コンペロリショタバトルロワイアル@ ウィキ

わくわく動物ランド

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 「はあ…はあ…は…」

 橙は荒い息を吐きながら夜道を走る。何故こんな事になったのかと考える暇も無く、只々殺されないために走り続ける。

 「何でッ?同じだと……違うの!?」

 追っ手から逃れる為に、出来うる限り狭いところを、視界の悪いところを走って走って走り続ける。
 いきなり殺し合えと言われ、訳もわからないまま飛ばされ、目的も無く歩き出した直後に、主人の同類の幼女を見かけ、嬉々として話し掛けた。そこ迄は良かった。
 話し掛けた途端に、幼女が熊でも一撃で殺せそうな勢いで爪を振るい、自分を殺そうとしたので、恐怖にかられて逃げ出した。
 戦う術は一応は持っている。だが、いきなり殺されかかった事よりも、主人の同類に害意を向けられた事がショックで、戦意を喪失した橙には、抗戦という選択肢は無かった。
 そして全力で走り続ける事五分。振り切ったと思って気を抜いた橙の視界の隅に、金色の輝きが映った────気がした。


 テクテクと、夜道を歩く幼女が一人。ランドセルを背負った姿は、彼女がこの事態に巻き込まれた者達の一人である事を物語っている。
 人が殺され、殺し合いを強要されたにも関わらず、平然とした風情の幼女は、無表情のまま、仕切りに口を動かし、手にした『何か』を口に運びながら、やや不機嫌そうな顔で、幼女は夜道を歩いていく。
 幼女の名は『タマ』。日本三大妖怪の一角である金毛白面九尾の狐。嘗て人間により封じられ、力の大半を失って現代に復活した大妖である。

 「同じ猫だけど。緋剣と比べると…不味い」

 最初に出逢った妖猫は、楽に殺せたのは良いが、楽に殺せるだけあって、あまり美味しく無いし、栄養もそれほどでは無い。
 同じ猫でも『野井原の緋剣』とは大違いだ。
 それでも血が臭い人間を食べるよりもよりも遥かにマシだ。
 人間を口にするのは嫌なので、此処に妖怪が他に居るかどうか分からないし、死体をランドセルに詰めて持ち運ぼうとしたら、入らなかったので、その場で食べる事にした。
 小さいから直ぐに食い尽くせたが、味はあまり良く無いし栄養も緋剣に比べると乏しい。量もないので腹の足しにもならないときた。

 「此処に猫がいるなら兎も角、人間だけなら、栄養をつける必要は無い」

 最初に殺された二人程度なら、100人居ようが今の状態でも容易に殺し尽くせる。
 そう考えると、さっき猫を食べた時、右脚が残ったので齧りながら此処まできたが、もうその脚も食べる気はしなくなってきた。

 「…飽きた」

 幼女は持っていた橙の脚を投げ棄てると、振り返ることもせずに歩いていった。
 さっさと皆殺しにして、元の場所に戻ろうと、そんな事を考えながら。


【橙@東方Project 死亡】




【タマ@おまもりひまり(原作漫画版)】

[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~3
[思考・状況]基本方針:皆殺し
1:妖怪が居るなら食べる
[備考]東北地方の温泉で緋鞠達と戦って、くえすの攻撃で吹き飛ばされた後辺りからの参戦です。

※橙の原形を留めない死体と支給品の入ったランドセルが会場の何処かに放置されています
※死体とランドセルから少し離れた場所に、橙の右脚が棄てられています。

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