コンペロリショタバトルロワイアル@ ウィキ

パロロワサムライ

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
 結論から言うなら、桐森蘭と言う少女は殺し合いに乗った。

 桐森蘭は元々、ごく普通の中学一年生だった。
 シングルマザーの家庭で育った彼女は、母を慕うごく普通の少女だった。
 しかし少し前、彼女の母親は桐森岳士という男と再婚した。
 蘭は彼が出会った時からどうにも嫌だったが、母があまりにも幸せそうだったため何も言えず、再婚を祝福。
 だが結婚後すぐに、母は練炭中毒で亡くなってしまった。

 表向きは自殺と言うことで片付いてしまったが、蘭は新しい父親である岳士を疑い調べる。
 その結果、彼は結婚詐欺で訴えられていた上に、保険金殺人をしていた可能性があることが分かる。
 これを見て、彼女は母の仇が岳士だと確信。
 どうにかして仇を討つ、と決めた――

 ――ところでこの殺し合いだ。
 最初の乃亜が見せた死者を生き返らせるデモンストレーションを見て、蘭は迷った。
 何せ、敵討ちをしても母は生き返らないが、この殺し合いに勝ち抜けば母が生き返るかもしれないのだから。
 しかし、人殺しの父親相手ならいざ知らず、恐らく何の罪もないであろう、自分より年下と思われる子供たちを手に掛けるのには大いに抵抗があった。
 それでも彼女は殺し合いに乗った。
 もう一度、母と会いたかった故に。

 そして彼女はランドセルから銃を取り出し、構える。
 銃なんてテレビぐらいでしか見たことなかったので、お世辞にもちゃんと構えてるとは言い難い。
 それでも必死に構えながらしばらく歩いていると、一人の少女と出会った。

 長髪を結わえ、和服に刀を腰に差したその姿は、まるで侍だった。
 蘭がその少女を見た瞬間、彼女は異様な恐怖に襲われた。

 目が、異様だった。
 淀んでいた。死んでいった。狂っていった。

 バン

 だから撃った。
 だが弾はあらぬ方向に向かい、侍の少女に命中することはなかった。
 蘭が侍に恐怖していると、次の瞬間信じられないことが起こる。

 ドン

 蘭が銃の引き金に引いた直後、侍の少女が眼前に刀を抜いて現れていた。
 さっきの轟音は侍が地面に踏み込んだ音だと、蘭には分からない。
 分かるのは、自分がこれから刀で斬られるという未来のみ。

 そしてその未来は現在となる。

「う、あぁ……」

 侍に斬られ、首から血を流し倒れる蘭。
 そんな彼女の元に侍は近づき、刀を構える。

「何か、言い残すことはあるでござるか?」

 侍が問う。
 これから死にゆく彼女にせめてもの慈愛とばかりに、少女はただ言葉を掛ける。
 しかし、蘭に応える余裕はない。
 血を流し、死に向かい続ける彼女はもう、侍の事は目に入らない。
 彼女が最期に思うのはただ一つ。

「おかあ、さん……」

 蘭が生き返らせたかった、母の事のみ。

 どっ

 それを聞いてどう思ったのか、侍は蘭に刀を突く。
 もうこれ以上苦しまぬようにと、止めを刺す。

【桐森蘭@金田一少年の事件簿 死亡】





 桐森蘭を斬った侍の少女、月鍔ギンコの気分はあまり良くない。

 彼女は侍として生き、死ぬことを望みながら育った少女である。
 そんな彼女は関ケ原の戦いに西軍の先鋒隊として参加した。
 先鋒隊の役目は捨て駒、しかし彼女は望んで参加した。
 武士として、侍として、誇りをもって戦いの中で死ぬために。
 それが彼女の望みゆえに。

 だがギンコは生き残ってしまった。
 戦の最中で受けた鉄砲の弾の当たり所が良いのか悪いのか、彼女は気絶し、そのまま戦が終わってしまったのだ。
 彼女は絶望した。
 同じく参加した先鋒隊は皆、自分が望む死に様を魅せたのに、彼女だけがおめおめと生き残ってしまったのだから。

 それから一年、ギンコは辻斬りまがいにあらゆる侍に立ち合いを申し込み続けた。
 全ては戦いの中で死ぬために。
 しかし百の侍と立ち合って彼女は全戦全勝し、生き残り続けた。

 ついにギンコは仏に縋った。
 人を沢山斬った己が地獄の炎に焼かれる覚悟をしていると。
 ただ戦いの中で死にたいと。
 赦されなくてもいい、ただ敵が欲しいと。
 いっそ地獄の世にでも連れて行ってくれと。

 そこで連れてこられたのがこの殺し合いだ。
 最初は驚きつつも歓喜した。ここでなら己の理想の死に様を魅せることができると。
 しかし、乃亜がルフィとエースを殺したのを見て、ギンコの考えは変化した。

 別に、自分の様に戦いを求める人間が殺し合いに呼ばれるのはいい。
 あるいは、乃亜の語る「どんな願いを叶える」という言葉を信じ、欲して戦うのも悪とは思わない。
 だが戦意を持たない子供を無理矢理呼びつけ、戦いに駆り立てるようなギンコの中の侍としての義侠心が許さなかった。
 故に戦いの中で死にたいと言う望みはそのままであるものの、彼女は生きている限り、乃亜の討伐を目指すことにした。

 とりあえずランドセルという見慣れない鞄を調べると、中から出てきたのは見たことのない程業物の刀。
 こんなものを某が使っていいのか、と一瞬思うも、武器が無ければ戦えないので、彼女は大人しく腰に差した。

 すると、鉄砲を構えた少女が現れた。
 ギンコすれば見たことのない形だが、そもそも彼女の中で鉄砲は異国の武器だ。
 ならば見たことのない形のものもあるだろう、と彼女は考える。
 そしてそんなものを構え撃ってきた時点で、視界に映る少女は敵だった。

 だから斬った。
 構えているだけなら殺し合いに恐怖しているだけかもしれないと思い、守ろうと思い落ち着けようとしたかもしれない。
 だが敵である以上、ギンコは斬った。
 そのことに後悔はない。
 ここは戦で、鉄砲を構えた少女は斬るべき相手だった。

 だが止めを刺す時、少女の死に際の言葉がただ母を求めるだけだったのが、ギンコは酷くやりきれなかった。


【月鍔ギンコ@異世界サムライ】
[状態]:健康
[装備]:斬鉄剣@ルパン三世(アニメ版)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本方針:侍として戦いの中で死にたい
1:生きている限りは乃亜討伐を目指す
2:殺し合いに乗っているのなら誰であろうと斬る。戦意のないものは斬らない
3:無力な童はなるべく守る
[備考]
※参戦時期は1話、仏に「いいよ」と言われる直前です。


※桐森蘭の遺体とランドセル、サタンの銃@ドラゴンボール が会場のどこかに放置されています。


【サタンの銃@ドラゴンボール】
桐森蘭に支給。
ミスター・サタンが魔人ブウ退治の為に用意した銃。
45口径らしい。

【斬鉄剣@ルパン三世(アニメ版)】
月鍔ギンコに支給。
白鞘に納められた日本刀であり、切れないものはないとされる業物だが、実は作中において結構いろんなものが切れなかったりする。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
ウィキ募集バナー