会場内に存在する小学校。
その敷地内に設置されたプールの傍らに、一人の少女の姿があった。
彼女の名は、椎名桜子。巨大学園・麻帆良学園に通う女子中学生だ。
その敷地内に設置されたプールの傍らに、一人の少女の姿があった。
彼女の名は、椎名桜子。巨大学園・麻帆良学園に通う女子中学生だ。
「えー……。何これ……」
桜子の口から漏れたのは、困惑の言葉だった。
彼女はごく普通の人生を歩んできた中学生である。
突然拉致されて殺し合いをしろと言われても、どうにも現実感が湧かない。
頭では危険な状況だとわかっているのだが、心が追いつかないのだ。
彼女はごく普通の人生を歩んできた中学生である。
突然拉致されて殺し合いをしろと言われても、どうにも現実感が湧かない。
頭では危険な状況だとわかっているのだが、心が追いつかないのだ。
「なんか、こういう映画あった気がするけど……。
いざ自分が参加させられると、何すればいいのかわからないなあ……。
とりあえず、荷物の確認とかすればいいのかな?」
いざ自分が参加させられると、何すればいいのかわからないなあ……。
とりあえず、荷物の確認とかすればいいのかな?」
桜子はとりあえずデイパックを開け、中身を調べてみることにする。
まず出てきたのは、鈍色の筒だった。
まず出てきたのは、鈍色の筒だった。
「えーと、空気砲? 理科の実験でよく見かけるあれ?
手にはめて『ドカン』と叫べば、空気が発射される、か……」
手にはめて『ドカン』と叫べば、空気が発射される、か……」
同梱されていた説明書に従い、桜子は試しにそれを右腕にはめて叫んでみる。
「ドカン!」
次の瞬間、猛烈な勢いで発射された空気弾が、彼女の正面にあった金網を突き破った。
「え……?」
予想を遙かに上回る破壊力に、桜子の思考は限りなく停止に近い状態に陥る。
彼女はただ呆然と、金網に開いた穴を見つめていた。
だが、その状態は長く続かない。
彼女の背後で、激しい水音が立ったからだ。
彼女はただ呆然と、金網に開いた穴を見つめていた。
だが、その状態は長く続かない。
彼女の背後で、激しい水音が立ったからだ。
「まったく……。いくら俺が水棲超人だからって、水の中からスタートさせることはねえだろう。
カバンがずぶ濡れじゃねえか」
カバンがずぶ濡れじゃねえか」
続いて聞こえてきたのは、荒々しい口調の声。
桜子は恐る恐る、背後に視線を移す。
そこにいたのは、「半魚人」と表現するほかない生物だった。
桜子は恐る恐る、背後に視線を移す。
そこにいたのは、「半魚人」と表現するほかない生物だった。
「え、え?」
桜子の思考は、さらにかき乱される。
あんな生物が実在するはずがない。着ぐるみに決まっている。
そう思おうとしても、月明かりを反射する鱗の輝きが否応なくリアリティーを彼女に叩きつける。
あんな生物が実在するはずがない。着ぐるみに決まっている。
そう思おうとしても、月明かりを反射する鱗の輝きが否応なくリアリティーを彼女に叩きつける。
「あぁん? なんだ、人間のガキか。
ちょうどいい。景気づけに、いっちょ血祭りに上げてやるか」
ちょうどいい。景気づけに、いっちょ血祭りに上げてやるか」
半魚人はプールから上がると、まっすぐに桜子に向かって歩いてきた。
混乱の極みにある桜子は、ただ棒立ちでそれを見つめるだけだ。
「逃げなければ殺される」という認識はある。
だがそれはどこか他人事のようで、体を動かそうという意志に繋がらない。
やがて半魚人は桜子のすぐ前に到達すると、鋭い爪の生えた右手を振り上げた。
混乱の極みにある桜子は、ただ棒立ちでそれを見つめるだけだ。
「逃げなければ殺される」という認識はある。
だがそれはどこか他人事のようで、体を動かそうという意志に繋がらない。
やがて半魚人は桜子のすぐ前に到達すると、鋭い爪の生えた右手を振り上げた。
(ああ……。私、死ぬんだ……。
せめて死ぬ前に、もう一回あの二人の顔が見たかったなあ……)
せめて死ぬ前に、もう一回あの二人の顔が見たかったなあ……)
親友である柿崎と釘宮の顔を思い浮かべながら、桜子は死を受け入れる。
だが、半魚人の手は彼女の体を切り裂く寸前で止まった。
だが、半魚人の手は彼女の体を切り裂く寸前で止まった。
「なーんてなあ! 我ら悪魔超人、外道なれど獣にあらず!
リングの外で、むやみやたらに殺生はしねえよ」
リングの外で、むやみやたらに殺生はしねえよ」
ケケケ、と笑うと、半魚人は金網の穴を広げてプールサイドから立ち去ろうとする。
うつろな目でそれを見ていた桜子だったが、ふと我に返り半魚人に話しかける。
うつろな目でそれを見ていた桜子だったが、ふと我に返り半魚人に話しかける。
「あ、あの!!」
「なんだ? 何か用か?」
「私を殺さなかったってことは、いい人なんだよね?
それなら、ついていっていい?」
「あー? バカか、おまえ。
たった今俺が言ったことを聞いてなかったのか?
俺は悪魔だ。人間を守る義理なんてねえよ」
「守るつもりはなくても、殺すつもりもないんでしょ?
だったら、一人でいるよりは安心じゃない。
おねがい、お魚さん!」
「誰がお魚だ! いいか、俺の名前はアトランティス!
名誉ある悪魔超人の突撃部隊、7人の悪魔超人の一人だ!」
「じゃあおねがい、アトランティスさん!」
「はあ……しょうがねえな……」
「なんだ? 何か用か?」
「私を殺さなかったってことは、いい人なんだよね?
それなら、ついていっていい?」
「あー? バカか、おまえ。
たった今俺が言ったことを聞いてなかったのか?
俺は悪魔だ。人間を守る義理なんてねえよ」
「守るつもりはなくても、殺すつもりもないんでしょ?
だったら、一人でいるよりは安心じゃない。
おねがい、お魚さん!」
「誰がお魚だ! いいか、俺の名前はアトランティス!
名誉ある悪魔超人の突撃部隊、7人の悪魔超人の一人だ!」
「じゃあおねがい、アトランティスさん!」
「はあ……しょうがねえな……」
桜子の言動に毒気を抜かれたのか、アトランティスが表情を緩める。
「ついてきたいなら、勝手についてこい。
別に俺は、おまえがどうなろうと助けねえからな」
「はーい!」
別に俺は、おまえがどうなろうと助けねえからな」
「はーい!」
こうして、女子中学生と悪魔の珍道中が始まったのだった。
【椎名桜子@魔法先生ネギま!】
[状態]健康
[装備]空気砲@ドラえもん
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考]基本行動方針:生きて帰る
1:アトランティスについていく
[備考]
参戦時期は修学旅行から麻帆良祭の間。
[状態]健康
[装備]空気砲@ドラえもん
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考]基本行動方針:生きて帰る
1:アトランティスについていく
[備考]
参戦時期は修学旅行から麻帆良祭の間。
【アトランティス@キン肉マン】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]基本行動方針:適当に暴れさせてもらうか
1:正義超人か完璧超人がいたら、叩き潰してやる
2:無意味な殺戮はしない
[備考]
参戦時期はマーリンマン戦で死亡した後。
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]基本行動方針:適当に暴れさせてもらうか
1:正義超人か完璧超人がいたら、叩き潰してやる
2:無意味な殺戮はしない
[備考]
参戦時期はマーリンマン戦で死亡した後。
【空気砲@ドラえもん】
大長編でおなじみ、武器系ひみつ道具の代名詞。
腕にはめて「ドカン」と叫ぶことで、空気弾を発射する。
大長編ではたいてい叫んでないが、気にしてはいけない。
大長編でおなじみ、武器系ひみつ道具の代名詞。
腕にはめて「ドカン」と叫ぶことで、空気弾を発射する。
大長編ではたいてい叫んでないが、気にしてはいけない。
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