体を炎に変えられる女を取り逃がした土方は、東に向けて進路を取った。
なぜ東かと問うのなら、単に女が飛んで行った方向と逆を選んだ結果そうなったに過ぎない。
そもそも、彼は現在自分が会場のどのあたりにいるのかすら把握していないのだ。
故に多少、行き当たりばったりになっても仕方ない。
なぜ東かと問うのなら、単に女が飛んで行った方向と逆を選んだ結果そうなったに過ぎない。
そもそも、彼は現在自分が会場のどのあたりにいるのかすら把握していないのだ。
故に多少、行き当たりばったりになっても仕方ない。
そうこうしていると、土方の前にゴブリンが数匹現れた。
ゴブリン達はニタニタと下卑な笑みを浮かべながら彼を囲もうとするが、その前に彼は目の前の一匹を切り捨てる。
そして隙ができた群れに対し、土方はそのままの勢いで残りを殺しつくした。
ゴブリン達はニタニタと下卑な笑みを浮かべながら彼を囲もうとするが、その前に彼は目の前の一匹を切り捨てる。
そして隙ができた群れに対し、土方はそのままの勢いで残りを殺しつくした。
「ふん」
死体となったゴブリンを見て、冷たく吐き捨てる土方。
もし、囲んできたのが新選組ならこうはいかなかった。
彼が定めた掟で縛られ、集団戦に特化された彼らならばこうはならない。
彼が数で勝るゴブリンを蹂躙できたのは、ゴブリンがいかなる時も自分なら大丈夫と考える愚かな存在だからに他ならない。
もし、囲んできたのが新選組ならこうはいかなかった。
彼が定めた掟で縛られ、集団戦に特化された彼らならばこうはならない。
彼が数で勝るゴブリンを蹂躙できたのは、ゴブリンがいかなる時も自分なら大丈夫と考える愚かな存在だからに他ならない。
「やはり、違うな」
そのうち土方の思考はゴブリンそのものへと移っていく。
彼はこいつらに似た存在を知っていた。
彼が現在従っている黒王。
その王に同じく従うものの中には、さっきのゴブリンによく似たコボルトと呼ばれる種族がいる。
しかし、似ているのは外見だけだ。
彼はこいつらに似た存在を知っていた。
彼が現在従っている黒王。
その王に同じく従うものの中には、さっきのゴブリンによく似たコボルトと呼ばれる種族がいる。
しかし、似ているのは外見だけだ。
コボルトは意志がある。
故に黒王が生み出した文明を享受し、対価として忠節を黒王に示している。
そして同じ旗を掲げる以上、理由なく敵対もしまい。
故に黒王が生み出した文明を享受し、対価として忠節を黒王に示している。
そして同じ旗を掲げる以上、理由なく敵対もしまい。
だがあれは違う。
あれをいくら施したところで、断じて奴らは感謝などしない。
それどころか、施されるのが当たり前だと考えるに違いない。
もしこいつらを兵士にするのならば、忠義ではなく恐怖で従えるほかあるまい。
それでもなお、隙あらば出し抜こうとしてくるだろう。
あれをいくら施したところで、断じて奴らは感謝などしない。
それどころか、施されるのが当たり前だと考えるに違いない。
もしこいつらを兵士にするのならば、忠義ではなく恐怖で従えるほかあるまい。
それでもなお、隙あらば出し抜こうとしてくるだろう。
この違いは何なのか。
と一瞬思考するも、考えても詮無きことだなという結論に達し、土方は考察を投げ捨てる。
と一瞬思考するも、考えても詮無きことだなという結論に達し、土方は考察を投げ捨てる。
それからしばらく、土方はたまに現れるゴブリンを殺しながら進み続けると、レイジー・リンクスに到着した。
平原を当てもなく歩くより、こういった施設の方が人が集まるだろう、と考えた彼は躊躇なく街に入る。
平原を当てもなく歩くより、こういった施設の方が人が集まるだろう、と考えた彼は躊躇なく街に入る。
土方の視界に広がる町並みは彼の知る京や、直前に攻め込んだオルテ帝国のヴェルリナとも異なる風景だった。
これが日ノ本の未来なのか、それともまるで知らない異世界の光景なのか、彼には想像もつかないし、興味もない。
だが地形の未把握により敵を逃がすことや不意討ちを喰らうことなどあってはならないので、彼は町を探索し始めた。
これが日ノ本の未来なのか、それともまるで知らない異世界の光景なのか、彼には想像もつかないし、興味もない。
だが地形の未把握により敵を逃がすことや不意討ちを喰らうことなどあってはならないので、彼は町を探索し始めた。
こうしてしばらく探索するも、土方の目にはたいして重要そうなものは見つからない。
すると、彼の前に一際大きな建物が現れた。
建物の前には広い空き地。建物の横には何かの小屋。
そして正面の門には『ふたば幼稚園』と書かれているのでここが施設であることと、施設の名前は把握したが、ここがどういう目的で作られたものかは理解できない。
しかし、ここには何かあると直感した土方は施設へと足を踏み入れた。
すると、彼の前に一際大きな建物が現れた。
建物の前には広い空き地。建物の横には何かの小屋。
そして正面の門には『ふたば幼稚園』と書かれているのでここが施設であることと、施設の名前は把握したが、ここがどういう目的で作られたものかは理解できない。
しかし、ここには何かあると直感した土方は施設へと足を踏み入れた。
「なんだ……これは……?」
幼稚園に入った土方が感じたものは、困惑だった。
何に使うのか分からない、現代人なら遊具と分かる、空き地に設置された謎の物体。
教室に入ると、大人が使うにはあまりにも小さすぎる机と椅子。
明らかに下手な壁に貼られた絵。
全てが彼には理解不能だった。
何に使うのか分からない、現代人なら遊具と分かる、空き地に設置された謎の物体。
教室に入ると、大人が使うにはあまりにも小さすぎる机と椅子。
明らかに下手な壁に貼られた絵。
全てが彼には理解不能だった。
土方がそれでも探索していると、幼稚園にある体育館にたどり着く。
まるで道場の様だ、と彼が思ったのもつかの間。
奥にある壇上の上には、なぜか立て札が。
まるで道場の様だ、と彼が思ったのもつかの間。
奥にある壇上の上には、なぜか立て札が。
土方が立て札を見に近くへ行くと、札の横の床には金属の板の中心に丸いものと、手すりが付いた謎の物体が。
立て札には、この物体の説明文が書かれているのだ。
なので、土方は文章を読み始めた。
立て札には、この物体の説明文が書かれているのだ。
なので、土方は文章を読み始めた。
『この装置はワープ装置で、ここにあるワープ装置の正式名称は次元転送装置です。
使用すると会場内の違う場所に転移します。
転移場所は使用する度に変更されるため、転移先は特定できません。
ただし、少なくとも海の上など、参加者が転移した途端危険が及ぶような場所は選ばれません。
使用すると会場内の違う場所に転移します。
転移場所は使用する度に変更されるため、転移先は特定できません。
ただし、少なくとも海の上など、参加者が転移した途端危険が及ぶような場所は選ばれません。
また、ワープ装置は一度使用すると、使用した参加者は次の放送まで使用できません。
この点に関しましては、ここだけでなく全てのワープ装置において共通するものとします。
この点に関しましては、ここだけでなく全てのワープ装置において共通するものとします。
余談ですが、ワープ装置はこれ以外にも設置しています。
ここ以外のワープ装置は隠されている場合もあるので、興味のある方は少々気を付けて探してみてください。
また、ワープ装置の形状も異なっている可能性もあるのでその点も注意』
「ふむ……」
ここ以外のワープ装置は隠されている場合もあるので、興味のある方は少々気を付けて探してみてください。
また、ワープ装置の形状も異なっている可能性もあるのでその点も注意』
「ふむ……」
立て札に書かれた装置についての説明。
更にその横には使い方まで書かれており、それらを読み終えた土方は思考する。
更にその横には使い方まで書かれており、それらを読み終えた土方は思考する。
まず、この装置の利点について。
これを使えば、おそらくだが参加者のいる場所へたどり着ける。
転移先は特定できないなどと書かれているが、主催者にとって俺は殺し合いに乗っている都合のいい存在。
まさか人のいない所へ追いやるような真似はしないだろう。
本当に適当だというのなら少々話も変わるが、恐らくそれはない、と推測する。
これを使えば、おそらくだが参加者のいる場所へたどり着ける。
転移先は特定できないなどと書かれているが、主催者にとって俺は殺し合いに乗っている都合のいい存在。
まさか人のいない所へ追いやるような真似はしないだろう。
本当に適当だというのなら少々話も変わるが、恐らくそれはない、と推測する。
つまり、おおよそ欠点は見受けられない。
しかし、今すぐ使うかと言われれば別の問題だ。
しかし、今すぐ使うかと言われれば別の問題だ。
そもそも、今いる建物は結構目立つ。
故に、もしこの街に誰かが来ればとりあえずは入って来るだろう。
だったら、無理に移動せずしばらく待つのも手だ。
故に、もしこの街に誰かが来ればとりあえずは入って来るだろう。
だったら、無理に移動せずしばらく待つのも手だ。
むしろその方がいい気もしてきた。
そもそも俺はまだ、名簿も禄に見ていない。
少し疲れているので、休めるときに休める今の内に確認するのも悪くはないだろう。
勿論、他の参加者を殺す気はあるが、そうすぐに終わる殺し合いではない。
そもそも俺はまだ、名簿も禄に見ていない。
少し疲れているので、休めるときに休める今の内に確認するのも悪くはないだろう。
勿論、他の参加者を殺す気はあるが、そうすぐに終わる殺し合いではない。
そこまで考えて土方は、ワープ装置のすぐ横に座り、デイバッグからルールブックを取り出して名簿を確認し始めた。
【F-3 レイジー・リンクス ふたば幼稚園体育館内/黎明】
【土方歳三@ドリフターズ】
[状態]疲労(小)
[装備]毒濁刀@トクサツガガガ
[道具]基本支給品、風神の盾@ドラゴンクエストシリーズ、ランダム支給品0〜1
[思考]基本行動方針:優勝し、新撰組を復活させる
1:今は少し休息しながら、名簿を確認する
2:ここで参加者を待ち、見つけ次第殺す
3:しばらく待ってここに参加者が来なかった場合、ワープ装置を用いて違う場所へ行く
[備考]
参戦時期は単行本4巻終了時点。
召喚した亡霊は物理攻撃でもダメージを受けますが、倒されても一定時間経過すると再召喚できます。
また、土方本人と一定距離以上離れた場合も召喚解除されます。
[状態]疲労(小)
[装備]毒濁刀@トクサツガガガ
[道具]基本支給品、風神の盾@ドラゴンクエストシリーズ、ランダム支給品0〜1
[思考]基本行動方針:優勝し、新撰組を復活させる
1:今は少し休息しながら、名簿を確認する
2:ここで参加者を待ち、見つけ次第殺す
3:しばらく待ってここに参加者が来なかった場合、ワープ装置を用いて違う場所へ行く
[備考]
参戦時期は単行本4巻終了時点。
召喚した亡霊は物理攻撃でもダメージを受けますが、倒されても一定時間経過すると再召喚できます。
また、土方本人と一定距離以上離れた場合も召喚解除されます。
※ワープ装置は大々的に置かれている場合と、隠されている場合の二つのパターンがあります。
※全てのワープ装置を使用した参加者は、次の主催者の放送を超えるまで再び使用できません。
つまり、一回の放送につき一度までしかワープ装置は使用できません。これはワープ装置ごとではなく、全てのワープ装置で共通とします。
※全てのワープ装置を使用した参加者は、次の主催者の放送を超えるまで再び使用できません。
つまり、一回の放送につき一度までしかワープ装置は使用できません。これはワープ装置ごとではなく、全てのワープ装置で共通とします。
【F-3 ふたば幼稚園@クレヨンしんちゃん】
野原しんのすけ達が通う幼稚園。
原作漫画ではアクション幼稚園という名前だった。
体育館には次元転送装置@SKET DANCE が設置されている。
なお、本来は隣に園長先生の自宅があるが、この会場では再現されていない。
野原しんのすけ達が通う幼稚園。
原作漫画ではアクション幼稚園という名前だった。
体育館には次元転送装置@SKET DANCE が設置されている。
なお、本来は隣に園長先生の自宅があるが、この会場では再現されていない。
【F-3 次元転送装置@SKET DANCE】
SKET DANCE第180話、銀魂とのコラボ回に登場したアイテム。
元々は銀魂の登場人物、源外が作った次元を転送できるもの。なお、一度故障したが笛吹和義@SKET DANCE が修理し、その際手すりを付けられた。
本ロワでは、F-3 ふたば幼稚園の体育館内に設置。
使用すると会場内のどこかにランダムで転移させられるものとなっている。
転移場所は少なくとも海の上など、参加者が転移した途端危険が及ぶような場所にはならない。
SKET DANCE第180話、銀魂とのコラボ回に登場したアイテム。
元々は銀魂の登場人物、源外が作った次元を転送できるもの。なお、一度故障したが笛吹和義@SKET DANCE が修理し、その際手すりを付けられた。
本ロワでは、F-3 ふたば幼稚園の体育館内に設置。
使用すると会場内のどこかにランダムで転移させられるものとなっている。
転移場所は少なくとも海の上など、参加者が転移した途端危険が及ぶような場所にはならない。
067:迫る影 | 投下順 | 069:岸辺露伴は抗えない |
016:クレイジー・ノイジー | 土方歳三 | 083:ゼロニハモドレヌコンペ・ロワイアル |