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妖精さんとの出会い/Encounter_”GOD”.

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匿名ユーザー

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「……という訳でここまでが私がこの身体になった経緯だが、わかったか?」
「えーと、オティヌスさんは凄い神様で悪い組織のリーダーだったけど、罪を自覚して罰を受けようとしたらその身体になった。って事でいいのですか?」
「凄いざっくりした纏め方だが、概ねその認識で問題ない。しかし、スケールのデカい話をしているがよく理解できたな」
「自慢じゃないですけど、私も色々な争いに巻き込まれた経験がありますので」

 その様な会話を行っているのは、海馬乃亜が宣言した殺し合いの会場の、とある民家の一室。
 シンプルな間取りの部屋の中に滞在しているのは、2人の参加者。

 一人は、明るい緑の髪をツインテールの様にまとめた少女、龍可。
 元々人見知り気味かつ病弱よりの体質だった事に加え、幼い頃にモンスターカードの精霊の声を聴こえる様になった為、人付き合いもあまり行わなかったデュエリストだった。
 しかし、不動遊星との出会いをきっかけとした多くの戦いを経て、人間的にも精神的にも成長を果たした少女である。

 もう一人の参加者の名前は、"魔神"オティヌス。
 ウェーブがかかった長い金髪に片目を眼帯で覆った、露出が多い服を着ている特徴的なビジュアルの少女。
 なにより目を引くのは、その全長。
 身長15センチメートルの手のひらサイズ、文字通り人形と大差変わらない大きさなのであるのだ。
 その様な身体をしていても、オティヌスの首には、龍可と同じ首輪が巻かれている。
 そして、その様なサイズなのでオティヌスは丸形のテーブルの上に堂々と座っている。龍可もオティヌスの目線に合うように、座って会話を行っている。

 この2人が出会って会話を行う経緯を語るのは、そう難しい事ではない。
 龍可のこの殺し合いの最初のスタート地点は、この民家の2階の部分であった。
 争いを好まず、デュエルも積極的には行わない龍可は殺し合いの拒否を選択。
 自身のランドセルを持って1階に降りると、居間にランドセルを持ち上げようとして悪戦苦闘するオティヌスを発見する。
 パッと見た時点では驚いたが、普段からモンスターカードの精霊の声を聞いたり、Dホイールと合体する存在を見たことがあったり、超常的な存在を見るのは初めてではない為、すぐに気を取り戻し話しかける。
 そうして、お互いの自己紹介を行う形で、オティヌスは何故妖精サイズの状態なのかを語った結末が、冒頭の会話に至ったのだ。

「あのー、オティヌスさん?聞きたい事があるのですが」
「なんだ、言ってみろ」
「オティヌスさんは神様みたいな存在だったのですよね?なら、この殺し合いから脱出したり首輪を外したりする方法は―――」
「私がこの身体になった時点で、かつて魔神として振るっていた力は全て失った。今の私には野良猫相手すら勝てるかどうか分からない程に矮小な存在だ。
 ……だからこの殺し合いについても、破綻させる手段も能力も、私は何も持っていない。」
「……そう、ですか」

 龍可は希望的観測だと薄々と理解しつつも、「自分は神様だった」と話したオティヌスに質問を行うが、一蹴される。
 正確には、オティヌスは文字通りの魔神としての権能を失ったわけではない。小規模な魔術ならば使えない事はなかったのだ。
 しかし、海馬乃亜はその様な状態のオティヌスにさらに制限を設け、魔術の行使も出来なくなっていたのだ。
 もっとも、魔術を使えたとしても、身長15センチの体格から放たれる魔術など、殺し合いの場に求められるモノには到底及ばず。
 子供の石投げの方が火力が高い可能性すらある現状では、不要の長物だった可能性がある。

「そう気を落とすな、代わりと言っては何だが、私に支給されたカードを渡す。
 並々ならぬ力を感じるが、私には持つことすら精一杯故、お前が持っていた方が良いだろう」
「カード?もしかして……」

 一つの可能性が潰えた事に多少落ち込む龍可を励ますかのように言葉をかけるオティヌス。
 その彼女の言葉から放たれた「カード」という単語に反応して、龍可はテーブルの横に置かれていたオティヌスのランドセルを漁り始める。
「おい、勝手に漁るな」とテーブルに座っている元魔神の言葉を無視してランドセルの中から出てきたのは、一枚のカード。

 それは、龍可がデュエリストとして戦う際の自分の最も信頼できるエースカードにして、幼い頃から精霊世界を通じて傍にいたドラゴン。

「エンシェント・フェアリー・ドラゴン!良かった……!!」
「お前の知っているカードだったのか?しかし、ただのカードにしてはやけに神秘を放っているように感じるが……」

 自分のランドセルの中に入っていなかった為、内心不安になっていたが、早々に再開を果たせたことに喜びを隠さずにカードを握る龍可。
 一方で、ただの紙切れではないと理解しつつも、実際には何も把握していないオティヌスは、龍可の姿は年相応にオモチャを手に入れて喜ぶ子供にしか見えなかった。

 オティヌスの言葉に我を取り戻し、龍可は事情を説明する。
 精霊世界。赤き竜。シグナーの痣。デュエリストとカード。自分が住むネオ童実野シティについて。
 全てを説明するとかなりの時間を要すると思い、ダークシグナ―との戦いまでをかいつまんで話す。
 神様なのにデュエルの事を何も知らない事に不思議に思いつつも、その部分も説明を行う。
 龍可が話を終えると、オティヌスは考え込むように手を顎にあててブツブツと喋り始める。

「……それほどまでに規模と次元を要する存在を、私が知らずに関わるとは……、しかし、この身体になった経緯からして故に全知ではないが……
 それに、争いを鎮める複数の竜。もしや上条当麻の龍となにか関係が……」
「あ、あの?オティヌスさん?」
「あ、ああ、すまない。少し考え事をしていた」

 龍可の呼びかけにハッと我に返り、考え事を止めるオティヌス。

「それで、これからはどうしますか?私は人がいそうな所に行こうと思っています。もしかしたら、兄の龍亞もいるかもしれないので」
「私は……、そうだな。お前と同行するとしよう。この身体では他の場所に移動するのにも一苦労するだろうからな」
「ありがとうございます」

 オティヌスの返答に、一旦の感謝を返す龍可。
 身なりこそ人形と変わらないサイズであるが、他者がいる事には喜ばしい。
 そして、龍可が考える事は、生まれた時から一緒にいる双子の兄・龍亞。
 自分がこうして殺し合いの場にいる以上、兄も巻き込まれている可能性も高い。
 何かと騒がしい兄の事だろうから、もしかしたら一緒にいる子供に迷惑をかけているかもしれない。
 もしいるのなら、出来るだけ早くに合流したい。そう思考する龍可。

「それでは、世話になるぞ」
「あッ、キャ!ど、どこに……!」
「フン。一緒に行動するとなるのなら、ここか頭の上に乗るしかないだろう。それともお前は、私をバッグの中に入れて移動しようと考えていたのか?」
「そういう訳ではないですけど、ちょっと気になるかなぁって」

 オティヌスはテーブルからジャンプして、慣れた動作で龍可の左肩に乗る。
 龍可はいきなりの事に慌ててしまうが、ある意味妖精さんみたいなものだろうと思えば慣れたもの。
 すぐに平常心を取り戻し、龍可は左肩に乗っているオティヌスに話しかける。

「それじゃあ外に出ましょうか。ところで、オティヌスさんのバッグはどうしましょうか」
「私はこの身体では流石に持つことは出来ん。荷物を全てお前のバッグの中に移し替えても問題あるまい。同じバッグを持っても手間がかかるだけだからな」
「あー、それならそうさせていただきます」

 その会話と共に、オティヌスのランドセルの中に手を入れる龍可。
 ゴソゴソと身体が揺れているが、オティヌスは龍可の服の首元の襟をつかみ、落ちないようにする。

「オティヌスさん」
「何だ」
「一緒に頑張って生き抜いていきましょうね」
「…………………………………………そうだな」
「……?」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


 こうして、一緒に同行して、この殺し合いの地を動くことになった龍可とオティヌス。
 しかし、オティヌスは話していない事がいくつかある。
 彼女が語ったのは、自らの姿の成り立ちのみで、魔術や"魔神"についての力や、第3次世界大戦や魔術結社「グレムリン」といった彼女の世界情勢は殆ど語っていない。
 何より、彼女は同行すると決めただけで、この殺し合いに対するスタンスは一切少女には打ち明けていない。

 そもそも、"魔神"オティヌスは最終的に「自分が救われて生きる事」を良しとせず、悩みに悩み、死ぬ事を選んだ身。
 今の手のひらサイズの妖精さながらの状態で生きているのは、他の"魔神"の介入があったから故に生きながらえている姿なのである。
 本人はこの姿を「特殊な刑罰の一種」と納得しているが、彼女が生きたかの世界とこの地は理(コトワリ)が違う未知の場所。

 さらに、"魔神"とは人間とは在り方も価値観も一般常識の物差しでは測れない存在。
 彼女はかつて、世界を創り変える行為を、たった一人の人間(ヒーロー)を追い詰める為に数千億回以上も行った事がある。
 ましてや、彼女はかの北欧神話に名を連ねる主神「オーディン」その"神"物とイコール同一とされているのである。

 果たして、オティヌスは今何を思い生き、何を考えて龍可と一緒にいるのか。

 それは、まさに神のみぞ知る事。


【龍可@遊戯王5D's】
[状態]:健康
[装備]:エンシェント・フェアリー・ドラゴン@遊戯王5D's
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:会場からの脱出。首輪を外す。
1:龍亞がいるのなら、探して合流する
2:殺し合いはしたくない

[備考]
※参戦時期は、少なくともWRGP決勝戦以降からの参戦


【オティヌス@新約 とある魔術の禁書目録】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~2
[思考・状況]
基本方針:?????
1:龍可と同行する

[備考]
※参戦時期は、身長15cmになって総ての力を失った後。(新約10巻の終章以降)
※制限により、魔術の行使は完全に出来ません。
※龍可から、5D's世界の情報(赤き竜やシグナー等)を聞きました。


【エンシェント・フェアリー・ドラゴン@遊戯王5D's】
オティヌスに支給された。
正確には、ドラゴン本体ではなく実体化して戦わせる事が出来るカード。一度使用すると12時間使用不可。
シンクロ・効果モンスター。細かい効果は、OCGのwiki等を参照すべし。
龍可のエースカードだが、アニメ劇中で召喚された回数は他のシグナーの竜と比べて少なく、龍可から召喚されたのは一度のみ。
その為、ファンからは「他力本願竜」の通称をつけられた。

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