コンペロリショタバトルロワイアル@ ウィキ

関西ツインテ 蜜柑

最終更新:

compels

- view
だれでも歓迎! 編集
「ウ……ウソやろ。こ……こんなことが。こ……こんなことが許されていいのか。」

 バトル・ロワイアルの会場で驚きの声を上げる関西弁のツインテールの美少女。
 佐倉蜜柑は自分が巻き込まれた蛮行に声を震わせていた。
 もちろん蜜柑の今までの人生で、目の前で子供が爆殺されるような光景を見たことなどない。
 図太いようで繊細な面もある彼女は何分か何も考えられずにいたが、タフという言葉は蜜柑のためにある。持ち前のへこたれない心で気を取り戻すとランドセルを調べた。

「と、とりあえずランドセル見よ。なんか使えるもんとか入っといてな。」
「えーっと、白い粉と、拳銃と、ドス?」

 蜜柑は、覚醒剤を手に入れた!
 蜜柑は、トカレフを手に入れた!
 蜜柑は、ドスを手に入れた!

「ちょっと待ってこんな武器ええん!?」

 思わず関西のノリでツッコんでしまうが、目の前の状況は変わらない。これで殺し合えということだろう。

「こ、これ、オモチャと違うかな? ホンモノなん? うわ説明書ついてる。覚醒剤の説明書ってなんやねん。」
「アカンどないしよ! めっちゃ怖わなってきたわ。まあでも誰だって殺し合いたいわけないもんな。とりあえず、誰かと会いたいな。みんなも巻き込まれてるかもしれんし。おっしゃ探そ!」

 蜜柑は努めて元気に言うと立ち上がる。
 へこたれへん、関西女の心意気で駆け出す。

 そして1時間経った。
 そして2時間経った。
 そして3時間経った。
 そして4時間経った。
 そして5時間経った。

「誰もおらんのやけど! 逆に怖いわ!」

 そしてあっという間に放送間際まで行ってしまった。
 あんまりにも誰にも会わないので、自然と警戒心も薄くなる。
 すると道にわずかについた染みに気がついた。周りを見張っていた目が地面に向いたことで、ほんの少しの血痕を見つけられたのだ。

「これ、血ぃ、よな? あっちに続いてるんか?」

 そして血痕は一軒の民家へと続いていた。玄関は鍵がかかっておらず、開くと直ぐに、倒れている少女が見えた。

「ハァ……ハァ……あ、さっきの……」
「いや初対面なんやけど。て、めっちゃ腹から血ぃ出てるやん! 大丈夫!? 大丈夫やないやろけど!」

 倒れていた少女の名は、条河麻耶。
 なんでも既に何度か戦闘して毒を食らったり腹を斬られたりしたらしい。
 なにぶん放送直前まで誰とも会っていない蜜柑にはにわかに信じられない話だが、とにかく怪我をどうにかしなければ。

「え……あんだけ戦ってたのに気づかなかったの?」
「なんか音は聞こえてたけどわからんかったわ。アカン血止まらへんどないしよ!? あ、拡声器あるやん、借りるで!」
「ちょっとタンマ! アイツがここに来るかも知んないし!」
「いや誰やねんそれ。誰とも会ってないならこの辺り人いないって。もしおってもうちがなんとかするわ。」

 覚醒剤で痛みを飛ばし、毒を蜜柑の持つ無効化のアリスで解毒して、それでもなお瀕死のマヤを救うにはこれしかない。
 支給品と自前の異能でマヤの命を支える。ある意味最強だが、この出来すぎを越えた出来すぎを持ってしても、それだけでは足りない。
 ということを別にどっちも理解してはいないが、蜜柑は単純に怪我人がいるから医者を呼びたくて、マヤはヤクでそれどころじゃなくなっていてとにかく使ってみることにした。


 1分、誰も来ない。
 2分、誰も来ない。
 3分、誰も来ない。

 わかっていたが、やはり人はこの辺りにいないらしい。
 「これはもうダメかもわからんね」そんな言葉が蜜柑の口から出そうになる。その時。

「大丈夫ですか! オレは医者です!」
「「医者来たー!?」」

 なんと医者が来た。とんでもない幸運に思わず2人でツッコむ。マヤの傷口から血が吹き出し、失血によるショックで意識が飛んだ。これはもうダメかもわからんね。
 しめやかにマヤが息を引き取りつつある中、蜜柑は「背ぇ低く!」とツッコんでいて気がつかなかった。小5の蜜柑は138cm、中2のマヤは140cmとあまり人のことを言えない二人だが、現れた自称医者は161cm。2人よりかは頭一つ高いが、蜜柑の先輩である美咲やマヤの友人であるリゼとほぼ同じで、顔の幼さと男性ということも考えるとどう頑張っても中学生ほどにしか見えない。

「この傷口の変色は、汚れた刃物による裂傷?」
「なんか毒食らってたらしいです。さっきうちらでなんとかしました。」
「毒だって? しかもそれをなんとかした? 支給品か? じゃあこの注射器は?」
「痛すぎて殺してって言い出したんでダメ元で打った覚醒剤です。」
「なんだって!? どういう状況なんだ!」
(この人めっちゃ手際よく裸にして傷口消毒したな。)

 しかしその第一印象はすぐに覆った。
 蜜柑に話しつつ少年医者はマヤの制服をハサミで切り裂き、傷口にアルコール消毒液をかけ、ビニール手袋をつけるとこれも消毒し、患部を検める。
 なおその時の物品は全て蜜柑が「なんかこういう防災グッズに入ってそうな雑貨とか持ってたほうがええんかな。これまでうちお菓子しか拾ってへんからな。あと文房具とかもいる?」と6時間ほどかけて集めたガラクタの一部である。

「よし、大網で止まってる。消化器は無事だ。ここでオペします!」
「ほ、ホンマに医者なんですか?」
「オレは真東輝、安田記念病院(ヴァルハラ)の外科医です。」

 その言葉には、蜜柑を納得させる熱量があった。
 言葉だけで本物だとわからせられる『凄み』を感じる。そして直ぐに言葉だけでなく目でもわからされた。

「ちょっと、めっちゃ早い。指先残像になってる……」

 恐怖すら感じる速度で、テルの指先がマヤの内蔵をいじくり回し、血が拭われ、針と糸で縫われていく。人体の、それも少女の体の中を縦横無尽に触りまくるその手に、畏敬の念とそれを超える生理的嫌悪を抱く。目の前の、自分と何歳かしか変わらなそうな少年が、人間離れした動きを見せることに本能が警告を鳴らす。アリスという人間離れした力を持ち、同じような力を持つ人間と触れ合ってこなければ現実だともテルのことも受け入れられなかっただろう。

「終了だ。」
「……お、終わったのか? なんか、今まで触られたとこのないところ触られまくった感覚だった……」
「すまない、麻酔が無くて。」
「大丈夫……シャブで、どっこいどっこいだったから……」
「はえ~すっごい……」

 手術中に意識を取り戻して冷静かつ錯乱しているマヤと言葉をかわしながら、かかった時間はものの十数分。それがどれだけ異常なことかは蜜柑にはわからない。だがそれでも、目の前の男性がある意味自分よりも普通じゃないことに蜜柑は確信を得た。
 そして同時に、マヤを気遣うその顔は、なんら普通の人と変わらない。この人は本当に、すごいお医者さんなんだと確信した。

 少女命を救った彼はゴッドハンド輝。神の手を持つと謳われた医者である。





【佐倉蜜柑@学園アリス】
[状態]:健康、テルに興味
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、覚醒剤@現実?、トカレフ@現実?、ドス@現実?、拾った雑貨(防災グッズに入ってそうなもの、お菓子、文房具)
[思考・状況]
基本方針:なんとか殺し合いから脱出する。
1:この人、医者のアリスか?
2:知り合いが巻き込まれていないか心配。

【条河麻耶@ご注文はうさぎですか?】
[状態]:重傷(腹部に裂傷、処置済み)、失血、毒によるダメージ(解毒済み)、疲労(大)、覚醒剤使用
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、拡声器@バトル・ロワイアル、移動に使えそうなもの、武器になりそうなもの
[思考・状況]
基本方針:なんとか殺し合いから脱出する。
1:助かった……?
2:知り合いが巻き込まれていないか心配。

【真東輝@ゴッドハンド輝】
[状態]:疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:なんとか殺し合いから脱出する。
1:マヤの容態を見守る。
2:知り合いが巻き込まれていないか心配。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
ウィキ募集バナー