違和感を感じる。
青髪の少女と戦闘を開始し数分が経過した頃、杉元は何かがおかしいと気付いた。
DIOが待ち受けていただろう部屋から離れた位置で、相手の顔面に銃床を叩きつける。
直撃すれば鼻はへし折れ、歯は砕けること間違いなしの一撃。
間近に迫った銃床に焦りは見せず、後方へと飛び退く。
青髪の少女と戦闘を開始し数分が経過した頃、杉元は何かがおかしいと気付いた。
DIOが待ち受けていただろう部屋から離れた位置で、相手の顔面に銃床を叩きつける。
直撃すれば鼻はへし折れ、歯は砕けること間違いなしの一撃。
間近に迫った銃床に焦りは見せず、後方へと飛び退く。
(またかよ……)
攻撃が躱された、それ自体は負傷を避ける為なのだから当然の行動。
杉元が疑問に思ったのは、少女が繰り返し同じ動きばかりをしている事だ。
こっちから仕掛ければ回避して大きく距離を取る。
それから反撃に移るでも無く、杉元の攻撃を待って再び避ける。その繰り返し。
杉元が疑問に思ったのは、少女が繰り返し同じ動きばかりをしている事だ。
こっちから仕掛ければ回避して大きく距離を取る。
それから反撃に移るでも無く、杉元の攻撃を待って再び避ける。その繰り返し。
(何考えてんだこいつ?)
部屋から飛び出して来たように、苛烈に攻めるのでは思ったが予想を裏切られた。
杉元から見ても異様に高い身体能力を駆使すれば、もっと積極的に攻撃しても良いものとは思うが。
慎重、と言えば聞こえは良いがどうにも不気味な印象を拭えない。
杉元から見ても異様に高い身体能力を駆使すれば、もっと積極的に攻撃しても良いものとは思うが。
慎重、と言えば聞こえは良いがどうにも不気味な印象を拭えない。
(誘導してんのか…?)
予め校舎内に罠か何かを仕掛けて置き、その場所まで自分を誘き寄せる。
だから回避に重点を置いた動きばかりでいるのだろうか。
この少女がいつからPK学園にいて、どういった経緯でDIOに協力しているかは分からない。
だが予め罠を仕掛ける時間的な余裕くらいはあっただろう。
施設内の構造に関する情報は敵の方が知り尽くしている。
だから回避に重点を置いた動きばかりでいるのだろうか。
この少女がいつからPK学園にいて、どういった経緯でDIOに協力しているかは分からない。
だが予め罠を仕掛ける時間的な余裕くらいはあっただろう。
施設内の構造に関する情報は敵の方が知り尽くしている。
(本当に罠があるとして、どんな仕掛けだ?)
杉元が思い浮かべる罠と言ったら、日露戦争であったような地雷。
それか野生動物を捕らえる狩猟用の罠。
どちらもこういった建物の中に仕掛ける類ではない。
一体何を仕掛けているのか、見当もつかなかった。
それか野生動物を捕らえる狩猟用の罠。
どちらもこういった建物の中に仕掛ける類ではない。
一体何を仕掛けているのか、見当もつかなかった。
疑問の渦から抜け出せない杉元を嘲笑うように、少女はまたしても距離を取る。
が、今度はこれまでと違う動きに出た。
少女自身に変化があったのではなく、少女の背後から奇怪なナニカが出現したのだ。
髑髏のような顔をしたソレが巨大な口を開け、あろうことか少女を丸飲みにしたではないか。
呆気に取られる杉元の目の前で、ソレは自身の体をも飲み込んでいく。
が、今度はこれまでと違う動きに出た。
少女自身に変化があったのではなく、少女の背後から奇怪なナニカが出現したのだ。
髑髏のような顔をしたソレが巨大な口を開け、あろうことか少女を丸飲みにしたではないか。
呆気に取られる杉元の目の前で、ソレは自身の体をも飲み込んでいく。
「は…?」
杉元が間の抜けた声を出てしまったのも、仕方のない事だろう。
髑髏面のソレが少女と自分の体を飲み込んだかと思えば、煙のように姿を消したのだから。
意味が分からない。
アレの正体が何なのか、何故いきなり現れ少女を丸飲みにしたのか。
ひょっとして今のが少女が仕掛けていた罠なんじゃないかと考えるも、それなら少女自身が食われたのは何故だ。
自分で仕掛けた罠に嵌ってしまった?
まさかとは思うが、本当にそんな阿保らしい末路なのだろうか。
髑髏面のソレが少女と自分の体を飲み込んだかと思えば、煙のように姿を消したのだから。
意味が分からない。
アレの正体が何なのか、何故いきなり現れ少女を丸飲みにしたのか。
ひょっとして今のが少女が仕掛けていた罠なんじゃないかと考えるも、それなら少女自身が食われたのは何故だ。
自分で仕掛けた罠に嵌ってしまった?
まさかとは思うが、本当にそんな阿保らしい末路なのだろうか。
「何だってんだよ…」
DIOとの再戦には少なからず緊張があったというのに、何とも言えない空気が漂う。
予想外にも程がある事態には、さしもの杉元とて困惑を隠せない。
あの少女がどうなったのかを詳しく調べてみるか。
いやそれより、戦兎達の所へ戻って共にDIOを相手にするべきじゃないのか。
頭をガシガシ掻きながら少女が消えた位置へ近付き、
予想外にも程がある事態には、さしもの杉元とて困惑を隠せない。
あの少女がどうなったのかを詳しく調べてみるか。
いやそれより、戦兎達の所へ戻って共にDIOを相手にするべきじゃないのか。
頭をガシガシ掻きながら少女が消えた位置へ近付き、
ガ オ ン ッ !
後方に飛び退き、僅かに遅れて床が大きく削り取られた。
攻撃の前兆を察知したのではない。
ただ何となく、急激に湧き上がった危機感に従い動いた結果。
戦場に身を置き続けた影響で極限まで研ぎ澄まされた、直感が働いたと言うべきか。
攻撃の前兆を察知したのではない。
ただ何となく、急激に湧き上がった危機感に従い動いた結果。
戦場に身を置き続けた影響で極限まで研ぎ澄まされた、直感が働いたと言うべきか。
「な、に――」
何が起きた、何をされた。
浮かんだ疑問が口を突いて出るより早く、踵を返し駆け出す。
あーだこーだと考える余裕が許される状況ではない。
攻撃の正体は不明なれど、攻撃がまだ終わっていなとは確信を持って言える。
だから動かねば、一点に留まらず動き続けねばならない。
足を止める事は即ち、自ら命を差し出すに等しい愚行。
浮かんだ疑問が口を突いて出るより早く、踵を返し駆け出す。
あーだこーだと考える余裕が許される状況ではない。
攻撃の正体は不明なれど、攻撃がまだ終わっていなとは確信を持って言える。
だから動かねば、一点に留まらず動き続けねばならない。
足を止める事は即ち、自ら命を差し出すに等しい愚行。
ガ オ ン ッ !
ガ オ ン ッ !
ガ オ ン ッ !
姿は見えない。
気配も感じられない。
においもしなければ音も聞こえない。
ただ背後で床や壁、天井が削り取られている。
もしもさっき、後ろへ退くのがほんの少しでも遅ければどうなっていたか。
不死の肉体であってもあんな風に人体を削り取られると考えると、背筋が寒くなるというもの。
罠どころか、とんだ一撃必殺の兵器だと悪態を吐く。
気配も感じられない。
においもしなければ音も聞こえない。
ただ背後で床や壁、天井が削り取られている。
もしもさっき、後ろへ退くのがほんの少しでも遅ければどうなっていたか。
不死の肉体であってもあんな風に人体を削り取られると考えると、背筋が寒くなるというもの。
罠どころか、とんだ一撃必殺の兵器だと悪態を吐く。
(一旦外に出るか!?)
校舎内を逃げ回るよりは、広い外に出た方がこっちも動き易い。
丁度正面玄関が見えて来たのもあり、そちらへ進路を変更。
敵をどうするかは外に出てから対処法を考えるとしよう。
雨風が入り込む出入り口へと向かい、
丁度正面玄関が見えて来たのもあり、そちらへ進路を変更。
敵をどうするかは外に出てから対処法を考えるとしよう。
雨風が入り込む出入り口へと向かい、
ガ オ ン ッ !
杉元の目の前にあった下駄箱が削り取られた。
綺麗にコルク栓を抜いたような丸い痕は、自然に生まれはしない。
綺麗にコルク栓を抜いたような丸い痕は、自然に生まれはしない。
「っ!!チッ!」
舌打ち交じりに玄関から離れる杉元の足元へ、ポタリポタリと赤い斑点が作られた。
下駄箱を破壊した力に巻き込まれ、鼻先が削られたのだ。
そう時間を掛けずに再生されるだろうが、痛いものは痛い。
下駄箱を破壊した力に巻き込まれ、鼻先が削られたのだ。
そう時間を掛けずに再生されるだろうが、痛いものは痛い。
と言ってもこれくらいの傷ならば十分耐えられる。
次の攻撃に備える杉元だが、ここで敵は杉元の予想とは違う動きに出た。
次の攻撃に備える杉元だが、ここで敵は杉元の予想とは違う動きに出た。
何も無い空間へゆっくりと姿を見せるソレ。
少女を丸飲みにした髑髏が、再び杉元の前に現れた。
口の中には少女の顔があり、杉元をジッと見下ろす瞳は恐ろしいくらいに冷たい。
いきなり現れ何のつもりかと困惑に動きを止めるも、今が正に狙い時ではと我に返る。
そこからは迅速だ、両腕を跳ね上げ歩兵銃の引き金を引く。
口の中の少女を仕留めるべく発射された6.5mm口径弾が、頭部を貫き脳症をぶち撒ける役目を果たせはしなかった。
銃弾は口を外れて髑髏を僅かに掠めただけ。
少女を丸飲みにした髑髏が、再び杉元の前に現れた。
口の中には少女の顔があり、杉元をジッと見下ろす瞳は恐ろしいくらいに冷たい。
いきなり現れ何のつもりかと困惑に動きを止めるも、今が正に狙い時ではと我に返る。
そこからは迅速だ、両腕を跳ね上げ歩兵銃の引き金を引く。
口の中の少女を仕留めるべく発射された6.5mm口径弾が、頭部を貫き脳症をぶち撒ける役目を果たせはしなかった。
銃弾は口を外れて髑髏を僅かに掠めただけ。
「クソッ!」
自分の射撃能力の低さは杉元自身が一番理解していても、失敗に心がささくれ立つ。
これが尾形であれば一発で難なく命中させただろう。
ついつい憎たらしい男を思い浮かべてしまい、余計に苛立ちが増す。
これが尾形であれば一発で難なく命中させただろう。
ついつい憎たらしい男を思い浮かべてしまい、余計に苛立ちが増す。
「……」
少女は何も言わずに姿を消した。
またあの見えない削り取る攻撃を行う気だと、察した瞬間には既に走り出す。
玄関付近が破壊されるのを尻目に、杉元はすぐ近くの階段を駆け上がる。
より正確に言うと踊り場まで一気に跳躍したのだ。
ちんたら一段一段昇っている場合じゃあない。
現に踊り場へ足を着けた途端に階段が削り取られ、中央に綺麗な丸形ができた。
ぼうっとしていれば踊り場ごと相手の攻撃の餌食になる。
もう一度跳躍し上の階へ到達、背後の確認も無しに駆け出す。
どうせ見なくても階段がまた削り取られただろう事くらい、安易に予想が付く。
上の階の廊下を駆け、しかし逃げているだけではどうにもならない。
打開策を考えようにも、そんな簡単に思い付けば苦労はしないと舌を打つ。
またあの見えない削り取る攻撃を行う気だと、察した瞬間には既に走り出す。
玄関付近が破壊されるのを尻目に、杉元はすぐ近くの階段を駆け上がる。
より正確に言うと踊り場まで一気に跳躍したのだ。
ちんたら一段一段昇っている場合じゃあない。
現に踊り場へ足を着けた途端に階段が削り取られ、中央に綺麗な丸形ができた。
ぼうっとしていれば踊り場ごと相手の攻撃の餌食になる。
もう一度跳躍し上の階へ到達、背後の確認も無しに駆け出す。
どうせ見なくても階段がまた削り取られただろう事くらい、安易に予想が付く。
上の階の廊下を駆け、しかし逃げているだけではどうにもならない。
打開策を考えようにも、そんな簡単に思い付けば苦労はしないと舌を打つ。
ガ
オ
ン
ッ
!
「うおおお!?」
杉元の目の前、今正に踏み進めようとした廊下が削り取られた。
大穴を開けられ、下の階がここからでも見える。
一歩踏み出していれば体の全面部分を失っていたに違いない。
命拾いした安堵感を抱きかけた所へ、また髑髏が現れ口の中から少女が見下ろす。
今度も攻撃を当て仕留めるチャンス。
歩兵銃で狙いをつけ、いざ引き金を引くタイミングで少女は消失。
こうなっては杉元に出来るのは削り殺されないよう逃げ回るのみだ。
クソッタレ、悪態を口にした直後に教室の扉が消え去った。
大穴を開けられ、下の階がここからでも見える。
一歩踏み出していれば体の全面部分を失っていたに違いない。
命拾いした安堵感を抱きかけた所へ、また髑髏が現れ口の中から少女が見下ろす。
今度も攻撃を当て仕留めるチャンス。
歩兵銃で狙いをつけ、いざ引き金を引くタイミングで少女は消失。
こうなっては杉元に出来るのは削り殺されないよう逃げ回るのみだ。
クソッタレ、悪態を口にした直後に教室の扉が消え去った。
(埒が明かねぇ!)
階段の所へと戻り踊り場へと跳躍。
一段ずつ昇る手間すら惜しいので再度跳んで上の階へと渡った。
廊下を駆け抜け、ふと目に付いた教室へと飛び込む。
自分が来る前に騒動でもあったのか、扉は破壊されていた。
教室内へ転がり込むと、見覚えのあるモノが転がっているのに気付く。
一段ずつ昇る手間すら惜しいので再度跳んで上の階へと渡った。
廊下を駆け抜け、ふと目に付いた教室へと飛び込む。
自分が来る前に騒動でもあったのか、扉は破壊されていた。
教室内へ転がり込むと、見覚えのあるモノが転がっているのに気付く。
「こいつは…鳥束、だったよな?」
頭部が胴体と泣き別れした死体。
緑色のボディに子供くらいの大きさをした、二足歩行のカエル。
最初の定時放送前に出会った鳥束霊太、その肉体がここにある。
姉畑のウコチャヌプコロの被害に遭った後、どうやって死んだかは知らなかったがこの場所で息絶えたのか。
思いもよらぬ再会に目をパチクリと瞬かせた。
緑色のボディに子供くらいの大きさをした、二足歩行のカエル。
最初の定時放送前に出会った鳥束霊太、その肉体がここにある。
姉畑のウコチャヌプコロの被害に遭った後、どうやって死んだかは知らなかったがこの場所で息絶えたのか。
思いもよらぬ再会に目をパチクリと瞬かせた。
驚きはそう長く続かず、鳥束の事は一旦頭から追い出す。
(…で、こっからどうする?)
最優先で考えねばならないのは青髪の少女をどうするかだ。
やられっ放しは性に合わない、ここいらで反撃に移りたい所ではある。
やられっ放しは性に合わない、ここいらで反撃に移りたい所ではある。
その為には敵の攻撃の正体を明かし、突破口を見付ける。
もう一度最初から、少女が何をして来たかを思い出さねばならない。
答えに辿り着く為のヒントはそこら中にあった、後はそれを正しく組み立てれば良い。
今までだって楽して勝てた事なぞほとんど無かった。
危機的状況を打破するべく思考を働かせる。
もう一度最初から、少女が何をして来たかを思い出さねばならない。
答えに辿り着く為のヒントはそこら中にあった、後はそれを正しく組み立てれば良い。
今までだって楽して勝てた事なぞほとんど無かった。
危機的状況を打破するべく思考を働かせる。
少女は杉元に飛び掛かり、戦兎達から引き離した。
一対一の状況を作ってからも攻撃はせず、回避の繰り返し。
髑髏のような怪物に食われ、直後見えない攻撃が始まった。
攻撃されている間は気配をまるで感じられず、敵の姿も目視不可能。
何故か時折髑髏を出現させ、口の中から杉元の様子を確認している。
一対一の状況を作ってからも攻撃はせず、回避の繰り返し。
髑髏のような怪物に食われ、直後見えない攻撃が始まった。
攻撃されている間は気配をまるで感じられず、敵の姿も目視不可能。
何故か時折髑髏を出現させ、口の中から杉元の様子を確認している。
(……ちょっと待て。ひょっとしてあいつ、俺が見えてないのか?)
これまで得た情報を繋ぎ合わせれば、自ずと答えは見えて来る。
髑髏の口の中に籠っていれば、こっちが何をやっても少女には当たらず一方的に攻撃が可能だ。
なのにわざわざ姿を現わす理由、髑髏に籠っている間は外の様子を見れないから。
だから一々顔を出して、杉元を仕留めたか否かを確認しているのだろう。
思えば少女の攻撃は強力だが無駄が大きい。
一撃で相手を殺せるというのに、杉元をピンポイントで狙えない理由にも納得がいく。
髑髏の口の中に籠っていれば、こっちが何をやっても少女には当たらず一方的に攻撃が可能だ。
なのにわざわざ姿を現わす理由、髑髏に籠っている間は外の様子を見れないから。
だから一々顔を出して、杉元を仕留めたか否かを確認しているのだろう。
思えば少女の攻撃は強力だが無駄が大きい。
一撃で相手を殺せるというのに、杉元をピンポイントで狙えない理由にも納得がいく。
(俺を引き離したのも、そういう理由かよ)
攻撃中は外の様子を見れない。
つまりそれは的確に狙いを定めて攻撃が出来ず、片っ端から破壊していくしかない。
少女がDIOから離れて攻撃を開始したのは、同士討ちを避ける為と睨む。
強力でありながらじゃじゃ馬のように正確なコントロールが効かない能力。
もしDIOとの近くであの攻撃を行ったら、DIOを巻き添えで殺すかもしれない。
近くで戦っては味方にとっても厄介な攻撃だ。
つまりそれは的確に狙いを定めて攻撃が出来ず、片っ端から破壊していくしかない。
少女がDIOから離れて攻撃を開始したのは、同士討ちを避ける為と睨む。
強力でありながらじゃじゃ馬のように正確なコントロールが効かない能力。
もしDIOとの近くであの攻撃を行ったら、DIOを巻き添えで殺すかもしれない。
近くで戦っては味方にとっても厄介な攻撃だ。
(…それが分かっても、あいつを仕留められる機会は限られたままじゃねぇか)
少女へ確実にこちらの攻撃を当てられるのは、確認の為に髑髏を出現させた僅かな瞬間だけ。
当然少女もそれを分かっており、長々と隙を晒してはくれない。
結局面倒な相手なのに変わりは無く、いつもの癖で帽子を被り直す動作をしようとし、
当然少女もそれを分かっており、長々と隙を晒してはくれない。
結局面倒な相手なのに変わりは無く、いつもの癖で帽子を被り直す動作をしようとし、
「…………あっ」
一つ、案を思い付いた。
上手くいけば少女へ攻撃を叩き込める十分な隙を作れる。
上手くいけば少女へ攻撃を叩き込める十分な隙を作れる。
自分で考え付いた事ながら酷い内容だ。
少なくとも、殺し合いに巻き込まれる前なら進んでやろうとは思わない。
今の肉体だからこそ後の事を余り心配せず実行に移せる作戦。
この部屋の状況を利用して、敵へキツい一撃を喰らわせてやれる。
確実に成功する保障はどこにも無いが、やってみるだけの価値はある。
辺りを見回し手頃な物を見付けると、仕方ないと一呼吸置き『ロクなもんじゃない』作戦の実行に入った。
少なくとも、殺し合いに巻き込まれる前なら進んでやろうとは思わない。
今の肉体だからこそ後の事を余り心配せず実行に移せる作戦。
この部屋の状況を利用して、敵へキツい一撃を喰らわせてやれる。
確実に成功する保障はどこにも無いが、やってみるだけの価値はある。
辺りを見回し手頃な物を見付けると、仕方ないと一呼吸置き『ロクなもんじゃない』作戦の実行に入った。
○
白髪の小娘を始末する。
DIOから命令に従い杉元を引き離し、十分距離を取ったのを見計らいクリームによる攻撃を開始した。
何でも奇妙な自動車に乗ってPK学園にやって来たのは、DIOに手傷を負わせた連中らしい。
主に手を出した不届き者を殺すのに何の躊躇も無い。
嘗てDIOの館でポルナレフ達を追いつめたように、クリームで執拗に追跡。
多少の傷こそ負わせたものの、致命傷には程遠く杉元は未だ五体満足を保ったまま。
悪運の強い奴だがそれもいつまで持つものやら。
上の階に逃げた所で却って自らの首を絞めるだけ、外に出たとしてもクリームからは逃れるのは不可能。
逆属どもにはDIOに逆らった愚かさを呪いながら死ぬのが相応しい。
DIOから命令に従い杉元を引き離し、十分距離を取ったのを見計らいクリームによる攻撃を開始した。
何でも奇妙な自動車に乗ってPK学園にやって来たのは、DIOに手傷を負わせた連中らしい。
主に手を出した不届き者を殺すのに何の躊躇も無い。
嘗てDIOの館でポルナレフ達を追いつめたように、クリームで執拗に追跡。
多少の傷こそ負わせたものの、致命傷には程遠く杉元は未だ五体満足を保ったまま。
悪運の強い奴だがそれもいつまで持つものやら。
上の階に逃げた所で却って自らの首を絞めるだけ、外に出たとしてもクリームからは逃れるのは不可能。
逆属どもにはDIOに逆らった愚かさを呪いながら死ぬのが相応しい。
(そろそろ死んだか…)
破壊した手応えを感じ暗黒空間から顔を出す。
そこはケロロ軍曹から首輪を回収した際に訪れた教室。
今破壊したのは教室と廊下を仕切る壁だったらしい。
コルク栓を抜いたような形の、円形の破壊痕から中の様子が見える。
そこはケロロ軍曹から首輪を回収した際に訪れた教室。
今破壊したのは教室と廊下を仕切る壁だったらしい。
コルク栓を抜いたような形の、円形の破壊痕から中の様子が見える。
「なに…?」
そこら中に破壊された机や椅子の残骸が散らばっているのに驚きは無い。
首輪の回収に来た時点で既にこの有様だったのだから。
そんな教室の中に杉元はいた。
但しヴァニラが予想したのとは全く異なる姿でだ。
訝し気な呟きを漏らした原因は、今の杉元の状態にある。
首輪の回収に来た時点で既にこの有様だったのだから。
そんな教室の中に杉元はいた。
但しヴァニラが予想したのとは全く異なる姿でだ。
訝し気な呟きを漏らした原因は、今の杉元の状態にある。
うつ伏せに倒れ、どんな顔をしているかはヴァニラの位置からでは見えない。
微かに呻き声を上げる彼の下には、赤い水溜まりができている。
原因は杉元の腹部を貫通した机の脚。
引っ繰り返り、破損したせいで先端が鋭利な形状になった机の脚が杉元へ致命傷を負わせたのだ。
微かに呻き声を上げる彼の下には、赤い水溜まりができている。
原因は杉元の腹部を貫通した机の脚。
引っ繰り返り、破損したせいで先端が鋭利な形状になった机の脚が杉元へ致命傷を負わせたのだ。
床に転がるのは、先程自分が斬首したケロロの死体。
丁度杉元の足の近くにケロロの死体があった。
この状況から考えられるストーリーは一つしかない。
丁度杉元の足の近くにケロロの死体があった。
この状況から考えられるストーリーは一つしかない。
杉元はクリームの追跡から逃げている最中、焦りからケロロの死体を踏み付け転倒。
その結果、運悪く引っ繰り返った机の脚の部分に倒れ込み腹部を貫かれた。
その結果、運悪く引っ繰り返った机の脚の部分に倒れ込み腹部を貫かれた。
(何だそれは……)
余りにも、余りにも馬鹿らしいお間抜けな末路。
クリームで重傷を負い逃げる力を失ったとかならまだしも、これでは自滅したようなものじゃあないか。
とんだ肩透かしを食らった気分になる。
忌々しいカスどもと見下してはいるが、厄介さで言ったらジョースター一行の方がずっと上だ。
あの連中ならば、こうもアホな事態は引き起こさないだろうに。
クリームで重傷を負い逃げる力を失ったとかならまだしも、これでは自滅したようなものじゃあないか。
とんだ肩透かしを食らった気分になる。
忌々しいカスどもと見下してはいるが、厄介さで言ったらジョースター一行の方がずっと上だ。
あの連中ならば、こうもアホな事態は引き起こさないだろうに。
「まぁいい…」
ふざけた結果だろうと相手が虫の息なのに変わりはない。
そして自分はDIOの敵へ同情もしなければ、見逃してやりもしない。
辛うじて生きてはいるこの馬鹿へトドメを刺す。
そして自分はDIOの敵へ同情もしなければ、見逃してやりもしない。
辛うじて生きてはいるこの馬鹿へトドメを刺す。
クリームを解除し自分の足で床の上に立つ。
確実に殺すならばクリームで暗黒空間に送るのが手っ取り早いが、それだと一つ問題がある。
自分のスタンドは精密性には欠けており、杉元の首輪も破壊に巻き込んでしまう。
モノモノマシーンを使用するのにDIOは首輪を集めている。
故にクリーム以外の方法で殺す必要があった。
確実に殺すならばクリームで暗黒空間に送るのが手っ取り早いが、それだと一つ問題がある。
自分のスタンドは精密性には欠けており、杉元の首輪も破壊に巻き込んでしまう。
モノモノマシーンを使用するのにDIOは首輪を集めている。
故にクリーム以外の方法で殺す必要があった。
幸いキュアジェラートの能力ならば問題無い。
ケロロの首を斬り落とした時と同じように、手刀へクリームエネルギーを纏わせる。
氷の刃を右手に作り、ヴァニラは一歩ずつ杉元へ近付く。
呆気ないがこれで一人、殺し合いが始まってからはようやくDIOの敵をこの手で仕留められるのだ。
ケロロの首を斬り落とした時と同じように、手刀へクリームエネルギーを纏わせる。
氷の刃を右手に作り、ヴァニラは一歩ずつ杉元へ近付く。
呆気ないがこれで一人、殺し合いが始まってからはようやくDIOの敵をこの手で仕留められるのだ。
(それにしても…)
斬首する寸前に、ふと何て事のないように思う。
DIOはこの娘に手傷を負わされたと言っていた。
しかしその娘は自分に一撃も食らわせられず、そればかりか自滅する始末。
DIOはこの娘に手傷を負わされたと言っていた。
しかしその娘は自分に一撃も食らわせられず、そればかりか自滅する始末。
(案外DIO様も……)
――案外、なんだ?
「……―――ッ!?」
我に返ったヴァニラはあっという間に顔を真っ青にする。
今何を思ったのか、自分自身の事だというのに信じられなかった。
それを考えるなど有り得ない。
だというのに自分はそれを思ってしまった。
そんな筈はないと必死に否定する、そうしなければヴァニラは壊れてしまう。
今何を思ったのか、自分自身の事だというのに信じられなかった。
それを考えるなど有り得ない。
だというのに自分はそれを思ってしまった。
そんな筈はないと必死に否定する、そうしなければヴァニラは壊れてしまう。
案外DIOも大した事は無いんじゃあないか。
絶対の主へ、悪の救世主へ、唯一無二の帝王へ、唾を吐く言葉を思うなど断じてあってはならないのだから。
絶対の主へ、悪の救世主へ、唯一無二の帝王へ、唾を吐く言葉を思うなど断じてあってはならないのだから。
「ヌゥアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!違う違う違う!私はそんなふざけたものを考えてなどいない!!DIO様は有象無象のカスとは比べる事すら間違っている御方なのだ!それを…それを…!!この頭か…!立神あおい!貴様の頭がDIO様を!!!」
頭を抱え取り乱したかと思えば、今度は壁に自分の頭を打ち付ける。
キュアジェラートに変身中のヴァニラは常人よりも頑丈だが、痛みが皆無ではない。
何度も強く打ち付けていれば鈍い痛みが発生する。
しかし頭部への痛みなどヴァニラには気にしちゃあいられない。
一時でもふざけた考えを持ち、DIOへの背信行為に走った許し難い己自身を罰しなければおかしくなりそうだった。
キュアジェラートに変身中のヴァニラは常人よりも頑丈だが、痛みが皆無ではない。
何度も強く打ち付けていれば鈍い痛みが発生する。
しかし頭部への痛みなどヴァニラには気にしちゃあいられない。
一時でもふざけた考えを持ち、DIOへの背信行為に走った許し難い己自身を罰しなければおかしくなりそうだった。
「DIO様は絶対だ……疑うなどあってはならないのだ…!」
トドメを刺して首輪を回収する、直前までの行動すら最早ヴァニラには考える余裕が消え失せていた。
クリームを解除し、意識を完全に敵から外しているこの状態。
誰がどう見ても隙だらけ。
クリームを解除し、意識を完全に敵から外しているこの状態。
誰がどう見ても隙だらけ。
ならばこんな最大級のチャンスを、見逃す訳が無い。
「ォラァアアアアアアアアアアッ!!」
「なにぃっ!?」
「なにぃっ!?」
視界の端で跳ね上がり、真っ赤に燃えるナニカが見えた。
腹の底から張り上げた声は反撃の合図。
我に返りスタンドを出現させるまでの判断はほんの数秒、されどその数秒が余りにも致命的だ。
腹の底から張り上げた声は反撃の合図。
我に返りスタンドを出現させるまでの判断はほんの数秒、されどその数秒が余りにも致命的だ。
「がっはぁあああああああっ!?」
左頬に走る痛み、そして猛烈な熱さ。
視界がスパークし見えない筈の火花が見える。
脳を直接掴まれシェイクされたにも等しい衝撃、思考もままならない。
だが皮肉にも飛びかけた意識を引き戻したのは、相手から与えられた痛み。
顔を炙られたかのような激痛により、ヴァニラは床に倒れた体勢から何が起きたかを理解した。
視界がスパークし見えない筈の火花が見える。
脳を直接掴まれシェイクされたにも等しい衝撃、思考もままならない。
だが皮肉にも飛びかけた意識を引き戻したのは、相手から与えられた痛み。
顔を炙られたかのような激痛により、ヴァニラは床に倒れた体勢から何が起きたかを理解した。
目の前に居るのは虫の息だった筈の男、杉元。
転倒し腹から出血していたのは、決してヴァニラの見間違いではない。
現に杉元の腹部は赤く染まり、カッターシャツを汚している。
転倒し腹から出血していたのは、決してヴァニラの見間違いではない。
現に杉元の腹部は赤く染まり、カッターシャツを汚している。
杉元がやったのはそう難しい事ではない。
重症のふりをして油断を誘った、言葉にすればただそれだけの内容。
正確に言えばふりではなく、本当に自ら机の脚で腹部を貫き重傷を負った。
幾ら敵を油断させる為と言っても、そのような傷を抱えたままでは作戦が成功しても戦闘続行に悪影響が出る。
但しそれは普通の人間の場合だ。
蓬莱人である妹紅の肉体は腹を貫かれたとて死ねない、現に既に再生が始まっている。
重症のふりをして油断を誘った、言葉にすればただそれだけの内容。
正確に言えばふりではなく、本当に自ら机の脚で腹部を貫き重傷を負った。
幾ら敵を油断させる為と言っても、そのような傷を抱えたままでは作戦が成功しても戦闘続行に悪影響が出る。
但しそれは普通の人間の場合だ。
蓬莱人である妹紅の肉体は腹を貫かれたとて死ねない、現に既に再生が始まっている。
杉元にとって嬉しい誤算だったのは、ヴァニラが予想以上の隙を晒した事だ。
何の事情があってかは知らないが、急に錯乱し壁に頭を打ち付けた時は流石に困惑した。
様子をチラリと盗み見ながら内心で軽く引きはしたものの、チャンスであるのに変わりは無い。
正気を取り戻すのを悠長に待ってはやらず、右拳を思いっきり叩きつけてやった。
相手の反応は間にあわず見事命中、綱渡りの作戦だったが無事成功である。
何の事情があってかは知らないが、急に錯乱し壁に頭を打ち付けた時は流石に困惑した。
様子をチラリと盗み見ながら内心で軽く引きはしたものの、チャンスであるのに変わりは無い。
正気を取り戻すのを悠長に待ってはやらず、右拳を思いっきり叩きつけてやった。
相手の反応は間にあわず見事命中、綱渡りの作戦だったが無事成功である。
「おのれ…!」
怨嗟の声を吐きながら立ち上がる。
左の頬、というよりは左顔面部が痛い。
杉元は単にヴァニラを殴り飛ばしたのではなく、自身の拳に炎を纏わせていた。
少女の顔半分には痛々しい火傷の痕が浮かび上がっている。
左の頬、というよりは左顔面部が痛い。
杉元は単にヴァニラを殴り飛ばしたのではなく、自身の拳に炎を纏わせていた。
少女の顔半分には痛々しい火傷の痕が浮かび上がっている。
ふざけた小細工を弄した杉元を。
何よりもそんな下らない手にまんまと引っ掛かった自分への怒りが湧き出す。
DIOへの疑いを抱いてしまった動揺を、一時的に忘れさせるくらいには大きな怒りだ。
再度思考全てを敵の排除に向けて働かせる。
一撃は受けた、だが許せるのは今の一撃だけだ。
もうこれ以上は反撃する暇もくれてやらず、暗黒空間へ送ってやる。
何よりもそんな下らない手にまんまと引っ掛かった自分への怒りが湧き出す。
DIOへの疑いを抱いてしまった動揺を、一時的に忘れさせるくらいには大きな怒りだ。
再度思考全てを敵の排除に向けて働かせる。
一撃は受けた、だが許せるのは今の一撃だけだ。
もうこれ以上は反撃する暇もくれてやらず、暗黒空間へ送ってやる。
自身を飲み込ませるべくクリームを出現。
その瞬間だ、ヴァニラの右肩から鮮血が飛び散ったのは。
銃口から煙を上げる杉元の歩兵銃が撃ち貫いたのは、クリームの右肩部分。
その瞬間だ、ヴァニラの右肩から鮮血が飛び散ったのは。
銃口から煙を上げる杉元の歩兵銃が撃ち貫いたのは、クリームの右肩部分。
スタンドがダメージを受け、本体へのフィードバックで同じ箇所へ傷を負った。
珍しい話ではない、スタンド使いならばそれくらい知っている。
だというのにヴァニラは一瞬の動揺で硬直し、またもや隙を晒した。何故か。
スタンドにおける絶対の法則としてスタンドはスタンド使いにしか見えず、スタンドに干渉出来るのはスタンドのみというものがある。
しかし杉元はスタンドではない、ただの歩兵銃でクリームにダメージを与えた。
これはボンドルドが殺し合いで公平さを保つために、スタンドへ制限を掛けたからである。
スタンドの制限はDIOや承太郎、既に死亡している吉良吉影などが戦闘の最中に気付き、殺し合いにおいてはスタンド使いの有利さは失われていると理解した。
だがヴァニラからしたら今になって初めて知った事実。
しのぶとデビハム相手にクリームで追跡はしたものの、その際にクリームを攻撃され無ければ、クリームの姿に言及される事も無かった。
まともな戦闘と言ったらそれくらいしかなく、後はほとんどがフリーザのせいで精神的な負担に苛まれながらの移動ばかり。
スタンドへの制限に気付く機会に恵まれず、今この時になってようやく分かるもタイミングは最悪だ。
珍しい話ではない、スタンド使いならばそれくらい知っている。
だというのにヴァニラは一瞬の動揺で硬直し、またもや隙を晒した。何故か。
スタンドにおける絶対の法則としてスタンドはスタンド使いにしか見えず、スタンドに干渉出来るのはスタンドのみというものがある。
しかし杉元はスタンドではない、ただの歩兵銃でクリームにダメージを与えた。
これはボンドルドが殺し合いで公平さを保つために、スタンドへ制限を掛けたからである。
スタンドの制限はDIOや承太郎、既に死亡している吉良吉影などが戦闘の最中に気付き、殺し合いにおいてはスタンド使いの有利さは失われていると理解した。
だがヴァニラからしたら今になって初めて知った事実。
しのぶとデビハム相手にクリームで追跡はしたものの、その際にクリームを攻撃され無ければ、クリームの姿に言及される事も無かった。
まともな戦闘と言ったらそれくらいしかなく、後はほとんどがフリーザのせいで精神的な負担に苛まれながらの移動ばかり。
スタンドへの制限に気付く機会に恵まれず、今この時になってようやく分かるもタイミングは最悪だ。
「ごふっ!?」
腹部へ唐突に走る鈍痛。
胃の奥からせり上がり吐瀉物を撒き散らしそうになるのを耐える。
視界に映るは赤いリボンで結んだ真っ白い長髪。
胃の奥からせり上がり吐瀉物を撒き散らしそうになるのを耐える。
視界に映るは赤いリボンで結んだ真っ白い長髪。
敵へ隙が生まれたのは二度目。
立て続けに舞い込んだチャンスへ食いつき、ここから一気に流れを支配するべく、杉元の猛攻が始まった。
立て続けに舞い込んだチャンスへ食いつき、ここから一気に流れを支配するべく、杉元の猛攻が始まった。
「がぁっ!?」
腹部へ叩き込んだ銃床で今度はヴァニラの顔を打つ。
こめかみ付近に叩き込まれる木製のストック。
先程殴り飛ばされた時に勝るとも劣らない衝撃に襲われる。
耳元で鐘を鳴らされたようだ、ぐわんぐわんと頭の内側から揺らされるよう。
こめかみ付近に叩き込まれる木製のストック。
先程殴り飛ばされた時に勝るとも劣らない衝撃に襲われる。
耳元で鐘を鳴らされたようだ、ぐわんぐわんと頭の内側から揺らされるよう。
「ぬぐぅ!」
復帰もままならない内から新たな痛みが来た。
脇腹へねじ込まれた杉元の左拳。
今度は炎を纏っていないが、そんなもの慰めにならない。
内臓が押しつぶされるような感覚、口の端から漏れたのは胃液か血か。
脇腹へねじ込まれた杉元の左拳。
今度は炎を纏っていないが、そんなもの慰めにならない。
内臓が押しつぶされるような感覚、口の端から漏れたのは胃液か血か。
「舐めるな……ッ!!」
歯が砕けんばかりに噛み締められ、痛みへ耐え切る。
何時までも杉元の好きにさせてやりはしない。
真正面から顔面を粉砕しに掛かった銃床をガッチリと掴み防御。
反対の手にはクリームエネルギーを纏わせ、氷のブロックで覆う。
即席の凶器が完成、こちらの番と反対に杉元の顔面を潰しに掛かった。
何時までも杉元の好きにさせてやりはしない。
真正面から顔面を粉砕しに掛かった銃床をガッチリと掴み防御。
反対の手にはクリームエネルギーを纏わせ、氷のブロックで覆う。
即席の凶器が完成、こちらの番と反対に杉元の顔面を潰しに掛かった。
「っと…!」
氷のブロックは空を切り、ヴァニラの攻撃は失敗に終わる。
歩兵銃を手元に戻そうとしては攻撃をモロに食らうと察し、杉元は銃を持つ手を放した。
頭を下げて拳を回避、真上を氷のブロックが通過した直後に右足を跳ね上げる。
狙いは自身の歩兵銃だ、銃身が蹴り上げられヴァニラの手から放れた。
クルクルと二人の頭上で回る歩兵銃を跳躍しキャッチ、棍棒のようにヴァニラへ振り下ろす。
歩兵銃を手元に戻そうとしては攻撃をモロに食らうと察し、杉元は銃を持つ手を放した。
頭を下げて拳を回避、真上を氷のブロックが通過した直後に右足を跳ね上げる。
狙いは自身の歩兵銃だ、銃身が蹴り上げられヴァニラの手から放れた。
クルクルと二人の頭上で回る歩兵銃を跳躍しキャッチ、棍棒のようにヴァニラへ振り下ろす。
「チィッ!」
避けるか、氷のブロックで防御するか。
ヴァニラが選んだのはそのどちらでもない。
何と振り下ろされた銃身を掴み攻撃を強制的に中断させた。
ビリビリした痛みが掌に走るのを無視し、歩兵銃ごと杉元を床に叩きつける。
ヴァニラが選んだのはそのどちらでもない。
何と振り下ろされた銃身を掴み攻撃を強制的に中断させた。
ビリビリした痛みが掌に走るのを無視し、歩兵銃ごと杉元を床に叩きつける。
「がっ……」
背中への痛みへ気を回すのは後回しだ。
仰向けに倒れた杉元に跨ったヴァニラが、氷のブロックを振り下ろす。
狙いはさっきと同じく杉元の頭部。
可憐な少女の顔を原型も留めぬ程に破壊する、冷たく凶悪な鈍器が迫る。
仰向けに倒れた杉元に跨ったヴァニラが、氷のブロックを振り下ろす。
狙いはさっきと同じく杉元の頭部。
可憐な少女の顔を原型も留めぬ程に破壊する、冷たく凶悪な鈍器が迫る。
「ざっ…けんな!!」
自身を狙う氷の塊へ杉元は、自ら頭を叩きつけた。
思いもよらぬ反撃、頭突きを返されヴァニラの右腕が押し戻された。
額が裂け血が出ても知った事かと杉元は動く。
押し戻された右腕に上体を引っ張られ、ヴァニラが体勢を崩した今こそ狙い時。
左手を叩き付け起き上がり、さらに大きくよろめいたヴァニラへ右の拳を叩きつける。
思いもよらぬ反撃、頭突きを返されヴァニラの右腕が押し戻された。
額が裂け血が出ても知った事かと杉元は動く。
押し戻された右腕に上体を引っ張られ、ヴァニラが体勢を崩した今こそ狙い時。
左手を叩き付け起き上がり、さらに大きくよろめいたヴァニラへ右の拳を叩きつける。
「俺は、不死身の杉元だ!!!」
「だから何だクソカスがぁっ!!!」
「だから何だクソカスがぁっ!!!」
燃え盛る炎の拳が狙ったのは、またしても左顔面部。
火傷が生々しく残る箇所を再び炙られる。
だがさっきと違うのは、拳を叩き込まれてもヴァニラが殴り飛ばされなかった事だ。
二度も無様に倒れ込む醜態を見せはしない。
顔を焼かれながら血走らせた目で杉元を睨み付け、こちらも拳を振るった。
火傷が生々しく残る箇所を再び炙られる。
だがさっきと違うのは、拳を叩き込まれてもヴァニラが殴り飛ばされなかった事だ。
二度も無様に倒れ込む醜態を見せはしない。
顔を焼かれながら血走らせた目で杉元を睨み付け、こちらも拳を振るった。
「ぐぎぎぎ…!」
氷のブロックが狙うのもまた、杉元の右顔面部。
冷たさと同時に来るのは頬が引き千切られそうな痛み。
ヴァニラへ叩き込んだ拳が相手の顔から離れる。
殴られるのには慣れているが、痛いのが平気な訳ではない。
しかし杉元も殴り飛ばされないように耐えた。
僅かにでも相手から目を離し隙を作ってしまえば、またあの見えない攻撃をされる。
そうはさせるかと歩兵銃を持つ手を振るおうとし、
冷たさと同時に来るのは頬が引き千切られそうな痛み。
ヴァニラへ叩き込んだ拳が相手の顔から離れる。
殴られるのには慣れているが、痛いのが平気な訳ではない。
しかし杉元も殴り飛ばされないように耐えた。
僅かにでも相手から目を離し隙を作ってしまえば、またあの見えない攻撃をされる。
そうはさせるかと歩兵銃を持つ手を振るおうとし、
「ぐぁっ!」
蹴り飛ばされた。
バルーンスカートから伸びた脚が腹部を直撃。
反撃を許さぬままに距離を離し、ヴァニラは改めてクリームを出現させようとする。
中々に梃子摺らされたがそれももう終わりだ。
バルーンスカートから伸びた脚が腹部を直撃。
反撃を許さぬままに距離を離し、ヴァニラは改めてクリームを出現させようとする。
中々に梃子摺らされたがそれももう終わりだ。
「うおおおおおおおおおおおっ!!!」
その考えは大間違いだったとすぐに思い知らされる。
杉元という男の執念深さを、ヴァニラは甘く見ていた。
杉元という男の執念深さを、ヴァニラは甘く見ていた。
「なっ…!」
蹴り飛ばされるも体を宙に浮かせ、ヴァニラ目掛け一直線に突撃。
幻想郷の住人である妹紅だからこそ可能な空中飛行を駆使したのだ
頭から突っ込まれ、胴体で杉元の頭突きを受け止めてしまう。
軋みを上げ全身が痛むヴァニラから低い呻き声が漏れ、それでも杉元は止まらない。
背後のガラス窓を突き破り、ヴァニラ諸共落ちて行く。
幻想郷の住人である妹紅だからこそ可能な空中飛行を駆使したのだ
頭から突っ込まれ、胴体で杉元の頭突きを受け止めてしまう。
軋みを上げ全身が痛むヴァニラから低い呻き声が漏れ、それでも杉元は止まらない。
背後のガラス窓を突き破り、ヴァニラ諸共落ちて行く。
「よっと…」
最初にDIOと戦った時のように地面へ叩きつけられるヘマはしない。
空中で体勢を整え無事に着地。
ガラスの破片が散らばる地面を踏みしめながら、真正面を見据える。
空中で体勢を整え無事に着地。
ガラスの破片が散らばる地面を踏みしめながら、真正面を見据える。
「貴様ァ…!」
ヴァニラもまた叩きつけられず着地し、杉元へ殺意をこれでもかとぶつけていた。
プリキュアに変身した状態なら、数階から落ちても問題無く耐えられる。
プリキュアに変身した状態なら、数階から落ちても問題無く耐えられる。
睨み合う両者の間で膨れ上がる敵意。
それに水を差したのは、校舎から飛び出して来た二人の戦士だった。
それに水を差したのは、校舎から飛び出して来た二人の戦士だった。
○
「よう、桐生…か?何だそのイカみてぇな頭」
「どっからどう見てもスペースシャトルだっての!…大分やられたみてぇだな」
「こんなもん大した傷じゃねぇよ」
「どっからどう見てもスペースシャトルだっての!…大分やられたみてぇだな」
「こんなもん大した傷じゃねぇよ」
軽口を叩き合いながら既に外に出ていた仲間と合流する。
自分がDIOの相手をしている間、杉元の方も激戦になったのだろうか。
シャツには血が滲み、顔には殴られた痕。
と言っても傷が酷いのは相手もまた同じ。
顔半分は焼け爛れ、年頃の少女が負うには酷な傷痕が幾つも刻まれている。
自分がDIOの相手をしている間、杉元の方も激戦になったのだろうか。
シャツには血が滲み、顔には殴られた痕。
と言っても傷が酷いのは相手もまた同じ。
顔半分は焼け爛れ、年頃の少女が負うには酷な傷痕が幾つも刻まれている。
「DIOの奴を連れて来て助かったぜ。あれでもう隠れる攻撃は使えない筈だ」
「…?何の話だ?」
「…?何の話だ?」
偶然にもヴァニラだけでなくDIOも外に引きずり出され、こうして近くに揃った。
ならばあの見えない攻撃を使うのはDIOを巻き添えにしかねない。
厄介な攻撃を一つ封じた事になり、これで幾らか戦い易くなっただろう。
ヴァニラの能力の詳細を知らない戦兎からしたら、意味が分からず聞き返すのも無理はないが。
ならばあの見えない攻撃を使うのはDIOを巻き添えにしかねない。
厄介な攻撃を一つ封じた事になり、これで幾らか戦い易くなっただろう。
ヴァニラの能力の詳細を知らない戦兎からしたら、意味が分からず聞き返すのも無理はないが。
残念ながら詳しく説明をしている時間は無い。
校舎内に残された者達も外へと姿を現わした。
校舎内に残された者達も外へと姿を現わした。
「DIOさん……!」
焦りを隠さず飛び出して来たのは斬月。
善逸へ怒りのままにソニックアローを連射していた彼女も、エターナルが蹴り飛ばされる姿へ意識を持って行かれた。
それまで敵意を向けていた善逸へは見向きもせず、慌ててエターナルを追いこうして外に出て来たのである。
善逸へ怒りのままにソニックアローを連射していた彼女も、エターナルが蹴り飛ばされる姿へ意識を持って行かれた。
それまで敵意を向けていた善逸へは見向きもせず、慌ててエターナルを追いこうして外に出て来たのである。
「ピカ~!」
少し遅れて善逸も外へ出て、戦兎達の方へと駆け寄る。
自分への攻撃が止んだのは良いものの、そこからどうするか悩んだ。
このまま隠れてようかという逃げと、幾ら何でもそれはどうなんだという正論。
恐怖心は微塵も揺らいでいないが、自分一人だけ隠れ続ける後ろめたい行為には結局走れず。
こうして外へと姿を見せた。
自分への攻撃が止んだのは良いものの、そこからどうするか悩んだ。
このまま隠れてようかという逃げと、幾ら何でもそれはどうなんだという正論。
恐怖心は微塵も揺らいでいないが、自分一人だけ隠れ続ける後ろめたい行為には結局走れず。
こうして外へと姿を見せた。
「フン……」
つまらなそうに鼻を鳴らし、エターナルは戦場を睥睨する。
戦兎と善逸は元より、ヴァニラに始末を命じた杉元も負傷は有れど未だ健在。
放送前に姉畑から聞いた、銃で頬を吹き飛ばされた傷は見当たらない。
杉元が名乗っていた不死身とはただの自称ではなく、吸血鬼の生命力にも等しい再生能力を有しているということか。
どれだけ生命力が高くても、暗黒空間に送ってしまえばひとたまりも無い。
そう考えてヴァニラに相手をさせたのだが、クリームでも仕留め切れないくらいにはしぶとい。
戦兎と善逸は元より、ヴァニラに始末を命じた杉元も負傷は有れど未だ健在。
放送前に姉畑から聞いた、銃で頬を吹き飛ばされた傷は見当たらない。
杉元が名乗っていた不死身とはただの自称ではなく、吸血鬼の生命力にも等しい再生能力を有しているということか。
どれだけ生命力が高くても、暗黒空間に送ってしまえばひとたまりも無い。
そう考えてヴァニラに相手をさせたのだが、クリームでも仕留め切れないくらいにはしぶとい。
やはり己の手で直接始末する必要があるか。
最初に遭遇した時から煩わしい過去を思い起こさせ、自分へ炎を放った目障りな小娘。
鬱陶しい因縁などジョースターだけで十分だ。
いい加減に戦兎や善逸共々排除しておかねばなるまい。
最初に遭遇した時から煩わしい過去を思い起こさせ、自分へ炎を放った目障りな小娘。
鬱陶しい因縁などジョースターだけで十分だ。
いい加減に戦兎や善逸共々排除しておかねばなるまい。
3対3の構図が出来上がった新たなステージ。
得物を構え、戦意を滾らせる両陣営の間には、いつ爆発してもおかしくない緊張感が漂い、
得物を構え、戦意を滾らせる両陣営の間には、いつ爆発してもおかしくない緊張感が漂い、
――岩の呼吸 弐ノ型 天面砕き
新たに参戦した男が、その空気を叩き壊した。
「無駄ッ!」
自身の頭上から飛来するナニカをエターナルエッジで弾き飛ばす。
襲い掛かった物の正体は刀。
柄を鎖で繋がれた刀は弾かれると、持ち主の元へと引き戻される。
刀を回収したのは銀髪の男。
着流しにブーツというミスマッチでありながら、不思議と着こなしている見知らぬ参加者。
どこかで見た覚えがある、不意に浮かんだ疑問は口を突いて出ずに消え去った。
襲い掛かった物の正体は刀。
柄を鎖で繋がれた刀は弾かれると、持ち主の元へと引き戻される。
刀を回収したのは銀髪の男。
着流しにブーツというミスマッチでありながら、不思議と着こなしている見知らぬ参加者。
どこかで見た覚えがある、不意に浮かんだ疑問は口を突いて出ずに消え去った。
「ホアチャアアアアアッ!!」
銀髪の男の背後より飛び出したのは、青い装甲の戦士。
頭部から剣を生やしたデザインも、腰に巻いてある剣を収納したベルトも初めて目にする。
しかしこの戦士が何なのかは即座に分かった。
こいつもまた、仮面ライダーであると。
頭部から剣を生やしたデザインも、腰に巻いてある剣を収納したベルトも初めて目にする。
しかしこの戦士が何なのかは即座に分かった。
こいつもまた、仮面ライダーであると。
「失せろ狂犬が!」
青い仮面ライダーの拳は、青い髪の少女の蹴りに防がれた
DIOへ手を出すなど不届き千万。
立て続けに現れた主へ逆らう愚者どもへ、ヴァニラの怒りはあっさりと頂点に達する。
生身の少女でありながら自分と同等の一撃を繰り出す敵へ、青い仮面ライダーの驚愕が仮面越しにも伝わって来た。
敵の驚きもヴァニラにはゴミ同然に価値が無い、クリームエネルギーで氷のブロックを右手に生成。
反対にこちらから殴打を浴びせに掛かるも、敵は驚愕からの復帰が早い。
後方へと大きく跳んで拳を避け、戦兎達へと駆け寄った銀髪の男の隣に並んだ。
DIOへ手を出すなど不届き千万。
立て続けに現れた主へ逆らう愚者どもへ、ヴァニラの怒りはあっさりと頂点に達する。
生身の少女でありながら自分と同等の一撃を繰り出す敵へ、青い仮面ライダーの驚愕が仮面越しにも伝わって来た。
敵の驚きもヴァニラにはゴミ同然に価値が無い、クリームエネルギーで氷のブロックを右手に生成。
反対にこちらから殴打を浴びせに掛かるも、敵は驚愕からの復帰が早い。
後方へと大きく跳んで拳を避け、戦兎達へと駆け寄った銀髪の男の隣に並んだ。
「悲鳴嶼!?それに……どちら様?」
「私アル。声まで忘れたとは言わせねーぞオイ」
「私アル。声まで忘れたとは言わせねーぞオイ」
銀髪の男こと悲鳴嶼はともかく、もう一人は見覚えが無い。
首を傾げ問い掛けると、帰って来たのは聞き覚えがある声。
病院で出会い、放送の後は単独行動を取った女。
首を傾げ問い掛けると、帰って来たのは聞き覚えがある声。
病院で出会い、放送の後は単独行動を取った女。
「神楽…?お前も仮面ライダーに変身出来たのか……」
「そっちこそそのイカ頭は初めて見るネ。……ごめん、勝手に離れて迷惑かけたアル」
「いや、無事に戻って来たんならそれで良かったよ」
「そっちこそそのイカ頭は初めて見るネ。……ごめん、勝手に離れて迷惑かけたアル」
「いや、無事に戻って来たんならそれで良かったよ」
神楽まで仮面ライダー、しかも自分の知らないベルトを使っているのには戦兎も驚く。
一人で離れたのを気にしているようだが、こうして戻って来たのなら問題無い。
責めるつもりは全く無く、無事に帰って来た事への安堵が湧き上がった。
とはいえずっと喜んでもいられない。
悲鳴嶼達と合流出来たのなら、伝えておかねばならない話がある。
一人で離れたのを気にしているようだが、こうして戻って来たのなら問題無い。
責めるつもりは全く無く、無事に帰って来た事への安堵が湧き上がった。
とはいえずっと喜んでもいられない。
悲鳴嶼達と合流出来たのなら、伝えておかねばならない話がある。
「悲鳴嶼、胡蝶はもうDIOの所から逃げたみたいだ。今どこに居るかまでは分からねぇけど」
「……」
「……」
自分達が街へ急行した理由であるしのぶの情報。
現在地は不明でもDIOという危機からは逃れられたと悲鳴嶼に伝える。
元の世界からの仲間でもあり、悲鳴嶼は一番しのぶの安否が気掛かりだった。
なら彼女に関する情報は喉から手が出るくらいに欲しかった筈。
だというのに、戦兎の話を聞いた悲鳴嶼は無言を貫く。
顔にも嬉しさは見当たらず、むしろ表情が曇ったではないか。
現在地は不明でもDIOという危機からは逃れられたと悲鳴嶼に伝える。
元の世界からの仲間でもあり、悲鳴嶼は一番しのぶの安否が気掛かりだった。
なら彼女に関する情報は喉から手が出るくらいに欲しかった筈。
だというのに、戦兎の話を聞いた悲鳴嶼は無言を貫く。
顔にも嬉しさは見当たらず、むしろ表情が曇ったではないか。
様子がおかしいのは悲鳴嶼だけでなく、隣にいる神楽も同様。
顔は見えないが表情が強張ったのを雰囲気で察せられた。
顔は見えないが表情が強張ったのを雰囲気で察せられた。
「悲鳴嶼…?」
「…いや、胡蝶の事は後で話す。今は目の前の敵に集中させてくれ」
「お、おう」
「…いや、胡蝶の事は後で話す。今は目の前の敵に集中させてくれ」
「お、おう」
重苦しい声色から何か良くない事が起きたのを察するが、詳しく聞くのは後にするべき。
そう自分を納得させDIO達への警戒を強める。
戦兎がしつこく聞きはせずにいてくれるのへ感謝しつつ、悲鳴嶼もまた眼前の脅威を睨みつけた。
緑の陣羽織を纏った弓兵、濃い青色の髪をした少女。
その者達も危険なのは分かるが、白い鎧を纏った男は別格だと存在感だけで強制的に理解させられてしまう。
全身の細胞が張り詰め、相対しているだけでも背筋が凍り付く怖気。
間違いない、敵は無惨にも匹敵する怪物である。
そう自分を納得させDIO達への警戒を強める。
戦兎がしつこく聞きはせずにいてくれるのへ感謝しつつ、悲鳴嶼もまた眼前の脅威を睨みつけた。
緑の陣羽織を纏った弓兵、濃い青色の髪をした少女。
その者達も危険なのは分かるが、白い鎧を纏った男は別格だと存在感だけで強制的に理解させられてしまう。
全身の細胞が張り詰め、相対しているだけでも背筋が凍り付く怖気。
間違いない、敵は無惨にも匹敵する怪物である。
「ほう…。どうやらこのDIOの力を戦う前から理解したらしいな」
緊張を面に出したつもりは無くとも、向こうにはお見通しのようだ。
黄色いレンズが悲鳴嶼を射抜き、鎖を握り締める力が強くなる。
頂点に立つ強者へ、地に伏せるしかない弱者が怯える様は心地が良い。
少しばかり機嫌を良くしたエターナルは、弾むように言葉を口にし、
黄色いレンズが悲鳴嶼を射抜き、鎖を握り締める力が強くなる。
頂点に立つ強者へ、地に伏せるしかない弱者が怯える様は心地が良い。
少しばかり機嫌を良くしたエターナルは、弾むように言葉を口にし、
「オラッ!!」
「ッ!チッ!」
「ッ!チッ!」
寸前で火球が発射された。
エターナルの足元へ着弾した火球はそのまま霧散せず火柱を噴出。
傍らのエターナルを焼き潰さんと上がる炎を、ローブを翳し防御。
耐熱性も備えたエターナルローブのお陰でダメージはゼロ。
代わりに機嫌があっという間に急降下、全く持って忌々しい小娘だと睨み付ける。
エターナルの足元へ着弾した火球はそのまま霧散せず火柱を噴出。
傍らのエターナルを焼き潰さんと上がる炎を、ローブを翳し防御。
耐熱性も備えたエターナルローブのお陰でダメージはゼロ。
代わりに機嫌があっという間に急降下、全く持って忌々しい小娘だと睨み付ける。
だが憤怒一色の視線などなんのその。
不敵な笑みで受け流し、正面を向いたまま横の仲間へ言い放つ。
不敵な笑みで受け流し、正面を向いたまま横の仲間へ言い放つ。
「桐生!DIOと青いガキは俺らが抑えとく。お前は甜花って女の子を助けに行け」
「っ!…悪い、そっちは任せる」
「おう、任された」
「っ!…悪い、そっちは任せる」
「おう、任された」
DIOに妨害される可能性が高かったさっきまでとは違い、仲間達が引き受けてくれるなら話は別。
フォーゼからビルドへと戻り、更に変身を続ける。
甜花救出の鍵となるカードを取り出し、ドライバーに読み込ませた。
フォーゼからビルドへと戻り、更に変身を続ける。
甜花救出の鍵となるカードを取り出し、ドライバーに読み込ませた。
『KAMEN RIDE BUILD!GENIUS FORM!』
『完全無欠のボトルヤロー!ビルドジーニアス!スゲーイ!モノスゲーイ!』
純白のボディへ突き刺さる、煌びやかなカラーのフルボトル。
仮面ライダービルドの最終形態にして切り札、ジーニアスフォームへの変身を完了。
仮面ライダービルドの最終形態にして切り札、ジーニアスフォームへの変身を完了。
一度はザ・ワールドを追い詰めたビルドジーニアスの出現にDIOもまた警戒を強める。
自身のスタンドへエネルギーを流し込み強化、四肢が蒼の業火に包まれた。
そこへ接近するのは蓬莱人の肉体を得た不死身の兵士。
歩兵銃の銃床を叩きつけるも、交差させた両腕に防がれる。
両手が塞がっているならとエターナルを蹴り付け、反動で数十センチ下がる。
避けてすぐさま拳を放つのはザ・ワールドだ。
流石にザ・ワールド相手に真正面からは分が悪い、地面を転がり距離を取った。
自身のスタンドへエネルギーを流し込み強化、四肢が蒼の業火に包まれた。
そこへ接近するのは蓬莱人の肉体を得た不死身の兵士。
歩兵銃の銃床を叩きつけるも、交差させた両腕に防がれる。
両手が塞がっているならとエターナルを蹴り付け、反動で数十センチ下がる。
避けてすぐさま拳を放つのはザ・ワールドだ。
流石にザ・ワールド相手に真正面からは分が悪い、地面を転がり距離を取った。
「あの小娘がァ…!よくもDIO様へ…っ!?」
「余所見してんじゃねーヨ!セーラー○ーンみてぇなもん着やがって!」
「余所見してんじゃねーヨ!セーラー○ーンみてぇなもん着やがって!」
杉元への怒りをぶつけるヴァニラへ蹴り掛かるは神楽が変身したブレイズ。
ノーブルソルトというブレイズの脚部が、ライオンの如き俊敏さを付与。
獲物を狩る百獣の王の一撃で仕留められる末路を、キュアジェラートの身体能力を以て回避。
ヴァニラが首を垂れる王はDIOただ一人、他の輩にくれてやる命など持ち合わせてはいない。
蹴りを凌いだヴァニラの瞳に飛び込んだのは、銀髪の男がエターナルへ再び刀を投擲しようとする瞬間。
懲りずに愚かしい真似へ走る狂犬を誰が見逃してやるものか。
クリームエネルギーで作り出した氷のブロックを弾丸のように発射、生意気にも避けた相手へ接近し殴り掛かった。
ノーブルソルトというブレイズの脚部が、ライオンの如き俊敏さを付与。
獲物を狩る百獣の王の一撃で仕留められる末路を、キュアジェラートの身体能力を以て回避。
ヴァニラが首を垂れる王はDIOただ一人、他の輩にくれてやる命など持ち合わせてはいない。
蹴りを凌いだヴァニラの瞳に飛び込んだのは、銀髪の男がエターナルへ再び刀を投擲しようとする瞬間。
懲りずに愚かしい真似へ走る狂犬を誰が見逃してやるものか。
クリームエネルギーで作り出した氷のブロックを弾丸のように発射、生意気にも避けた相手へ接近し殴り掛かった。
「DIOさん…!て、甜花も援護しないと……!」
次々に変化する戦況へ置いてけぼりになった甜花も、ようやく事態を飲み込んだ。
新しく現れた二人はDIOの敵、つまりは自分の敵。
その二人はヴァニラが相手取っているが、DIOは別の敵と戦闘中。
なら自分も戦いに参加しDIOを手伝わなければならない。
意気込み新たにソニックアローを構え、
新しく現れた二人はDIOの敵、つまりは自分の敵。
その二人はヴァニラが相手取っているが、DIOは別の敵と戦闘中。
なら自分も戦いに参加しDIOを手伝わなければならない。
意気込み新たにソニックアローを構え、
「甜花」
「……っ!戦兎、さん……」
「……っ!戦兎、さん……」
目の前に、一人の男が立ち塞がった。
帝王と狂信者が猛威を振るう戦場。
その片隅で、心を囚われた少女を解放する為の戦いが始まろうとしていた。
その片隅で、心を囚われた少女を解放する為の戦いが始まろうとしていた。