チェンジ・ロワイアル@ ウィキ
うろ覚えでも思い出したいDIO様と奇妙な獣
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匿名ユーザー
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杉元佐一とDIOの戦いの余波で炎が燃え広がっていく島の南西に位置する森、
DIOはそこから脱出するべく森の中の道路の交差点を西(彼が進んできた方向から左)に曲がった。
そのために進む距離はそれほど長くなく、移動時間も短く済んだ。
DIOはそこから脱出するべく森の中の道路の交差点を西(彼が進んできた方向から左)に曲がった。
そのために進む距離はそれほど長くなく、移動時間も短く済んだ。
(………この森はもう終わりだな)
後ろを振り返ってみれば、森からは大量の煙が立ち昇っている様子が見える。
DIOが移動している間も炎はどんどん燃え広がっていた。
消火設備の無いこの島では、これを止めることはできないだろう。
DIOは別に自然に対する保護意識といったものはこれっぽちも無いため、森が燃えていることに対して特に関心はない。
せいぜい逃げ遅れた者は炎に耐性でもない限り死ぬしかないなと思うだけである。
その場合だと自分が手を下す手間が省けたと言えるが、奪えるはずの支給品が燃える可能性もある。
もしそうなっていたら多少は残念だとも思うが大した問題ではない。
これ以上森に対して気に掛ける必要はないだろう。
DIOが移動している間も炎はどんどん燃え広がっていた。
消火設備の無いこの島では、これを止めることはできないだろう。
DIOは別に自然に対する保護意識といったものはこれっぽちも無いため、森が燃えていることに対して特に関心はない。
せいぜい逃げ遅れた者は炎に耐性でもない限り死ぬしかないなと思うだけである。
その場合だと自分が手を下す手間が省けたと言えるが、奪えるはずの支給品が燃える可能性もある。
もしそうなっていたら多少は残念だとも思うが大した問題ではない。
これ以上森に対して気に掛ける必要はないだろう。
DIOは先ほどから考えていた通り、杉元含む他の参加者の捜索のために炎を背に向けて歩き出した。
◆
(ここは…だいたいG-2の辺りか)
DIOは地図を見ながら自分の現在地について予測を立てる。
森の中から道路に沿って歩いていたDIOは、その道路の曲がり角の付近に差し掛かった。
DIOは元々この戦いを島の南にある広い砂浜からスタートしており、そこから道路に沿って森の中を通過し、現在の場所まで来た。
そのため地図から現在地を予測することは容易であった。
森の中から道路に沿って歩いていたDIOは、その道路の曲がり角の付近に差し掛かった。
DIOは元々この戦いを島の南にある広い砂浜からスタートしており、そこから道路に沿って森の中を通過し、現在の場所まで来た。
そのため地図から現在地を予測することは容易であった。
地図を見てみると、曲がり角を曲がったその先には街があることが分かる。
建物が多い街には人が集まる可能性が高い。
取り逃がした杉元がそこに向かうことや、ヴァニラ・アイスがいることも考えられる。
DIOにとって良い結果になるか、それとも悪い結果になるか、どちらにしても行くだけの価値はあるだろう。
建物が多い街には人が集まる可能性が高い。
取り逃がした杉元がそこに向かうことや、ヴァニラ・アイスがいることも考えられる。
DIOにとって良い結果になるか、それとも悪い結果になるか、どちらにしても行くだけの価値はあるだろう。
DIOはそんなことを考えながらそのまま道路を曲がっていった。
……が、曲がった直後で彼は足を止めた。
……が、曲がった直後で彼は足を止めた。
(……何かいるな)
道路の先に視線を向けるとその上に何者かがいるのが見えた。
DIOはそれが一体誰であるのかを確かめるために目を凝らす。
DIOはそれが一体誰であるのかを確かめるために目を凝らす。
(………あれは猿か?種類はオランウータンのように見えるな)
(しかしあの顔…どこかで見たか?)
そこにいたのは一匹のオランウータンであった。
そして、DIOがそのオランウータンの顔を見た時、謎の既視感があった。
どこか不思議な気分になりながらも、とりあえずDIOはオランウータンの様子を観察する。
そして、DIOがそのオランウータンの顔を見た時、謎の既視感があった。
どこか不思議な気分になりながらも、とりあえずDIOはオランウータンの様子を観察する。
(あのオランウータンの首輪、そしてデイパック…奴も参加者のようだな)
オランウータンは道路沿いに設置された電灯を背もたれに座っていた。
手には本を持っており彼の目線はそちらの方に向き、DIOがいることには気づいていない様子であった。
手には本を持っており彼の目線はそちらの方に向き、DIOがいることには気づいていない様子であった。
彼が読んでいるものは漫画のようであった(表紙には女性が一人描かれている)。
彼の隣にはデイパックが開けっ放しの状態で置かれていた。
そして、彼の周りには様々な支給品と思われるものが散らばっていた。
彼の隣にはデイパックが開けっ放しの状態で置かれていた。
そして、彼の周りには様々な支給品と思われるものが散らばっていた。
手に持っている漫画の別巻と思われるものが数十冊(これらの表紙にも同じ女性が描かれている)、
分厚い辞書と思われる書物、
プロフィール書類や名簿、地図といった紙類の物、
中身がまだ残っているだろうに倒れていたりひっくり返った状態にあるペットボトルやコンビニ弁当、
分厚い辞書と思われる書物、
プロフィール書類や名簿、地図といった紙類の物、
中身がまだ残っているだろうに倒れていたりひっくり返った状態にあるペットボトルやコンビニ弁当、
どうやらこのオランウータンは、デイパックの中身をとりあえずひっくり返してぶちまけたようであった。
(一体どんな奴が畜生の体を与えられたかと思ったが…たいした者ではなさそうだな)
オランウータンの動きを見てDIOはそう判断する。
本を読んでいることから一応知性があることは見て取れる。
けれども、こうして周りを散らかし、こんなところでのんきに漫画を読んでいるという点から自分の状況を分かってないように思える。
少なくとも、空条承太郎やヴァニラ・アイスではないだろう。
そう判断したDIOは次の行動に移るべくオランウータンの方へと近づいていった。
本を読んでいることから一応知性があることは見て取れる。
けれども、こうして周りを散らかし、こんなところでのんきに漫画を読んでいるという点から自分の状況を分かってないように思える。
少なくとも、空条承太郎やヴァニラ・アイスではないだろう。
そう判断したDIOは次の行動に移るべくオランウータンの方へと近づいていった。
◆
DIOはオランウータンの方へゆっくりと近づき、即座にスタンドを発動させ、その拳を相手の方へ向けて放つ。
杉元を相手した時のように、空条承太郎とヴァニラ・アイスの名前を出して反応を伺うことも考えた。
しかし、彼がいつからここに居たかは知らないが、こんなところで1人(1匹?)漫画を読んでいるような者が誰かに出会えるとは考えにくい。
それに、オランウータンの体では言葉を発することもできないだろう。
よって、今回は相手の情報には期待せず、ただ殺害するだけと決めた。
杉元を相手した時のように不意打ちも避けられ、逆に自分が傷を負うことになるのはDIOとしても避けたいところであった。
しかし、彼がいつからここに居たかは知らないが、こんなところで1人(1匹?)漫画を読んでいるような者が誰かに出会えるとは考えにくい。
それに、オランウータンの体では言葉を発することもできないだろう。
よって、今回は相手の情報には期待せず、ただ殺害するだけと決めた。
杉元を相手した時のように不意打ちも避けられ、逆に自分が傷を負うことになるのはDIOとしても避けたいところであった。
だが、そんなDIOに対してオランウータンがとった行動は彼にとって想像外のものであった。
「ウキャアア!!」
どこからともなく突然、漫画を読んでいるオランウータンとは別のオランウータンが現れた。
第2のオランウータンは先ほどからいた方のオランウータンの隣に突然現れたように見えた。
2匹のオランウータンは、瓜二つの容姿をしていた。
第2のオランウータンは先ほどからいた方のオランウータンの隣に突然現れたように見えた。
2匹のオランウータンは、瓜二つの容姿をしていた。
「何ッ!?」
DIOが放ったザ・ワールドの拳は止まらずに突如現れたもう1匹の方へと向かっていく。
それに対してオランウータンは落ちていた辞書を拾い上げ、それを盾のように構えて拳を迎え撃つ。
それに対してオランウータンは落ちていた辞書を拾い上げ、それを盾のように構えて拳を迎え撃つ。
「「ウキャアアアアア!!」」
オランウータンの目論見通りか、辞書はスタンドの拳をギリギリで防ぐことに成功した。
…だが、ザ・ワールドのパワーは凄まじく、辞書で受け止めたからとはいえ勢いを失くすことはできなかった。
そして発生した衝撃により、オランウータンたちは後方に吹き飛ばされていった。
…だが、ザ・ワールドのパワーは凄まじく、辞書で受け止めたからとはいえ勢いを失くすことはできなかった。
そして発生した衝撃により、オランウータンたちは後方に吹き飛ばされていった。
◇
(何だ今のは?オランウータンが分身しただと?)
突如発生した予想だにしない出来事により、DIOの中に困惑の二文字が生じる。
一方オランウータンの方は吹き飛ばされた先の方で仰向けに倒れていた。
先ほど出したもう1匹の方は先ほどの攻撃の影響で消えたようであった。
今のままでは彼もすぐ反撃することはできないだろう。
一方オランウータンの方は吹き飛ばされた先の方で仰向けに倒れていた。
先ほど出したもう1匹の方は先ほどの攻撃の影響で消えたようであった。
今のままでは彼もすぐ反撃することはできないだろう。
(……どうやら、これを確かめる必要があるようだな)
DIOはコンクリートの道路に落ちていたオランウータンの身体のプロフィール書類を拾い上げた。
何故いきなり相手が分身したのか、その理由を知るためには書類を読みその身体にどんな能力があるのかを確認するのが手っ取り早い。
持ち主であるオランウータン本人を遠くに吹き飛ばされた今こそが書類を読むチャンスであった。
何故いきなり相手が分身したのか、その理由を知るためには書類を読みその身体にどんな能力があるのかを確認するのが手っ取り早い。
持ち主であるオランウータン本人を遠くに吹き飛ばされた今こそが書類を読むチャンスであった。
そして、その中身を読んでみて唯一解消できた疑問は、自分が何故相手の姿に既視感を抱いたかということであった。
(『力(ストレングス)』の暗示を持つオランウータンのスタンド使い、か。…そういえば、確かにそんな奴もいたな)
プロフィールを読んだことで、DIOは相手がかつてエンヤ婆が自分のためにジョースター一行への刺客として放ったスタンド使いの1人(1匹)であることにようやく気づいた。
その名前がフォーエバーであることや、能力は巨大な貨物船を操ることなどといったことも思い出せた。
DIOにとってフォーエバーとは数十日も前に彼の役にも立たずに敗れ、そして死んでいった者であったため、書類を読むまで思い出せなかったのも無理はないであろう。
その名前がフォーエバーであることや、能力は巨大な貨物船を操ることなどといったことも思い出せた。
DIOにとってフォーエバーとは数十日も前に彼の役にも立たずに敗れ、そして死んでいった者であったため、書類を読むまで思い出せなかったのも無理はないであろう。
だが、これらの情報は相手が分身したことへの説明にはならない。
フォーエバーには船を操る能力は有っても分身する能力なんて無いのだ。
フォーエバーには船を操る能力は有っても分身する能力なんて無いのだ。
(…ならば、今のスタンドのように分身を出すのは奴自身の能力ということか?)
当然、このように考えるのが自然となる。
DIOもまた、精神由来の能力であるザ・ワールドをこの場で使えるようになっている。
オランウータンの精神となっている何者かも同じように精神由来の分身能力を持っているのではないかとDIOは考えていた。
DIOもまた、精神由来の能力であるザ・ワールドをこの場で使えるようになっている。
オランウータンの精神となっている何者かも同じように精神由来の分身能力を持っているのではないかとDIOは考えていた。
(ならば、奴の能力で何匹まで分身できる?)
DIOは相手の能力が分身だと仮定したまま警戒を強める。
そして、その能力がどれだけ分身を生み出せるかにより相手の脅威度も変わる。
DIO自身が時間停止できないという点から相手も能力が弱体化している可能性も考えられるが、どちらにしろ分からないことが多い今は警戒するに越したことはない。
そんな風に考えながら、DIOは相手の様子をうかがっていた。
そして、その能力がどれだけ分身を生み出せるかにより相手の脅威度も変わる。
DIO自身が時間停止できないという点から相手も能力が弱体化している可能性も考えられるが、どちらにしろ分からないことが多い今は警戒するに越したことはない。
そんな風に考えながら、DIOは相手の様子をうかがっていた。
DIOがそのように考えを巡らしている間に、オランウータンの方はようやく起き上がることができていた。
ふらついた状態ではあるが、何とかして立ち上がっていた。
ふらついた状態ではあるが、何とかして立ち上がっていた。
◇
「さあ、来るがよい!」
DIOはそんなオランウータンたちから目を離さずに、次にとる行動を待つ。
だが、彼らがとった行動はDIOが思っていたものとは全く別のものであった。
だが、彼らがとった行動はDIOが思っていたものとは全く別のものであった。
「……貴様、何をしている?」
オランウータンは手に先ほどザ・ワールドの拳を防いだ辞書を持ち、ページを開く。
そして、その中身をDIOに見せつけるように前に突き出した。
意気揚々と迎え撃つつもりだったDIOもこの行動にはあっけにとられる。
そんなことも気にせず、オランウータンは辞書の中にある単語を指さす。(ちなみに、辞書は英和辞典である)
そして、その中身をDIOに見せつけるように前に突き出した。
意気揚々と迎え撃つつもりだったDIOもこの行動にはあっけにとられる。
そんなことも気にせず、オランウータンは辞書の中にある単語を指さす。(ちなみに、辞書は英和辞典である)
DIOはザ・ワールドの目を凝らして相手が指さす単語を読み取る。
(何かを伝えようとしている?)
オランウータンが指さす単語は一つだけでなく、いくつかの単語を組み合わせて文を作ろうとしているようであった。
動物の身体ならば喋れないのは仕方ない、情報を伝える手段も限られるだろう。
DIOはとりあえず警戒はしたまま相手が文を作るのを待った。
※ここから先、英和辞典への指差しで作られた文は『』内で日本語で表現されることとなります。
動物の身体ならば喋れないのは仕方ない、情報を伝える手段も限られるだろう。
DIOはとりあえず警戒はしたまま相手が文を作るのを待った。
※ここから先、英和辞典への指差しで作られた文は『』内で日本語で表現されることとなります。
『私はあなたの味方です』
「何だと?」
『協力させてください』
まさかの申し出にDIOは驚く。
自分の方から攻撃した相手が敵意や殺意を抱くのではなく、このような提案が出てくるのは全くの予想外であった。
自分の方から攻撃した相手が敵意や殺意を抱くのではなく、このような提案が出てくるのは全くの予想外であった。
「貴様…それは私が何者かを知ってのことか?」
DIOは怒気を僅かに含ませた声で尋ねる。
この時点では相手が伝えたことは命乞いのはったりの可能性を考えていた。
そんなDIOの質問に対しオランウータンは辞書から単語を一つ指差す。
この時点では相手が伝えたことは命乞いのはったりの可能性を考えていた。
そんなDIOの質問に対しオランウータンは辞書から単語を一つ指差す。
『Yes』
それは肯定を意思を示していた。
「ほう…ならば当てて見せよ」
DIOは足下に落ちていた相手の分の名簿を拾い上げ、それを投げてよこす。
オランウータンもまたDIOの意図を察し、ひらひらと自分の方へ飛んできたその名簿を受け取る。
そして、その中から一つの名前を指さした。
その名前は『DIO』であった。
オランウータンもまたDIOの意図を察し、ひらひらと自分の方へ飛んできたその名簿を受け取る。
そして、その中から一つの名前を指さした。
その名前は『DIO』であった。
(命乞いのために適当なことを言っているわけではない…か。いや、『言って』はないな)
オランウータンはDIOのことを知っているようであった。
60人いる参加者の中からすぐに的確に当てたため、ちゃんと相手がDIOだと気づいた上で行っているのだろう。
気付く要因となったのはスタンドのザ・ワールドを見たことと考えられる。
そうでなければジョナサンの姿をしたDIOをDIOだと認識することは難しいだろう。
分身(?)能力もスタンド能力によるものだと考えれば精神由来の力として説明がつく。
60人いる参加者の中からすぐに的確に当てたため、ちゃんと相手がDIOだと気づいた上で行っているのだろう。
気付く要因となったのはスタンドのザ・ワールドを見たことと考えられる。
そうでなければジョナサンの姿をしたDIOをDIOだと認識することは難しいだろう。
分身(?)能力もスタンド能力によるものだと考えれば精神由来の力として説明がつく。
「貴様は何を企んでいる?」
しかし、そういったことが分かったからと言って、簡単に相手を信じるようなことはできない。
最初に攻撃を仕掛けたのは自分であるが、その後に協力するという申し出をするのはやはり不可解であった。
最初に攻撃を仕掛けたのは自分であるが、その後に協力するという申し出をするのはやはり不可解であった。
『私はあなたの部下です。協力するのは当然のことです』
「……どういうことだ?」
また、新たな謎が増えた。
この殺し合いの場においてDIOの部下はヴァニラ・アイスただ1人だけのはずである。
だいたいヴァニラが持つ能力はクリームというスタンドであり分身能力ではない。
それにヴァニラがオランウータンの身体になったからといってこれまでのような行動をとるはずがない。
そもそもDIOは分身能力を持つ部下がいたなどという記憶はない。
相手の身体であるフォーエバーはDIOの部下であったかもしれないが、それを理由にそうと名乗るとも思えない。
この殺し合いの場においてDIOの部下はヴァニラ・アイスただ1人だけのはずである。
だいたいヴァニラが持つ能力はクリームというスタンドであり分身能力ではない。
それにヴァニラがオランウータンの身体になったからといってこれまでのような行動をとるはずがない。
そもそもDIOは分身能力を持つ部下がいたなどという記憶はない。
相手の身体であるフォーエバーはDIOの部下であったかもしれないが、それを理由にそうと名乗るとも思えない。
「貴様は何者だ」
当然、DIOもこのように質問をすることとなる。
それに答えるためにオランウータンは名簿の中から一つの名前を指さす。
その名前は『貨物船』であった。
それに答えるためにオランウータンは名簿の中から一つの名前を指さす。
その名前は『貨物船』であった。
「……………貴様、ふざけているのか?」
『No』
貨物船は否定の意思を示す。
DIOの中で疑問点がさらに増えていく。
その名前は明らかに人名としておかしいものであったため、最初に名簿を見た時はスルーしていたものだった。
しかしここで、それが自分の名前であると示す者が現れた。
さすがのDIOでもここまで奇妙な参加者に出会うことになるとは思っていなかった。
その名前は明らかに人名としておかしいものであったため、最初に名簿を見た時はスルーしていたものだった。
しかしここで、それが自分の名前であると示す者が現れた。
さすがのDIOでもここまで奇妙な参加者に出会うことになるとは思っていなかった。
◇
(何なのだこいつは…。やはり殺すべきか?)
DIOに貨物船なんて名前の分身能力を持つ部下がいた記憶はない。
ザ・ワールドのスタンドの像を知っていることも不可解である。
覚えていなかっただけで一応末端の部下であり、貨物船は殺し屋としての通り名とかそんなものなのかもしれない。
それでもやはり、こちらが全く知らないのに部下を名乗ることの怪しさの方が勝っている。
本来なら今のうちに殺してしまった方が正解なのだろう。
ザ・ワールドのスタンドの像を知っていることも不可解である。
覚えていなかっただけで一応末端の部下であり、貨物船は殺し屋としての通り名とかそんなものなのかもしれない。
それでもやはり、こちらが全く知らないのに部下を名乗ることの怪しさの方が勝っている。
本来なら今のうちに殺してしまった方が正解なのだろう。
(だが、こいつの能力は使えるか?)
目の前にいる相手は怪しさ満点だがスタンドと思わしき能力を持っている。
そんな彼は自分の方から協力を申し出ている。
ひょっとしたら殺し合いにおいても何か役に立つ可能性もある。
そんな彼は自分の方から協力を申し出ている。
ひょっとしたら殺し合いにおいても何か役に立つ可能性もある。
「貴様は本気でこのDIOに従うつもりがあるのか?」
「ウホッ!」
『Yes』
『Yes』
「このDIOのために命をかける覚悟があるのか?」
「ウヘッ!」
『Yes』
『Yes』
「このDIOが死ねと命じればすぐに命を捨てられるか?」
「ウハッ!」
『Yes』
『Yes』
問答をいくつか繰り返した結果、言葉だけなら一応忠誠心があるように感じられる。
だがそれだけではまだ、DIOの信用を得るためには全然足りない。
だがそれだけではまだ、DIOの信用を得るためには全然足りない。
「念のため、何か行動で示してもらおうか」
「ウキッ!」
『分かりました。私の支給品を全て差し上げます』
『分かりました。私の支給品を全て差し上げます』
「ふむ………」
DIOは貨物船の分のデイパックを拾う。
漫画本はかなりの数があるがその表紙からそれらがセットで一つの支給品とされていることが推測できる。
相手が持っている辞書と合わせて現在判明している貨物船の支給品は二つ、つまり相手の支給品はまだ一つ残っている可能性が考えられる。
貨物船もそれを分かっていたために支給品を渡すと宣言した。
漫画本はかなりの数があるがその表紙からそれらがセットで一つの支給品とされていることが推測できる。
相手が持っている辞書と合わせて現在判明している貨物船の支給品は二つ、つまり相手の支給品はまだ一つ残っている可能性が考えられる。
貨物船もそれを分かっていたために支給品を渡すと宣言した。
「だが、これだけじゃあまだ足りんな」
支給品は受け取ったが、それで完全に忠誠心があることを証明できたとは言い難い。
だからと言って、貨物船に他に何かができるかというとそれも少ない。
ならばここはDIOの方から貨物船を試すまでだ。
だからと言って、貨物船に他に何かができるかというとそれも少ない。
ならばここはDIOの方から貨物船を試すまでだ。
「これを飲んでもらおうか」
そう言ってDIOは自分のデイパックからワイン瓶を一本取り出した。
ザ・ワールドを用いてその瓶のコルク栓を抜く。
中のワインをグラスに注ぎ、少し離れた貨物船にも届く場所に置く。
ザ・ワールドを用いてその瓶のコルク栓を抜く。
中のワインをグラスに注ぎ、少し離れた貨物船にも届く場所に置く。
「ウホォ?」
貨物船は不思議に思いながらもグラスを持ち口を付ける。
貨物船はそのままワインを一気に飲み干す。
貨物船はそのままワインを一気に飲み干す。
「ゲフッ」
「ほう…文句も無しに飲むとは。忠誠心はこれで良しとしてやろう」
DIOはそのことを確認するとかすかに笑い、静かに告げる。
「言い忘れたがそのワインには特殊な毒が入っている。合図一つで理性を失う化け物になり、やがては死に至る毒だ」
「ウキャア!?」
貨物船もこれには驚きの声を上げる。
「そうならないためにも私に逆らうようなことは絶対にしないことだ」
「ウキッ!」
『私は絶対に裏切りません』
『私は絶対に裏切りません』
「まあ、毒については心配する必要は無い。貴様が私の信頼を得られればすぐにでも解毒剤を渡そう。それまでしっかりと働いてもらうぞ」
「ウキィ?」
「だが、もしこのDIOを満足させる働きができなければ…裏切るような真似をしたら…その時は分かっているな?」
「ウキッ!!」
貨物船は敬礼のポーズをとる。
それが脅迫の効果があったものによるかは不明だが、とりあえずはこれでよしとした。
それが脅迫の効果があったものによるかは不明だが、とりあえずはこれでよしとした。
◇
ちなみに、DIOがしたワインについての説明には嘘が含まれている。
確かにそのワインは合図一つで理性を失い化け物になる代物なのは確かなことだ。
だがその効果が出るのは全ての生物に対してでは無い。
エルディア人という特殊な人種にしか効かない。
解毒剤なんてものも存在しない。
合図をする人物もジーク・イェーガーというたった一人のエルディア人にのみ限られる。
しかし今回はその効果が出る必要は無い。
ある程度脅しの効果があればそれで十分だと判断している。
確かにそのワインは合図一つで理性を失い化け物になる代物なのは確かなことだ。
だがその効果が出るのは全ての生物に対してでは無い。
エルディア人という特殊な人種にしか効かない。
解毒剤なんてものも存在しない。
合図をする人物もジーク・イェーガーというたった一人のエルディア人にのみ限られる。
しかし今回はその効果が出る必要は無い。
ある程度脅しの効果があればそれで十分だと判断している。
◆
DIOはまだ貨物船を完全に信用したわけではない。
ヴァニラ・アイスほどの忠誠心があるかどうかもここではすぐに確かめることはできない。
けれどもDIOは一先ず、脅迫も効いているものとし、貨物船を名乗る謎のオランウータンを自分の味方とすることにした。
奇妙な巡り合わせだが、これもまた運命というものであろう。
ヴァニラ・アイスほどの忠誠心があるかどうかもここではすぐに確かめることはできない。
けれどもDIOは一先ず、脅迫も効いているものとし、貨物船を名乗る謎のオランウータンを自分の味方とすることにした。
奇妙な巡り合わせだが、これもまた運命というものであろう。
(この貨物船とやらはまだ何かを隠しているかもしれない。ワインで縛るのも何時かは無理が来るだろう。だが、何を考えていようと問題ない)
DIOが貨物船の仲間入りを認めたのはあくまでも利用するため。
そこに情なんてものは存在しない。
最終的に殺すことにも変わりはない。
本当に従うつもりがあるのならばとことん使いつぶすまでである。
そこに情なんてものは存在しない。
最終的に殺すことにも変わりはない。
本当に従うつもりがあるのならばとことん使いつぶすまでである。
◇
新たな出発が始まる前に、DIOは地面に落ちているとある物を指さしながら一言付け加えた。
「ああ…それとこの漫画は置いていくぞ。戦いには邪魔だからな」
「ウキャ!?」
貨物船はこの時、ワインを飲まされた時よりも悲しそうな顔を見せた。
【F-2とG-2の境目付近 道路/黎明】
【DIO@ジョジョの奇妙な冒険】
[身体]:ジョナサン・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険
[状態]:両腕火傷、疲労(小)、火に対する忌避感、困惑気味
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ジークの脊髄液入りのワイン@進撃の巨人、ランダム支給品×0~3(確認済)
[思考・状況]基本方針:勝利して支配する
1:貨物船を従えておく。
2:貨物船が裏切るような真似をしたら殺す。
3:役立たないと判断した場合も殺す。
4:何故そこで悲しそうな顔をする?
5:百年ぶりの日光浴にほんのちょっぴりだけ興味。
6:元の身体はともかく、石仮面で人間はやめておきたい。
7:スギモトは放っておいてもいいだろうが、見つければとどめを刺す。
8:アイスがいるではないか……探す。
9:承太郎と会えば時を止められるだろうが、今向かうべきではない。
10:ジョースターの肉体にを持つ参加者に警戒。
[備考]
※参戦時期は承太郎との戦いでハイになる前。
※ザ・ワールドは出せますが時間停止は出来ません。
ただし、スタンドの影響でジョナサンの『ザ・パッション』が使える か も。
※肉体、及び服装はディオ戦の時のジョナサンです。
※スタンドは他人にも可視可能で、スタンド以外の干渉も受けます。
※ジョナサンの肉体なので波紋は使えますが、肝心の呼吸法を理解していません。
が、身体が覚えてるのでもしかしたら簡単なものぐらいならできるかもしれません。
※肉体の波長は近くなければ何処かにいる程度にしか認識できません。
※貨物船の能力を分身だと考えています。
[身体]:ジョナサン・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険
[状態]:両腕火傷、疲労(小)、火に対する忌避感、困惑気味
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ジークの脊髄液入りのワイン@進撃の巨人、ランダム支給品×0~3(確認済)
[思考・状況]基本方針:勝利して支配する
1:貨物船を従えておく。
2:貨物船が裏切るような真似をしたら殺す。
3:役立たないと判断した場合も殺す。
4:何故そこで悲しそうな顔をする?
5:百年ぶりの日光浴にほんのちょっぴりだけ興味。
6:元の身体はともかく、石仮面で人間はやめておきたい。
7:スギモトは放っておいてもいいだろうが、見つければとどめを刺す。
8:アイスがいるではないか……探す。
9:承太郎と会えば時を止められるだろうが、今向かうべきではない。
10:ジョースターの肉体にを持つ参加者に警戒。
[備考]
※参戦時期は承太郎との戦いでハイになる前。
※ザ・ワールドは出せますが時間停止は出来ません。
ただし、スタンドの影響でジョナサンの『ザ・パッション』が使える か も。
※肉体、及び服装はディオ戦の時のジョナサンです。
※スタンドは他人にも可視可能で、スタンド以外の干渉も受けます。
※ジョナサンの肉体なので波紋は使えますが、肝心の呼吸法を理解していません。
が、身体が覚えてるのでもしかしたら簡単なものぐらいならできるかもしれません。
※肉体の波長は近くなければ何処かにいる程度にしか認識できません。
※貨物船の能力を分身だと考えています。
【貨物船@うろ覚えで振り返る承太郎の奇妙な冒険】
[身体]:フォーエバー@ジョジョの奇妙な冒険
[状態]:健康、ダメージ(中)、ジークの脊髄液入りのワインを摂取、酒酔い
[装備]:英和辞典@現実
[道具]:基本支給品、ワイングラス
[思考・状況]基本方針:DIOのためになるように行動
1:DIOと共に行動。
2:漫画を置いて行ってしまうのが少し残念。
[備考]
[身体]:フォーエバー@ジョジョの奇妙な冒険
[状態]:健康、ダメージ(中)、ジークの脊髄液入りのワインを摂取、酒酔い
[装備]:英和辞典@現実
[道具]:基本支給品、ワイングラス
[思考・状況]基本方針:DIOのためになるように行動
1:DIOと共に行動。
2:漫画を置いて行ってしまうのが少し残念。
[備考]
- スタンドの像はフォーエバーのものとそっくりな姿になっています。
- 一応知性はあるようです。
- DIOがした嘘のワインの説明を信じています。
※G-2部分の森は火が全体に燃え広がりました。
※G-3部分の森も今もなお火は燃え広がり続けています。
※G-4の辺りの森にも燃え移りそうです。
※G-3部分の森も今もなお火は燃え広がり続けています。
※G-4の辺りの森にも燃え移りそうです。
※『ふたりエッチ62冊@斉木楠雄のΨ難』がG-2の道路に放置されています。
【ふたりエッチ62冊@斉木楠雄のΨ難】
原作の第230χ(斉木楠雄のΨ難では話数をχで表す)に一コマだけ登場した漫画セット。
同名の漫画は現実にも存在するが、ここで支給されているものは鳥束零太の私物のため斉木楠雄のΨ難からの出典となっている。
原作においては断食修行をやらされることになった鳥束がこっそり持ち込もうとしたが見つかって没収されるという形で登場。
アニメ版では単なるエロ本に変更された。
原作の第230χ(斉木楠雄のΨ難では話数をχで表す)に一コマだけ登場した漫画セット。
同名の漫画は現実にも存在するが、ここで支給されているものは鳥束零太の私物のため斉木楠雄のΨ難からの出典となっている。
原作においては断食修行をやらされることになった鳥束がこっそり持ち込もうとしたが見つかって没収されるという形で登場。
アニメ版では単なるエロ本に変更された。
【英和辞典@現実】
普通の英和辞典。
けっこう分厚くて大きい。
普通の英和辞典。
けっこう分厚くて大きい。
【ジークの脊髄液入りのワイン@進撃の巨人】
ジーク・イェーガーの脊髄液が含まれたワイン。
エルディア人がこれを飲むとジークの叫びにより無垢の巨人にされてしまう。
ジークの脊髄液で出現した無垢の巨人はジークが自由に操れる。
サービスでワイングラスも一つセットされている。
ジーク・イェーガーの脊髄液が含まれたワイン。
エルディア人がこれを飲むとジークの叫びにより無垢の巨人にされてしまう。
ジークの脊髄液で出現した無垢の巨人はジークが自由に操れる。
サービスでワイングラスも一つセットされている。
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2匹で1隻 | 貨物船 |