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第三話 宿命の対峙
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dannocomachi
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1. 修復と新たな任務
宇宙艦《セレスティア》の格納庫では、激しい戦闘を終えた《プロト・アヴァロス》の修復が進められていた。整備士たちが忙しく動き回る中、アレイスはモニター越しに自分の機体を見つめていた。
リーナ:「大した損傷ね。よくゼフィリスの攻撃を耐えたわ。」
アレイス:「ゼフィリス……あの黒い機体のパイロットか?」
リーナ:「ええ。自治連盟のエースパイロットよ。噂では、戦場で彼を倒した者はいないって話。」
アレイスはその言葉に複雑な感情を抱いた。初めて直面した本物の敵――ゼフィリスの強さが脳裏に焼き付いている。
アレイス:「俺があいつに勝てるわけない……。」
リーナ:「弱気になるのは早いわ。少なくとも、あの機体を操れるのはあなたしかいない。今はその事実を受け入れなさい。」
アレイスは返事をせず、ただ沈黙した。
2. 敵の狙い
ブリッジでは、新たな指令が下されていた。
艦長:「自治連盟が辺境コロニーのエネルギー施設を襲撃しているとの情報が入った。我々は急行してそれを阻止する。」
リーナ:「エネルギー施設……彼らの目的は?」
艦長:「コロニー住民を人質に取ることで、地球連邦を揺さぶるつもりだろう。」
その言葉を聞いたアレイスは眉をひそめた。
アレイス:「またコロニーが戦場になるのか……。俺たちの生活はいつも巻き込まれるばかりだ。」
リーナ:「だからこそ、あなたが戦う理由があるんじゃない?」
アレイスはリーナの言葉に反論しようとしたが、何も言えなかった。
3. ゼフィリスとの再会
エネルギー施設に到着した《セレスティア》。そこではすでに自治連盟の部隊が展開し、連邦軍の防衛網を突破していた。
艦長:「《アヴァロス》を発進させろ。敵の主力部隊を抑えなければ、施設が破壊される。」
アレイスは迷いながらもコックピットに乗り込む。
アレイス:「また俺が戦うのか……。」
機体が発進し、宇宙空間へと躍り出た。敵のモビルスーツが次々と襲いかかるが、《アヴァロス》の性能とアレイスの直感的な操縦で撃退していく。
その時、黒い機体が彼の前に現れた。
ゼフィリス:「また会ったな……新米パイロット。」
アレイス:「ゼフィリス……!」
ゼフィリス:「お前にその機体は似合わない。素直に引き渡せば命だけは助けてやる。」
アレイス:「……ふざけるな! 俺は誰かの道具になるために戦ってるんじゃない!」
ゼフィリスは軽く笑った。
ゼフィリス:「道具かどうかは関係ない。力を持つ者には責任が伴う。それを理解できないなら、お前に生きる価値はない。」
ゼフィリスの言葉がアレイスの心を深く揺さぶる。だが、戦闘はすぐに始まった。
4. 苦戦と覚醒
ゼフィリスの機体は異次元の動きを見せ、アレイスは完全に押されていた。何度も攻撃を試みるが、彼の剣は届かない。
アレイス:「どうすれば……どうすれば勝てるんだ……!」
その時、《アヴァロス》のAIが音声を発した。
機体AI:「パイロットの感情反応を検出。シンクロ率が上昇中。」
アレイス:「シンクロ率……?」
突然、機体がさらなる力を解放する。《アヴァロス》の装甲が輝き始め、反応速度が飛躍的に向上した。
ゼフィリス:「その機体……やはりただ者じゃないな。」
アレイスは新たな力を使い、ゼフィリスの攻撃を防ぎながら反撃を試みる。一瞬の隙をつき、ゼフィリスの機体の腕部を破壊することに成功した。
ゼフィリス:「……なるほど。お前にはその資格があるのかもしれないな。」
そう言い残し、ゼフィリスは撤退する。
5. 戦闘の後で
戦闘が終わり、アレイスは《セレスティア》に帰還した。格納庫でコックピットを降りると、リーナが待っていた。
リーナ:「お疲れ様。ゼフィリスに一矢報いるなんて、大したものね。」
アレイスは疲れた表情で答える。
アレイス:「……俺はまだ何も分かってない。ただ、生き延びただけだ。」
リーナ:「それで十分よ。戦争は簡単に終わらない。でも、あなたがここにいることで希望が生まれる。忘れないで。」
アレイスはその言葉に少しだけ勇気を得た。
6. ゼフィリスの意図
一方、撤退したゼフィリスは自治連盟の母艦に戻っていた。彼は上官との通信を受けていた。
上官:「どうだった? 《アヴァロス》は手に入ったか?」
ゼフィリス:「いいえ、相手は想像以上に手強い。だが、次は必ず奪う。」
ゼフィリスは宇宙を見つめながらつぶやいた。
ゼフィリス:「アヴァロス……そして、あの少年。お前たちはこの戦争をどう変えるつもりだ?」
エピローグ:新たな決意
エピローグ:新たな決意
その夜、アレイスは艦内の窓から宇宙を見上げていた。彼の胸にはまだ迷いがあったが、同時に少しずつ覚悟が芽生えていた。
アレイス:「俺は、俺自身のために戦う。そして、この戦争を終わらせるために……。」
彼の決意は、小さな光となって宇宙に広がっていった。