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無情の世界

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「すげぇすげぇ! おめえ、思ったより強ぇぞ!!」

「ピカピカァ!」

カオスの拳とピカチュウのアイアンテールが打ち付け合う。
はがねタイプに分類され、時として岩すら砕く高い切断力を持つピカチュウの尻尾の打撃を、拳でいなし捌き続けるカオス。
既に交戦開始から数分は経過しており、カオスの猛攻を避けながら何度もピカチュウはアイアンテールを叩き込んでいるにも関わらず、ダメージは然程通っていない。
以前、対立していたポケモンハンターjにもアイアンテールを腕に装備した機械を盾にして受け止められたこともあったが、今のカオスと同じ芸当をするなど不可能だろう。

「───!!」

拳と尻尾の殴打の応酬を繰り返しながら、埒が明かないとカオスが意識を後方に向ける。
一気に加速し距離を稼ぎ、空へと羽ばたき上空から遠距離攻撃で嬲り殺しにする。
見たところ、ピカチュウは電撃を操る性質を持つが、飛行能力は有していない。
一度飛べさえすれば、カオスに万に一つも敗北はあり得ない。

「10まんボルト!!」

ピカチュウとカオスの鍔迫り合いを見ながら、まるで予知したかのようにサトシが瞬時に指示を出す。
それを聞き、ピカチュウは硬質化した尻尾を横薙ぎに払いながら飛び上がる。

「ピィーカァー、チュ!!!」

ピカチュウから放たれた電撃がカオスへと迸りその全身を貫く。
長年、必殺の一撃として磨き上げた電撃は、例えエンジェロイドとして強固な装甲を積んでいるカオスであろうとも、直接受ければ確実に全身の稼働を僅かに停止させる。
さらに飛び上がった上空から、カオスに向かいアイアンテール振り下ろす。
カオスは両腕を交差し、その一撃を受け止める。

「クスクス…おめえら、ほんとにやるなぁ」

口調と容姿は悟空を模したままカオスは賞賛を口にする。
当初の想定では、サトシとピカチュウを即座に殺し、後ろの参加者を片方だけ殺し、もう一人を逃がして悟空の悪評を撒いて貰うつもりだった。
ピカチュウという生物は初めて見た。カオスも制作され稼働してから日は長くないが、地上にいるどの生物にも合致しない特殊な生き物に違いないのは理解した。
強さも通常の地蟲(ダウナー)よりは高いが、決してエンジェロイドに迫る程、秀でた種とも思えない。
この想定通りに、事は進むと思われた。
だが、戦ってみれば未だカオスはピカチュウはおろか、サトシすら屠れずにいる。

「オラの動きが読まれてるみてぇだ」

速さ、力。
全てが格上のカオスを相手に、ピカチュウはその小柄さと身軽さを武器に、ヒットアンドウェイで食らい付いてきていた。
ならば、飛翔し距離を離し遠距離からの攻撃で削ればいい。戦況を分析し次なる戦術を組み上げるが、カオスが距離を空けようとするその瞬間をサトシに確実に見切られる。
先ほどの10まんボルトを浴びせられ、妨害される。
恐らく、サトシとピカチュウは過去にカオスのようにマッハで動き、飛行する敵と戦っている。
その時の経験が一人と一匹の強さとして積み重ねられ、最凶のエンジェロイドたるカオスとの戦いを成立させている。

(あいつに飛ばれたら、終わりだ…。タクトさんのラティオスみたいに、こちらの攻撃を全部回避されてしまう。
 何とか、地上の近接戦に持ち込まないと。…リザードンやオオスバメが居てくれれば、空中戦でも……)

ふと、そこでサトシの思考は逸れて行く。

まるで今の自分は、ポケモンを武器のように考えている事に。

これはポケモンバトルではない。相手を死なせるための殺し合いだ。
理屈の上では自衛の為に、後ろのモクバ達の為にピカチュウと共に、応戦しなければいけないのは分かっている。
けれども、こんな殺し合いにサトシだけならまだしも、ピカチュウを巻き込んでいい筈がない。

(こんな殺し合い、ポケモンなんか居ない方が良いに決まってるんだ…!)

それなのに、先ほどサトシはあろうことか別のポケモンが居てくれることを、無意識に願って望んでしまっていた。

(…クソッ今はあいつを何とかしないと)

ピカチュウは素早く撹乱しながら、カオスから付かず離れず近接戦闘を維持し続ける。
カオスの初動を潰しつつ、加速させないよう立ち回れていた。

「へへっ」

口調は相変わらず悟空のまま、カオスは余裕と笑みを表面的には浮かばせていた。
そのまま、ピカチュウに注視したまま、横から飛び込んでくるもう一人の攻撃に意識を向ける。

「チィ───硬いのう」

岩をも容易く持ち上げる程の膂力で振るわれた大剣を腕一本で受け止める。
魂砕きを振り下ろしたドロテアは、舌打ちしながら更に二撃目三撃目を斬り込む。
拳で刃を殴りつけ、刃が拳を斬りつけながら、斬撃と殴打が飛び交う。

(お兄ちゃんの見た目だと、戦い難いな)

元よりドロテアは錬金術師、研究職である為に戦闘の心得は然程高くない。本来のカオスなら即殺害にまで至れた。
障害はカオスが悟空を真似して、徒手空拳での戦闘をメインにしていたことだ。
今は見えない背の翼を刃のように振るえば、剣を得手としないドロテアであれば、対応しきれず串刺しにしていたことだろう。
拳二つという、リーチも手数も翼に比べれば少ない得物では実力を十分に発揮しきれていない。
ならば悟空への変装をやめれば良い。永沢と藤木を逃がした事で悪評はあの二人が撒くのだから、あとはここに居る全員を殺しておけば、初期の想定通りにはいかないが、正体がカオスであると露見することはない。
だが、カオスにはそれが出来ないもう一つの理由がある。

(あの子が持ってるカード…)

サトシとピカチュウ、ドロテアの後方でカードに触れて身構えているモクバ。
変身を解いてカオスの本来の力を発揮するのは良いが、問題はそれでこの場の全員を殺せなかった時だ。
生き残った者に、カオスが悟空の容姿を借りていると吹聴されれば、悪評で追い詰める算段が崩れてしまう。
モクバがどんな奥の手を隠しているのかは分からないが、地蟲であろうと油断ならないのは悟空と絶望王との戦闘で分からされた。
故にカオスは慎重さを崩さず、ピカチュウとドロテアを相手にしながら様子を伺っていた。
お互いの思惑や算段が噛み合った事で、この場の戦いは拮抗という形で成り立つ。
ならば、それらのボタンが一つでも掛け違えれば、そのバランスはすぐにでも崩れ去る。



「ザケルガ!」


一筋の雷の光線が、カオスとその対峙者を分断するように迸った。

「私の名はガッシュ・ベル! 殺し合いには乗っておらぬ!!」
「早速で悪いのだけれど、貴方達のどちらかがマーダーか事情聴取をさせて貰っても良いかしら?」

雷撃と共に飛び込んできたのは金髪の少年、ガッシュと気だるそうな顔で赤い本を持つ少女、風見一姫。
そしてその少し後ろで銃を握っている少女、古手梨花だった。

「どう見ても、あっちの胴着の小僧が乗っている側じゃろうが!!」
「さあ? 貴女達が結託している可能性も0ではないわ」
「なんじゃと!?」

『あとは、最初に私達が襲われたお年寄りのような口調をした方ですわね』

(この娘、二人を襲った人物と容姿と口調が一致するわね)

一姫の中でも胴着の少年、カオスの方がマーダーであることは見て察していた。
だが、自ら口にしたように、先ず結託して少年を襲っている可能性が一つ。
さらに、カオスと交戦していた少女が、美山写影と櫻井桃華から聞いていた人物と特徴が合致していることが懸念事項であった。

「オレはモクバ…後で事情は説明するけど、乃亜の知り合いだ。
 でも、殺し合いには乗ってない!」

モクバの後ろには、どう見ても戦いには縁遠そうな坊主頭の少年、磯野カツオが居る。
マーダーであれば、あんな足手纏いを庇い守る必要はないだろう。
更に、介入する前に一姫は戦いの様子を僅かに観察していたが、サトシとピカチュウも場慣れてしたものの、高い殺意は感じられない。

「でぇぶ、数が増えちまったなぁ。こんだけ殺すのはちょっと骨が折れるかもなぁ」
「おぬし、殺し合いに乗ってしまったのか!?」
「そうカッカすんなって、オラが優勝したら、乃亜に頼んでよ。おめぇら全員生き返らせてやっからよ!」
「馬鹿なことを……!」
「そっかぁ? オラ、でぇぶ頭使ったんだけどな」

胴着の少年は一切の自己弁護をしないどころか、自ら殺し合いに乗ると宣言していた。

「……わざとらしいくらいね」

一姫は気だるげな顔はそのまま、視線だけは鋭く、カオスを捉える。
一先ずの敵はあの少年であることに違いはなさそうだ。
本を握る手に、より力を込める。
モクバ達にも追々事情を聞く必要はあるが、あの少年を退けるなりしないろくに話も出来ないだろう。

「梨花」
「分かってるわよ」

ガッシュと一姫がカオスと戦っている間、梨花は二人の背後をモクバ達から守るよう、そしてモクバから情報を引き出すよう役割を分担した。
写影達を襲った少女も連れている以上は、事情を深堀りするまで味方とするのもリスクが高い。
なおかつ、こちらがその少女ドロテアの脅威を知っていると察知され、写影達に危害が及ぶのも避けなければならない。
一姫としてはそれは自分が担当したかったことだが、こちらに害をなすカオスが居る以上梨花に任せるしかなかった。

「ボクは古手梨花、よろしくお願いしますなのですよ。モクバ。
 戦いは一姫とガッシュに任せて、少しお話したいのです」

「モクバ、こやつ知〇遅れじゃ」

「馬鹿、お前…!」

「みぃ?」




───



(ドロテアという女と、モクバは利害の一致で協力してる。そういうことね)

モクバからここまでの事情を掻い摘んで聞いた梨花は、二人の関係性を徐々に把握していった。
ドロテアとモクバが首輪の解析に別の方面で有益であり、モクバは乃亜の親類者であり、一度はモクバの仲間が乃亜を倒している。
乃亜への手掛かりを、モクバ自身も自覚しないまま握っている可能性も高い。
写影から聞いたように、ドロテアは危険思考ではあるが脱出を優先しているようであった。その方針とも矛盾はしていない。

「…悪いが、オレ達もそのマサオっておにぎり頭は見てないな」

「そうなのですか…写影達はとても心配していたのですよ」

(写影と桃華って娘、ドロテアの悪口を振り撒いてる訳じゃないのか…)

同じく、モクバもドロテアが最初に手を出した二人組の少年と少女を懸念していた。
誤解ではないが、もしもそれでこちらを敵対視する対主催が現れるのなら、説得し協力体制を築かなければならない。
だが、梨花の口からはむしろ首輪の解析に協力的で信頼の出来る人物として、ドロテアのことが語られていた。
そして、その二人は今、フリーレンという凄腕の魔法使いの庇護下に置かれていると。

(あっちの銀髪の娘の入れ知恵かもしれないけどな)

手際が良すぎる。

ドロテアと写影、桃華の衝突を避けた上で、更に万一ドロテアが口封じに動く可能性を、フリーレンという抑止力で潰しに掛かっている。
ドロテアを制御する材料が増えたのはモクバにとっても嬉しい誤算だが、それ以上に盤上の駒の動きを、何手先も見据えて誘導されているかのような不安も覚える。
梨花が馬鹿とは思わないが、この少女一人の判断とは思えない。
モクバの視線が一姫の元へ注がれる。
確証はないが、直感的に彼女が梨花のブレインではないかとモクバには思えた。

(少なくとも対主催だっていうなら、頼もしい限りだが)

ガッシュと共にカオスと交戦している一姫の背を見て、モクバは不安と共に奇妙な安心感を覚えていた。

「……」
「モクバ、あの坊主頭の男の子は大丈夫なのですか? それに、どうして化粧してるのです? オカマさんなのですか?」
「いや…化粧は色々事情があったみたいなんで、触れないでくれ」

モクバとの情報交換の中で、磯野カツオという少年が友人を殺されたのは聞いていた。
ループするとはいえ、梨花も仲間を惨殺された痛みや苦しみは分かる。
事務的な情報交換の範疇を超え、梨花は感傷的な想いを抱いていた。

(沙都子……あんたもここに居るの?)

この島に呼ばれるまで、自分と殺し合いを繰り広げていた親友の姿を思い浮かべる。

(この島で死んだら、次はないかもしれない)

一姫に指摘された事だ。殺し合いの公平性の為、ループ能力を制限されているかもしれない。
梨花がそうであれば、沙都子も当然同じ制限を課せられている。
この島の死は、本当の意味での死に繋がるかもしれない。


「梨花…ちゃん、だったよね……きみはここに来るまで、永沢っていう玉ねぎみたいな頭の男の子を見なかった?」
「みぃ?」
「カツオ?」

ずっと俯いていたカツオが梨花に視線を向けて口を開いた。

「別にそれぐらい聞いたって良いじゃないか」
「敵討ち…か」

恐らく、無辜の命を何人も残虐に奪い去っているドロテアを黙認している以上、モクバがそれを咎める資格はない。
それでも一般人のカツオにそういうつもりがあるのなら、やはり考え直すように説得はしたかった。

「分からないよ。凄い、殺してやりたいのに…今は追いかける気にもならないんだ。
 ……僕は、友達が死んでも、怒れない人間なのかもしれないね」

「所詮、オレには他人事だから、お前の気持ちは分かってやれない。…気に食わないと思ったら聞き流してくれよ。
 オレは…怒りを束ねて復讐をしようとした人を間近で見てきたけど……それって酷く脆いんだぜ。
 強い憎しみと一緒に…大事な過去すら、かなぐり捨てちまう。
お前は…憎しみに耐えながら、友達との思い出を大切に守ったんじゃないか? オレはそう思いたいぜ」

遊戯という過去を粉砕し、憎しみと復讐と共に、かつては確かにあった優しさと自分に見せてくれた温かな笑みすら捨て去ろうとした。
モクバは、そんな自分の兄の事を思い出していた。



───


「セット! ザケル!!」

「おーいちちち!! おめえ、ほんとに痺れっぞ…!」

呪文の詠唱と共にガッシュは雷撃を口から放つ。
雷撃はカオスを飲み込み、その強固な装甲を貫通していく。

強い。

先ほどのザケルガとやらの威力から見て、雷撃そのものの火力はピカチュウという生き物に匹敵かそれ以上だと分かっていた。
だが、雷撃を放つ瞬間に意識を失っていること。雷撃の射出は口からであり、手などの小回りの利く部位とは異なること。
より致命的だったのは、ガッシュの雷撃はガッシュの意思ではなく、もう一人の少女、一姫の呪文を必要とすること。
隙も多く、即席の連携であれば簡単に揃った足並みを崩せるだろうと、高を括っていた。

「セット───」

まただ。また、一姫の指先に導かれるようにガッシュは視線を向け、高い精度で照準を合わす。
一姫は呪文の詠唱と発動までのズレを計算し、カオスへの着弾に一切のラグを発生させない。
一切の言葉も交わさず、定型の掛け声だけで一姫とガッシュは抜群の連携を披露してくる。

「でんこうせっか! そしてアイアンテールだ!!」

「ピカピカピカァ!!」

それだけじゃない。
ガッシュの雷撃に気を向けた瞬間、サトシの掛け声と共に加速したピカチュウが肉薄する。

「ザケルガ!!」

「ぐ、ァ───」

硬質化した尻尾の打撃を片手で受け、動きを止められた隙に雷撃を叩き込まれる。
全身を激痛と痺れが蝕み、アイアンテールの勢いを止めきれずカオスは吹き飛ばされていく。

「終わりなのじゃ!」

地面に打ち付けられたカオスの眼前にドロテアが大剣を振り下ろす。
両腕を交差しながら受け止め、悟空のように雄叫びをあげて力づくで吹き飛ばす。
力負けしたドロテアは不服そうに弾き飛ばされ、入れ替わるようにピカチュウが電撃を放出する。

「10まんボルト!!」

「がっ、ぐ、ぅ……!」

数の上でもそして戦力面でも、ガッシュが加わったことでカオスが劣勢だ。
このまま悟空の真似をして、慣れない徒手空拳で戦えば敗北は必須。
カオスとして全力を出して戦っても、負けはしないが全員仕留めきれるかは分からない。

くすくすくす。

顔を俯かせながら、カオスは口許を吊り上げ笑っていた。
これだけ強い子達が、悟空を悪い子だと思ってくれたら。
悟空が勝っても、きっと体力を減らしてくれる。負けたら、勝ったこの子達を、今度はカオスが食べればいい。

良かった。強い子達に、悟空お兄ちゃんが悪い子だと思って貰えて。

「オヌシ、これ以上、こんな馬鹿げた殺し合いの為に、誰かを傷付け殺すのはやめるのだ!!」

「ッ……」

カオスの笑みが掻き消される。
ガッシュの怒気とその威圧感は、カオスですらもほんの一瞬たじろぐ程に鬼気迫る。
その小さな背には、カオスでは考えられない程に、大きくてそしてとても多くのものが背負われているようだった。
身長も体躯もそんな変わらない筈の子供なのに、カオスは自分がとても小さくなったように錯覚してしまう。


「……人を殺して、いい子になんかなれるわけ…ないじゃないか」

サトシがガッシュの怒りとは対照的に、静かで憐れみを含んだ声色で言う。

「このガッシュって子に、怒られるのが…お前の言ういい子なのかよ。悟空?」

「……」

ほんとに私は駄目だな。カオスはそう自嘲したくなった。


『こうしないと、いい子になれないから』


あんなこと、悟空ならば絶対に言わないことを口走ってしまった。
でも、本当に小さな声で言ったのに丁寧に聞き取って覚えているなんて、このサトシという少年も物好きなのだろう。

「おう! 乃亜も言ってたろ!! 優秀なやつは評価するってよ!」

もっと、もっと悟空に悪い子になって貰わないと。
だから悪い子が言いそうなことを、悪い子がやりそうなことを一杯して───。

「いい子になりたいってことは…誰かに褒めて貰いたいってコトだろ? そいつは、本当にこんなことをして、キミを褒めてくれるのか」

どんどん、いい子から遠ざかっていく。

「……でぇじょうぶだ、死んでも乃亜の野郎が生き返らせてくれる!」

そう叫んで、手から黒炎を放つ。

「ラシルド!」

ガッシュの前方、地面から出現した雷を纏った盾に触れ、黒炎が雷の性質を得て跳ね返される。

「じゃあ、こいつならどうだ!」

更に威力を増幅させた黒のエネルギーを鈍器のように叩き付ける。
反射の上限を超えたラシルドに亀裂が入り、罅割れていく。


「エレキネット!!」

「ピカピカピカァ!!」

限界を迎え、砕け散る寸前のラシルドにエレキネットが補強するように絡みつく。
軋む音は更に増していき、カオスの放つエネルギーを受け止めていく。
だが、それも一瞬の僅かな拮抗に過ぎない。カオスがエネルギーの出力をより上昇させ、ラシルドは砕け散った。

「ピカチュウ、かわして10まんボルト!!」

ラシルドを破ったエネルギーの濁流をかわし、ピカチュウは頬を叩いてから電撃を放出する。
何度も見てきたピカチュウのメインかウェポンだ。カオスとて、既にそれらの対処法は組み上げてている。
体を逸らし、電撃を避け手に溜めた黒炎の照準をピカチュウに合わせ───背後から電撃が全身を貫いた。

「な───」

ガッシュという少年か? 否、ガッシュはカオスの視界内にある。
なら、避けた筈のピカチュウの電撃が軌道を変えてカオスを貫いた? だが、何故? 追尾機能などこれまでの戦いで見せて来なかった。

「盾の破片で……!!」

砕けたラシルドの破片を補強するように絡ませたエレキネットで跳ね返し、それらの破片に電撃が当たり、反射する。
空中で拡散したラシルドの破片は、10まんボルトに触れ反射する。無数の破片による電撃の乱反射は、カオスの周囲を電撃の結界内に拘束しているかのようだった。
左右から襲ってくる電撃を両手から吐き出したエネルギーで相殺し、上下から噛み砕くように迸る電撃を後ろに下がって避ける。
だが、電撃はラシルドの破片に弾かれ勢いを留まる事を知らず、カオスへと次々に降り注ぐ。

「翼!?」

カオスは容姿を悟空に固定したまま、背中の翼を鋭利な刃として振るう。
ラシルドの破片を全て叩き落とし、縦横無尽に駆け巡る電撃を遮断する。
焦りに駆られ、カオスは翼を拡げる。悟空の戦闘を模していては、手数が足りず対処が間に合わない。

「悪いな、ちっと本気で行くぞ!!」

豪風がサトシとピカチュウに襲い掛かる。
サトシが咄嗟に顔を腕で庇ったのと同時に、カオスの姿が消えた。
ソニックブームが木々を薙ぎ倒し、音速を越えた速度でピカチュウへと弾ける。

「今は知らず、無垢なる湖光(イノセンス・アロンダイト)」

───ピカチュウとサトシが轍にされる寸前、カオスの視界が白く染まる。

「だれ───」

妖精騎士の放つ魔力の剣の威光に、カオスは飲み込まれていく。

丁度良かった。

カオスは光の中で笑い、そしてイージスを展開する。
半壊こそしているが、その防御性能の高さは健在。
初めからそれを壊すと意識したのならまだしも、乱入がてら威力を抑えているならば、防ぐのは簡単だった。
このまま戦線を離脱して、悟空が悪い子だと広めて貰おう。


「悟空───!!」

「え?」

「ピカピ!?」

光の中に、手を伸ばそうとするサトシがカオスの目に写った。
生身の人間では、耐え切れないこの魔力の渦の中に、飛び込んで来ようとしている。
理屈に合わない行為だ。

どうして?
私はあの女の子を殺したのに……。

「くっ!!」

ガッシュのマントが伸び、手足のように自在に変化しながらサトシを絡み取る。
そのまま、光とカオスから遠ざけるようにサトシはマントに振り回された。

「……」

カオスはほんの一瞬、後ろ髪を引かれ、差し出された手を見て───自分が殺した女の子を思い出し、そして離脱した。

「急に飛び出すから、巻き込んだかと思ったよ」

光が収まった後、そこには小柄な甲冑に身を包んだ少女が一人立っていた。

「…オヌシ」

クリア・ノートとの決戦を目前に控え、修行を積んだガッシュだからこそ分かる。
目の前の少女の強さ、その異様さも。
ガッシュの脳裏に浮かんだのは、竜族の神童アシュロンだ。感知した魔力が竜族のそれに近い。
そしてその強さも、アシュロンに匹敵かあるいは…。

「僕は…メリュジーヌ。
 殺し合いには……乗っていない」

今、自分が同行している共犯者の立てたシナリオ通りに。
嘘を口にして。
メリュジーヌは完璧な騎士を演じた。


───

「梨花、会いたかったんですのよ。梨花ぁ!!」

何度も練習して息を吸うように流せるようになった涙で、泣いた顔を作り上げ、感動の再会を演出して。
北条沙都子は先ほど、一人の少女の命を奪ったとは思えない程の弱弱しい声をあげて、梨花へと駆け寄った。

筋書きは簡単だった。

シカマル達から離脱ししばらくしてから、孫悟飯に似た少年と戦っているサトシ達とその後ろの梨花を見付ける。
沙都子は自分達は対主催であるという設定の元、それをメリュジーヌにも徹底させるよう指示し戦いに割り込ませた。
そうすることで、梨花に自分は味方だと信じ込ませるように。
メリュジーヌに介入させた悟飯に似た少年は宝具に巻き込まれ、姿を消していた。
逃げたのか、完全に消し飛んだのか。
それは沙都子からしても、どうでも良かった。ただ生きていれば、別の場所で参加者の数を減らしてくれればありがたいが。

(他にも対主催が数人いますわね。丁度いいですわ。
 シカマルさんから、私たちの情報が出回る前にこちらで先手を打てるというもの)

「動くな」

その足元に銃跡が刻まれ、梨花の手に握られたデザートイーグルの銃口から煙が吹いていた。

「梨花……?」
「あんた、忘れた訳じゃないでしょ。私達がここに来るまで、何をしていたか」
「梨花ちゃん、何を!?」

横に居たカツオは梨花の豹変に唖然としていた。
あの変な口調が消えて、普通の標準語の女言葉になったのもそうだが、明らかに友人らしき沙都子を威嚇とはいえ、射撃したことに。

(あいつ…銃にびびってない?)

対するモクバは梨花よりも沙都子に違和感を覚えた。
海馬コーポレーションは、社員教育として銃の扱いを義務付けている。
モクバもその一環で、銃の知識はあり、初めて銃に触れた人間の反応もよく見てきた。
だから、梨花の威嚇への沙都子の反応に、”慣れ”が混じっているように感じられた。
むしろ発砲した梨花の打ち方を見るに、こっちの方が素人臭いほどだ。

「梨花…」
「続きをするなら相手になってやるわ。
 ただし、少し場所を変えるわよ」

梨花は自分の知らない別のカケラから殺し合いに招かれている。
逡巡の末、沙都子はそう結論付けた。
先ほど、シカマル達との情報交換で別世界の存在を認識したこと。
乃亜が沙都子のループ能力を制限したらしきこと。
これらの要素から、乃亜は平行世界にも干渉できる。それは別のカケラから、別人の梨花を呼び寄せる事も不可能ではないのだろうと。


「梨花…どうしたんですの……私ですわよ?」
「散々、部活の皆を惨劇に利用したあんたを信じろって言うの?」

───なるほど、その世界でも私が惨劇を起こしているんですのね。

あえて、梨花に話を合わせつつ曖昧な回答をしてみたが、沙都子の想定通りだった。
そのカケラの沙都子も、ここの沙都子と同じくオヤシロ様として惨劇を結構している。
ただ、違うのは何処かでしくじり、梨花に正体を知られた事か。
ここに来るまで何をしていたか。梨花のその発言を推察すれば、お互いに殺し合いを続け、複数のカケラに渡って戦っていたのかもしれない。

「梨花、どういうことだ?」

話が見えてこないモクバが梨花に声を掛ける。
カオスを撃退した事で、サトシとピカチュウ、一姫とガッシュ、ドロテアも一触即発の雰囲気の二人を取り囲むように寄ってきた。

「梨花……どうして銃なんて、本当に私を救ってくれた梨花なんですの…?」

「……は?」

「おじさまから、私を救って、くれ…た…のは……圭一さんと、レナ、さんと…魅音さんと、詩音さんと……他の誰でもない、梨花じゃありませんの……」

沙都子の声にしゃくりが混じり、涙はより一層瞳を潤す。

───不味い。

たじろぐ梨花、何で揉めているのか一切理解できない周りの子供達。
ガッシュも一姫から梨花と沙都子の事情は聞いており、沙都子とその仲間らしきメリュジーヌに警戒しながらも、その沙都子の放つ言葉の意図にピンとこない。
そのなかで、一姫ただ一人はその思惑に気付く。

「梨花───」

そして、気付いてしまったからこそ手が出せない。

「まさか…別の、カケラから……?」

一姫より少し遅れて梨花がそれを口にした。

───かかった。

沙都子は涙で溢れた顔を抑え、俯くようにして釣り上がった口許を隠した。

なにも、全てのカケラで北条沙都子がオヤシロ様となる訳ではない。
むしろそうならないカケラの方も数多く存在する。エウアの介入、それによる沙都子へのループ能力の付与そのものが、イレギュラー側の事態であったといっても良いだろう。
沙都子はそれを逆手に取り、演じた。
エウアなどいない。惨劇の記憶を継承した圭一と部活の仲間達が、記憶を継承する前の北条鉄平の手から沙都子を救い出し、そして惜しくも鷹野三四の起こす惨劇を打ち破れなかったカケラの沙都子を。

(考えたわね)

一姫は内心で舌打ちする。
沙都子と同じく、別の無害である世界の自分を演じるという発想に辿り着いたからこそ、その厄介さも想定できる。
それが本当か嘘かは、最早どうでもいい。
証明する手段がない以上、この沙都子がオヤシロ様となった沙都子であると断定できない。
この厄ネタを排する大義名分を掲げるのが、より困難となってしまう。
下手に独断で排除しても、別の参加者からの反感を受ければ危険なのは一姫だ。かといって、好きに参加者に干渉されて、雛見沢症候群とやらを撒き散らかせる訳にもいかない。

「沙都子…あんた本当に……」
「梨花に何があったかは分かりませんわ」

梨花が構えている銃に触れ、そして沙都子はそっと自分の胸元へと押し当てる。


「でも…もし、私が信用できないのなら……撃ってくれて構いませんわ」

「沙都子……」

「恨んだりなんかしませんわ。だって───」



親友ですもの。



梨花の銃を握る手の力が弱まり、銃口は沙都子の胸から離れ沙都子の手に誘導されるように降ろされる。
一姫は気だるげな表情のまま、ただ目線だけは冷たく沙都子を見つめていた。
沙都子はその視線に気づき、一姫に微笑んでみせた。
あの銀髪の少女が聡明なのは、明らかだ。部外者でありながら、こちらのやり方に梨花よりも先に気付いたのだから。

梨花が本当に信頼しているのは私なんですのよ。

そう、見せ付けるように梨花に抱き着いて。その笑みをより歪ませた。
一姫はやはり気だるげな顔で、ただ沙都子を見つめ続ける。
ほぼ答え合わせに近い。この沙都子は、惨劇を引き起こしている北条沙都子に他ならない。
ただ、これで一姫が沙都子に文句を付けようものなら、無害な沙都子のフリをして梨花と周りの同情を誘って、一姫を孤立させようとするのは明白だ。
あの笑みも、それを狙ったうえでの挑発なのだろう。

思ったより子供ね。

声には出さず、一姫は目線だけでそう伝える。



勝ち誇った嘲るような笑みを、一姫だけに見えるように沙都子は顔面に張り付けて。
この場での主導権を手にした勝利宣言を果たした。


「おいおい、ここはコント会場か?」


「ピカ!」


少女のように透き通った、だが変声期を迎えるか否かというほどのハスキーさを含めた声色。

「へえ、勘の良い鼠だな」

物珍しそうに、その少年はピカチュウを見下ろして呟いた。
ピカチュウは頬から紫電を散らし、警戒と攻撃の態勢に移行している。
サトシもピカチュウの変貌に気付き、少年への警戒度を引き上げる。


「オレはマサラタウンのサトシ、それとこいつは相棒のピカチュウだ。
 きみは……?」

「ゲームだ。俺が何だか当ててみな?」

「え…なにいって───」
「礼儀を弁えて、魔王とお呼びすればよろしくて?」

サトシから引き継ぐように、一姫が返答を紡ぐ。

「ハッ…良いよ、お前……かなりキマってる」

それを聞き、愉快そうに少年は───絶望王は微笑んだ。

「だが、躊躇いなくレイズするには、微妙じゃねえか?」
「勝敗が分からないゲームほど、楽しむものでしょう?」
「それで、この場の全員死んでもか?」

ケラケラ笑いながら、冗談のように言ってのける。
だが、それが嘘偽りのない事をこの場の全員は直感で察していた。
ガッシュやピカチュウのように戦いに慣れた者達から、カツオのように戦いなど一切経験のないただの子供ですら、それが真に迫った本音だと理解する。
この男は、たった一人でこの場の全員を皆殺しにすることも叶うと、本気で言っているのだと。

「それ、冗談? あまり面白くないよ」

絶望の体現者を前にして。
それを一切の脅威とも思わぬ、竜種(さいきょう)を除き。

「ああ…ジョークだ。今、お前らがやってる事と大して変わりやしない。笑えよ、メリュジーヌ……それと北条沙都子」

なんなんですの、こいつは!!?

激情のままに叫びかけようとしたのを堪え、沙都子は焦りの中で思案する。

「なっ…なんのこと……」

「お前らマーダーだろ? 俺と同じだよ。既に一人殺ってる。
 だから言ったんだ。コントかってな」

シカマル経由で、既に先ほどの戦闘の話が回っているのか? では、この男は一体誰だ?
殺し合いに乗ると公言し、シカマルと面識があると思わしき人物。

「シカマルとやり合ったんだろ? 確か…そう、アリマカナとかいう雌ガキを殺したって話も聞いたよ」

「そのシカマルという子は何処に居るか聞いても良いかしら」

「さあな。最後に見た時はG-2に居たけどな。生きてりゃ、まだあの辺に居るんじゃないか?」

絶望王と一姫の会話を聞き沙都子は確信を強めた。
こいつが、恐らくシカマルが警戒していたブラックという男なのだろう。

「沙都子、あんた…」
「待って、梨花……わたくしは」

肩を強く押され、跳ね除けられる。


「梨花…信じて……わたくしを───」


「無理よ」


それは友からの断絶の意思の表明で。
勝ち誇った沙都子の笑みは一瞬で崩れ去った。


「なあ? 北条沙都子…お前はもう俺を知ってるよな?」

それが見たかったんだよ。

山本勝次を見た後、次はその逆を見たくなった。
甘いパフェを食べたら、苦いコーヒーが飲みたくなったのと同じだ。

そんな、楽し気な笑いを浮かべる絶望王を沙都子は強く睨みつけた。

「……ふふ」

ああ、何て上手くいかない。

「うふふふふふ……」

別に構わない。リカバリーは考えてある。
こちらには最強(メリュジーヌ)がいる。
全てを更地に変えて、そしてこのカケラの梨花を殺して終わりだ。
少しは対主催に紛れて、梨花と戯れるのも一興だったが構わない。

「まだ、足りませんのね」

あんなぽっと出の男に、すぐに靡いて。
親友を放り出してしまうなんて。

あんな、つまらない人達に囲まれて。
気取った顔してお茶を飲んで、お姫様のように過ごしていたあの梨花と何も変わらない。

ここでも、あんな一姫(おんな)と組んで。

そこに居るべきはわたくしのはずなのに。

足りていない。惨劇が足りていない。

もっと、もっと…もっと積み重ねないと。

もっと、繰り返さないと。

「待ってよ、みんな!!」

全てを無に帰そうと、指を鳴らそうとして、沙都子の前に庇うようにカツオが飛び出した。

「本当に…あの人が言ったことが、全部本当か分からないじゃないか!!」

鳴らしかけた指を止めて、沙都子はカツオの背中を見ていた。

「梨花ちゃんも…この娘のことを信じてあげなよ!」

ここでこんな声を荒げて、みんなを敵に回しそうな真似をするのは馬鹿だとカツオにも分かっていた。
正直なところ、梨花と沙都子の事情は分からない。
喧嘩してるにしても、銃を撃つとは梨花の正気を疑うし、沙都子も殺人の容疑が出る時点でまともな娘じゃない。
けれど、沙都子は本当に梨花の事が大好きなのは、痛いくらいわかった。
きっと、唯一無二の大切で大事な友達なんだと。

「きみの、親友なんだ……ここで、突き放したら一生後悔するかもしれない」

カツオはもう中島を助ける事も、話すこともできない。でも、梨花と沙都子は違う。

「もっと…ちゃんと、話し合うべきだよ。……喧嘩したって、きっと仲直りできるさ」

「……カツオ」

梨花のなかで、二つの想いが揺らいでいく。
確かに、絶望王の語る内容を全て信じられるかは別だろう。本人はマーダーを公言しているし、こちらを惑わすガセかもしれない。
だが、情報元を明かしているのが信憑性を上げている。
それにこれまでの沙都子の凶行を見ていれば、平然と息を吸うように嘘をついてもおかしくない。


「良いんですのよ…もう」

出来る限り、温和な声を作ってカツオの肩にそっと手を置いた

「私達はここから離れますわ……でも───」

不利な現状を、もう一度客観視して沙都子は強く確信した。

「孫悟飯さんなら……!」

今、この状況は使える。

「孫悟飯さんと結城美柑さんなら…お二人なら…わたくしが殺し合いに乗っていないことを証明してくれますわ! きっと、東側に……だから、どうか…梨花、お願い……」

こちらの切札はもう一つある。孫悟飯だ。
沙都子の立場を利用し疑心暗鬼を促進すれば、悟飯に感染させた雛見沢症候群の発症率は更に高まる。
それに、本物かどうかは別として悟空の見た目をした誰かが暴れているというのも、悟飯の耳に入れば丁度いい。
もし居れば、最強の対主催である孫悟空と潰し合ってくれるかもしれない。
そうでなくとも、運が良ければ、対主催同士で同士討ちを狙える。
仮に、雛見沢症候群が発症しなくとも、メリュジーヌが勝てるか分からないと評すほどの実力を持つ悟飯に擁護して貰えるのも悪くない。
立場は悪化したが、むしろ切れる手札が増えたというもの。
だから、懇願するように縋るように梨花に叫ぶ。

「沙都子…」

分からない。
梨花には沙都子の言っている事が真実なのかも、この少年の言う事が嘘なのかも。
仲間を信頼することを、かつての惨劇を変える時に梨花は身をもって知った。
それなのに、今の梨花は…目の前の仲間を信頼できない。

「……未練だな。俺もお前らも」

温かいような冷たいような。
演技染みた台詞ではなく、嘲るような笑みもない。
心の奥底から零れたように、絶望王は静かに呟く。

「まあ、選べよ。カードもチップも好きなだけ揃えてな。
……いつだって、最後に選ぶのは、いつもお前らなんだ」

何度も見てきたような言いぶりで、絶望王は言う。

「…そうだ。もしハイバラアイって女に会ったら、伝えといてくれ。ブラックが探してるってな」

その名の響きに、沙都子は覚えがある。
シカマル達と共にいた少女だ。容姿以上に落ち着いた性格が印象に残っていたが、彼女もまた生き延びているらしい。

「じゃあな」

気紛れで道草を食ったが、そろそろゲームに戻らねばならない。
灰原とのゲームは続行中だ。
絶望王(バンカー)と灰原(プレイヤー)の賭けの勝敗は着いていない。
中断も許されない。
13王ですら、その賭けから降りてはならないのだから。

「対主催共(ヒーロー)」

その声は、誰に向けてのものか。
魔界の命運を託された王の息子に向けてか、名実ともに世界最強のチャンピオンとなったポケモンマスターを目指す少年か。
あるいは、一度は繰り返す百年の惨劇に終止符を打った少女か。

あるいは誰でも良いのだろう。

全員が、乃亜の元に辿り着く必要はないように。ヒーローにも代わりはいるのだから。


「沙都子」

庇うようにメリュジーヌが沙都子へと駆け寄り、そして姫のように抱き上げる。

「なあ…聞き忘れるところだったが、メリュジーヌ…俺の名前を言ってみろよ」

その問いかけを前に、オーロラが脳裏を過る。
もしも、あの少年の正体がそうであるのなら。

「……」

きっとメリュジーヌは、いや沙都子もその名を言えるのだろう。

「難儀なもんだよな、兄妹。なあ、その先に望みはあるか?」

「僕はその為にしか生きられない」
「そうかい……全くもって、同感だよ」

メリュジーヌは沙都子を連れ、豪風を巻き起こしこの場から消え去った。




───






「僕…悟飯って人に会いに行くよ」

絶望王も去り、残された子供達はそれぞれの情報を交換し、そしてカツオは誰よりも先にそう言った。

「あのブラックって人、自分も同じだって…殺し合いに乗っているみたいな言い方だったじゃないか。そんな人の言うこと、僕は信じられないんだ。
 沙都子ちゃんのことを知ってる別の人にも、話を聞いた方が良いと思うよ」

理屈で言えば、正しいのだろう。
ただ、一姫もモクバも沙都子が普通の少女でないと見抜いている。
証拠はないが、恐らくは殺し合いに肯定的な参加者であることも想像できる。

「カツオ、あの沙都子って娘は中島じゃない」

それに踏み込むのは躊躇われたが、モクバもこうなっては言わざるを得ない。
友達を亡くした事は同情するが、それで判断を誤り命を落とされては寝覚めが悪いし、可能な限り参加者も死なせたくはない。

「……そう…なのですよ。……カツオ、もう…良いのです」

梨花もまたこれまでの惨劇の黒幕が沙都子であることを知り、彼女なら殺し合いに乗ってもおかしくはないと考えている。
殺めたくはない。止めたいとも思う。

『確か…そう、アリマカナとかいう雌ガキを殺したって話も聞いたよ』

だが、雛見沢と関係のない名前も聞いたことのない顔も知らない女の子が殺されたと聞いて、梨花は事の大きさを改めて再認識させられた。
自分の友達が人を殺している。それも、雛見沢の惨劇と違い繰り返すこともないかもしれない。たった一度きりの命を奪い去っている。
自分に責任がないだなんて、言えるはずがなかった。

「良くないよ。まだ、沙都子ちゃんは死んでないじゃないか。
 もう…僕みたいに友達を亡くしてほしくないんだ」

魔神王との遭遇で、中島の死の真相を知りそしてその容姿すら利用され、死後の安寧さえ奪われた。
その怒りを、永沢にぶつけることも叶わず。項垂れていたカツオに、新たな原動力を与えたのは、別のまだ引き裂かれていない友情だった。
根がお人よしのカツオには、それは自分達のように喪わせてはいけないものだと、強く意識させられた。

「なら…オレと来いよ。オレ達も、東の方に行く予定だったんだ。
 方向は一緒だ。別に良いよなドロテア?」

「……いざという時は知らんぞ」

足手纏いが増えるのにいい気はしないが、元よりモクバの善性は承知の上だ。
まあ首輪のサンプル候補が増えたと考えればいいだろうと、ドロテアは素っ気なく承諾した。

「オレ達の仲間が、港で海を調査してくれているんだ。そいつらと、東のホテルで二回放送時に合流する予定になってる。
 その間に、海馬コーポレーションを調べたり、沙都子の言う悟飯って奴を探す暇くらいはあると思うぜ」

「ごめんよ…モクバ君」

「気にするなよ。これで、お前の安全もちゃんと保障してやれる訳じゃないしな」

ドロテアは利用価値のあるモクバの身しか守る気はない。
余裕があれば、カツオも死なせない程度に立ち回ってくれるだろう。それでも、あくまで余裕さえあればの話だ。
それに対し、モクバも意義は挟めない。彼女とて悪人だが身を守る権利はあり、面倒ごとの種であるカツオを連れるのはリスクもあれどメリットもない。
いつ、ビジネス関係を破棄されるか分かった物ではない。
カツオも薄々それに気づいていた。


「私は…シカマルって子を探すわ」

「梨花?」

訝しげに一姫が名前を呼ぶ。既に一度、一人で沙都子を探そうとする梨花を咎めたばかりだ。
その時と同じことを、何度も言うのは面倒で気が引ける。

「言いたいことは分かってるわよ。でも、沙都子は私の親友よ。
 本当に、雛見沢と無関係の娘を一人殺してるなら…私も無関係でいられないわ」

「ならば、私達も一緒に行くのだ!」

「ガッシュは、マサオって子を探さないといけないじゃない。
 危ないのは分かっているけど、このまま沙都子を放っておけないわ。それにマサオも時間が経てば経つ程、死ぬ確率はあがる。
 二手に分かれた方が良いって、一姫…天才のあんたならそう考えるでしょ?」

「梨花にしては冴えてるわね。あと、天才と呼ばれるの好きじゃないの」

「は?」

「馬鹿が馬鹿と呼ばれたら、怒るのと同じよ」

「……うざっ」

事実確認は必要となる。
沙都子の今後の方針がメリュジーヌに任せ、片っ端から殺戮を繰り返すのならまだしも、別の対主催に潜り込み、内部から人間関係を崩壊させるのなら、やはり彼女がマーダーである証人が要る。

「だったら、オレとピカチュウが梨花についていく。
 梨花一人よりはマシだろ?」

一姫がガッシュと共に戦いに介入するまで、悟空と名乗る少年に立ち回れていた実力はある。
あの悟空が本気を出していたか、一姫にとっては懐疑的でもあったが。どちらにしろ普通の参加者ならば、蹂躙せしめるほどの強者であったのも違いない。
梨花について行ってくれるのなら、無駄な犠牲者が減る可能性は高い。

(梨花が居なくなると、私も困るけれど…)

ガッシュから聞いた清麿の戦術を元に一姫なりのアレンジも入れて実践したが、中々にシビアで体力も使う。
特に心の力とやらも、調整と節約をしなければすぐに底を付く。可能であれば、梨花と交代で体力を温存しながら、ガッシュの戦闘を補助するのが理想だった。

「分かったわ。その代わり、みんな雛見沢症候群には注意すること」

物事は想定通りには、進まないこともままあることだ。
人間が相手である以上、計算が通じないことは少なくない。今ある盤上を受け入れ、次の一手を模索するしかない。
万が一に備え、雛見沢症候群についても警戒を呼び掛ける。


「人に寄生し疑心暗鬼を誘発する寄生虫じゃったか? ふむ、興味深いの」

何処ぞの大臣なら、これ以上ない程に悪用しそうなものだ。

「───話もこれで大体纏まったようじゃな……
 あとは」

面倒そうに魂砕きを片手に、ドロテアは城ヶ崎の遺体の前まで行き、そして剣を振り落とす。

「お前、何やってるんだ!!」

サトシが声を荒げて制止するが、ドロテアは構わず城ヶ崎の遺体の首を切断した。

「なんじゃと? 決まっておるわ。首輪の解析にはサンプルが居るのじゃ」
「だけど……!」

何かを言い返そうとして、サトシは沈黙した。
ここまで色々あって考えて来なかったが、首輪を外すにしても最初から生きている参加者の首輪を使う訳にはいかない。
無論、ドロテアはそれでも別に構わないが、モクバ達対主催に着いている以上は可能な限りは死者の首輪を活用するつもりだ。

「く…首が……ひっ……」

まだサトシは長年の旅の中で、強靭な精神的を持っている為に理屈さえ通れば、それがやむを得ないと割り切れた。
だが、カツオにとっては理屈以上に感情的な嫌悪感に支配され、溜まらず咳き込んで吐いてしまった。

「チッ、面倒臭いのう…同行者なら、まだ話が早いディオのがマシだったわい」

「カツオ、しっかりしろ!」

モクバはカツオの背を摩りながら介抱する。
死んでいるとはいえ、女の子の首を斬り落とす場面はモクバでさえ気分が悪くなる。
幸いカツオ以外は、その必要性を理解している為に反発が起こらず、ドロテアと衝突もしないだけマシだが。
だが、これが子供の普通の反応なのだろうとも思う。

「首輪が妾が貰うのじゃ。よいな一姫とやら?」
「ええ…ぜひ、貴女には首輪の解析に励んで頂きたいわ」

そのまま、ドロテアは首と胴体が真っ二つに分かれた城ヶ崎に目もくれず歩き出す。

「おい、この娘をこのまま放っておく気か!?」

サトシが食って掛かる。
首輪の回収まではやむを得ないが、この無惨な姿になった遺体を道端の石のように杜撰な扱いをするのは我慢ならなかった。

「忘れたか? いつ俊國が殺されて、あの中島とかいう奴の見た目をした化け物が追いかけてくるか分かった物ではないのじゃぞ?
 あの胴着の少年も死んだとも思えぬし、沙都子とメリュジーヌとブラックとかいうのも引き返して妾達を襲いに来るかもしれぬ。
 こんな場所で、ちんたらしている暇はないのじゃ」

「だからって……」

「口論する時間も惜しいのじゃ。行くぞモクバと坊主頭!」


振り返りもせず手にした首輪を、ランドセルの中に放り込んでドロテアは進んでいく。
モクバは一言、すまないと口にしてカツオを連れて駆け足で追いかけていった。

「…意外ね」

訝しげに梨花は一姫に言う。

「あんたなら、ドロテアを言い包めて首輪の一つや二つ奪えそうなものだけど」
「別に、異世界の錬金術師になら、首輪のサンプルを渡しても無駄にはならないでしょう?
 それに……首輪なんて、この先嫌でも手に入るもの」

それは口調こそ楽観的だが、むしろ殺し合いはこれからより加速すると冷酷な考えの元、一姫は断言した。



───



「ごめんな。みんな、城ヶ崎を埋めるのを手伝ってくれて」

サトシはあまり人目の触れない端の方で、近くの民家から回収したシャベルで穴を掘り、簡素ながら城ヶ崎を埋葬した。
出来る事なら、彼女の両親に遺体を返してあげるべきだとは思ったが、遺体を持ち運ぶ術がなく、下手に放っておいても魔神王の言動からして遺体を食われる可能性も考慮して、こうして埋葬することにした。
魔神王対策ならば、火葬までするのがベストなのだろうがそれだけの施設もない。
梨花やガッシュも快く手伝ってくれたのもあり、時間にしては20分程で済んだ。

「……よし、G-2だったな。行こう梨花」
「サトシは休まなくて、大丈夫なのですか?」
「平気さ。それに善は急げだ。梨花こそ疲れてるなら、オレが背負って行ってあげるところだぜ」
「流石ね。旅をしているだけはあるわ」

大した体力だと一姫は感心する。

「私達はこのアイドル・レイプ・タワーの方まで行って、マサオ君を探して、それからグレイラット邸まで戻ってフリーレン達と一旦合流するわ。
 梨花、結界のことはさっき説明した通りよ」

「ガッシュが居ないと、魔族に反応する結界の異変に気付けないってことよね?」

「そうよ。だから、グレイラット邸に向かうのなら、細心の注意を払うか……最悪の場合はそこは無視してH-5の指定地点に向かいなさい。
 サトシもそれはよく覚えておいて」

「分かった」

一姫から結界の仕組みをより細かく説明され、それを頭に叩き込んだ梨花とサトシは後れを取り戻すように走り出す。
本当に元気で体力が有り余った子供だと、呆れるような顔で一姫は見送った。



「……俺の名前を言ってみろ、か」
「一姫、ブラックの言っていたそれは一体何なのだ?」
「悪魔を憐れむ歌。ローリング・ストーンズの名曲よ」




───





「ピカピ」

「ピカチュウ?」

「ピカゥピーカーピー ピカ?ピッカピッカウ ピカピッカピカチユゥ ピカピッカピカウちゅ ピカピッカピカチュチュ ピカピッカピカウゥ」

「分かってるよ……。さっきの、悟空の時の事だろ?
 ああ、もう無茶しないから、そんな怒るなって……」

似ていた気がした。
今まで、サトシの会ってきたポケモンの中で。
トレーナーに裏切られたポケモン達と。

人とポケモンは違う。あの少年に何があったか分からない。
でも、誰かを求めているのに違いはないと思った。
誰かに認めて欲しくて、一人になりたくなくて。

きっと孤独なんだ。

必要なのは、道を正してくれる誰かで、あの少年を想ってくれる人なんだと思った。

「ピカピ……」

「安心しろよ。オレは…オレは死なないからさ」



───


「悪い子じゃない……」

メリュジーヌの宝具を受けながら、しかし損傷は殆どない。
サトシ達にも悟空の悪印象は植え付けられた。翼を使った事で、悟空の戦闘スタイルからはズレたが、それでも早々にバレる事はないだろう。
参加者も一人殺し、戦果だけなら悪くない。このままいけば優勝だって夢じゃない。
それなのに、カオスの顔は曇っていた。

「わたし、悪い子じゃない。悪い子なんかじゃ……」

殺して食べて賢くなって強くなって、そうすればいい子になれる。お兄ちゃんの元に帰れる。
それ以外に、おうちに帰れる方法を知らないから。
でも、もしも他の方法があったら?

『そいつのためなら何人死のうと構わない。世界だってブッ壊せる』

「壊せるもん」

帰るべき場所の為に、お兄ちゃんの為なら壊せる。
あの青い服の少年の言うように、きっとそれは愛なのだから。
だから、きっと正しい筈で。

『いつは、本当にこんなことをして、キミを褒めてくれるのか』

どうしても、お兄ちゃんが自分を褒めてくれる姿が思い浮かべなかった。
本当は分かっているから。
そうでなければ、悟空に悪い子になって貰うなんて発想は生まれない。
悪いと理解していたから、その姿を借りていたのだから。

「……もう、いいか」

悟空の姿から、元の天使の姿へと戻る。
先ほどのサトシとピカチュウ、ガッシュとの交戦でよく理解した。
ここには、油断できない強者が数多くいる。戦い慣れない姿での交戦は劣勢を招くだけだ。
それに永沢達とサトシ達、そして新たに乱入してきた少女達。
十分に、悟空は悪い子だと印象を植え付けた。しばらくは悟空の姿を使わなくとも良いだろう。

「ちゃんと、今度はちゃんと愛をあげるから」

それはこの場の全てに対する、殺戮の宣言だった。
そして拒絶の意志でもあった。

最初に出会った最強の少年も
愛を教えてくれたあの絶望の王も。
この島で、初めて手を差し伸べてくれた少年に対しても。

例外なく、愛を与えると。
そうすることで、きっとおうちに帰れるから。


【E-4 /1日目/早朝】

【ガッシュ・ベル@金色のガッシュ!】
[状態]全身にダメージ(小)
[装備]赤の魔本
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本方針:殺し合いを止める。
1:マサオという者と赤ん坊を探すのだ。
2:戦えぬ者達を守る。
3:シャルティアとゼオンは、必ず止める。
4:絶望王(ブラック)とメリュジーヌと沙都子も強く警戒。
[備考]
※クリア・ノートとの最終決戦直前より参戦です。
※魔本がなくとも呪文を唱えられますが、パートナーとなる人間が唱えた方が威力は向上します。
※魔本を燃やしても魔界へ強制送還はできません。


【風見一姫@グリザイアの果実シリーズ(アニメ版)】
[状態]:疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:殺し合いから抜け出し、雄二の元へ帰る。
0:マサオというおにぎり頭と赤ん坊を探す。
1:0をしながらも、首輪のサンプルの確保もする。解析に使えそうな物も探す。
2:北条沙都子を強く警戒。殺し合いに乗っている証拠も掴みたい。場合によっては、殺害もやむを得ない。
3:1回放送後、一時間以内にボレアス・グレイラット邸に戻りフリーレン達と再合流する。
4:俺の名前を言ってみろ……悪魔を憐れむ歌ね。
[備考]
※参戦時期は楽園、終了後です。
※梨花視点でのひぐらし卒までの世界観を把握しました。
※フリーレンから魔法の知識をある程度知りました。
※絶対違うなと思いつつも沙都子が、皆殺し編のカケラから呼ばれている可能性も考慮はしています。



【古手梨花@ひぐらしのなく頃に卒】
[状態]:健康、髪の毛がチリチリ、沙都子が人を殺したかもしれない事への罪悪感と責任感
[装備]:デザートイーグル@Dies irae
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本方針:生還して、沙都子と一緒に聖ルチーア学園に行く。
0:G-2に行き、シカマルという参加者を探し沙都子について聞く。
1:この島に呼ばれた沙都子がどのカケラから呼ばれた沙都子が見極める。
2:もし、沙都子が殺し合いに乗っているなら……
[備考]
※卒14話でドラゴンボールみたいなバトルを始める前からの参戦です。
※ループ能力は制限されています。
※フリーレンがボレアス・グレイラット邸に張った結界を一姫から聞かされました。
※沙都子が、皆殺し編のカケラから呼ばれている可能性を考えています。




【サトシ@アニメポケットモンスター】
[状態]:負傷(中)、ポケモンに殺し合いをさせる罪悪感
[装備]:サトシのピカチュウ@アニメポケットモンスター、ブラック・マジシャン・ガール@ 遊戯王デュエルモンスターズ
[道具]:基本支給品、タブレット@コンペLSロワ
[思考・状況]基本方針:対主催として乃亜をぶん殴る
0:梨花に同行する。
1:それでもオレは乃亜の企みを阻止して、ポケモンマスターを目指す!
2:リーゼロッテと悟空(カオス)に注意する。特に悟空はなんとかしてやりたい。
3:羽蛾に対する複雑な感情、人を殺すことはないと思いたい。
4:永沢の事が気になる。
[備考]
※アニメ最終話後からの参戦です。
※デュエルモンスターズについて大まかに知りました。
※羽蛾との会話から自分とは違う世界があることを知りました。
※羽蛾からリーゼロッテのオカルト(脅威)について把握しました。
※永沢達から、中島(名前は知らない)の殺害者について、藤木の特徴をした女の子だと聞かされました。
※サトシのピカチュウのZワザ、キョダイマックスはそれぞれ一度の使用で12時間使用不可(どちらにせよ、両方とも必要なアイテムがないので現在は使用不可)。
 それと、殺し合いという状況を理解しています。


【ドロテア@アカメが斬る!】
[状態]健康、高揚感
[装備]血液徴収アブゾディック、魂砕き(ソウルクラッシュ)@ロードス島伝説
[道具]基本支給品 ランダム支給品0~1、セト神のスタンドDISC@ジョジョの奇妙な冒険、城ヶ崎姫子の首輪
[思考・状況]
基本方針:手段を問わず生き残る。優勝か脱出かは問わない。
0:首輪一個目ゲットじゃぜ! どっかでカツオ死んでくれれば、首輪二つ目ゲットなんじゃが。
1:とりあえず適当な人間を三人殺して首輪を得るが、モクバとの範疇を超えぬ程度にしておく。
2:写影と桃華は凄腕の魔法使いが着いておるのか……うーむ
3:海馬モクバと協力。意外と強かな奴よ。利用価値は十分あるじゃろう。
4:海馬コーポレーションへと向かう。
[備考]
※参戦時期は11巻。
※若返らせる能力(セト神)を、藤木茂の能力では無く、支給品によるものと推察しています。
※若返らせる能力(セト神)の大まかな性能を把握しました。



【海馬モクバ@遊戯王デュエルモンスターズ】
[状態]:健康、俊國(無惨)に対する警戒。
[装備]:青眼の白龍@遊戯王デュエルモンスターズ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2、小型ボウガン(装填済み) ボウガンの矢(即効性の痺れ薬が塗布)×10
[思考・状況]基本方針:乃亜を止める。人の心を取り戻させる。
1:東側に向かい、孫悟飯という参加者と接触する。
2:殺し合いに乗ってない奴を探すはずが、ちょっと最初からやばいのを仲間にしちまった気がする
3:ドロテアと協力。俺一人でどれだけ抑えられるか分からないが。
4:海馬コーポレーションへ向かう。
5:俊國(無惨)とも協力体制を取る。可能な限り、立場も守るよう立ち回る。
6:ホテルで第二回放送時(12時)にディオ達と合流する。
[備考]
※参戦時期は少なくともバトルシティ編終了以降です。
※ここを電脳空間を仮説としてますが確証はありません

※ディオ達との再合流場所はホテルで第二回放送時(12時)に合流となります。
 無惨もそれを知っています。




【磯野カツオ@サザエさん】
[状態]:ダメージ(小) 悲しみ(大)、永沢に対する怒りと殺意(極大)
[装備]:変幻自在ガイアファンデーション@アカメが斬る、グリフィンドールの剣@ハリーポッターシリ-ズ
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品2、タブレット@コンペLSロワ
[思考・状況]
基本方針:中島のことを両親に伝えるためにも死にたくない。
0:モクバ達に同行して、孫悟飯を探して沙都子について話を聞く。沙都子と梨花の友情は引き裂かれて欲しくない。
1:生き残ることを模索する
2:ゲームに乗ったマルフォイには注意する
3:永沢を見付けたら……。
[備考]
変身を解きました。
持ち前の人間観察でマルフォイとエリスの人となり(性格・口調)を推測しました。
じっくり丁寧に変身をしたため、次回以降は素早く変身できるようになりました。
少なくとも、「カツオのための反省室」「早すぎた年賀状」は経験しています。
ガイアファンデーションの説明書に無惨の名前が載っています。

【全員共通の備考】
最低限、雛見沢症候群については情報共有しています。




【北条沙都子@ひぐらしのなく頃に業】
[状態]:疲労(中)、梨花に対する凄まじい怒り(極大)
[装備]:FNブローニング・ハイパワー(7/13発)
[道具]:基本支給品、FNブローニング・ハイパワーのマガジン×2(13発)、葬式ごっこの薬@ドラえもん×2
[思考・状況]基本方針:優勝し、雛見沢へと帰る。
0:カツオを経由で、悟飯を扇動してもらう。今の不利な私の立場は使えますわ。
1:メリュジーヌさんを利用して、優勝を目指す。
2:使えなくなったらボロ雑巾の様に捨てる。
3:あの悟空っぽい人物が本物かどうかは別として、色々利用できるかもしれませんわね。
4:願いを叶える…ですか。眉唾ですが本当なら梨花に勝つのに使ってもいいかも?
5:メリュジーヌさんを殺せる武器も探しておきたいですわね。
[備考]
※綿騙し編より参戦です。
※ループ能力は制限されています。
※H173入り注射器は使用後破棄されました。
※梨花が別のカケラ(卒の14話)より参戦していることを認識しました。


【メリュジーヌ(妖精騎士ランスロット)@Fate/Grand Order】
[状態]:ダメージ(小)、疲労(小)、鎧に罅、自暴自棄(極大)
[装備]:『今は知らず、無垢なる湖光』
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本方針:オーロラの為に、優勝する。
1:沙都子の言葉に従う、今は優勝以外何も考えたくない。
2:最後の二人になれば沙都子を殺し、優勝する。
3:絶望王に対して……。
[備考]
※第二部六章『妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ』にて、幕間終了直後より参戦です。
※サーヴァントではない、本人として連れてこられています。
※『誰も知らぬ、無垢なる鼓動(ホロウハート・アルビオン)』は完全に制限されています。元の姿に戻る事は現状不可能です。




【絶望王(ブラック)@血界戦線(アニメ版)】
[状態]:疲労(中)
[装備]:王の財宝@Fate/Grand Order
[道具]:なし
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いに乗る。
0:哀の奴を探す。金髪のガキを殺すかどうかは…ま、流れと気分だな。
1:気ままに殺す。
2:気ままに生かす。つまりは好きにやる。
3:シカマル達が、結果を出せば───、
[備考]
※ゲームが破綻しない程度に制限がかけられています。
※参戦時期はアニメ四話。
※エリアの境界線に認識阻害の結界が展開されているのに気づきました。



【F-4 /1日目/早朝】

【カオス@そらのおとしもの】
[状態]:全身にダメージ(中)、自己修復中、アポロン大破、アルテミス大破、イージス半壊、ヘパイトス、クリュサオル使用制限
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:優勝して、いい子になれるよう願う。
1:殺しまわる。悟空の姿だと戦いづらいので、使い時は選ぶ。
2:沢山食べて、悟空お兄ちゃんや青いお兄ちゃんを超える力を手に入れる。
3:…帰りたい。わたしは、わるいこじゃない…よね。
[備考]
原作14巻「頭脳!!」終了時より参戦です。
アポロン、アルテミスは大破しました。修復不可能です。
ヘパイトス、クリュサオルは制限により12時間使用不可能です。




057:くじけないこころ 投下順に読む 059:ピンポンダッシュ
時系列順に読む
051:「藤木、友達を失くす」の巻 ドロテア 073:ボーダーライン
海馬モクバ
磯野カツオ
カオス 063:愛ほど歪んだ呪いは無い
サトシ 079:空と君のあいだには
031:夜の館で 古手梨花
ガッシュ・ベル 084:或る相棒の死
風見一姫
046:星に願いを 北条沙都子 063:愛ほど歪んだ呪いは無い
メリュジーヌ
049:星の降る夜に 絶望王(ブラック) 068:愛さえ知らずに

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