攻略本情報と関連本

攻略本紹介

 セガサターン版『真・女神転生デビルサマナー』の攻略本は3冊発売されている(いずれもアスペクト刊)。ブックオフなど古本屋で今でもよく見かけるので、比較的簡単に入手できるだろう。読み物としてもよくできているので、見かけたら買っておくことをお勧めする。

公式ガイドブック・ベーシック

 JK-VOICE著。一番初めに発売されたデビルサマナーの攻略本。著者である『JK-VOICE』とは、元ザ・テレビジョン編集者、飯田真佐史氏が旗揚げした編集プロダクションのこと(今はもうない)。同氏はメガテン以外にもゲーム攻略本の編集を担当しているほか、デビルサマナーに関しては発売前からファミ通誌上にて「メガテンネット」なる企画を担当しており、この企画で募集した読者投稿から見事に採用されたのが、かの有名な「デビルバスター・バスターズ」だ。

 内容は「ベーシック」と名の付くだけあり、基本的な操作方法から合体・アイテム・悪魔データ・ダンジョンマップと充実した内容になっている。またストーリー進行に合わせたテキストも面白く、平凡な生活を送っていた主人公が、仕事をこなしていく内に人格が変わっていくさまを描いていたりと、芸が細かい。デビルサマナーのおよそ70%の情報は、この本1冊で得ることができる。

 欠点は誤植や誤認情報が若干目立つこと。この点は版を重ねるに従い微妙に修正されているらしいのだが、最終的に全部修正されたかどうかは不明。しかしそれでも攻略本としての質は高く、すっきりとしたデザイン、また文章構成のセンスがズバ抜けている。ゲーム攻略本というジャンルでありながらも、いかに著者がデビルサマナーというゲームを楽しみながら制作したか、その熱意が伝わってくる一冊。

公式ガイドブック・ファイナル

 JK-VOICE著。ベーシックでは公開できなかった隠しダンジョンや英雄・秘神など、デビルサマナーのディープな情報を中心に構成された攻略本。スタッフインタビュー付き。表紙からしてやけにしぶいニオイを放つ攻略本。

デビルサマナーのすべて

 JK版の攻略本から遅れること数ヶ月後に発売された、成沢大輔版の攻略本。成沢氏はFCの初代DDSからメガテンの攻略本を作ってきた人物である。

 いきなりこう言ってしまってはナンだが、成沢氏は昔からメガテンの攻略本を作ってきたわりに、作り方が非常にヘタクソだ。JKの本と比べるとよく分かるが、悪魔データ、MAPデータの見せ方が特にダメ。使いにくく、分かりにくい。パッとページを開いてサッと情報を確認するという使い方には不便すぎる。そもそも全体的にデザインそのものが悪趣味で、情報を見やすくしようという配慮を感じない。
 まぁデザインという点については成沢氏の責任ではなく、デザイナーの責任になるのだろうが、「成沢大輔編」と表記されている限りは、基本的に成沢氏の責任ということにもなるだろう。この点は『女神転生2のすべて』の頃よりまったく変わっていない。昔、宝島社から出た真1の攻略本(成沢氏が担当)を買った友人から本を見せてもらったが、データといいマップの見やすさといい、すべてにおいて小学館の攻略本(飯田氏が担当)に劣っているように思えたものだ。そして残念ながら、時を経ても技術に進歩は見られなかったというのが本音である。

 なによりこの本の一番の問題が、タイトルに『デビルサマナーのすべて』とつくクセに、エキストラダンジョンの情報が載ってない点である。これは完全に詐欺ではないのか?
 また「ピクシーを御魂で強化する」といった企画があり、あたかもがんばって御魂強化をしたような文章が書かれているが、写真を見ると明らかにデバッグ用のツールか改造ツールでデータを改竄した写真が載っている(仲魔にしたと主張するピクシーが、敵専用の「逃げる」を持っている写真を載せるなんて、人を馬鹿にしてる)。しいてJK版に勝ってる点を上げれば、没になった悪魔の原画を見れるところぐらいか。それぐらいしか良い所は思いつかない。

 この本の最大の戦犯はデザインを担当した伊藤誠司氏(のちのルシファー伊藤か?)だろう。あの悪趣味なデザインには目を見張るものがある。そもそも本当にデザイナーなのだろうか?とにかく悪趣味極まりない本なのであまりお勧めできない。それでもコレクターズアイテムとして保存しておくべき、といったところだが、攻略本としては完全な駄作としか言い様がない。

ワールドガイダンス

 ソフトバンクより発売された、金子一馬氏のデビサマ原画集とも言える本。正確には攻略本ではない。内容は原画だけでなく、簡単な悪魔解説や金子氏のコメントが載っている。
 しかし悪魔解説に関して言えば、鈴木一也氏の仕事っぷりが炸裂している『真・女神転生のすべて 悪魔復活編』『真・女神転生2 悪魔大辞典』に比べ、遥かに劣るのは否めない。読み物としては物足りなさを感じる。

 またこの本は、デザイナーであるルシファー伊藤氏の趣味の悪さがいかんなく発揮されている。138ページ(ラスタマンが載っているページ)に至っては、背景に英字でMANKO MORODASIと書かれている。一体何を意図してこんな下品な文章を入れたのだろうか?よくも他人の原画集にこんな一文を加えられたものだと、品性を疑う。

 金子一馬氏のイラストが大きく載っているので、細かいディテールを知るのに便利だが、そんな所ぐらいしか良い点が見当たらない本だ。無駄に値段が高いので(税込み2000円)、どうしてもほしいなら古本で買おう。

参考文献一覧

 デビルサマナーのコンテンツを作るにあたり、参考にさせてもらった女神転生関連の書籍の文献一覧。

  • ファイティングスタジオ編『デジタル・デビル物語 女神転生必勝攻略法完璧版』、双葉社、1990年。
  • ファミリーコンピュータMagazine編集部編『デジタル・デビル物語 女神転生2 完全攻略本』、徳間書店、1990年。
  • ファイティングスタジオ編『デジタル・デビル物語 女神転生2必勝攻略法』、双葉社、1990年。
  • 成沢大輔著『女神転生2のすべて』、JICC出版局、1990年。
  • 成沢大輔編『真・女神転生のすべて 悪魔復活編』、宝島社、1992年。
  • 飯田真佐史編『真・女神転生』、小学館、1992年。
  • HIPPON SUPER!編集部編『CLUB邪教の館』、宝島社、1993年。
  • 井上尚美&メガテン解析隊著『真・女神転生 ファイナルストーリー』、双葉社、1993年。
  • 飯田真佐史著『真・女神転生2』、小学館、1994年。
  • アスキー出版局編『真・女神転生2 攻略の手引き』、アスペクト、1994年。
  • 成沢大輔編『真・女神転生2 悪魔大辞典』、宝島社、1994年。
  • ファミコン通信編集部責任編集『真・女神転生if... 公式ガイドブック』、アスペクト、1994年。
  • ファミコン通信編集部責任編集『真・女神転生if... 公式ガイドブック解明編』、アスペクト、1994年。
  • アスキー出版局編『真・女神転生ファンブック 邪教の館倶楽部』、アスペクト、1995年。
  • JK・VOICE著『真・女神転生デビルサマナー 公式ガイドブック・ベーシック』、アスペクト、1996年。
  • JK・VOICE著『真・女神転生デビルサマナー 公式ガイドブック・ファイナル』、アスペクト、1996年。
  • 成沢大輔著『真・女神転生デビルサマナーのすべて』、アスペクト、1996年。
  • 成沢大輔&CB's Project編『真・女神転生デビルサマナー ワールドガイダンス』、ソフトバンク、1996年。
  • ファミ通書籍編集部編『女神転生十年史』、アスペクト、1998年。
  • エンタテイメント書籍編集部編『真・女神転生デビルサマナー 公式コンプリートガイド』、ソフトバンク クリエイティブ。


最終更新:2019年04月21日 15:18