不要)
RADV_DEBUG=nohiz DXVK_HUD=fps,gpu MANGOHUD=1 %command%

環境変数の優先順位

変数は以下の順序で適用されます(後ろの方の設定が優先されます)
1.システム全体 /etc/environment
2.ユーザープロファイル~/.profile または~/.bashrc
3.systemd サービスファイル
4.Steam 起動オプション
5.直接コマンドライン VARIABLE=value ./app

検証

変数が設定されているか確認します
# Show all environment variables
env | grep -i radv
env | grep -i amd

# Test Vulkan
vulkaninfo | grep -i "device name"

# Check if driver found
glxinfo | grep -i "opengl renderer"

Mesa 25.1 以降の変更点

Mesa 25.1 以降では:
RADV_DEBUG=nocomputeは不要になる可能性があります(計算キューはデフォルトで無効化されています)
まず、この変数を指定せずにテストを行ってください
問題が解決しない場合は、再度有効にしてください
Mesa MR #33116 を確認してください

トラブルシューティング

ゲームがGPUを認識しない

下記を確認
VK_ICD_FILENAMES=/usr/share/vulkan/icd.d/radeon_icd.x86_64.json vulkaninfo

上記実施後もアーティファクトが発生する場合

|RADV_DEBUG=nocompute,nohiz %command%

メモリエラーが発生する場合

/etc/drircに以下を追加:
<option name="radv_enable_unified_heap_on_apu" value="true" />

ROCm が動作しない

ROCm のサポートは実験的であり非常に限定的です。代わりにVulkanを使用してください。

関連設定ファイル

/etc/environment システム全体の変数
/etc/drirc Mesaドライバーの設定
/etc/modprobe.d/ カーネルモジュールオプション
~/.bashrc ユーザー環境変数
~/.config/MangoHud/MangoHud.conf MangoHudの設定

要約

変数 目的 必須
RADV_DEBUG=nocompute 計算キューの修正 必要(Mesa 25.1以前) nocompute
RADV_DEBUG=nohiz グラフィック問題の修正 必要に応じて nohiz
VK_ICD_FILENAMES Vulkanドライバーパスの修正 Steam Big Pictureの場合 上記参照
AMD_LOG_LEVEL デバッグログ デバッグ専用 0-4
HSA_OVERRIDE_GFX_VERSION ROCm互換 ROCmのみ {10.1.0
GGML_VK_FORCE_MAX_ALLOCATION_SIZE llama.cppメモリ LLM推論 2000000000
mitigations=off CPUパフォーマンス オプション カーネルパラメータ

その他

1.Mesa 25.1以降ではRADV_DEBUG=nohiz(nocomputeは不要になりました)のみから始めてください
2.特定の問題で必要な場合にのみ変数を追加してください
3.テストでは一度に1つの変数のみを変更してください
4.ゲームごとの動作設定を記録しておいてください
5.Mesa 25.1以降にアップグレードした場合はRADV_DEBUG=nocomputeを削除してください
6.可能な限りシステム全体の設定ではなくSteamのゲームごとの設定を使用してください

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最終更新:2026年05月28日 13:08