スタンス調査

スタンスを操作する

 「会話の心得」でも少し触れたが、スタンスとは「気持ちの距離」だ。スタンスが高ければ友好的なムードで会話が開始し、スタンスが低ければ険悪なムードで会話が開始する。このように悪魔との会話にはスタンスが重要な意味合いを持つのだが、スタンスポイントは不可視パラメータであることや、また攻略本でも詳しく説明されていないため、未だ詳細は不明であるように思う。そこで今回は、各口調ごとに設定されているスタンスがどのような関係にあるのかを調べてみることにした。

スタンスの確認

 まず調査に使うデータのスタンスの状態についてだが、これに関してはまず悪魔データファイルの「悪魔台詞集4」の一覧表を参考にし、口調別にスタンスの状態を区別してみたい。すると、以下のようになった。

スタンスの状態
口調
スタンス:高
ケモノ(上)、ケモノ(下)、若者♀、子供♀、
高貴♂、シニカル、古風、老人、スライム
スタンス:中
高貴♀、大人の女
スタンス:低
若者♂、子供♂、狂人、関西人

 この状態を基準とし、話を進めていくことにする。

調査1:ケモノ上位のスタンスを下げる

場所:異界外側 調査時間:40分ほど
調査対象:ケモノ上 アンズー、ムシュフシュ
方針:あえて怒らせる、あるいは無関心を装う台詞を選択し続ける。
例1:身なりはまともだな→関係ないだろう
例2:いい顔をしてるな→おまえもな

 さて実際にスタンスを下げていくわけだが、具体的にはトークで相手を怒らす、あるいは無関心な態度をとることで変化するようである。また選択肢以外でも、悪魔と金品の交渉に入ったさい、何も渡さないなどすると効果があるようだ。
 このような行動を集中的におこない、調査を始めてからの20分ほどで、ケモノ上位の初期メッセージがスタンス中のものになった。これを確認したあと出現したイシュタムは、スタンスが中から高に変わっていた。それまでケモノ上位にしか話しかけてなかったことから察するに、どうやらある口調のスタンスが変化することで、ある口調のスタンスも変化する(*予想1)ようである。

 余談になるが、スタンスの変化確認後、次の戦闘でもケモノ上位とスタンス中から会話が始まった。そしてトークで「ここで死ね!」と言われたので「できるのか?」と答えたら、戦闘になった。その後懲りずにまた話しかけたら、なんとケモノ上位のスタンスは高に戻っていた。またこの戦闘後に出現したイシュタムのスタンスは、高ではなく中に下がっていた。
 またその後、ケモノ上位に「仲魔に感謝しているか」と問われ、「そんな気はない」と答えたら、スタンスが高から中に下がった。スタンスが中のとき、「どうだ頭を下げるなら~」と言われたとき、「結構だ」と断ったら、次に話しかけたときはスタンスが高になっていた。
 このようにスタンスが安定しない傾向にある原因としては、想像だが、毎ターン(あるいは会話開始前に?)スタンスポイントにはランダムで数値が加減されているのか、もしくは、選択肢によるスタンスの加減には、かなりの幅があるのだろう。スタンスが高と中、あるいは中と低の節目のポイントにある場合、狙ってスタンスを操作するには、粘り強いトークが必要とされることが分かった。

調査1の結果を考察

 ケモノ上位のスタンスが中になったのを確認したあと、またさらにスタンスを下げ続け、ケモノ上位のスタンスが中で安定してきたところで、他の口調に話しかけ、スタンスの変化を調べてみた。先に述べた「予想1」の検証をおこなうためだ。以下は、ケモノ上位のスタンスが高から中に変わったときの、他の口調への影響である。

口調
影響結果
変化前との比較
ケモノ下位
高から中に下がった
古風
高から中に下がった
高貴♂
高から中に下がった
高貴♀
中から高に上がった
若者♂
低から中に上がった
若者♀
高から中に下がった
子供♂
低から中に上がった
子供♀
高から中に下がった
大人の女
中から高に上がった
狂人
低から中に上がった
老人
高から中に下がった
シニカル
高から中に下がった
関西人
低から高に上がった
スライム
高から中に下がった

 スタンス変化の結果を分析してみると、ケモノ上位のスタンスが下がったことで、以前スタンスが高かった口調はスタンスが下がり、逆にスタンスが低かった口調はスタンスが上がった。この結果を見ると、「口調Aと口調Bが連動している」というのではなく、スタンスはグループで区別されていているのではないかという予想ができる(*予想2)。なぜなら、スタンスが下がった口調というのは、いずれもケモノ上位と同じスタンスにあったものばかりだし、他にも変化前にスタンスが中であったものは高に、低であったものは中にと、グループ別に定められたような変化を見せている。つまり、「予想2」を具体的に表すと、以下のようになる。

グループ
該当する口調
グループA
ケモノ(上)、ケモノ(下)、若者♀、子供♀、
高貴♂、シニカル、古風、老人、スライム
グループB
高貴♀、大人の女
グループC
若者♂、子供♂、狂人、関西人

 調査1の結果を簡単にまとめると、「ひとつのグループに変化が起きると、他のグループにも変化が起きる」、といったところか。たったひとつの口調のスタンスが変化しただけで全体に影響が出ているのだから、あながち間違いじゃないかもしれない。

調査2:ケモノ上位のスタンスをさらに下げる

 調査1で、口調とスタンスの関連性はだいぶ見えてきた。今度は、調査1をさらに進行させ、スタンス変化のパターン解析に挑んでみたいと思う。具体的には、ケモノ上位のスタンスをさらに下げると、他のグループはどうなるのか、ということを調べる。正しくはグループAを下げ続けると…というべきなのかもしれないが。またこの調査を経ることで、「口調はグループ化されている」という「予想2」の実証にもなるかもしれない。

 調査場所は調査1と同じく、異界の外周でおこなった。調査対象もケモノ上位のアンズーとムシュフシュで変わりはない。集団で出現しやすいため普段はウザイだけのザコも、スタンス操作には便利である。
 さて調査開始から20分ほどして、ケモノ上位のスタンスが下がったことを確認。その後念のためさらに話しかけ続け、スタンスが低で安定してきたところを見計らって、他の口調にも話しかけてみた。以下はその結果である。

口調
影響結果
変化前との比較
ケモノ下位
中から低に下がった
古風
中から低に下がった
高貴♂
中から低に下がった
高貴♀
高から低に下がった
若者♂
変化せず
若者♀
中から低に下がった
子供♂
中から高に上がった
子供♀
中から低に下がった
大人の女
高から低に下がった
狂人
中から高に上がった
老人
中から低に下がった
シニカル
中から低に下がった
関西人
高から中に下がった
スライム
中から低に下がった

調査2の結果を考察

 ケモノ上位のスタンスが低にまで下がったことで、仮定したグループAの口調はすべて低になった。またグループBも高から低へと一気に下がっている。グループCは中、もしくは高と、他のグループよりスタンスが高い。これは変化前の基準状態が低かったことを考えると完全な逆転現象のようにも考えられ、なかなか面白い。ただこうまでしないとグループCのスタンスは高くならない、とも言い換えられると思う。
 以下に、今回の調査結果をグループAを基準にまとめてみる。

状況
変化結果
グループAのスタンスが
「高」のとき
グループBのスタンスは「中」
グループCのスタンスは「低」
グループAのスタンスが
「中」のとき
グループBのスタンスは「高」
グループCのスタンスは「中」
グループAのスタンスが
「低」のとき
グループBのスタンスは「低」
グループCのスタンスは「中」もしくは「高」

 さてここでひとつ疑問がわいた。それは「グループB(もしくはグループC)が基準だったらどうなっていたのか」という点である。
 今回の調査結果はケモノ上位(グループA)だけに延々と話しかけ続け、その結果得たものである。だから「グループAを基準とした場合の」と、キャプションを付けたのである。
 ならばどうだろう、グループB、つまり高貴♀あるいは大人の女に話しかけ続け、スタンスを上げ下げした場合、上記のグループA基準の調査と同じ変化結果になるのか、ということである。そこで、少しばかりではあるが、調査をおこなってみた。

 いきなり結果を言ってしまうと、「大人の女のスタンスが中から高になったら、グループAは高から中に下がり、グループCは低から中に上がった」という結果が出た。これは調査2考察の、「グループAが中のとき」のパターンと同じと言えるだろう。
 これに関してはもう少し調べてみたかったのだが、グループBのスタンスを中から低にすることができず、中断した。というのも、大人の女の場合、会話で怒らせるとなぜかスタンスが上がるという仕組みになっているらしく(?)、褒めても上がる、怒らせても上がるという状況ではどのように操作すればよいのか分からなくなってしまい、とりあえずひとつの結果を得たところで調査をやめた。ツンデレでもあるまいし、一体どのようにしたら会話で意図的にスタンスポイントを下げられるのか、不明である。

調査を終えて

 今回の調査で、口調とスタンスがどのような関係にあるのか、だいたい分かったのではないかと思う。またこの調査を通して、初めて見た悪魔との会話もあったりするなど、個人的には色々と収穫のあった調査だった。特にシニカルや若者♀のスタンスが低いときの会話はなかなか面白いので、興味がある人はぜひ試してみて欲しい。

 それにしてもスタンス調査は不可視パラメーターであったり、ランダム要素が大きくからむことであったりするなど、ある程度覚悟はしていたが、いざやってみるとやはり結構手ごわい印象を受けた。まだまだ完全とは言えないため、またいずれ、再開したい。


最終更新:2019年04月21日 15:13