
ミハル…俺はもう悲しまないぜ。お前みたいな娘を増やさないためにジオンを叩く。徹底的にな!!
ジオン公国のMSによる侵攻で劣勢に立たされた連邦軍が戦局を覆すべく推進したMS開発計画「V作戦」に基づいて開発された中距離支援用MSで、「ガンダム」や「ガンタンク」と互換性を持つ「コア・ブロック・システム」を搭載している。戦闘では中距離支援を主任務としている為、「ガンダム」に比べて機動性では劣るが、シールドを必要としない程装甲は厚く、武装についても「240㎜キャノン砲」や、「ビーム・ライフル」などを装備している。「ホワイトベース隊」に配備された試作機が高い戦果を上げた為、大戦後期に少数が生産され、実戦に投入された。
スペック
分類 | 中距離支援用試作型モビルスーツ |
生産形態 | 試作機 |
型式番号 | RX-77-2 |
頭頂高 | 17.5m |
全高 | 18.1m |
本体重量 | 51.0t |
全備重量 | 70.0t |
主動力 | 熱核融合炉 |
ジェネレーター出力 | 1,380kw |
スラスター総推力 | 52,800㎏ |
装甲材質 | ルナ・チタニウム合金 |
センサー有効半径 | 6,000m |
開発組織 | 地球連邦軍 |
所属 | 地球連邦軍 |
主なパイロット | カイ・シデン、ハヤト・コバヤシ、アムロ・レイ他 |
初登場作品 | 機動戦士ガンダム 第8話「戦場は荒野」(1979年5月26日放送) |
パイロットプロフィール
- カイ・シデン
サイド7でジオン軍の襲撃に遭い、避難民として連邦軍の戦艦ホワイトベースに乗り込んだ少年で、性格は、日和見主義勝皮肉屋である為に達観しつつひねくれた言動が多く、当初は周囲の反感を買う事も少なくなかったが、仲間達と共に幾多の戦いを重ねる内に、戦う事への違和感を抱きつつも自分なりに戦いの意義を見出しながらホワイトベース隊の一員として戦った。尚、当初は機銃座の砲手を担当していたが、大型特殊車両の免許を保有していた為にガンキャノンのパイロットを務めている。
生年月日0061年、年齢17歳
CV:古川登志夫、下山吉光(ガンダムさん)
生年月日0061年、年齢17歳
CV:古川登志夫、下山吉光(ガンダムさん)
武装
- 60mmバルカン砲
ガンダムと同じく頭部に左右1対2門内蔵。本機の唯一の近接戦用武装。劇場版にて初使用。
- 240mmキャノン砲
胴体上肩側に左右1対2門装備されている実体弾兵器。ガンタンクのキャノン砲と比べると砲身が短く、口径が大きい。砲身には強制冷却用のジャケットが備えられており、連射も可能。
- ハンドグレネード
脚部に格納されている実弾兵器。劇場版でのみ使用。
- ビームライフル
本機の専用武装。ガンダム用の物より先発で開発されている事や本機の想定運用用途上ガンダム用のライフルよりも大型で取り回しが良くないが、代わりに照準機能が高性能で命中精度が高く、射程も30kmと長い(ガンダムのビームライフルの射程は8km前後とされる)事から狙撃用として運用された。
ドラゴニュートの人形劇では…
Episode3「結託」にて、ジャブローでモビルスーツ連合やダークアビスとの戦いでアシストを担当し、無事に生還した。映画第1作でもシャロームシティ防衛戦に参加しており、敵を撃破していた。撮影にはHGUCのREVIVE版ガンプラを使用している。
名台詞
TV版
- 「お高く留まりやがって。あ、あんたセイ…セイラとか言ったよな?」
第2話でセイラから「軟弱者」と罵られ、頬を張られた際の恨み節。この「不良みたいな口の利き方」に対するセイラのリアクションも含め、本作序盤における有名な遣り取りのひとつとなっている。
- 「ヘッ、裏切られたな。ヤツもエリート族かよ」
- ミライ「地球に住む人は、みんなエリートじゃないわ。現にアムロのお父さんは宇宙暮らしで、アムロは…お母さんとほとんど暮らした事が無いのよ」
- 「地球に家があるだけでもエリートさ」
第13話より。アムロが母に会いに故郷に向かったと聞いての台詞。カイの性格を表した台詞であると同時に、その後長きに渡り語られ続けるスペースノイドとアースノイドの軋轢を表した最初期の表現でもある。
- 「空襲か?」
- (ホワイトベースが攻撃されている? ミハルが知らせたにしちゃ、早過ぎるようだけど…)
第27話より。ホワイトベースを一時降りてミハルの自宅に泊まっている際に。カイはミハルと接しているうちに、彼女の正体がジオン軍の現地スパイであることに薄々気付いていく。「一歩退いた所から物事を見る」カイであるが、彼の洞察力が優れている証左であるとも言えるだろう。
- 「ホント、軟弱者かもね」
ジオン軍の襲撃を受けたホワイトベースに戻って来た際に、セイラから「軟弱者」と言われて。ここで言う「軟弱者」とは「ホワイトベースを降りる、とか言いながらも結局戻って来た」件を指すのだろう。
- 「…ミハル、いなくなっちまって…」
- 「なんで死んじまったんだーっ!」
第28話より。カイと一緒にジオン軍を迎撃していたミハルの死を知ったカイは、独り嘆き悲しんだ。
- 「ミハル…俺はもう悲しまないぜ。お前みたいな娘を増やさないためにジオンを叩く。徹底的にな!!」
第29話より。ジャブロー戦の出撃時に呟いた一言。『機動戦士ガンダム』屈指の名台詞と言われる。
- 「うちのチビ達はね、そんじょそこらのとはちと違うのよ。今まで何度も何度もドンパチの中、俺達と一緒に潜り抜けて戦ってきたんだぜ? 大人のアンタにだって想像のつかない地獄をね、このちっこい目でしっかり見てきたんだよ! 分かって? 俺達と離れたくないんだよ」
第30話より。カツ達3人のホワイトベース残留を、ここぞとばかりまくしたてる。
- 「スレッガーさんかい? 早い、早いよ!」
第32話より。接近するリック・ドム部隊に先制攻撃を仕掛けたスレッガーに対して。タイミングが早過ぎたこの攻撃は外れてしまった。
- 「そりゃそうだな。逆立ちしたって人間は神様にはなれないからな」
第42話より。ア・バオア・クー戦前のアムロのハッタリを見抜いた後に吐いた台詞。「ニュータイプは決して万能な存在ではない」という事を評している。
劇場版
- 「うぅっ!?手ぇ、どけってんだ!」
劇場版Ⅲ「めぐりあい宇宙編」のサイド6宙域でのコンスコン隊との戦闘中にて。撃破したリック・ドムの手が偶然にも乗機のガンキャノンの顔を掴んでしまった際の尤もな一言。尚、テレビシリーズでは残骸の手が顔を掴んでもこの一言のシーンは無かった。
- 「冗談じゃないぜ! 教本でもあるのかよ? 無いんだろ?」
- ブライト「連邦はジオンに比べて10年は遅れている。与えられた状況のなかで、最大限の努力をするんだな」
- 「親孝行しにいっちゃいけないのか?」
- ブライト「生き延びたいのなら、それもいい」
- 「俺の言いたいのはそういう事じゃないんだぜ。俺達、兵士が連邦の無能な官僚や参謀の盾となって死ぬのは嫌っだって事だ」
劇場版III「めぐりあい宇宙編」より。エルメスへの対処法を話し合っている時にて。皮肉まじりだが筋の通った正論であり、ミライも彼の言葉に同意している。
- 「そそっかしいからよ。こういう時は、臆病なくらいがちょうどいいのよね」
ア・バオア・クー戦にて功名を焦るあまりに敵軍に撃墜された友軍機に対して。「一歩退いた所から物事を見る」カイらしい台詞であるが、数多くの激戦をかいくぐって来たエースパイロットとしての風格も感じさせる。
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