エンキ達三人を襲うゴブリンの先陣を切るのは罪魔小鬼(ゴブリンギルティナ)。
ギルティナの目にはマシュとラヴィニア、美少女二人しか映らない。
それに立ちふさがるはエンキ。彼は先程と同じく風斬り刀を構えてゴブリンの群れと相対する。
ギルティナの目にはマシュとラヴィニア、美少女二人しか映らない。
それに立ちふさがるはエンキ。彼は先程と同じく風斬り刀を構えてゴブリンの群れと相対する。
「GBYYYB!!」
対しギルティナは、エンキに向かって手に持っている武器を振り下ろす。
その様は敵を殺すというよりは、障害物を壊すような無機質な攻撃。
そこに意思も技巧も無い、ただの暴力。
そんなものを躱すなど、歴戦のエンキからすればたやすいこと。
故に、少しだけ体の位置を動かすだけで容易く避けられた。
その様は敵を殺すというよりは、障害物を壊すような無機質な攻撃。
そこに意思も技巧も無い、ただの暴力。
そんなものを躱すなど、歴戦のエンキからすればたやすいこと。
故に、少しだけ体の位置を動かすだけで容易く避けられた。
躱されたギルティナの攻撃は、そのまま地面を抉る。
衝撃で轟音が鳴り、地にはひび割れが生じた。
もしもこの光景をこのゴブリンに詳しいものが見れば、間違いなくホブ以上の筋力を持っていると分析するだろう。
最も、エンキは本来のホブゴブリンについて何も知らないので、ただ破壊力に少し驚くだけに留まった。
衝撃で轟音が鳴り、地にはひび割れが生じた。
もしもこの光景をこのゴブリンに詳しいものが見れば、間違いなくホブ以上の筋力を持っていると分析するだろう。
最も、エンキは本来のホブゴブリンについて何も知らないので、ただ破壊力に少し驚くだけに留まった。
しかもギルティナの脅威はそれだけではなかった。
エンキの視線が地面に行ったその刹那、ギルティナの股間に蠢く触手の全てが後ろにいるマシュとラヴィニアに向かう。
増大した性欲に囚われてなお、奴もまたゴブリン。まだ悪知恵を働かさせるくらいはできる。
触手を用いて二人を犯すと同時に、人質にとろうと考えたのだ。
エンキの視線が地面に行ったその刹那、ギルティナの股間に蠢く触手の全てが後ろにいるマシュとラヴィニアに向かう。
増大した性欲に囚われてなお、奴もまたゴブリン。まだ悪知恵を働かさせるくらいはできる。
触手を用いて二人を犯すと同時に、人質にとろうと考えたのだ。
そして、ギルティナの触手に便乗して、一緒に攻めて来ていた普通のゴブリンの群れも二人の元へ直行していた。
ゴブリンは全員、やたらと強そうなうえ、どう見ても男であるエンキの相手などしたくなかった。
なので、エンキの相手はギルティナに任せ、自分達は女を犯す方に回ろうと考える。
だが——
ゴブリンは全員、やたらと強そうなうえ、どう見ても男であるエンキの相手などしたくなかった。
なので、エンキの相手はギルティナに任せ、自分達は女を犯す方に回ろうと考える。
だが——
「疾風の乱撃」
エンキは触手とゴブリンの群れに一瞬で近づいたかと思うと、そのまま刀を振るう。
幾たびも往復する刀は、風を纏いて触手やゴブリンを切り裂いていった。
結果、ギルティナの股間から生えた触手は切り裂かれるも、ゴブリンの一部は取り逃してしまう。
しかし、マシュの盾とラヴィニアの触手で十分跳ね除けられる程度の数だったので、特段何かが起こることも無かった。
これで残るはギルティナ一匹のみ。
幾たびも往復する刀は、風を纏いて触手やゴブリンを切り裂いていった。
結果、ギルティナの股間から生えた触手は切り裂かれるも、ゴブリンの一部は取り逃してしまう。
しかし、マシュの盾とラヴィニアの触手で十分跳ね除けられる程度の数だったので、特段何かが起こることも無かった。
これで残るはギルティナ一匹のみ。
「GRBBBBBBBBYYYYYYYY!!」
一方、ギルティナは三人に目もくれず、ただひたすら痛みの余り絶叫していた。
彼の股間に生えていた触手は、正しく性器。
そこを切り裂かれるということは、人間の男性なら麻酔なしで去勢されるということに等しい。
おまけに、今の彼は本来有り余っている性欲を更に強化された状態。
にも関わらず性器を消失した。
この状況を言うならば、アイデンティの消失に近い。
故に彼はこう思考する。
彼の股間に生えていた触手は、正しく性器。
そこを切り裂かれるということは、人間の男性なら麻酔なしで去勢されるということに等しい。
おまけに、今の彼は本来有り余っている性欲を更に強化された状態。
にも関わらず性器を消失した。
この状況を言うならば、アイデンティの消失に近い。
故に彼はこう思考する。
なぜ自分がこんな痛い目に遭わなければいけないのか。
よくも、よくも体の一部を……
まずは目の前の老人を殺す。
そして後ろ二人の女を、自分では犯せないから他のゴブリンを呼んで輪姦させてやる。
そうでもなければ、自分の溜飲が下がらない。
よくも、よくも体の一部を……
まずは目の前の老人を殺す。
そして後ろ二人の女を、自分では犯せないから他のゴブリンを呼んで輪姦させてやる。
そうでもなければ、自分の溜飲が下がらない。
怒り狂うギルティナは、まずはエンキを殺そうと武器を振る。
しかしエンキも、ギルティナの痴態を黙ってみていたわけではない。
彼はこの間に、目の前の敵を確実に屠るべく、力を貯めていたのだ。
そして今、その力を解放する。
しかしエンキも、ギルティナの痴態を黙ってみていたわけではない。
彼はこの間に、目の前の敵を確実に屠るべく、力を貯めていたのだ。
そして今、その力を解放する。
エンキはギルティナの怒りに狂った故軌道の読みやすい攻撃を軽々躱し、素早く懐に入り込む。
そのまま彼は、刀を全霊で振り上げた。
振り上がったそれはギルティナを、まるでケーキのように容易く切り裂いた。
まさしく必殺の一撃である。
そのまま彼は、刀を全霊で振り上げた。
振り上がったそれはギルティナを、まるでケーキのように容易く切り裂いた。
まさしく必殺の一撃である。
こうしてギルティナは倒れたが、エンキは未だ警戒を解かずある一点を見つめている。
そこにはただ岩場があるだけだが、つられてマシュとラヴィニアも同じ場所へ視線を向ける。
そこにはただ岩場があるだけだが、つられてマシュとラヴィニアも同じ場所へ視線を向ける。
「出てくるといい。そこにいるのは分かっている」
そのままエンキが視線の先に向けて言葉を放つと、そこから一人の少年が現れた。
少年は中性的な顔立ちに長い銀髪をたなびかせながている。
彼の顔には怯えと戸惑いが浮かべながら、両手を上にあげて無抵抗をアピールしていた。
少年は中性的な顔立ちに長い銀髪をたなびかせながている。
彼の顔には怯えと戸惑いが浮かべながら、両手を上にあげて無抵抗をアピールしていた。
「ボ、ボクの名前は清良トキと言います。殺し合いには乗っていません」
その状態で必死に自己紹介をし、なんとか穏便に話を進めようとするトキの姿に、マシュとラヴィニアは警戒を解き、エンキもまた警戒を緩めた。
◆
トキと合流した三人は、各々簡単な自己紹介だけ済ませ、即座に移動を始めた。
理由としてはまず、ギルティナが咆哮を悲鳴を上げたことにより、それを聞きつけた別のゴブリンや他のNPCが再び襲ってくるかもしれないから。
そしてもう一つは、マシュとラヴィニアが持つギルティナへの嫌悪感だった。
理由としてはまず、ギルティナが咆哮を悲鳴を上げたことにより、それを聞きつけた別のゴブリンや他のNPCが再び襲ってくるかもしれないから。
そしてもう一つは、マシュとラヴィニアが持つギルティナへの嫌悪感だった。
マシュは人理修復という長い旅の中で、いわゆる性的な目で見られるという経験を多少はしてきた。
だがギルティナほどの熱量を持って見られていたかと言われると、否になる。
それでも、彼女はまだマシだ。
だがギルティナほどの熱量を持って見られていたかと言われると、否になる。
それでも、彼女はまだマシだ。
ラヴィニアにはそんな経験がまるでない。
彼女の正体や経たものを考えれば、辛い出来事こそあれ、性的な目で見られた経験など全くない。
そこに元々旺盛なうえ、トキによって更に増幅させられ暴走したギルティナの性欲は、彼女にとって多大な恐怖と嫌悪感を煽るものだった。
彼女の正体や経たものを考えれば、辛い出来事こそあれ、性的な目で見られた経験など全くない。
そこに元々旺盛なうえ、トキによって更に増幅させられ暴走したギルティナの性欲は、彼女にとって多大な恐怖と嫌悪感を煽るものだった。
そうこうしているうちに、一先ずギルティナの死体からある程度の距離を稼いでいた。
ここで一行は一度足を止め、エンキはトキに向かって鋭い目線を向けて問いかけた。
ここで一行は一度足を止め、エンキはトキに向かって鋭い目線を向けて問いかけた。
「まずは、お主がわしらと出会うまでに見てきたものを教えてもらおうか」
(警戒されてるなあ)
(警戒されてるなあ)
エンキの問いかけと鋭い視線の意味を、トキは正確に読み取っていた。
彼はおそらく、あの性欲に囚われたゴブリンをけしかけたのはトキ、と考えている。
当然、トキは馬鹿正直に『自分がやりました』などいうわけがない。
だから何かしら話させて、確定とまで行かなくとも、疑いを晴らすか深めるかの材料が欲しいのだ。
当然、トキは馬鹿正直に『自分がやりました』などいうわけがない。
だから何かしら話させて、確定とまで行かなくとも、疑いを晴らすか深めるかの材料が欲しいのだ。
もっとも、トキがあのゴブリンをけしかけたのは紛れもない事実なので、彼が今からするのは言い逃れである。
「えっと、ボクは最初荒野に一人いたんですけど……」
トキが選んだ道は『嘘を言わない』である。
人が人を騙す際の最良は、嘘をつかないこととされている。
情報を一部制限することで、相手に誤解させてしまうのだ。
彼も同様の方法を選ぶことにした。
人が人を騙す際の最良は、嘘をつかないこととされている。
情報を一部制限することで、相手に誤解させてしまうのだ。
彼も同様の方法を選ぶことにした。
とは言ってもトキが言わないのは『魔罪人ヨトギとしての能力』と『自分があのゴブリンをけしかけたこと』の二点だけだ。
後は全て真実を言うことにした。
後は全て真実を言うことにした。
「最初、ボクは他の人と合流したくて、北にあるパラダイス・パームズに行こうとしてました。
でも、そこで殺し合いに乗っている人同士が戦っているのを見て、すぐに引き返したんです」
でも、そこで殺し合いに乗っている人同士が戦っているのを見て、すぐに引き返したんです」
ちなみにこれは放送前の出来事。トキが目撃したのはペテルギウスと春花の戦いである。
パラダイス・パームズに向かう最中、何だか騒がしさを感じて、支給されていた望遠鏡を使って観察して、素早く撤退を選んだのだ。
いくら殺し合いを楽しむつもりとはいえ、流石に始まってすぐ戦うほど血の気の多い参加者と早々に関わるつもりはなかった。
パラダイス・パームズに向かう最中、何だか騒がしさを感じて、支給されていた望遠鏡を使って観察して、素早く撤退を選んだのだ。
いくら殺し合いを楽しむつもりとはいえ、流石に始まってすぐ戦うほど血の気の多い参加者と早々に関わるつもりはなかった。
「後はただ南下し、そこでゴブリンと戦っているエンキさん達を見つけたので、邪魔にならないように隠れていました」
実際はギルティナを作り、けしかけたという一幕があるものの、これがトキの今までの行動である。
しかし、彼の話はまだ終わらない。
しかし、彼の話はまだ終わらない。
「その、ウェイトリーさんみたいな小さい子が襲われているのに何もしないのは心苦しかったんだけど……
でも前に、迂闊なことをしてボクが怪我をした挙句、戦っている人の足を引っ張ってしまったことがあって……」
でも前に、迂闊なことをしてボクが怪我をした挙句、戦っている人の足を引っ張ってしまったことがあって……」
いかにも申し訳なさそうに、苦い過去を語るような顔で、トキは昔のことを話す。
それは、トキが理愛の母親であるミリアと二人きりになる為に仕組んだ茶番劇。
わざと敵の攻撃を受けて、足手まといになってしまった出来事。
そのことを後悔しているからこそ、情がどうであれ極力理性で行動している、ように印象付けようとした。
それは、トキが理愛の母親であるミリアと二人きりになる為に仕組んだ茶番劇。
わざと敵の攻撃を受けて、足手まといになってしまった出来事。
そのことを後悔しているからこそ、情がどうであれ極力理性で行動している、ように印象付けようとした。
実の所、この話を聞いている三人は別に、トキが隠れていたことに関して悪印象を持っているわけでは無い。
三人とも、そういう道理は弁えていた。
代わりに、内一人が気になったのは別のこと。
三人とも、そういう道理は弁えていた。
代わりに、内一人が気になったのは別のこと。
「魔法少女、ですか?」
マシュが引っかかったのは、トキの口から出たこのワードだった。
前述の出来事を説明するためには、まず前提として魔法少女や魔罪人のことについて話さなければならない。
だから簡単に話したのだが、彼としてはよそうがいのところで食いつかれてしまった。
前述の出来事を説明するためには、まず前提として魔法少女や魔罪人のことについて話さなければならない。
だから簡単に話したのだが、彼としてはよそうがいのところで食いつかれてしまった。
「えっと、信じられないかもしれないけど――」
「いえ、そうではなく」
「いえ、そうではなく」
何とか信じてもらおうとするトキの発言をマシュは遮る。
彼女はこの時、カルデアにいる三人の魔法少女を思い出していた。
しかしトキが語る魔法少女は、彼女の知る魔法少女と大きく異なっていた。
彼女はこの時、カルデアにいる三人の魔法少女を思い出していた。
しかしトキが語る魔法少女は、彼女の知る魔法少女と大きく異なっていた。
そもそも、マシュはまだ、この殺し合いがあらゆる世界から参加者が集められているものだと気づいていない。
最初に出会った参加者が、顔見知りのラヴィニアだったこと。
次に出会ったのが、サーヴァントではないものの、彼女の知識にある存在と同じ名前だったこと。
これらにより、マシュはこの殺し合いに違う世界が絡んでいるとは考えていなかったのだ。
最初に出会った参加者が、顔見知りのラヴィニアだったこと。
次に出会ったのが、サーヴァントではないものの、彼女の知識にある存在と同じ名前だったこと。
これらにより、マシュはこの殺し合いに違う世界が絡んでいるとは考えていなかったのだ。
厳密にいえば、マシュが人理修復の過程で巡ってきた特異点も異世界と言える。
しかし、異なる世界であったとしても、魔術・神秘のルールが変わったわけでは無い。
彼女には理解できない例えだが、テイル〇オブシリーズにおいて、作品ごとに舞台となる世界が異なれど、魔法や特技に差異はそこまでないのと一緒だ。
しかし、異なる世界であったとしても、魔術・神秘のルールが変わったわけでは無い。
彼女には理解できない例えだが、テイル〇オブシリーズにおいて、作品ごとに舞台となる世界が異なれど、魔法や特技に差異はそこまでないのと一緒だ。
だがトキの語る魔法少女は、マシュの知るものと大きく異なっていた。
無論、彼の話に出ていた理愛やミリカが、素人相手に分かりやすく説明する為、簡略化したかもしれない。
しかしそもそも、マシュの世界の神秘は、素人に知られないようにするのが大前提。
一般人に目撃された場合、記憶を消すのが穏当な分類で、目撃者を殺害することを躊躇しない魔術師も多いのだから。
無論、彼の話に出ていた理愛やミリカが、素人相手に分かりやすく説明する為、簡略化したかもしれない。
しかしそもそも、マシュの世界の神秘は、素人に知られないようにするのが大前提。
一般人に目撃された場合、記憶を消すのが穏当な分類で、目撃者を殺害することを躊躇しない魔術師も多いのだから。
「第二、魔法……」
「「「……?」」」
「「「……?」」」
だからこそ、マシュの口から思わず言葉がこぼれる。
それに対し、三人はただ首をひねるしかできない。
違う世界の住人であるエンキやトキはもとより、同じ世界のラヴィニアも、魔術の知識が深いとは言えないからだ。
それに対し、三人はただ首をひねるしかできない。
違う世界の住人であるエンキやトキはもとより、同じ世界のラヴィニアも、魔術の知識が深いとは言えないからだ。
第二魔法とは、マシュたちの世界の魔術師の悲願の一つであり、並行世界の運用である。
この領域に届いている者が、彼女が所属するカルデアにも僅かに存在するが、それでも少しだけ作用しているにすぎない。
こんな、他の世界から自在に人間を呼び出すなどありえない。
この領域に届いている者が、彼女が所属するカルデアにも僅かに存在するが、それでも少しだけ作用しているにすぎない。
こんな、他の世界から自在に人間を呼び出すなどありえない。
という説明を、マシュは三人に向けてかなり簡略的に行った。
第二魔法について詳しく説明していいものか迷うが、彼女に記憶を消す技術はないし、そもそもそれどころではない。
なので、出来る限り簡潔に説明し、肝心な部分はボカすことにした。
それに対し三人はとりあえず、改めてこの殺し合いは尋常ではない、ということだけは理解した。
第二魔法について詳しく説明していいものか迷うが、彼女に記憶を消す技術はないし、そもそもそれどころではない。
なので、出来る限り簡潔に説明し、肝心な部分はボカすことにした。
それに対し三人はとりあえず、改めてこの殺し合いは尋常ではない、ということだけは理解した。
「となるとこの名簿はおそらく、世界ごとに行を変えているというわけじゃな」
「知り合い同士を集めている、にしては結構違和感ありましたからね……」
「知り合い同士を集めている、にしては結構違和感ありましたからね……」
マシュの話を聞いたエンキは、デイバックから名簿を取り出し、改めてマジマジと見つめる。
彼の言葉にトキもまた賛同した。
彼の言葉にトキもまた賛同した。
これで、トキが三人と接触した目的は果たされる。
そもそも、殺し合いに乗っているトキが、明らかに主催に抗おうとしている面々に、無力な少年の振りをして接触したのには理由がある。
まず、名簿にある違和感を解消するため。
次に、そもそも最初から暴れて参加者を殺していくつもりもなく、適当な主催に抗う集団に入り、ある程度信頼を得てから殺して回るつもりだったから。
まず、名簿にある違和感を解消するため。
次に、そもそも最初から暴れて参加者を殺していくつもりもなく、適当な主催に抗う集団に入り、ある程度信頼を得てから殺して回るつもりだったから。
現状、出会ったばかりなので信頼も何もないが、名簿にある違和感については納得できた。
トキは別に殺し合いの主催者を敵視しているとか、疑問視しているわけではないので、解消できないならそれはそれでまあいいか、くらいの感覚だった。
例えるなら、魚の小骨がのどに刺さっているような感覚。無視できなくもないが、解消しておくに越したことはない、といったところだ。
トキは別に殺し合いの主催者を敵視しているとか、疑問視しているわけではないので、解消できないならそれはそれでまあいいか、くらいの感覚だった。
例えるなら、魚の小骨がのどに刺さっているような感覚。無視できなくもないが、解消しておくに越したことはない、といったところだ。
その後も情報交換をするものの結局、ある種重大な前提条件は見つかったが、そこまで大きな進展はなかった。
共有できたことは、殺し合いに乗っていないであろう参加者は、藤丸立香、沖田総司、有栖川理愛の三人だということくらいだ。
共有できたことは、殺し合いに乗っていないであろう参加者は、藤丸立香、沖田総司、有栖川理愛の三人だということくらいだ。
今後の方針としては、ひとまず他の参加者との合流を目指すことにした。
そして北は、トキが殺し合いに乗っている者同士で戦っているという情報を参考に行かないことに決め、西にある施設へ向けて進むことにする。
そして北は、トキが殺し合いに乗っている者同士で戦っているという情報を参考に行かないことに決め、西にある施設へ向けて進むことにする。
戦いを止めるべきか、という考えもあったが、そもそもそんな争いの渦中にわざわざ飛び込むなど、よほどの平和主義者か自分に自信のある殺し合いに乗った者くらいだろう、という結論が出たので、それはなしになる。
「結構遠いのう」
「何か手立てがあればいいのですが」
「でしたら、全員で一度デイバッグを検めてみましょうか。乗り物なら私が運転できますので」
「何か手立てがあればいいのですが」
「でしたら、全員で一度デイバッグを検めてみましょうか。乗り物なら私が運転できますので」
エンキとトキは地図を見ながら、西にある一番近い施設までの距離を見て、エンキとトキが少々面倒そうな顔をするが、そこにマシュがある提案をする。
デイバッグの中身を、トキ以外の三人はまだ全部確認しきれておらず、そこにもしかしたら車があるかもしれない、と考えたのだ。
マシュのいまは遙か理想の城が入るくらいである、デイバッグより大きいものが出てくる、ということに疑問は今更誰も挟まない。
デイバッグの中身を、トキ以外の三人はまだ全部確認しきれておらず、そこにもしかしたら車があるかもしれない、と考えたのだ。
マシュのいまは遙か理想の城が入るくらいである、デイバッグより大きいものが出てくる、ということに疑問は今更誰も挟まない。
「でも、僕が持っているのは望遠鏡と、この王冠くらいだよ」
そう言ってトキが見せたのは、スーパークラウンとカモメの絵が描かれた望遠鏡だった。
ペテルギウスと春花の戦いも、この望遠鏡で見つけたのだ。
スーパークラウンを見せたのは、流石に支給品が望遠鏡一つだと不自然に見えるかもしれない、と判断したためだ。
睡眠薬を隠しておけば、いざという時有用に使えるかもしれない。
ペテルギウスと春花の戦いも、この望遠鏡で見つけたのだ。
スーパークラウンを見せたのは、流石に支給品が望遠鏡一つだと不自然に見えるかもしれない、と判断したためだ。
睡眠薬を隠しておけば、いざという時有用に使えるかもしれない。
そうこうしていると、ラヴィニアもデイバックから一台の車が出現した。
トヨタRAV4。四人乗りの日本車である。
更に説明書きを見れば、参加者のうち一人の愛車らしいことも分かった。
なので、もし持ち主に会えば返そうと決意しつつ、彼らは車に乗り込んだ。
トヨタRAV4。四人乗りの日本車である。
更に説明書きを見れば、参加者のうち一人の愛車らしいことも分かった。
なので、もし持ち主に会えば返そうと決意しつつ、彼らは車に乗り込んだ。
まず運転席には当然マシュ。
次に助手席だが
次に助手席だが
「ラヴィニアがいいじゃろ。
隣に見知らぬ男がいるより、知り合いの同性の方が心が休まるじゃろうからな」
「は、はい……」
隣に見知らぬ男がいるより、知り合いの同性の方が心が休まるじゃろうからな」
「は、はい……」
ラヴィニアに決まった。
エンキのこの言葉に嘘はないが、その実トキを未だ警戒しており、見張る為であるということも、見張られている当人は理解していた。
まだ何も疑いを晴らすようなことをしていないのだから、当たり前といえば当たり前だ。
エンキのこの言葉に嘘はないが、その実トキを未だ警戒しており、見張る為であるということも、見張られている当人は理解していた。
まだ何も疑いを晴らすようなことをしていないのだから、当たり前といえば当たり前だ。
(当分はなにもしないつもりなんだけどね)
トキは自分の考えをおくびにもださず、大人しく後部座席に乗り込む。
それを見たエンキも乗り込んだ後、車は出発した。
それを見たエンキも乗り込んだ後、車は出発した。
【Iー9/黎明】
【老将エンキ@モンスター烈伝オレカバトル】
[状態]:健康、マシュたちの話に対する困惑(小)、トキに対する警戒心(小)、搭乗中
[装備]:風斬り刀@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2(確認済み)
[思考・状況]基本行動方針:一刻も早く元の世界に戻りたいが、そのために無辜の人々を傷つけるつもりはない。
1:一刻も早く元の世界に戻り、王子を止めねば……!
2:これも"ネルガル"や"エンリル"の企みなのか……?
3:キヨラトキ、少々怪しいかもしれん……
4:違う世界か……
[備考]
参戦時期は、"エンリル"の策略により王子"マルドク"が狂王になってしまった後。
マシュの話から、今後訪れる未来について暫定的な内容を知りました
(違う世界の物と判明したので、心に留めておく程度です)。
[状態]:健康、マシュたちの話に対する困惑(小)、トキに対する警戒心(小)、搭乗中
[装備]:風斬り刀@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2(確認済み)
[思考・状況]基本行動方針:一刻も早く元の世界に戻りたいが、そのために無辜の人々を傷つけるつもりはない。
1:一刻も早く元の世界に戻り、王子を止めねば……!
2:これも"ネルガル"や"エンリル"の企みなのか……?
3:キヨラトキ、少々怪しいかもしれん……
4:違う世界か……
[備考]
参戦時期は、"エンリル"の策略により王子"マルドク"が狂王になってしまった後。
マシュの話から、今後訪れる未来について暫定的な内容を知りました
(違う世界の物と判明したので、心に留めておく程度です)。
【マシュ・キリエライト@Fate/Grand Order】
[状態]:体に無数の傷(中)、疲労(小)、ゴブリンへの嫌悪感(中)、運転中
[装備]:トヨタRAV4@例のアレ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2(確認済み)、いまは遙か理想の城(ロード・キャメロット)@Fate/Grand Order
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いを止める。
1:ひとまず西へ向かう
2:先輩や他のサーヴァントの皆さんと合流したい……
3:エンキさんは別の世界の方でしょうか……?
4:"ネルガル"と"エンリル"……これが今回の黒幕でしょうか?
5:黒幕は第二魔法を自在に扱える存在……?
[備考]
参戦時期は少なくとも、第1部第六章「神聖円卓領域キャメロット」以降です。そのため自身の宝具などについて把握しています。
目の前の老人(老将エンキ)をその特徴から、メソポタミア神話の主神『エンキ(エア)』ではないかと推測しています。
老将エンキから、"ネルガル"と"エンリル"、"マルドク"に関する情報を得ました。
"藤丸立香"が殺し合いに参加していることを把握しました。
[状態]:体に無数の傷(中)、疲労(小)、ゴブリンへの嫌悪感(中)、運転中
[装備]:トヨタRAV4@例のアレ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2(確認済み)、いまは遙か理想の城(ロード・キャメロット)@Fate/Grand Order
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いを止める。
1:ひとまず西へ向かう
2:先輩や他のサーヴァントの皆さんと合流したい……
3:エンキさんは別の世界の方でしょうか……?
4:"ネルガル"と"エンリル"……これが今回の黒幕でしょうか?
5:黒幕は第二魔法を自在に扱える存在……?
[備考]
参戦時期は少なくとも、第1部第六章「神聖円卓領域キャメロット」以降です。そのため自身の宝具などについて把握しています。
目の前の老人(老将エンキ)をその特徴から、メソポタミア神話の主神『エンキ(エア)』ではないかと推測しています。
老将エンキから、"ネルガル"と"エンリル"、"マルドク"に関する情報を得ました。
"藤丸立香"が殺し合いに参加していることを把握しました。
【ラヴィニア・ウェイトリー@Fate/Grand Order】
[状態]:健康、ゴブリンへの恐怖、嫌悪感(大)、搭乗中
[装備]:あやしい触手@魔界戦記ディスガイア
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1(確認済み)
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いに乗るつもりはない。元凶に立ち向かう。
1:これも、魔神柱の仕業なの……?
2:違う世界……?
3:ゴブリンはもう嫌
[備考]
参戦時期は死亡後。そのためカルデアや魔神柱、アビゲイルの正体などを知っています。
[状態]:健康、ゴブリンへの恐怖、嫌悪感(大)、搭乗中
[装備]:あやしい触手@魔界戦記ディスガイア
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1(確認済み)
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いに乗るつもりはない。元凶に立ち向かう。
1:これも、魔神柱の仕業なの……?
2:違う世界……?
3:ゴブリンはもう嫌
[備考]
参戦時期は死亡後。そのためカルデアや魔神柱、アビゲイルの正体などを知っています。
【清良トキ@魔法少女理愛 獣欲に嵌まる母娘】
[状態]:健康、搭乗中
[服装]:いつもの服装
[装備]:望遠鏡@ゼルダの伝説 風のタクト
[道具]:基本支給品一式、ホモコロリ@真夏の夜の淫夢、スーパークラウン@New スーパーマリオブラザーズUデラックス、
[思考]
基本:せっかくだから楽しませてもらう。だけど、一筋縄ではいかないかもしれない
1:しばらくは大人しく、ただの高校生清良トキとして行動する
2:ミリアは…見つけたら手伝ってもらうかな
3:違う世界か……そこにもキリエライトさんやウェイトリーさんみたいな素敵な子がいるといいな
4:ホモコロリは隠しておく
[備考]
※本編第五章『砕ける心、隷属の刻』終了後からの参戦です
※ゴブリンを配下にできますが、現在配下はいません。
[状態]:健康、搭乗中
[服装]:いつもの服装
[装備]:望遠鏡@ゼルダの伝説 風のタクト
[道具]:基本支給品一式、ホモコロリ@真夏の夜の淫夢、スーパークラウン@New スーパーマリオブラザーズUデラックス、
[思考]
基本:せっかくだから楽しませてもらう。だけど、一筋縄ではいかないかもしれない
1:しばらくは大人しく、ただの高校生清良トキとして行動する
2:ミリアは…見つけたら手伝ってもらうかな
3:違う世界か……そこにもキリエライトさんやウェイトリーさんみたいな素敵な子がいるといいな
4:ホモコロリは隠しておく
[備考]
※本編第五章『砕ける心、隷属の刻』終了後からの参戦です
※ゴブリンを配下にできますが、現在配下はいません。
【望遠鏡@ゼルダの伝説 風のタクト】
清良トキに支給。
リンクの妹、アリルが愛用する、カモメの絵が付いた望遠鏡。
清良トキに支給。
リンクの妹、アリルが愛用する、カモメの絵が付いた望遠鏡。
【トヨタRAV4@例のアレ】
ラヴィニア・ウェイトリーに支給。
Syamu_gameの愛車。オフ会0人の時にも運転していたもの。
ラヴィニア・ウェイトリーに支給。
Syamu_gameの愛車。オフ会0人の時にも運転していたもの。
081:黒く黒く | 投下順 | 083:ゼロニハモドレヌコンペ・ロワイアル |
028:下半身さえあればいい | 老将エンキ | 089:世界は残酷なんだから |
マシュ・キリエライト | ||
ラヴィニア・ウェイトリー | ||
清良トキ |