コンペロリショタバトルロワイアル@ ウィキ

アイドルじゃナイト

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だれでも歓迎! 編集
暗い路地に、一人の少女がたたずむ。
彼女の名は、水瀬伊織。
765プロに所属する、お嬢様アイドルだ。

(ドッキリ……だと思いたいんだけどねえ。
 さすがにいくらあいつでも、こんな悪趣味な仕事は取ってこないでしょ)

日頃無茶な仕事ばかりやらされている伊織だったが、今回はそれらとは違うと感じ取っていた。
自分たちのプロデューサーがろくでもない人間なのはたしかだが、それでも彼は彼なりに守るべきラインをおのれのうちに持っている。
そのプロデューサーが、こんな企画にGOサインを出すとは思えない。
それに、最初に殺された二人の子供。
彼らは演技などではなく、間違いなく死んでいた。
無人島ロケで数々の獲物を狩ってきた伊織には、肌でそれを感じ取ることができていた。
とはいえ、あんなにグロテスクな死を見るのは初めてだ。
脳内で再生された映像が吐き気を誘発するが、なんとかそれを抑え込む。

(無人島で鍛えられた根性、なめるんじゃないわよ……!
 暴力で脅してくるクソガキに、屈してたまるもんですか!
 絶対にあいつをぶちのめして、この殺し合いとやらを破綻させてやるわ!)

いやな汗をかきつつも、伊織は闘志を燃やす。

(まずは、現状の確認ね)

伊織はその場にしゃがみ込み、支給されたランドセルを開いた。

(なんでランドセルなのよ……。
 いくら小柄でも、小学生扱いされるのは不本意なんだけど!
 ……そういやあいつ、私たち全体をまとめて「子供」って言ってたような……。
 殺し合いの参加者は、全員子供ってこと?
 いや、だから子供扱いするなっての!)

主催者への怒りに打ち震える伊織だったが、ふとある可能性に気づき一気に冷静さを取り戻す。

(集められたのが子供だとしたら、亜美と真美も危なくない?
 やよいは……微妙なラインかしら。
 春香や雪歩までいくと、さすがに範囲外だと思うけど……)

同じ事務所の仲間も、殺し合いに参加させられているかもしれない。
その可能性を鑑みて、伊織は息を呑む。

(ちょっと、名簿とかないの?
 あ、これ……はぁ!? 第1回放送まで閲覧不可能!?
 変なロックかけてるんじゃないわよ!)

再びヒートアップしかける伊織。
しかし、深呼吸で心を落ち着ける。

(落ち着きなさい、伊織……。
 あの子たちだって、無人島で鍛えられてるのよ。
 そう簡単には死なないはず。
 少なくとも、名簿が解禁されるまでくらいは一人でも生き残れるはずだわ)

仲間たちの心配はいったん棚に上げ、伊織は荷物の確認を再開した。

(武器になりそうなのは、剣と槍か……。
 まあこの二つなら、槍ね)

日頃の狩りで主に銛を使用している伊織は、ポールウェポンの扱いには慣れている。
ゆえに槍を装備することを選び、剣をランドセルに戻した。

(とりあえず、これで自衛はできる……。
 次にやるべきは……情報収集ね。
 それじゃ、行きましょうか。
 アイドルは根性!)

おのれに気合を入れ、伊織は歩き出した。



◆ ◆ ◆


小さな公園のブランコに、一人の少年が座っている。
右目を眼帯で覆った痛々しい姿の彼は、沈痛な表情で虚空を見つめていた。
少年の名は、アンチ。
心を持った怪獣である。

「俺は……どうすればいい……」

アンチは苦悩していた。
おのれの存在意義であるグリッドマンの打倒はいつまで経っても果たせず、創造主である新條アカネには見捨てられた。
自分がこれからどうすればいいのかを模索している最中に、アンチはこの殺し合いに参加させられた。
殺し合いに勝ち抜くべきなのか、あらがうべきなのか。
彼の少ない経験では、それを選択することもできなかった。

「何を辛気くさい顔してるのよ、あんた」

いつの間にか、アンチの前に一人の少女が立っていた。
たまたま公園の前を通りかかった伊織である。

「おまえは、どう思う」
「はあ? 何がよ」

アンチの唐突な問いに、伊織は顔をしかめる。

「俺には、自分がどうするべきなのかわからない。
 優勝して願いを叶えるべきなのか。それとも乃亜とかいうあの男を倒すべきなのか。
 おまえは、どう思う」
「知らないわよ」

伊織の返答は、あまりにストレートな言葉。
全く予想しなかった答に、アンチは思わず間の抜けた表情になってしまう。

「他人に自分の方針丸投げしてるんじゃないわよ。
 あんたの人生は、あんたのもん!
 自分が何をするかくらい、自分で決めなさい!」
「だが俺には……決められない……。
 俺には、他人から与えられた使命しかないんだ。
 こんなわけのわからない状況で何をすればいいかなんて、俺には……」

絞り出すように告げるアンチを見て、伊織はため息を漏らす。

「仕方ないわね、少し手伝ってあげる」

そう言って、伊織はランドセルから取り出した剣をアンチに投げ渡した。

「……なんのつもりだ」
「私は槍を使うから、そっちはいらないのよ。
 あんたにあげる。それで最低限、自分の身は守れるでしょ。
 とりあえず生き延びて、自分のやることを探しなさい」
「…………」

アンチは困惑した様子で、伊織と剣に視線を交互に送る。

「じゃあね。せいぜいがんばりなさいよ」

最後にそう言うと、伊織はその場を立ち去ろうとした。
だが、その後ろにアンチがついてくる。

「……どういうつもり? ついてこいとは言ってないんだけど」
「剣をもらった借りは返す。
 しばらく、俺はおまえを守る」
「私のナイトになってくれるってわけ?
 まあ、あんたがそうしたいなら別にいいわ。
 言ったからには、足手まといになるんじゃないわよ」
「ああ」

再び歩き出す伊織。アンチもそれに続く。

「ナイトか……。それも悪くないかもしれない……」

ぼそりと呟き、アンチは剣を強く握りしめた。


【水瀬伊織@ぷちます!】
[状態]健康
[装備]ゲイ・ボルク@Fateシリーズ
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~1(武器ではない)
[思考・状況]基本方針:殺し合いを潰す
1:事務所の仲間が参加させられていないか心配


【アンチ@SSSS.GRIDMAN】
[状態]健康
[装備]幸運と勇気の剣@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:伊織を守る
[備考]
※参戦時期はアレクシスに襲撃されてから、グリッドナイトになるまでのどこか
※怪獣形態にはなれません


【ゲイ・ボルク@Fateシリーズ】
クー・フーリンの宝具である、朱色の槍。
主催側の調整により、本ロワでは本来の持ち主でなくても魔力があれば
「刺し穿つ死棘の槍」および「突き穿つ死翔の槍」が発動可能。


【幸運と勇気の剣@ジョジョの奇妙な冒険】
黒騎士ブラフォードの愛剣。
刀身に「LUCK」の文字が刻まれている。
彼がジョナサンに敗北した後、血でPの文字が加えられ「PLUCK」としてジョナサンに託された。

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