世界はやっぱり、残酷なんだ。
それが初めて壁の外の土地を踏んだ、私──カヤの感想だった。
こつり、と足元の石を蹴飛ばして、ぽつりと呟く。
こつり、と足元の石を蹴飛ばして、ぽつりと呟く。
「何でも願いが叶う、か……」
最後の一人になるまで殺しあえ。
見事最後の一人になれたら、何でも願いを叶えてあげる。
あのカイバノアという男の子は、私達にそう言った。
その言葉を受けて。
どうしようかと、空を仰いで考える。
直ぐには決められなかった。
だって、突然だったから。
何時だって、“何時もの日々“は突然壊れてしまう。
あの日もそうだった。
突然壁の中に一杯巨人が現れて。
私のお母さんが食べられた日も、突然やってきた。
見事最後の一人になれたら、何でも願いを叶えてあげる。
あのカイバノアという男の子は、私達にそう言った。
その言葉を受けて。
どうしようかと、空を仰いで考える。
直ぐには決められなかった。
だって、突然だったから。
何時だって、“何時もの日々“は突然壊れてしまう。
あの日もそうだった。
突然壁の中に一杯巨人が現れて。
私のお母さんが食べられた日も、突然やってきた。
「お姉ちゃん…お姉ちゃんならどうする?」
私はサシャという兵士のお姉ちゃんに助けられたけれど。
それまでお母さんが生きたまま食べられるのをずっと見ていた。
何も…何もできなかった。
その上で、考える。
今の私に、何ができるのか。
何をすべきなのか。
そして…サシャお姉ちゃんならどうするか。
少しの間星を見ながら考えて──そして、結論を出した。
それまでお母さんが生きたまま食べられるのをずっと見ていた。
何も…何もできなかった。
その上で、考える。
今の私に、何ができるのか。
何をすべきなのか。
そして…サシャお姉ちゃんならどうするか。
少しの間星を見ながら考えて──そして、結論を出した。
「うん…分かってる。分かってるよ、お母さん、お姉ちゃん」
サシャお姉ちゃんは、兵士として壁の外に出て。
エルディアを…私達を守るために人を撃って。
そして、人に……ミアに撃たれたらしい。
だから、私もそれに習おうと思った。
私も…ブラウスさん達を…壁の中の皆を救うために戦うんだ。
例え勝てなくて、死んでしまうのだとしても。
サシャお姉ちゃんのいる場所に逝けるのなら、それでも良かった。
そう考えながら──ノアから貰った、変わった形の鞄からある物を取り出す。
エルディアを…私達を守るために人を撃って。
そして、人に……ミアに撃たれたらしい。
だから、私もそれに習おうと思った。
私も…ブラウスさん達を…壁の中の皆を救うために戦うんだ。
例え勝てなくて、死んでしまうのだとしても。
サシャお姉ちゃんのいる場所に逝けるのなら、それでも良かった。
そう考えながら──ノアから貰った、変わった形の鞄からある物を取り出す。
「私たちはやっぱり……悪魔なのかもね」
それは、「ドクドクの実」と説明書には書かれていた。
食べた人に力を与える悪魔の実という名の果物らしい。
私達エルディア人は壁の外の人たち皆から悪魔と呼ばれているらしい。
そして今…私はこの実の力を使って人を殺す本物の悪魔となる。
あんぐりと。
あの日お母さんを食べた巨人の様に口を開けて。
そしてムシャリと一口噛り付いた。
酷い味の果物だったけど、我慢して夢中で最後の一口まで食べ進めた。
食べた人に力を与える悪魔の実という名の果物らしい。
私達エルディア人は壁の外の人たち皆から悪魔と呼ばれているらしい。
そして今…私はこの実の力を使って人を殺す本物の悪魔となる。
あんぐりと。
あの日お母さんを食べた巨人の様に口を開けて。
そしてムシャリと一口噛り付いた。
酷い味の果物だったけど、我慢して夢中で最後の一口まで食べ進めた。
「お姉ちゃん……褒めてくれるかな」
もし願いが叶ったら。
私は、私の住むエルディアが他の国と仲良く出来るよう願うつもりだった。
巨人なんて、この世からいなくなって。
私達エルディア人が、悪魔の末裔なんかじゃなくて。
皆から生きてていいよって、そう言われる世界を願うんだ。
本当は、お姉ちゃんを生き返らせたいけど。
お姉ちゃんに、褒めてもらいたいけど。
ただ生き返らせるだけじゃ…お姉ちゃんはまた壁の外へ行って。
そしてまた人を撃ち、人に撃たれてしまうから。
だから。
だから、私は。
お姉ちゃんにもう一度会う事を望まない。
ただ、お姉ちゃんが果たせなかった事は、私がやる。
私は、私の住むエルディアが他の国と仲良く出来るよう願うつもりだった。
巨人なんて、この世からいなくなって。
私達エルディア人が、悪魔の末裔なんかじゃなくて。
皆から生きてていいよって、そう言われる世界を願うんだ。
本当は、お姉ちゃんを生き返らせたいけど。
お姉ちゃんに、褒めてもらいたいけど。
ただ生き返らせるだけじゃ…お姉ちゃんはまた壁の外へ行って。
そしてまた人を撃ち、人に撃たれてしまうから。
だから。
だから、私は。
お姉ちゃんにもう一度会う事を望まない。
ただ、お姉ちゃんが果たせなかった事は、私がやる。
「──行こう。世界を救った、英雄になるんだ」
ミアの言った通り、私はきっと、本当の悪魔なんだろう。
でも、仕方ないよね?
だって、この世界は。
こんなにも、残酷なんだから。
でも、仕方ないよね?
だって、この世界は。
こんなにも、残酷なんだから。
【カヤ@進撃の巨人】
[状態]:健康
[装備]:ドクドクの実 @ONE PIECE
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~2
[思考・状況]基本方針:殺し合いに優勝して、エルディアを救う。
1:適当な相手に能力を試したい。
[備考]
参戦時期は原作118話
ドクドクの実を食べました。
食べたばかりなのでそこまで上手く能力が扱えません。
[状態]:健康
[装備]:ドクドクの実 @ONE PIECE
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~2
[思考・状況]基本方針:殺し合いに優勝して、エルディアを救う。
1:適当な相手に能力を試したい。
[備考]
参戦時期は原作118話
ドクドクの実を食べました。
食べたばかりなのでそこまで上手く能力が扱えません。
私は、世界を救った英雄になるんだ。
私、ガビ・ブラウンは、ついこの間まで、そう思っていた。
年は12歳。
“鎧の巨人”を継承する戦士候補生として、日夜訓練の日々。
勿論訓練だけ、と言うわけでなはい。実戦経験もある。
巨人の力も使わずに、爆弾を使って装甲車を吹き飛ばした。
その時の私は、それがエルディア人の為になると信じていた。
パラディ島の悪魔たちと私たちは、同じエルディア人でも違うんだ。
私達は過去の罪を自覚して、それを償おうとしている。
この闘いの日々が、流した血の量が、祖国マーレに認められて。
そして、二年後。
尊敬している戦士ライナー・ブラウンから鎧の巨人を受け継ぐ。
そして、受け継いだ力でパラディ島の悪魔の末裔たちを駆逐して、世界を救う。
輝かしい未来は、もうすぐ目の前にあった。
私、ガビ・ブラウンは、ついこの間まで、そう思っていた。
年は12歳。
“鎧の巨人”を継承する戦士候補生として、日夜訓練の日々。
勿論訓練だけ、と言うわけでなはい。実戦経験もある。
巨人の力も使わずに、爆弾を使って装甲車を吹き飛ばした。
その時の私は、それがエルディア人の為になると信じていた。
パラディ島の悪魔たちと私たちは、同じエルディア人でも違うんだ。
私達は過去の罪を自覚して、それを償おうとしている。
この闘いの日々が、流した血の量が、祖国マーレに認められて。
そして、二年後。
尊敬している戦士ライナー・ブラウンから鎧の巨人を受け継ぐ。
そして、受け継いだ力でパラディ島の悪魔の末裔たちを駆逐して、世界を救う。
輝かしい未来は、もうすぐ目の前にあった。
「何で……?」
でも、今は違う。
最悪なのは、殺し合いに呼ばれたことは関係が無くて。
此処に呼ばれる前の話だった。
滅ぼされる事を座視せず、攻めてきたパラディ島の悪魔たちの飛行船に飛び乗って。
乗った先で一人の悪魔を射殺して。悪魔の末裔に捕まって、脱走して。
そして、壁の中で。カヤと、ブラウス夫妻に出会った。
カヤは、親切な少女だった。ブラウス夫妻も親切だった。
最悪なのは、殺し合いに呼ばれたことは関係が無くて。
此処に呼ばれる前の話だった。
滅ぼされる事を座視せず、攻めてきたパラディ島の悪魔たちの飛行船に飛び乗って。
乗った先で一人の悪魔を射殺して。悪魔の末裔に捕まって、脱走して。
そして、壁の中で。カヤと、ブラウス夫妻に出会った。
カヤは、親切な少女だった。ブラウス夫妻も親切だった。
「どうして…今なのよ………」
私がマーレに帰れるように、マーレ人の料理人を紹介してくれた。
でも、その人はあろうことか悪魔の末裔が好きで。
飛行船の中で私が撃ったのはその悪魔の末裔の女で。
私は、怒り狂った料理人に殺されかけた。
その悪魔の末裔の女と関わりを持っていたのは料理人だけでなく。
ブラウス夫妻の娘で、カヤの命の恩人であることを知ったのは直後の事だった。
でも、その人はあろうことか悪魔の末裔が好きで。
飛行船の中で私が撃ったのはその悪魔の末裔の女で。
私は、怒り狂った料理人に殺されかけた。
その悪魔の末裔の女と関わりを持っていたのは料理人だけでなく。
ブラウス夫妻の娘で、カヤの命の恩人であることを知ったのは直後の事だった。
「もう少し、前だったら……」
もう少し前なら、意気揚々とあの海馬乃亜の言葉に従えたかもしれない。
殺し合いに優勝して、壁内の悪魔を除いたエルディア人を救う事を願えたかもしれない。
それか、あんな子供のいう事信用ならないと跳ねのけられたかもしれない。
でも…それは今の私には無理だった。
殺し合いに優勝して、壁内の悪魔を除いたエルディア人を救う事を願えたかもしれない。
それか、あんな子供のいう事信用ならないと跳ねのけられたかもしれない。
でも…それは今の私には無理だった。
──どうしてお姉ちゃんを殺した奴の事なんか心配するの?
──私は許せない。殺してやりたい。
──私は許せない。殺してやりたい。
カヤに言われた言葉が、ずっと頭の中で響いている。
パラディ島には、悪魔なんていなかった。
ただ人がいるだけだった。
私は、会ったことも無い人たちを悪魔だと決めつけて。
撃って、命を奪って。
憎しみの連鎖を繰り返しているのだと、漸く気が付いた。
その矢先の事だった。
殺し合いをしろ、と命じられたのは。
パラディ島には、悪魔なんていなかった。
ただ人がいるだけだった。
私は、会ったことも無い人たちを悪魔だと決めつけて。
撃って、命を奪って。
憎しみの連鎖を繰り返しているのだと、漸く気が付いた。
その矢先の事だった。
殺し合いをしろ、と命じられたのは。
「──ねぇ、ファルコ。アンタならどうする……?」
思い起こすのは、こんな私の事を好きだと言ってくれた男の子。
私に、長生きしてほしいと言ってくれた男の子。
私よりもずっと早く……私たちの過ちに気づいていた、男の子。
彼ならば、どうするだろう。
どうしたら、私達の犯した罪を拭えるんだろう。
考えるのは、それだけだった。
私に、長生きしてほしいと言ってくれた男の子。
私よりもずっと早く……私たちの過ちに気づいていた、男の子。
彼ならば、どうするだろう。
どうしたら、私達の犯した罪を拭えるんだろう。
考えるのは、それだけだった。
「やっぱり……優勝するしか……ないのかな………」
呆然と、言葉を漏らす。
優勝して、エルディア人を救うように願う。
壁の外のエルディア人も、壁の中のエルディア人も。
ただ、世界の皆から「生きてていいよ」、その言葉だけが欲しかった。
優勝して、エルディア人を救うように願う。
壁の外のエルディア人も、壁の中のエルディア人も。
ただ、世界の皆から「生きてていいよ」、その言葉だけが欲しかった。
「今の私に……それができるの?」
背負ったカバンから出てきた銃。
人を殺すための道具。
それをぎゅっと抱きしめて。
考える、考えてしまう。
その決断は、果たして正しいの?
また、同じことを繰り返すだけじゃないの?
同じ場所を…暗い森の中を、ぐるぐると彷徨うだけじゃないの?
人を殺すための道具。
それをぎゅっと抱きしめて。
考える、考えてしまう。
その決断は、果たして正しいの?
また、同じことを繰り返すだけじゃないの?
同じ場所を…暗い森の中を、ぐるぐると彷徨うだけじゃないの?
「ねぇ、ファルコ……教えてよ」
空の星を仰ぎながら、祈るように願った。
一筋の流れ星が瞬いたけれど、流星は願いを叶えてはくれず。
誰の言葉も届くことは無く。
私は暗い森の中で、独り立ち尽くしていた。
一筋の流れ星が瞬いたけれど、流星は願いを叶えてはくれず。
誰の言葉も届くことは無く。
私は暗い森の中で、独り立ち尽くしていた。
【ガビ・ブラウン@進撃の巨人】
[状態]:健康、迷い。
[装備]:AK47
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~2
[思考・状況]基本方針:殺し合いに優勝して、エルディア人を救う…?・
1:でも……本当にそれでいいの……?
[備考]
原作119話、ファルコ巨人化の爆風で意識を失った直後から参戦です。
[状態]:健康、迷い。
[装備]:AK47
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~2
[思考・状況]基本方針:殺し合いに優勝して、エルディア人を救う…?・
1:でも……本当にそれでいいの……?
[備考]
原作119話、ファルコ巨人化の爆風で意識を失った直後から参戦です。