「どこに逃げようって言うの?この悪党共…!」
同行者が撃たれ、叫ぶ二人の声とは違う声が聞こえた。
それは弾丸の飛んできた方向を合致しており、声質は女性…それも子供の声だった。
振り返ると襲撃者と同じ怪盗を連想させる服装をした一人の少女の姿。
そして、その手には硝煙が立ち昇る拳銃が握られていた。
それは弾丸の飛んできた方向を合致しており、声質は女性…それも子供の声だった。
振り返ると襲撃者と同じ怪盗を連想させる服装をした一人の少女の姿。
そして、その手には硝煙が立ち昇る拳銃が握られていた。
「き、キミだぁれ?キミがひーちゃんを撃ったの?」
「私は、私たちは心の怪盗団。
この地に蔓延った悪党を一人残らず改心させる為に参上した正義の味方」
「悪党…?どういうことじゃ!ワシ等は何もしとらんぞ!」
「だから悪党じゃないって?白々しいウソつかないで」
「私は、私たちは心の怪盗団。
この地に蔓延った悪党を一人残らず改心させる為に参上した正義の味方」
「悪党…?どういうことじゃ!ワシ等は何もしとらんぞ!」
「だから悪党じゃないって?白々しいウソつかないで」
目玉おやじの否定の言葉を正義の味方を名乗った少女はフンと鼻で笑う
「誤魔化したって無駄
一般人だって言うなら殺し合いの場に連れてこられて、
あんな呑気に笑ってなんていられるわけがない。
もっと殺し合いの恐怖に怯えて、助けを求めて震えてるはず…
それなのに、外からでも聞こえるくらい賑やかな声出してさ。
どうやって参加者を殺すか作戦立てながら高笑いでもしてた?」
一般人だって言うなら殺し合いの場に連れてこられて、
あんな呑気に笑ってなんていられるわけがない。
もっと殺し合いの恐怖に怯えて、助けを求めて震えてるはず…
それなのに、外からでも聞こえるくらい賑やかな声出してさ。
どうやって参加者を殺すか作戦立てながら高笑いでもしてた?」
「違うよ!ボクたちは、そんなことしてない!」
「ワシ等は参加者が来るまで互いの話しをして待っておっただけじゃ
確かに呑気な話をしとったかもしれんが、恐怖に負けぬよう励ましあっとったんじゃ!」
「ワシ等は参加者が来るまで互いの話しをして待っておっただけじゃ
確かに呑気な話をしとったかもしれんが、恐怖に負けぬよう励ましあっとったんじゃ!」
言いがかりに等しい悪人認定。これには黙っていられないと二人は反論を返す。
それでも悪を拒絶する少女の心は揺らがない。
それでも悪を拒絶する少女の心は揺らがない。
「口先だけならどうとだって言えるよ。私は信じない。
みんな綺麗な言葉の裏では汚い事ばかり考えてる。
弱者を食い物にしてやろうと舌なめずりしてる。
だから、私が成敗してやるんだ。手に入れた…この力で!ジョーカー!」
みんな綺麗な言葉の裏では汚い事ばかり考えてる。
弱者を食い物にしてやろうと舌なめずりしてる。
だから、私が成敗してやるんだ。手に入れた…この力で!ジョーカー!」
少女の叫びを合図に上空に影が出現し、
そこから現れた男が短剣を首元に押し付けながらブースカを組み伏せる。
予期せぬ方向からの出来事。彼には抵抗する暇もなかった。
そこから現れた男が短剣を首元に押し付けながらブースカを組み伏せる。
予期せぬ方向からの出来事。彼には抵抗する暇もなかった。
「……っ!! うわあぁっ!!」
「ブースカ!くぅ…やはり戻ってきおったか。
じゃが、その体は…何故なんともなってないんじゃ?」
「ブースカ!くぅ…やはり戻ってきおったか。
じゃが、その体は…何故なんともなってないんじゃ?」
拘束してきた男は黒い肌にロングコート、そして赤髪と
先程まで戦っていた襲撃者に間違いない。
外で起きてる騒動に気づいたか仲間の声を聞きつけて戻ってきただろう。
だが、仮にそうだった場合おかしな点がある。
濡れていたはずの身体が何事もなかったように乾いているのだ。
染みついたニスを短時間で落とし切るなど絶対に不可能。一体どうやって…
先程まで戦っていた襲撃者に間違いない。
外で起きてる騒動に気づいたか仲間の声を聞きつけて戻ってきただろう。
だが、仮にそうだった場合おかしな点がある。
濡れていたはずの身体が何事もなかったように乾いているのだ。
染みついたニスを短時間で落とし切るなど絶対に不可能。一体どうやって…
「関係ない事だよ。これから改心されるあなた達には」
男への思考を無意味と断じ、再び目玉おやじらに銃を突きつける少女。
「安心して?すぐにはやらない…最期に懺悔しなよ。
これまでしてきた悪事もこれからしようとしてた悪事も含めて全部。
そうしたら、最期は楽に改心させてあげる」
これまでしてきた悪事もこれからしようとしてた悪事も含めて全部。
そうしたら、最期は楽に改心させてあげる」
慈悲とはかけ離れた死刑宣告にも等しい発言に目玉おやじの頬を汗が伝った。
ブースカは拘束され、日和は倒れたまま。
反論の言葉は耳に入らず、言うとおりにしても待っているのは死
状況は詰みに近く、出来る事は何もない。自分の無力さがこんなにも悔しい時は無かった。
ブースカは拘束され、日和は倒れたまま。
反論の言葉は耳に入らず、言うとおりにしても待っているのは死
状況は詰みに近く、出来る事は何もない。自分の無力さがこんなにも悔しい時は無かった。
「待って…」
瞬間、聞こえたとてもか細い声
普段とは比べ物にならぬ程小さい声で呟いた日和の声だ。
一体何を思ったか。彼女は手元にあったデイバックに手を伸ばすとそれを遠くに放りやり、ゆらゆらと力なく立ち上がる。
普段とは比べ物にならぬ程小さい声で呟いた日和の声だ。
一体何を思ったか。彼女は手元にあったデイバックに手を伸ばすとそれを遠くに放りやり、ゆらゆらと力なく立ち上がる。
「日和!その傷で動いてはならん!」
「オマエ、いったい何のつもり?」
「オマエ、いったい何のつもり?」
放り捨てたデイバックの開口部からは飛び出ているのは、ノコギリや金づちといった凶器の類
腕の傷を見れば、それらを扱うのは難しい。結論で言えば大した痛手ではないのかもしれない。
しかし、これは彼女がまともな抵抗手段を自ら手放した事を意味していた。
やけっぱちにも見える愚行に少女は疑問の言葉を投げかける。
腕の傷を見れば、それらを扱うのは難しい。結論で言えば大した痛手ではないのかもしれない。
しかし、これは彼女がまともな抵抗手段を自ら手放した事を意味していた。
やけっぱちにも見える愚行に少女は疑問の言葉を投げかける。
「口先だけじゃダメって…言ってたよね。
だからこれくらいはしなきゃ、証明にならないって思って…」
だからこれくらいはしなきゃ、証明にならないって思って…」
処置がされていない絶えず血が流れ出る片腕と明らかに弱り切った表情。
この様子では例え何かを懐に忍ばせていたとしても
危害を加える動きをするなどとてもじゃないが不可能だ。
彼女が今完全な丸腰状態なのは疑いようもない事実。
この様子では例え何かを懐に忍ばせていたとしても
危害を加える動きをするなどとてもじゃないが不可能だ。
彼女が今完全な丸腰状態なのは疑いようもない事実。
「観念したってこと?いい心がけだけど、そんなことしたって改心を見逃す理由には」
「貴女がこれまで…
どんな事があったか詳しいことは分からない…それでもね。」
「…!来るな!近づけば撃つよ!」
「貴女がこれまで…
どんな事があったか詳しいことは分からない…それでもね。」
「…!来るな!近づけば撃つよ!」
反応が返り切る前に日和は覚束ない足取りで歩みを開始した。言うべき話を少女に語り掛けながら
迫る相手に銃を向け、警告の言葉をぶつけるが彼女は止まらない。
迫る相手に銃を向け、警告の言葉をぶつけるが彼女は止まらない。
「周り全てが敵に見えてしまうくらい…辛い事があったってことは分かるよ…
けどさ…どんなに苦しくても誰かを傷つけて…繋がりを断ち切ろうとしちゃダメ…」
けどさ…どんなに苦しくても誰かを傷つけて…繋がりを断ち切ろうとしちゃダメ…」
一歩、また一歩彼女の元へ進み続ける日和。
その歩みを止める者は誰もいない。味方は勿論、敵ですらも邪魔してはならないと黙って見つめていた。
息も絶え絶えなその傷ついた身で、己を撃った見知らぬ少女を思って話続ける。
その歩みを止める者は誰もいない。味方は勿論、敵ですらも邪魔してはならないと黙って見つめていた。
息も絶え絶えなその傷ついた身で、己を撃った見知らぬ少女を思って話続ける。
「それで皆の命を奪ったら…あなた、独りぼっちになっちゃう…
本当は分かり合えたはずの相手とも…永遠にすれ違ったままになっちゃうから…」
本当は分かり合えたはずの相手とも…永遠にすれ違ったままになっちゃうから…」
人にも妖怪にも相手にしかない事情がある。それがどれだけ憎い相手だろうと
その事情は歩み寄らなくては決して知る事は出来ない。
だが、死んでしまえば抱えていた真実を知ることは完全に消えてしまう。
本来在り得たはずの和解の機会も二度となくなってしまうのだ。
その事情は歩み寄らなくては決して知る事は出来ない。
だが、死んでしまえば抱えていた真実を知ることは完全に消えてしまう。
本来在り得たはずの和解の機会も二度となくなってしまうのだ。
「ちょっと…やめてよ、近づかないで…!」
「私たちはまだお互いの事何も知らない…
だからまずは…知ろうとするところから始めよう?」
「私たちはまだお互いの事何も知らない…
だからまずは…知ろうとするところから始めよう?」
敵は目前にまで迫ってきている。互いの距離はゼロに近しい。
撃とうと思えばいつでも撃てる。だが、撃てなかった
攻撃を受けた訳でもないのに銃を握る手が震え、引き金が格段に重くなっている。
悪人の言葉にどうしてここまで動揺するのか理解できず
その原因の把握に割かれた思考は少女の行動を許さない。
何もしないまま時は立ち、やがて日和の手が彼女の手と重なった。
撃とうと思えばいつでも撃てる。だが、撃てなかった
攻撃を受けた訳でもないのに銃を握る手が震え、引き金が格段に重くなっている。
悪人の言葉にどうしてここまで動揺するのか理解できず
その原因の把握に割かれた思考は少女の行動を許さない。
何もしないまま時は立ち、やがて日和の手が彼女の手と重なった。
「私たちは敵同士にならなくてもいい…
銃を置いて、ラーメンでも食べながら少しずつ…自己紹介から始めよう、ね…?」
「……ッ!さ、触らないで!」
銃を置いて、ラーメンでも食べながら少しずつ…自己紹介から始めよう、ね…?」
「……ッ!さ、触らないで!」
重ねられた手を少女は感情的に振り払う。
力いっぱい引き剝がされた日和は体を支える余力などない、そのまま地面に崩れ落ちる。
力いっぱい引き剝がされた日和は体を支える余力などない、そのまま地面に崩れ落ちる。
「騙されない!信じない!
私が…私が悪い奴らを改心させるんだあああああ!!」
私が…私が悪い奴らを改心させるんだあああああ!!」
激しい頭痛に苦しむように頭を抱え、鋭く突きさすような叫びを上げる少女。
震える銃口を倒れた日和に向け、今にもその引き金がひかれようとしている。
もう何をしても間に合わない。諦めたように目を閉じ―――
震える銃口を倒れた日和に向け、今にもその引き金がひかれようとしている。
もう何をしても間に合わない。諦めたように目を閉じ―――
「ひーちゃんをイジめるなぁー!」
その凶行を少女の叫びに負けずとも劣らぬ大声で待ったをかける者が一人、いや一匹
湧きあがる憤怒をエネルギーに換え、発揮した爆発的な怪力を持って
自らを拘束する怪盗を力づくで吹き飛ばした。
突然の反抗に少女は我に返り、今もっとも撃つべき相手をブースカと判断。銃を彼へと構えなおす
湧きあがる憤怒をエネルギーに換え、発揮した爆発的な怪力を持って
自らを拘束する怪盗を力づくで吹き飛ばした。
突然の反抗に少女は我に返り、今もっとも撃つべき相手をブースカと判断。銃を彼へと構えなおす
「ジョーカー!オマエ…!」
「プリプリのキリリンコ!カッカッカァ――ッ!」
「プリプリのキリリンコ!カッカッカァ――ッ!」
それはブースカにとっての怒りの合言葉。
冠からは沸騰した薬缶のように蒸気が噴き出し、爆発した感情を表面化させる。
冠からは沸騰した薬缶のように蒸気が噴き出し、爆発した感情を表面化させる。
「ネンネン…リキリキィーーー!」
呪文と共に一直線に放たれる紫色の快光線
その一撃を浴びた少女はフヨフヨと宙に浮き始め、身体の自由を奪い去られた。
その一撃を浴びた少女はフヨフヨと宙に浮き始め、身体の自由を奪い去られた。
「オマエなんか…オマエなんか、とんでっちゃえー!」
「え……きゃあぁ!?」
「え……きゃあぁ!?」
ブースカは怒りのままに放り投げる動作を取ると念動力で少女を崖へと吹き飛ばす。
身体の自由を奪われた状態では抗えず、どうしようもないままに転落していく。
ジョーカーは仲間の窮地に血相を変え、凄まじい加速で落ちていく彼女の元へ急行。
拘束を解いたターゲットには脇目も振らず、三人の横を一陣の風をなって通り抜ける。
そして、役割を果たす為に大森林の生い茂る崖下へと飛び込んでいった。
身体の自由を奪われた状態では抗えず、どうしようもないままに転落していく。
ジョーカーは仲間の窮地に血相を変え、凄まじい加速で落ちていく彼女の元へ急行。
拘束を解いたターゲットには脇目も振らず、三人の横を一陣の風をなって通り抜ける。
そして、役割を果たす為に大森林の生い茂る崖下へと飛び込んでいった。
■
二人は飛び降りる怪盗を黙って見送る。
敵の動向以上に気に掛けねばならない者が他にいるからだ。
力なく倒れる日和に駆け寄るブースカと目玉おやじ
敵の動向以上に気に掛けねばならない者が他にいるからだ。
力なく倒れる日和に駆け寄るブースカと目玉おやじ
「ハァ…ハァ…」
「鬼のいない間に急いで応急手当じゃ!
ブースカよ、そのジャケットで傷口をふさいでくれぃ!」
「う、うん!分かった」
「鬼のいない間に急いで応急手当じゃ!
ブースカよ、そのジャケットで傷口をふさいでくれぃ!」
「う、うん!分かった」
怪盗を遠くに吹き飛ばし、邪魔する者がいなくなった今が好機と
腰に巻いたジャケットをきつく結び付ける事で圧迫止血を施そうと試みる。
日和は片腕が使えない状態な為、本人にやらせるのは酷な話。
彼女や体が小さく結びづらい目玉おやじに代わってブースカが出血部分を縛りあげる。
すぐに止まるというわけではないが、とりあえずは更なる出血を回避出来た。
腰に巻いたジャケットをきつく結び付ける事で圧迫止血を施そうと試みる。
日和は片腕が使えない状態な為、本人にやらせるのは酷な話。
彼女や体が小さく結びづらい目玉おやじに代わってブースカが出血部分を縛りあげる。
すぐに止まるというわけではないが、とりあえずは更なる出血を回避出来た。
「…っててて。ありがとうブースカ。助けてくれたんだよね」
「ひーちゃん、体は大丈夫なの!?」
「大丈夫……とは言えないかな…
小さいケガは園だとよくあるけど、流石に…撃たれるのは初めてで…」
「ひーちゃん、体は大丈夫なの!?」
「大丈夫……とは言えないかな…
小さいケガは園だとよくあるけど、流石に…撃たれるのは初めてで…」
撃たれた後も体を行使したせいか顔色は思わしくなかった。
何より妖怪とは違う普通の人間だ。銃で撃たれて元気溌剌でいられるはずもない。
何より妖怪とは違う普通の人間だ。銃で撃たれて元気溌剌でいられるはずもない。
「まったくあんな無茶しおって!止めに入らなければどうなっとったか!」
「あはは…すみませんご心配かけて。…それであの子は?」
「森の方へ落ちてったのをあやつがジョーカーと呼んでいた男が助けに行ったわい。
どうなっているか分からんが、恐らくは死んでおらんじゃろうな」
「…そう、ですか。なら良かったです…」
「良くないよ!ひーちゃんをこんなにイジメたんだよ!
あんなヤツ、そのまま落っこちゃえばいいんだ!」
「あはは…すみませんご心配かけて。…それであの子は?」
「森の方へ落ちてったのをあやつがジョーカーと呼んでいた男が助けに行ったわい。
どうなっているか分からんが、恐らくは死んでおらんじゃろうな」
「…そう、ですか。なら良かったです…」
「良くないよ!ひーちゃんをこんなにイジメたんだよ!
あんなヤツ、そのまま落っこちゃえばいいんだ!」
少女に対し怒りを露わにするブースカ。
自分だけでなく友だちが傷つけられ、死にかけているのだ。
いくら温厚な彼であっても決して許せない所業だろう。
気持ちは大いに分かる。でも───
自分だけでなく友だちが傷つけられ、死にかけているのだ。
いくら温厚な彼であっても決して許せない所業だろう。
気持ちは大いに分かる。でも───
「コラっ」
「イテッ!」
「イテッ!」
怒りで震えるブースカの頭を日和はコツンとチョップする。
力は全く入っていないのでダメージは無いが、反射で小さく呻くブースカ。
力は全く入っていないのでダメージは無いが、反射で小さく呻くブースカ。
「どれだけ嫌いな相手でも傷ついてほしいなんて言っちゃダメ
誰かを死なせて物事を解決してもいい気持ちになんて絶対ならないんだよ?」
誰かを死なせて物事を解決してもいい気持ちになんて絶対ならないんだよ?」
九尾、一目五先生、刑天
皆、他者の生気や血肉を喰らう事でしか生きられない敵対的な妖怪達
彼らは人を傷つけても何も思わず、笑って命を奪える存在だった。
全てに対してイイ子ちゃんのままではいられない。
やられっぱなしでいるだけでは大切なものを失ってしまう。
戦う道しかなかった。でなければ大勢の人や妖怪が死んでしまうから。
それでも傷つけあう事でしか解決策が無かったことに後悔が尽きない。
彼ら以外にも同様のケースは度々あったが、笑って締められた事は一度もない。
皆、他者の生気や血肉を喰らう事でしか生きられない敵対的な妖怪達
彼らは人を傷つけても何も思わず、笑って命を奪える存在だった。
全てに対してイイ子ちゃんのままではいられない。
やられっぱなしでいるだけでは大切なものを失ってしまう。
戦う道しかなかった。でなければ大勢の人や妖怪が死んでしまうから。
それでも傷つけあう事でしか解決策が無かったことに後悔が尽きない。
彼ら以外にも同様のケースは度々あったが、笑って締められた事は一度もない。
では、あの子はどうだろうか?
敵意を剥き出しにして、皆を殺しにかかってきた
悪に対して並々ならぬ思いを抱いていた少女
彼女も倒さざる負えなかった妖怪達と同じだというのか
どちらかが死ぬまで戦って殺してしまう事道でしか解決できない?
敵意を剥き出しにして、皆を殺しにかかってきた
悪に対して並々ならぬ思いを抱いていた少女
彼女も倒さざる負えなかった妖怪達と同じだというのか
どちらかが死ぬまで戦って殺してしまう事道でしか解決できない?
それは違う、違うはずだ。
自分の中の正義だけを信じて一方的な決めつけで人を襲う。
それだけを見れば取り付く島もない危険人物に見える
でも、彼女は動揺していた、苦悩していた。
殺戮を楽しんでる訳でも話が一切通じない訳でもない。
大人が寄り添ってあげる必要のある、ただの子どもなんだ。
力を得てしまった事で負の感情を爆発させるしか出来なくなっているなら
取り返しがつかなくなる前に止めてあげなくちゃいけない。
自分の中の正義だけを信じて一方的な決めつけで人を襲う。
それだけを見れば取り付く島もない危険人物に見える
でも、彼女は動揺していた、苦悩していた。
殺戮を楽しんでる訳でも話が一切通じない訳でもない。
大人が寄り添ってあげる必要のある、ただの子どもなんだ。
力を得てしまった事で負の感情を爆発させるしか出来なくなっているなら
取り返しがつかなくなる前に止めてあげなくちゃいけない。
「我儘ばっかりになっちゃうけど…聞いてもらえるかな?
許してあげるのは難しいと思う。でも、止めてあげてほしいんだ。
何が正しくて何が間違ってるのか分からなくなっちゃってるあの子を」
許してあげるのは難しいと思う。でも、止めてあげてほしいんだ。
何が正しくて何が間違ってるのか分からなくなっちゃってるあの子を」
我ながら無茶苦茶な話だ。その子のせいで酷い目にあったというのにその下手人を助けてあげろなんて。
そんなお願いを聞いて、ブースカは辛そうな顔をしながら俯き、やがて小さく頷いた。
そんなお願いを聞いて、ブースカは辛そうな顔をしながら俯き、やがて小さく頷いた。
「…分かった、ひーちゃんが許すって言うなら、ボク頑張ってみる
ボクも…誰かに怖い思いさせるのイヤだから」
「…ありがとう、お願いね?」
ボクも…誰かに怖い思いさせるのイヤだから」
「…ありがとう、お願いね?」
ああ、本当に良い子と友だちになれたと思う。
頼ってばかりで申し訳なさでいっぱいだ。
もう少し何かしてあげれたら良かったんだけど中々上手くいかないらしい。
頼ってばかりで申し訳なさでいっぱいだ。
もう少し何かしてあげれたら良かったんだけど中々上手くいかないらしい。
安心して気が緩んだのか、だんだんと意識が遠のき始めた。
意識を失えば次、ちゃんと目覚められるか分からない。
目覚めた先がもし三途の川なら脱衣婆さんに追い返してもらえるのだろうか?
その時は元の世界じゃなく、きっと大変だろうけどこの場所で起きたいものだ。
意識を失えば次、ちゃんと目覚められるか分からない。
目覚めた先がもし三途の川なら脱衣婆さんに追い返してもらえるのだろうか?
その時は元の世界じゃなく、きっと大変だろうけどこの場所で起きたいものだ。
きっと無断欠勤は免れない。また三途の川行きなってもう戻れないかもしれない
それでも、放ってはおけない人たちがいる。皆残して自分だけ退場してしまうのは卑怯だ。
だから。私はまだ死ねない、そう考えながら日和は意識を手放した。
それでも、放ってはおけない人たちがいる。皆残して自分だけ退場してしまうのは卑怯だ。
だから。私はまだ死ねない、そう考えながら日和は意識を手放した。
■
「ひーちゃん!ひーちゃん!起きて!」
「しっかりせんか日和、目を開けるんじゃ!意識を失ってはならん!」
「ねぇ、ひーちゃんは助かるの!?」
「なんとか息はあるようじゃが、このままだと助からん!
それにもたもたしておったらあやつらも戻って来てしまうぞ!」
「しっかりせんか日和、目を開けるんじゃ!意識を失ってはならん!」
「ねぇ、ひーちゃんは助かるの!?」
「なんとか息はあるようじゃが、このままだと助からん!
それにもたもたしておったらあやつらも戻って来てしまうぞ!」
人は銃で撃たれても脳や心臓でなければすぐには死なない。
それどころか適切な処置を施せば生存率は非常に高めだ。だが、日和の場合は状況が違う。
敵と相対している間、彼女は最低限の応急処置すら出来ず、血を流し過ぎてしまった。
今、こうして辛うじて生を繋いでいるだけでも奇跡に近い。
それどころか適切な処置を施せば生存率は非常に高めだ。だが、日和の場合は状況が違う。
敵と相対している間、彼女は最低限の応急処置すら出来ず、血を流し過ぎてしまった。
今、こうして辛うじて生を繋いでいるだけでも奇跡に近い。
彼女の死は時間の問題。そして、自分達も安全とは言い切れない。
都合よく敵意がない上に快く助けてくれる相手が来てくれるなど夢物語。
全員の生を手繰り寄せるにはただ泣きながら待っているだけでは駄目なのだ。
受け身にならず、自らの力でつかみ取りにいかなくてはならない。
そして、行動を起こせる者はこの場に一匹のみ
ブースカは涙を拭うと顔を上げ、何かを決心した様子で一気に立ち上がった。
全員の生を手繰り寄せるにはただ泣きながら待っているだけでは駄目なのだ。
受け身にならず、自らの力でつかみ取りにいかなくてはならない。
そして、行動を起こせる者はこの場に一匹のみ
ブースカは涙を拭うと顔を上げ、何かを決心した様子で一気に立ち上がった。
「ひーちゃんはボクが助ける!目玉おやじさん、しっかり掴まって!」
意識を失い倒れる友だちをブースカはそっと抱きかかえた。
目玉おやじも日和に付き添う形で彼に乗り、指示通りに掴みやすい彼女の衣服に掴まる
目玉おやじも日和に付き添う形で彼に乗り、指示通りに掴みやすい彼女の衣服に掴まる
「ピョンピョンのブー!」
小さな屈伸運動と呪文を一つ
僅かそれだけの二動作でブースカ達は大きく空を舞う。
速度はぐんぐん上昇し、今までいた建物も目玉おやじ並みに小さく見えた。
僅かそれだけの二動作でブースカ達は大きく空を舞う。
速度はぐんぐん上昇し、今までいた建物も目玉おやじ並みに小さく見えた。
「す、凄まじいスピードじゃ!一反木綿でもこうはいかんぞ!
これならなんとか間に合うやもしれん」
「目玉おやじさんはヒトを探してくらさい…ボク、あんまり探す元気無くて…」
これならなんとか間に合うやもしれん」
「目玉おやじさんはヒトを探してくらさい…ボク、あんまり探す元気無くて…」
回復への希望が見えた事で歓喜する目玉おやじとは裏腹にブースカの表情は苦しげだ。
グゥゥゥオォォォォ!!!
「し、シオシオシオ~」
「し、シオシオシオ~」
地響きにも似た轟音が辺りに木霊する。
開始前にも発生した空腹を知らせる腹の虫の音。それは同時にブースカにとって緊急事態のサイレンでもあった。
開始前にも発生した空腹を知らせる腹の虫の音。それは同時にブースカにとって緊急事態のサイレンでもあった。
「ブースカ、速度と高度が落ちておるぞ!大丈夫か!?」
制空権を得る事は飛べる者の少ない殺し合いでの大きなアドバンテージだ。
しかし、一方的な状況は公平さに欠ける為、飛行は一定の時間のみに限定されている。
実際、制限に引っかかったリルルやペテルギウスには警告アナウンスが流れた。
だが、ブースカには主催からその制限を設けられていない。
他とは違い、彼は可能ならばいつまでも滞空が許されている。
しかし、一方的な状況は公平さに欠ける為、飛行は一定の時間のみに限定されている。
実際、制限に引っかかったリルルやペテルギウスには警告アナウンスが流れた。
だが、ブースカには主催からその制限を設けられていない。
他とは違い、彼は可能ならばいつまでも滞空が許されている。
では、ブースカに課せられた制限は何か。
それは頭の冠から作られるブースカニウムという物質、その消費率の上昇にある。
万能とも呼べるブースカの多彩な超能力すべての根源。
その気になれば強力な参加者たちとも渡り合う事が可能であるが、
もしもブースカニウムが無くなってしまった場合、彼はその力を全て失ってしまう。
本来は食事によってでブースカニウムを作るエネルギーに変換する。
しかし襲撃前の遊びや怒りに任せた念力と超能力の使い過ぎ。
更にラーメン30杯は余裕で食べる普段と比べ、大した量の食事がとれていないことも合わさり、エネルギーは底を突きかけ、空腹という限界が迫っていた。
それは頭の冠から作られるブースカニウムという物質、その消費率の上昇にある。
万能とも呼べるブースカの多彩な超能力すべての根源。
その気になれば強力な参加者たちとも渡り合う事が可能であるが、
もしもブースカニウムが無くなってしまった場合、彼はその力を全て失ってしまう。
本来は食事によってでブースカニウムを作るエネルギーに変換する。
しかし襲撃前の遊びや怒りに任せた念力と超能力の使い過ぎ。
更にラーメン30杯は余裕で食べる普段と比べ、大した量の食事がとれていないことも合わさり、エネルギーは底を突きかけ、空腹という限界が迫っていた。
「ぼ、ボクは大丈夫だよ、目玉おやじさん。
カバンにラーメンが入ってたからそれ取って食べさせて?」
「ラーメンじゃと?じゃが、このままだと麺は…
いや分かった。お前さんが頑張っとるんじゃ。
ワシが出来る事があればなんだってするわい!」
カバンにラーメンが入ってたからそれ取って食べさせて?」
「ラーメンじゃと?じゃが、このままだと麺は…
いや分かった。お前さんが頑張っとるんじゃ。
ワシが出来る事があればなんだってするわい!」
逃げと捜索、両方行うために必須な飛行能力。
時間を少しでも延ばすにはとにかくお腹を満たす必要があった。
目玉おやじに日和が抱えた荷物の中からカップ麺を取り出してもらい、
アングリと開けた口へインスタントのまま放り込む。
小麦の味はするもののパサパサとしていて美味しいとはとてもいいがたい。
茹でもせずに生で食べた麺の食感はここに連れてこられる前からの友人、
大ちゃん達と食べたスナック菓子によく似ていて、少し笑みがこぼれた。
時間を少しでも延ばすにはとにかくお腹を満たす必要があった。
目玉おやじに日和が抱えた荷物の中からカップ麺を取り出してもらい、
アングリと開けた口へインスタントのまま放り込む。
小麦の味はするもののパサパサとしていて美味しいとはとてもいいがたい。
茹でもせずに生で食べた麺の食感はここに連れてこられる前からの友人、
大ちゃん達と食べたスナック菓子によく似ていて、少し笑みがこぼれた。
ブースカは出会って間もない頃に日和から
「生のまま食べたらお腹を壊してしまう」と注意された事を思い出す。
そんなことは彼自身、百も承知だ。
ラーメンを食べる時は彼女に作ってもらったようにしっかり決められた時間茹でて
暖かいスープと一緒に麺を啜るのが美味しいに決まっている。
そこに色とりどりの具材が乗っていれば更にミフチ、ミフチで最高だ。
だが、空にはお湯を沸かす水もやかんは勿論、茹でるのを待つ時間だってない。
事態は一刻を争う。
友だちを守る為だったら約束を破る悪い子になることだって厭わない。
「生のまま食べたらお腹を壊してしまう」と注意された事を思い出す。
そんなことは彼自身、百も承知だ。
ラーメンを食べる時は彼女に作ってもらったようにしっかり決められた時間茹でて
暖かいスープと一緒に麺を啜るのが美味しいに決まっている。
そこに色とりどりの具材が乗っていれば更にミフチ、ミフチで最高だ。
だが、空にはお湯を沸かす水もやかんは勿論、茹でるのを待つ時間だってない。
事態は一刻を争う。
友だちを守る為だったら約束を破る悪い子になることだって厭わない。
「だから待っててね、言わなきゃいけない事…たくさんあるから」
悪いことをしたら「ごめんなさい」
良いことをしてもらったら「ありがとう」を言う。
こんなことは快獣にだって分かる常識だ。
だから、ブースカは黎明の空を駆ける。
この場で出来た大切な友だちに感謝と謝罪を聞いてもらうために
良いことをしてもらったら「ありがとう」を言う。
こんなことは快獣にだって分かる常識だ。
だから、ブースカは黎明の空を駆ける。
この場で出来た大切な友だちに感謝と謝罪を聞いてもらうために
【G-5 東部/黎明】
【鳥月日和@妖怪の飼育員さん】
[状態]:気絶、右肩に銃創、出血過多による衰弱(最低限の応急処置済み)
[装備]:目玉おやじ@ゲゲゲの鬼太郎
[道具]:基本支給品(カップ麺全滅)
アリアドネの糸(1本)@世界樹の迷宮シリーズ、ちいさなDIYさぎょうだい@あつまれ どうぶつの森
[思考・状況]
基本:早く帰りたいけど、人殺しはしたくない
0:気絶中
[状態]:気絶、右肩に銃創、出血過多による衰弱(最低限の応急処置済み)
[装備]:目玉おやじ@ゲゲゲの鬼太郎
[道具]:基本支給品(カップ麺全滅)
アリアドネの糸(1本)@世界樹の迷宮シリーズ、ちいさなDIYさぎょうだい@あつまれ どうぶつの森
[思考・状況]
基本:早く帰りたいけど、人殺しはしたくない
0:気絶中
[備考]
単行本8巻時点からの参戦。
基本支給品のカップ麺は全て『サッポロ一番塩ラーメン』です。
DIYの工具はそれぞれ別々に分けて入れてあります。ニスはありません
短時間のうちに回復処置が出来ない場合、死亡します。
どの程度の時間彼女が持つかは後続の書き手にお任せします
単行本8巻時点からの参戦。
基本支給品のカップ麺は全て『サッポロ一番塩ラーメン』です。
DIYの工具はそれぞれ別々に分けて入れてあります。ニスはありません
短時間のうちに回復処置が出来ない場合、死亡します。
どの程度の時間彼女が持つかは後続の書き手にお任せします
【ブースカ@快獣ブースカ】
[状態]:疲労(中~大)、ブースカニウム消費により空腹(大)
[装備]:無し
[道具]基本支給品(食糧は全滅)、アリアドネの糸(2本)@世界樹の迷宮シリーズ
[思考・状況]
基本:早く帰りたい
1:シャドウ茜から逃げつつ、ひーちゃん(日和)を助けてくれる人を探す
2:とってもお腹がすいた、けど今は我慢
3:あの子は許せない。けどひーちゃんの約束は守る
[備考]
少なくとも、最終回でR惑星に旅立つよりも前からの参戦。
様々な超能力を有しています。(透視、怪力、念動力、飛行など)
ただし、空腹によるブースカニウムの枯渇か頭のブー冠を奪われると全て使用不可
制限によりエネルギー消費が通常より激しくなっています。
[状態]:疲労(中~大)、ブースカニウム消費により空腹(大)
[装備]:無し
[道具]基本支給品(食糧は全滅)、アリアドネの糸(2本)@世界樹の迷宮シリーズ
[思考・状況]
基本:早く帰りたい
1:シャドウ茜から逃げつつ、ひーちゃん(日和)を助けてくれる人を探す
2:とってもお腹がすいた、けど今は我慢
3:あの子は許せない。けどひーちゃんの約束は守る
[備考]
少なくとも、最終回でR惑星に旅立つよりも前からの参戦。
様々な超能力を有しています。(透視、怪力、念動力、飛行など)
ただし、空腹によるブースカニウムの枯渇か頭のブー冠を奪われると全て使用不可
制限によりエネルギー消費が通常より激しくなっています。
※ダスティ・デイポットの建物前にハサミのカバー@ペーパーマリオ オリガミキングが放置されています。
■
ワイヤーが高く伸び、その先端から大きな人影が飛び上がり、地上へ着地した。
崖下から間一髪の生還を果たし、争いの場に残された二人の影
その内救出された少女、長谷川茜から生まれた影、シャドウ茜は謝罪の言葉を口にする
崖下から間一髪の生還を果たし、争いの場に残された二人の影
その内救出された少女、長谷川茜から生まれた影、シャドウ茜は謝罪の言葉を口にする
「ありがとう…ごめん、ジョーカー私のせいで。」
改心は上手くいったはずだった
即死を狙える武器をジョーカーに渡し先行させ、万が一逃げのびた相手をジョーカーから託してもらったトカチェフで撃つ。
当然、人を撃ち抜いた経験などない。
だが、元より『偽物』の怪盗団をジェイルにおびき寄せ、改心させるつもりでいた身だ。悪人を始末する為なら何のためらいもない。
ジョーカーを外へと追いやった上にいきなり隠れていた場所の傍に転移してきたのには驚いたが、策が上手く嵌って油断している悪党たちを撃つのは簡単だった。
仲間が撃たれ混乱している隙にジョーカーを気づかれる事無く呼び戻すのにも成功
殺し合いにおける初陣は完ぺきだったはず、はずだったのに…
動揺したせいで全てを台無しにしてしまった挙句、ジョーカーが敵を放置してでも助けてくれなければ、自分は墜落して死んでいた。
即死を狙える武器をジョーカーに渡し先行させ、万が一逃げのびた相手をジョーカーから託してもらったトカチェフで撃つ。
当然、人を撃ち抜いた経験などない。
だが、元より『偽物』の怪盗団をジェイルにおびき寄せ、改心させるつもりでいた身だ。悪人を始末する為なら何のためらいもない。
ジョーカーを外へと追いやった上にいきなり隠れていた場所の傍に転移してきたのには驚いたが、策が上手く嵌って油断している悪党たちを撃つのは簡単だった。
仲間が撃たれ混乱している隙にジョーカーを気づかれる事無く呼び戻すのにも成功
殺し合いにおける初陣は完ぺきだったはず、はずだったのに…
動揺したせいで全てを台無しにしてしまった挙句、ジョーカーが敵を放置してでも助けてくれなければ、自分は墜落して死んでいた。
(怪盗団が一緒に戦ってくれてるのに…皆の足を引っ張ってしまうなんて…!)
己を恥じる気持ちでいっぱいになるが、同時にこれは良い経験だったともいえる。
悪人たちと戦い続けると言うことは、死と隣り合わせの世界に身を投じるということ
長きに渡る殺し合いの舞台。序盤でその意味を正しく知れたのは僥倖と言えるだろう。
私は『アイツ』や『偽物』の怪盗団に代わって正義を為すと誓い、道を選んだんだ。
これからは痛みや恐怖に怯まず、悪と戦っていかねばと決意を新たににする。
悪人たちと戦い続けると言うことは、死と隣り合わせの世界に身を投じるということ
長きに渡る殺し合いの舞台。序盤でその意味を正しく知れたのは僥倖と言えるだろう。
私は『アイツ』や『偽物』の怪盗団に代わって正義を為すと誓い、道を選んだんだ。
これからは痛みや恐怖に怯まず、悪と戦っていかねばと決意を新たににする。
空を見上げると距離が離れ、小さくなった異形の姿。
もうあんな遠くまで逃げていたのか
見た目にそぐわぬ凄まじい念動力を有した強力な怪物
そして、全てを狂わせた原因でもある作業服姿の女…放置されていないのを見るに恐らくまだ息がある。随分としぶといヤツだ。
どちらもこのまま野放しにするわけにはいかない。
ここから解放してしまえば多くの民衆に被害が出る。直ぐにでも追跡をして改心を―――
もうあんな遠くまで逃げていたのか
見た目にそぐわぬ凄まじい念動力を有した強力な怪物
そして、全てを狂わせた原因でもある作業服姿の女…放置されていないのを見るに恐らくまだ息がある。随分としぶといヤツだ。
どちらもこのまま野放しにするわけにはいかない。
ここから解放してしまえば多くの民衆に被害が出る。直ぐにでも追跡をして改心を―――
『ひーちゃんを…イジメるなぁーー!』
自分を吹き飛ばす際、あのシャドウが叫んだ言葉が脳裏に過ぎる。
イジメ?
誰が?
誰を?
言っている内容が少しも理解できなかった。
あれは抵抗しようとした悪党に罰を与えていただけだ。
事実アイツらはジョーカーや私を傷つけて…
イジメ?
誰が?
誰を?
言っている内容が少しも理解できなかった。
あれは抵抗しようとした悪党に罰を与えていただけだ。
事実アイツらはジョーカーや私を傷つけて…
『私たちは敵同士にならなくてもいい…
銃を置いて、ラーメンでも食べながら少しずつ…自己紹介から始めよう、ね…?』
銃を置いて、ラーメンでも食べながら少しずつ…自己紹介から始めよう、ね…?』
いや、果たして本当にそうだったか?
続けて思い出したのは武器を捨て、こちらに歩み寄ろうとした女性の姿
無視出来ない傷を抱えながら相手の目だけを見て進み続ける
果たしてそんな決死の行動を悪人に出来るんだろうか?
まさか…本当に悪党じゃない?
そもそも先に襲撃をかけたのはこちらだ。
自分達に仕掛けた攻撃も命を守る為なら当然の行動。
無視出来ない傷を抱えながら相手の目だけを見て進み続ける
果たしてそんな決死の行動を悪人に出来るんだろうか?
まさか…本当に悪党じゃない?
そもそも先に襲撃をかけたのはこちらだ。
自分達に仕掛けた攻撃も命を守る為なら当然の行動。
だったら、私がしていた事は一体…?
必死の訴えを無視し続け、本質から目を背けようとする行為
手に入れた力のままに相手を蹂躙し、力なき善人を傷つける行為
必死の訴えを無視し続け、本質から目を背けようとする行為
手に入れた力のままに相手を蹂躙し、力なき善人を傷つける行為
それじゃあまるで憎み続けてきた悪党そのもの――――――
「違う!!!違う違う違う!」
湧きあがった疑念をかき消すようにありったけの大声を張り上げた。
「アイツらは悪党なんだ!私を、私たちを騙そうとしている!
そうやって油断した隙を突いて、私を殺そうとしてるんだ!」
そうやって油断した隙を突いて、私を殺そうとしてるんだ!」
その悲痛な叫びは一体誰へ向けての言葉なのか。
咎めようとする者は少なくともここには存在しない。
でも、例え不必要だったとしても叫ばずにはいられなかった。
そうでもしなければ自身の存在が消えてしまいそうだったから。
―――自分が信じた正義を見失いそうだったから。
咎めようとする者は少なくともここには存在しない。
でも、例え不必要だったとしても叫ばずにはいられなかった。
そうでもしなければ自身の存在が消えてしまいそうだったから。
―――自分が信じた正義を見失いそうだったから。
正義を失った人間がどんなに醜いか、嫌と言うほど知っている。
国をより良くする仕事で私腹を肥やす為に働き、保身で罪を秘書に擦り付ける政治家。
絶対正義を謳いながら泣き寝入りする弱者を生み出し続け、強者の味方であり続ける警察。
娘が訴える真実から逃げ出し、母の仇の罪を黙殺する父親。
人を救う為の力に溺れ、華々しい活躍の裏で悪事を働いていた怪盗団。
国をより良くする仕事で私腹を肥やす為に働き、保身で罪を秘書に擦り付ける政治家。
絶対正義を謳いながら泣き寝入りする弱者を生み出し続け、強者の味方であり続ける警察。
娘が訴える真実から逃げ出し、母の仇の罪を黙殺する父親。
人を救う為の力に溺れ、華々しい活躍の裏で悪事を働いていた怪盗団。
信じていた憧れの存在達は正義に背き、
この世に正義はなんかないと無情な現実を何度も突きつけてきた。
死んだ母や濡れ衣を着せられた秘書の家族のような弱者を誰も救ってくれない
だからこそ、彼らのようにはならない、自分だけは正義を貫くと力を手にしたはずなのに
結局は自分も同じ穴の貉に過ぎない最低の自己矛盾
自らがした行いへの疑念と恐怖は絶望へと変わり、心を支配していた。
この世に正義はなんかないと無情な現実を何度も突きつけてきた。
死んだ母や濡れ衣を着せられた秘書の家族のような弱者を誰も救ってくれない
だからこそ、彼らのようにはならない、自分だけは正義を貫くと力を手にしたはずなのに
結局は自分も同じ穴の貉に過ぎない最低の自己矛盾
自らがした行いへの疑念と恐怖は絶望へと変わり、心を支配していた。
「私もあいつらと同じだったの?正義なんてないただの悪党…?
それじゃ何の意味も…力を手にした意味がない…」
それじゃ何の意味も…力を手にした意味がない…」
一人じゃとても抱えきれないと膝から地面に泣き崩れる
もう消えてしまいたい…自暴自棄な願いが頭に浮ぶ。
そんな時、肩に感じたのは優しく手が添えられる感触
もう消えてしまいたい…自暴自棄な願いが頭に浮ぶ。
そんな時、肩に感じたのは優しく手が添えられる感触
「あ、ジョーカー…」
振り向くとそこにいたのは自分が憧れた怪盗団の姿。
無法の地に放り出された私に残された唯一の味方。
彼は優しいほほ笑みを浮かべ、私の目を黙って見つめている。
無法の地に放り出された私に残された唯一の味方。
彼は優しいほほ笑みを浮かべ、私の目を黙って見つめている。
『キミは間違ってなんかない』
『このまま諦めるのか?』
『大丈夫、俺たちがついている』
その温かい眼差しは私が何よりも与えてほしかった言葉を
声なき声で語り掛けて、後押ししてくれているように見えた。
声なき声で語り掛けて、後押ししてくれているように見えた。
そうだ、自分は一人なんかじゃない。
『本当』の怪盗団が傍にいてくれる。
『私』の怪盗団が一緒に戦ってくれる。
決して裏切る事も悪に屈する事のない正義の執行者たち。
世の中の残酷さに絶望しかけていた私の前に現れた希望の象徴。
彼らは正義から目を背けない。私からも目を背けることは無い。
こうして今も私の為に立ち止まり、真摯に向き合ってくれている。
そんな大切な事を思い出したとき、心の中に渦巻いていた靄が無くなったような気がした。
『本当』の怪盗団が傍にいてくれる。
『私』の怪盗団が一緒に戦ってくれる。
決して裏切る事も悪に屈する事のない正義の執行者たち。
世の中の残酷さに絶望しかけていた私の前に現れた希望の象徴。
彼らは正義から目を背けない。私からも目を背けることは無い。
こうして今も私の為に立ち止まり、真摯に向き合ってくれている。
そんな大切な事を思い出したとき、心の中に渦巻いていた靄が無くなったような気がした。
「うん、そうだよね。ありがとうジョーカー
悪党の演技になんて、惑わされちゃダメだよね
怪盗団が言ってるんだ、間違ってないって…なら、それが真実なんだ」
悪党の演技になんて、惑わされちゃダメだよね
怪盗団が言ってるんだ、間違ってないって…なら、それが真実なんだ」
雑念を振り払えた以上、もたもたしているわけにはいかない。
力強く立ち上がり、デイパックに手を入れる。
中から取り出されたのは到底荷物に入りきらないだろう大きさのバイク
追跡用の乗り物を取り出すと同時にジョーカーは影に包まれ姿を消し、
入れ替わるように出現する新しい影が一人
力強く立ち上がり、デイパックに手を入れる。
中から取り出されたのは到底荷物に入りきらないだろう大きさのバイク
追跡用の乗り物を取り出すと同時にジョーカーは影に包まれ姿を消し、
入れ替わるように出現する新しい影が一人
己の肉体を誇示する力強いマッスルポーズ
黒のライダースーツに随所に散りばめられた威圧感たっぷりのスパイク
目元を隠す厳つい鉄仮面は秩序に縛られない解放者の証。
巻いたスカーフを風に棚引かせながら威風堂々と大地に立つ女王
マイ・ディア・クイーンがここに顕現した。
黒のライダースーツに随所に散りばめられた威圧感たっぷりのスパイク
目元を隠す厳つい鉄仮面は秩序に縛られない解放者の証。
巻いたスカーフを風に棚引かせながら威風堂々と大地に立つ女王
マイ・ディア・クイーンがここに顕現した。
ポーズを取り終えたクイーンは悪に鉄拳制裁を下さんとするため、荒々しくバイクへ飛び乗った。
受け取った鍵を捻り、ドッドッドッ…とエンジンを唸らせながら
パッセンジャーが乗る後部座席を見やって、出発の時をただ静かに待っている。
その視線を受け、私もバイクへと跨り準備を終えた頼りがいのあるドライバーの背に手を回し、身を預ける。
受け取った鍵を捻り、ドッドッドッ…とエンジンを唸らせながら
パッセンジャーが乗る後部座席を見やって、出発の時をただ静かに待っている。
その視線を受け、私もバイクへと跨り準備を終えた頼りがいのあるドライバーの背に手を回し、身を預ける。
「…行こう、私たちでアイツらの…化けの皮を暴く!」
決意の言葉を聞き、クイーンはフルスロットルでバイクを疾走させる。
悪党は全員改心(殺害)する。前だけを見て進む彼女の心には、もう一偏の曇りもなかった。
悪党は全員改心(殺害)する。前だけを見て進む彼女の心には、もう一偏の曇りもなかった。
■
シャドウを構成する能力は『認識』が大きな影響を与える。
茜は怪盗団のペルソナ能力を知らない。
世間で知れる範囲ではほぼ確認できない能力の為、如何に怪盗団マニアの彼女と言えど知る術はない。
故に認知の怪盗団はペルソナ能力を所持する事が出来ない。
彼らが超能力を持つという認知が彼らを創り出す茜にないからだ。
代わりに持つのは常人を超える身体能力と茜が描く怪盗団らしい武器。
具体例として茜がジョーカーより貰った銃、トカチェフが挙げられる。
実際に戦った本当の怪盗団達が同じ動きや攻撃の相手に苦戦していたため、
武器や技術に対する再現度の高さは目を見張るものがあるだろう。
茜は怪盗団のペルソナ能力を知らない。
世間で知れる範囲ではほぼ確認できない能力の為、如何に怪盗団マニアの彼女と言えど知る術はない。
故に認知の怪盗団はペルソナ能力を所持する事が出来ない。
彼らが超能力を持つという認知が彼らを創り出す茜にないからだ。
代わりに持つのは常人を超える身体能力と茜が描く怪盗団らしい武器。
具体例として茜がジョーカーより貰った銃、トカチェフが挙げられる。
実際に戦った本当の怪盗団達が同じ動きや攻撃の相手に苦戦していたため、
武器や技術に対する再現度の高さは目を見張るものがあるだろう。
しかし、能力以上に影響を受けるものがある。それは『行動』だ。
心理学上、人間の第一印象は外見が9割と言う一説がある。
清潔不潔でその人が明るい人か暗い人か、信用できる人か信用できない人かが決まるように、人間は最初に見た外見のイメージをそのままに受け取ってしまう事が多い。
認知のクイーンの本来ならとり得ないポージングも外見から来た影響の一つだ。
怪盗団の参謀役を務めるクイーンこと新島真が身に纏う反逆の意志を具現化した怪盗服は
優等生の仮面で己を偽ってきた自分から卒業する自由の象徴
仲間より「世紀末覇者先輩」とも呼ばれたこともある程、雄々しく勇ましい強烈な衣装は
茜のクイーンを構成する認知にも強い影響を与えた。
彼女は男勝りの逞しい女傑なのだと。
その結果、外見の印象で誇張された在り得ない動きをするクイーンが生み出されるに至った訳である。
(もっとも誇張された部分も彼女の一側面として確かに存在しているので、その場のテンションによっては本人もするかもしれないが)
清潔不潔でその人が明るい人か暗い人か、信用できる人か信用できない人かが決まるように、人間は最初に見た外見のイメージをそのままに受け取ってしまう事が多い。
認知のクイーンの本来ならとり得ないポージングも外見から来た影響の一つだ。
怪盗団の参謀役を務めるクイーンこと新島真が身に纏う反逆の意志を具現化した怪盗服は
優等生の仮面で己を偽ってきた自分から卒業する自由の象徴
仲間より「世紀末覇者先輩」とも呼ばれたこともある程、雄々しく勇ましい強烈な衣装は
茜のクイーンを構成する認知にも強い影響を与えた。
彼女は男勝りの逞しい女傑なのだと。
その結果、外見の印象で誇張された在り得ない動きをするクイーンが生み出されるに至った訳である。
(もっとも誇張された部分も彼女の一側面として確かに存在しているので、その場のテンションによっては本人もするかもしれないが)
彼女が立ち直るにいたった怪盗団の励ましもそれと同じだ。
怪盗団にこうしてほしい、こうあってほしいという認知がジョーカーに取らせた行動。
冒してしまった過ちから心を守る為にした無意識の防衛反応
誰からの導きもない、茜の中でしか完結していない現実逃避。
怪盗団にこうしてほしい、こうあってほしいという認知がジョーカーに取らせた行動。
冒してしまった過ちから心を守る為にした無意識の防衛反応
誰からの導きもない、茜の中でしか完結していない現実逃避。
本来、その逃げから茜を引き戻してくれる存在、『本当』の怪盗団はここにははいない
与えられるべき改心の機会は悪辣たる殺し合いによって遠ざけられてしまった。
彼女はただ歪められた正義を信じ、黎明の地を駆ける。
真の意味で改心を知る時は、まだ遠い
与えられるべき改心の機会は悪辣たる殺し合いによって遠ざけられてしまった。
彼女はただ歪められた正義を信じ、黎明の地を駆ける。
真の意味で改心を知る時は、まだ遠い
【G-5 西部/黎明】
【シャドウ茜@ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ】
[状態]:健康 『マイ・ディア・クイーン』の顕現、岸部露伴のバイクに搭乗中
[装備]:アサシンダガー@ドラゴンクエスト3
[道具]:基本支給品、岸部露伴のバイク@ジョジョの奇妙な冒険、ランダム支給品0~1
[思考・状況]:基本行動方針:『悪党』を全員殺す。
1.逃げた悪党を追いかけ、改心させる
2.あの女(鳥月日和)の化けの皮をはがす。間違ってないと証明する。
3.本物の怪盗団は、私を裏切らない……。
4.どうせ皆、悪党なんでしょ………………本当に?
[備考]
心の怪盗団を京都ジェイルに誘い込むまで待っている時からの参戦です。
認知の怪盗団は、複数体同時に顕現させることはできません。
彼らは支給品とは別に茜がそれぞれ連想した武器を所持しています。
(例:マイ・ディア・ジョーカーの場合、初期装備のアタックナイフとトカチェフ)
怪盗団が所有しているペルソナ能力を把握していないのでペルソナは使用できません。
[状態]:健康 『マイ・ディア・クイーン』の顕現、岸部露伴のバイクに搭乗中
[装備]:アサシンダガー@ドラゴンクエスト3
[道具]:基本支給品、岸部露伴のバイク@ジョジョの奇妙な冒険、ランダム支給品0~1
[思考・状況]:基本行動方針:『悪党』を全員殺す。
1.逃げた悪党を追いかけ、改心させる
2.あの女(鳥月日和)の化けの皮をはがす。間違ってないと証明する。
3.本物の怪盗団は、私を裏切らない……。
4.どうせ皆、悪党なんでしょ………………本当に?
[備考]
心の怪盗団を京都ジェイルに誘い込むまで待っている時からの参戦です。
認知の怪盗団は、複数体同時に顕現させることはできません。
彼らは支給品とは別に茜がそれぞれ連想した武器を所持しています。
(例:マイ・ディア・ジョーカーの場合、初期装備のアタックナイフとトカチェフ)
怪盗団が所有しているペルソナ能力を把握していないのでペルソナは使用できません。
【岸部露伴のバイク@ジョジョの奇妙な冒険】
シャドウ茜に支給
岸部露伴が所有するバイク。
ベースはカワサキのZEPHYR。ただし、ロゴはZOPHYRとなっている。
メーターに表示されている最高速は150㎞。ガソリン不足に注意すべし
シャドウ茜に支給
岸部露伴が所有するバイク。
ベースはカワサキのZEPHYR。ただし、ロゴはZOPHYRとなっている。
メーターに表示されている最高速は150㎞。ガソリン不足に注意すべし
074:D-5 禁止エリアを脱出せよ | 投下順 | 076:タイクツな毎日 だから ほんのちょっとの 毒も必要! |
038;運ゲーは既に始まっている | 鳥月日和 | 092:人生ドラマチックにはいかない |
ブースカ | ||
シャドウ茜 |