
まだだ、たかがメインカメラをやられただけだ!
ジオン公国のMSによる侵攻で劣勢に立たされた連邦軍が戦局を覆すべく推進したMS開発計画「V作戦」に基づいて開発された白兵戦用MSで、戦闘データの回収と多角的運用の為、「ガンキャノン」や「ガンタンク」と互換性を持つ「コア・ブロック・システム」を搭載しているほか、「ルナ・チタニウム合金製」の装甲材や戦艦の主砲並の威力を持つ「ビーム・ライフル」など、当時の最先端技術が投入されており、一年戦争時の機動兵器の中でも最高クラスの性能を誇る。その汎用性は極めて高く、ほとんど無改修の状態で宇宙戦から水中戦まで対応することが可能である上に、単独での大気圏突入能力すら備えている。ガンダムはその性能の高さから「ホワイトベース隊」の主力兵器として驚異的な戦果を上げ続け、ジオン軍から「連邦の白い悪魔」と綽名され恐れられた。
スペック
異名 | 連邦の白い奴、白い悪魔 |
分類 | 汎用試作型モビルスーツ |
生産形態 | 試作機 |
型式番号 | RX-78-2 |
頭頂高 | 18.0m |
本体重量 | 43.4t |
全備重量 | 60.0t |
動力 | 熱核融合炉 |
ジェネレーター出力 | 1,380kw |
スラスター総推力 | 55,500㎏ |
装甲材質 | ルナ・チタニウム合金 |
センサー有効半径 | 5,700m |
開発組織 | 地球連邦軍 |
所属組織 | 地球連邦軍 |
所属部隊 | 第13独立部隊(ホワイトベース隊) |
主なパイロット | アムロ・レイ |
初登場作品 | 機動戦士ガンダム 第1話「ガンダム大地に立つ!!」(1979年4月7日放送) |
パイロットプロフィール
- アムロ・レイ
サイド7に住む機械いじりが好きな内向的な少年だったが、ジオン軍の襲撃に遭ったその戦闘の混乱の中で、偶然手に入れたマニュアルを基に連邦軍の新型MSガンダムに搭乗し、その後もガンダムのパイロットとして戦い続ける事になった少年である。当初は、自らの意に反してホワイトベース隊の一員となったゆえに度重なる戦いの心労や、連邦軍の戦艦ホワイトベースの艦長「ブライト・ノア」との軋轢によって出撃を拒否する事もあったが激戦の中で多くの出会いと別れを経験し、戦士としても人間としても成長していった。また、それは同時にニュータイプとしての覚醒を促しており、その能力でエースパイロットとして驚異的な戦果を挙げ続け、連邦軍に「ガンダム神話」を生み出す要因ともなった。
異名 白き流星、生年月日 宇宙世紀0063年11月4日もしくは0064年11月4日、身長168㎝、血液型AB型、年齢15歳
CV:古谷徹、代永翼(ガンダムさん)
異名 白き流星、生年月日 宇宙世紀0063年11月4日もしくは0064年11月4日、身長168㎝、血液型AB型、年齢15歳
CV:古谷徹、代永翼(ガンダムさん)
武装
- 60mmバルカン砲
頭部に左右1対2門内蔵。原作では主に牽制や小型兵器散らしに多用されたが、ザクの装甲程度なら蜂の巣状態に出来るだけの威力がある。初めて使用した際は緊張と興奮によるパニックトリガーで弾を切らしてしまった。
- ビーム・サーベル
ランドセルの左右に1本ずつマウントされている近接戦用の武装。ミノフスキー粒子(を収束したメガ粒子)をIフィールドで形状化させることでビームの剣身を形成する。
- ビーム・ジャベリン
ビーム・サーベルの柄を延ばし、その先端からビーム刃の穂先を形成する武装。
- ビーム・ライフル
モビルスーツ用の携行式メガ粒子砲。不使用時は腰部にマウント可能。
- ハイパー・バズーカ
本機の実体弾兵装である単砲身のロケット弾発射筒。不使用時は腰部にマウント可能。固定弾倉式で装弾数は5発で、一撃でMSを破壊するなど威力も高い。放送当時の児童誌設定によれば、10㎞先の戦車も破壊可能。
- ガンダム・シールド
ルナ・チタニウム合金製の機体とほぼ同じ長さの大盾。上部には前にかざして防御しながら射撃する際に視界を確保する銃眼スリットを有する。不使用時は背部にマウント可能。
- ガンダム・ハンマー
長い鎖で繋がれた棘付き鉄球を振り回して攻撃する質量兵器。一撃でザクを破壊するほどの威力があるが、扱いが難しい武器。
- ハイパー・ハンマー
ガンダム・ハンマーを強化した武装。棘の鋭くなった鉄球にバーニアを取り付けており、威力も向上した。ゴッグとの戦闘で初使用され、一撃目はゴッグをダウンさせたが、二撃目はゴッグの手によって受け止められてしまっている。
- スーパー・ナパーム
ビームライフルの砲身下部に装着可能な4連装のランチャーから発射するナパーム弾。広い範囲を焼き払うことが可能。作中では上記の様な使われ方をせず、サイド7で回収できない機体パーツを破棄するために発射ポッドごとビームライフルで撃ち抜いて着火する使われ方をした。
ドラゴニュートの人形劇では…
Episode3「結託」にて、ジャブローでモビルスーツ連合やダークアビスと交戦し、無事に生還した。映画第1作でもシャロームシティ防衛戦に参加しており、モビルスーツ連合の幹部であるグフをアレックスと協力して撃破した。撮影にはHGUCのREVIVE版ガンプラを使用している。
名台詞
- 「ハロ、今日も元気だね」
アムロの第一声。自分でそう作っておきながら、ぼやく様に言い放つ。メカいじりに没頭する様と合わせてアムロの元々の性格がよく出ている。古谷氏にとっても司馬宙のような熱血ヒーローからの脱却の切っ掛けとなった台詞として記憶に残っているとのこと。
¥「父さん! 人間よりモビルスーツの方が大切なんですか!」
第1話で、民間人の安全より軍の都合を優先させる父テム・レイに対して。
¥「父さん! 人間よりモビルスーツの方が大切なんですか!」
第1話で、民間人の安全より軍の都合を優先させる父テム・レイに対して。
- アムロ「フラウ、君までやられる、逃げるんだフラウ」
- フラウ「嫌よ…」
- アムロ「しっかりしろ、君は強い女の子じゃないか!?」
- フラウ「ううっ…」
- アムロ「港まで走るんだ。走れるな?フラウ・ボゥ!!僕もすぐ行く。行くんだ。走れ、フラウ・ボゥ!!」
- アムロ「走れ、フラウ…」
- 「そ、そうだ。フラウ・ボゥ、い、いいぞ…」
両親を失ったフラウに対して逃げろというアムロの台詞。
- 「こいつ……動くぞ!?」
ガンダムに初めて乗り込み、コクピットを見て驚いた際の台詞。ちなみに、ガンダムに乗った際の初台詞は上記の台詞ではなく、マニュアルを見て呟いた「同じだ」というもの。
- 「すごい、五倍以上のエネルギーゲインがある」
同じくガンダムに初めて乗った時に言った台詞。実は「エネルギーゲイン」という単語自体には特に意味が無く、わかりやすく「他のメカよりすごい」という印象を持たせたかった、との事。
- 「アムロ、行きまーす!!」
有名なガンダム発進時の台詞。古谷徹氏もお気に入りの台詞。後のガンダムシリーズ作品でもアムロに声が非常に良く似たあるキャラクターが似たような台詞を発言している他、同じく古谷氏が演じる『ビデオ戦士レザリオン』の主人公・香取敬もこの台詞を放つ。今ではもうすっかり敵味方キャラ問わず発進時にこれと類似した台詞と共に出撃するのがシリーズのお約束となった。ただし、実際は類似する台詞(「ガンダム、行きまーす!」や単に「行きまーす!」等)こそ劇中に度々登場するものの、この台詞は全43話中第21話の1回だけしか登場せず、しかもその1回でアムロが乗っていたのはガンダムではなくコアファイターである。余談だが、2018年に公開されたスピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』では、アバターの一人「ダイトウ」がガンダムへの変身時に「俺はガンダムで行く(I choose the from of Gundam)!」と(英語ではなく)日本語で叫ぶ、というガンダムシリーズファンならばニヤリとさせられる場面が存在している。
- 「相手がザクなら人間じゃないんだ!」
第2話でザクにビームライフルの照準を合わせつつ発した台詞。TV版ではこの前に「生身のシャア一行に向けてビームライフルを撃ったが、あまりに目標が小さすぎて全然当たらなかった」というシーンが描かれており、「今度は人間のような小さな目標ではないから当てられる」という意味が込められているが、劇場版ではそのシーンがカットされている為、あたかも「ザクは人間ではないから人殺しにあたらない」とパイロットのことを無視して自己正当化しているような印象を受ける。ただし後者の解釈だとしても、なし崩しで戦争に参加した15歳の少年がそう思い込むことで自己を保っているとも取れるため、そう不自然でもない。
- 「こ、これが、た、戦い…」
シャアに先手を打たれ武者震いした台詞。
- 「わあああああああああ!!」
少年時のアムロはビームサーベルで斬りかかる際に大声を出して相手に立ち向かっていく癖があった。もはやそれは絶叫のレベルに近い。
- ブライト「ガンダムの性能を当てにしすぎる。戦いはもっと有効に行うべきだ」
- 「な、何?」
- ブライト「甘ったれるな! ガンダムを任されたからには、貴様はパイロットなのだ。この船を守る義務がある」
- 「い…言ったな!」
- ブライト「こう言わざるを得ないのが、現在の我々の状態なのだ。やれなければ、今からでもサイド7に帰るんだな」
- フラウ「ブライトさん!」
- 「やれるとは言えない。けど、やるしかないんだ。僕にはあなたが!」
- ブライト「憎んでくれていいよ。ガンダムの整備をしておけ。人を使ってもいい。アムロ、君が中心になってな」
シャアのザクIIを退け、ホワイトベースに帰艦したアムロだったが、ブライトに「ガンダムの性能を当てにしすぎる」と非難されてしまう。
- 「あなた方は自分のことしか考えられないんですか!?」
- 「誰が自分だけの為に戦うもんか! 皆さんがいると思えばこそ戦ってるんじゃないか!! 僕はもうやめますよ!?」
第7話で、ホワイトベースに収容していた避難民たちが騒ぎ出した時の台詞。ホワイトベースのクルー全員の心情を代弁した台詞とも言える。
- 「やめてくださいよ!そんなにガンダムを動かしたいなら、あなた自身がやればいいんですよ!」
第9話で、度重なる戦闘で溜まり溜まった疲労とストレスからか、部屋に篭ってダダをこねている所に、ブライトに無理矢理立たせ様とされて言った台詞。当然、ブライトは操縦など出来ない為、「それが出来ればやっている。貴様に言われるまでもなくな」と開き直るしかなく、アムロも「僕だって出来るからやっているんじゃありません」と売り言葉に買い言葉で返した。そして、ついに。
- 「殴ったね……」
- 「ぼ、僕がそんなに安っぽい人間ですか!」
- 「二度もぶった……! 親父にもぶたれた事ないのに!!」
上記の台詞の続きでブライトに鉄拳制裁を受けた時に言った言葉。激怒したアムロは「誰が二度とガンダムになんか乗るものか」と当時のロボットアニメではまずあり得ない台詞を吐いて戦闘を拒否するが、ブライトからアムロに対する期待を露呈し、フラウからの叱責を受け「悔しいけど、僕は男なんだな…」と意を決してジオンとの戦いに向かうこととなる。この台詞はガンダムシリーズの中では有名であり、アナザーガンダムだけでなく他作品などでもよくパロディやオマージュに使われる事が多い。
- 「ぼ、僕が……かたき……」
第11話にて、見も知らぬ人間であるイセリナから、突如「ガルマ様のかたき」呼ばわりされて茫然とする。イセリナの実際の仇とすべき人物は、婚約者であるガルマの友人だった上に、当時のアムロは単独行動でモビルスーツ隊を誘導する役割を担っていたため、実際にガルマのガウを撃墜したホワイトベース、カイのガンキャノン、ハヤトのガンタンクだった。当時のホワイトベース隊の中では実はアムロはガルマ戦死の当事者としては一番関与が薄い。
- 「これからもお達者で、お母さん」
第13話にて、母カマリアの眼前でジオン公国軍兵を銃撃したことから、アムロは非難されてしまう。そこで、自分の状況を理解してくれない母に失望し、もう遠い存在になっていた事を思い知る。その後他人行儀な挨拶で別れを告げるのだが、もしかすると母に向けた最後の優しさだったのかもしれない。しかし、カマリアにとっては自身への拒絶でしかなく、両者は最後まですれ違ったままであった。ぎこちなく敬礼をし、自分の元から立ち去って行った息子の姿にカマリアは何を思ったのか…。
- 「あなたの体に染み付いている戦いの匂いが、追跡者を引き付けるんじゃないんでしょうか?」
第15話で、ジオン公国軍の脱走兵であるククルス・ドアンは、島の子供たちの親を殺してしまったという過去があった。そして、その贖罪のために軍を抜け、子供たちを守るべく戦い続けてきたことをアムロは知る。
- 「それを消させてください、ククルス・ドアン」
前述のセリフのあと、この台詞とともにガンダムでドアンのザクを海に沈める。子供を守ろうとするあまり所属を問わず接近する兵器に攻撃を加えていた行為こそが更なる敵を呼んでいたとし、ザクを海に沈めることでドアンを戦いの呪縛から解き放った。
- 「いいぞ、ハヤト。この程度の地上基地ならこのガンタンクの機動力と火力で十分に対抗できる」
- 「用兵の問題はまだブライトさんには分かりゃしない。なんでもかんでもガンダムで戦わせればいいってものじゃない」
第17話で、アムロは「ガンダムで出ろ」というブライトの命令を無視し、こう言いながらガンタンクで出撃する。確かに鉱山基地の攻略だけならガンダムは不要というアムロの判断自体は間違いではないのかもしれない。だが、命令を無視されたブライトがどう思うか、組織の一員としての行動をまったく考えておらず、明らかにブライトのことを軽視していることがこの発言から見て取れる。この後ギャロップも戦場に現れたことでガンダムへの乗り換えを余儀なくされ、「兵士には作戦全体を見通す事ができる訳ないんだ」とブライトからの手痛い一言が待っていた。
- 「僕、乞食じゃありませんし」
第19話にて、ホワイトベースから脱走、放浪中に食堂でランバ・ラル夫妻と出会い、ラルの「おごらせてくれないか」という好意をこの台詞で断った。ラルは敵国の軍人を目の前にしても動じないアムロの態度を気に入る。ちなみに当時は問題なかったものの現代では「乞食」は差別用語として扱われている。
- 「僕が一番、ガンダムを上手く使えるんだ……!」
- 「一番…一番上手く使えるんだ!!」
ランバ・ラルのグフを撃破し、ホワイトベースに戻ってきたアムロだったが、ブライトらによって独房に入れられてしまう。この処分に対し、アムロは自分がガンダムを一番うまく使えると叫び続けた。自分で言ってしまうのは傲慢でしかないのだが、そんなことすら気づかない。アムロの未熟さの表れだが、勝てたのはガンダムの性能のおかげだというラルへの言葉への反発から飛び出した言葉でもあった。
- 「僕は……あの人に勝ちたい!」
上記の台詞の直後に発した台詞。ラルから「自分の実力ではなく、ガンダムの性能のおかげで勝ったに過ぎない」と言われた事を思い出して。
- 「むふふ…………やっほーーう!!」
第24話にて、マチルダと撮った写真を見つめて。カイがマチルダと写真を撮る事を思い付いたのに彼もそれに便乗した格好であり、実際のところ写真はマチルダ以外に多数の少年兵も参加したため集合写真の様相を呈しており、アムロの位置もマチルダから離れたフレーム右端だったのだが、憧れのマチルダと一緒に写真に写れたことで文字通り飛び上がって歓喜するのだった。この時期のアムロにしては珍しい全身で喜びを表現するシーンである。
- (に、二階級特進?二階級特進で。二階級特進……)
- 「そ、それ、だけ、なんですか?」
- 「二階級特進だけで……それだけで、おしまいなんですか!」
- 「戦っている時はなんにもしてくれないで、階級章だけで」
- 「リュウさんやほかの人にありがとうの一言ぐらい…」
第30話で、戦死したリュウの処遇を聞いての憤り。実際の所、戦死時の階級に下駄を履かせることで戦死見舞金や遺族年金の査定額が引きあがるため、「それだけ」というほど冷たい処遇ではない。ちなみに、士官相手に反抗的な態度を見せたためか、この直後に手痛い暴力を受ける羽目に。
- 「小さい子が人の殺しあい見るの……いけないよ……」
同上。カツ・レツ・キッカを連れていくかジャブローに残していくかの議論で、ボソッと呟く。何度もの死線をくぐり抜けてきたアムロだからこそ言える、重みある一言。
- (こ、こんな古い物を……父さん、酸素欠乏症にかかって……)
酸素欠乏症にかかって精神に異常をきたしたテム・レイからガンダムの部品を渡されて。
- 「あ、圧倒的じゃないか……!!」
第36話で、ビグ・ザムの絶大な力を見て戦慄。
- 「ラ……ラァ?」
第37話、テキサス・コロニーでマ・クベのギャンを撃破した後で、近くにシャアと共にいるララァの存在を感じ取って。ニュータイプとしての素養が開花し始めていた。
- 「下がれ!この敵はいつものMAとは違うぞ!下がれっ!」
- 「下がれ!この敵は違うんだ!」
第39話で、シャリア・ブルのブラウ・ブロと交戦した際の台詞。カイやセイラに対していつも敬語のアムロが、なりふり構わず必死に退避を呼びかける姿が非常に印象的。オールレンジ攻撃によりカイのガンキャノンは一撃で下半身が吹き飛び、セイラやハヤトは機影を捉えることすら出来ず、ガンダムはアムロの操縦に機体が追い付かなくなり遂にオーバーヒートを起こしてしまう。
- 「ララァ! なら、なぜ戦う!?」
第41話で、シャアのゲルググ、ララァのエルメスと交戦した時、互いのニュータイプ能力が共鳴。アムロはこの台詞でララァに戦う理由を問うた。
- 「ラ……ララァ……! 取り返しのつかない事を……取り返しのつかない事をしてしまった……! うぅ……」
心ならずもララァを討ってしまい、号泣するアムロ。以降のアムロとシャアにとって、この出来事は一生消えない心の傷となった。
- 「僕は……取り返しのつかない事をしてしまった…。僕はララァを殺してしまった……」
劇場版でのララァを討ってしまった台詞はこちら。
- 「やるしかないのか…。な! なぜ出てくるっ!」
ア・バオア・クーの戦場にて。ガンダムとジオングが相対する中、間に突っ込んできた学徒兵のザクを返り討ちにしながら。
- 「こう近づけば四方からの攻撃は無理だな、シャア!」
- 「…なぜ、ララァを巻き込んだのだ!? ララァは戦いをする人ではなかった!」
ア・バオア・クー攻略戦でシャアの乗るジオングと交戦し、ララァを結果的に自ら殺すハメになった事を責める。
- 「まだだ、たかがメインカメラをやられただけだ!」
ジオングに頭部を破壊された時の台詞。ニュータイプとしてアムロの研ぎ澄まされた感覚の前には、メインカメラの有無は関係無かったのかもしれない。ガンダムに無断搭乗してメインカメラを破壊されたセイラは大いに混乱していた事を考えると、すでに人間の域を超えている。
- 「ごめんよ…。まだ僕には、帰れるところがあるんだ…。こんなにうれしい事はない…。わかってくれるよね? ララァには、いつでも会いに行けるから……」
『機動戦士ガンダム』の最終話を締めくくった台詞。ここだけを見ると完全に吹っ切ったように思えるのだが、シャアほどではないにしろ13年間も取り憑かれるハメに。
迷台詞
- アムロ「ハヤト、ガンキャノンの弾は残っているか?」
- ハヤト「今ので最後だ」
- アムロ「よし、援護を頼むぞ」
1st第22話。ハヤトのガンキャノンと共に戦っていたアムロだが、接近戦に持ち込むためにハヤトに支援を要請する。が、ガンキャノンの弾が切れていたことを聞いていたにもかかわらず援護を頼んでしまう。アムロの無茶振りにハヤトは近くにあった巨大な岩を抱え上げ、敵に向かって投げつけることで応える。アムロも岩に隠れる形で敵に強襲、なんだかんだで良好なコンビネーションを見せ付け敵の撃破に成功している。確かにガンキャノンの弾が切れてしまっていれば、遠距離への打撃力が落ちるため、アムロが懐に飛び込むか、二人揃って引かない限り戦況は打開しないのではあるが…。一般解は「ガンキャノンの弾が残っている間にアムロが突っ込む」なので、アムロの判断ミスといえば判断ミス。
余談
- 企画段階のデザインはほぼ変わりないが、カラーリングが白一色であった。なお、これを見たスポンサーの玩具メーカー『クローバー』は「白一色では玩具として売れない。三色に塗り替えろ」と指示。白基調を残したかったため、胴体や各部にトリコロールカラーを塗ることで正式決定となった。
- 「ビームサーベル、頭部バルカン、ビームライフル、シールド」という装備は、基本的にガンダムシリーズ作品の大半の主役機に共通する武装である。ただし頭部バルカンに関しては実装されるかは他の三種と比べまちまちになっており(代わりに胸部などにバルカンの類の武装を着けている例も)、特に『00』以降のアナザーガンダムでは一切不採用になっている。
- 宇宙世紀やそれ以外の世界でも、本機の黄色いカメラアイを採用したガンダムタイプは意外なほど少ない(Hi-νガンダムや∀ガンダム、ストライクガンダムなどが代表例で、『AGE』でもAGEシステムを外したガンダム各機、G-セルフが該当)。一方で、Mk-IIの「黄色いアンテナと緑のカメラアイ」という組み合わせは数多くの機体で採用されており、ガンダムの新しいスタンダードカラーになっている。さらに「白いアンテナ」を採用したガンダムタイプは輪をかけて少なく、Hi-νガンダムや∀ガンダム、ガンダムエクシアやダブルオークアンタ、ガンダムAGE-1、ガンダムAGE-2、G-セルフ、『水星の魔女』のファラクトとキャリバーンを除いた各ガンダムくらいしか存在しない。ただし、放送当時はもとより現在でも、黄色アンテナで描かれていることはある(横井版『SDガンダム』や漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』など)。
- 『機動武闘伝Gガンダム』では、ラストのデビルガンダム戦に特別出演しており、各ガンダムに紛れて発射するロケットに抱きついているシーンが見られる。
- 放映当時のガンダムは若干タレ目のデザインで描かれており、当時の視聴者からの人気はザクに負けていた。その証拠に、続編『Ζ』との間に出たMSVではザクのバリエーションが大量に出たのに対し、肝心のガンダムはフルアーマーガンダムとパーフェクトガンダムのみであった。この人気を覆したのが続編のMk-IIとΖであり、以後初代がプラモデルやゲームに出演する際は、Ζ以降のデザインに準じたややスマートでツリ目のデザインにリファインされている。
- パーフェクトガンダムは、当時機動戦士ガンダムの作画に参加していた板野一郎氏が対ジオング用の決戦装備として原画作業の合間に描いた物が原案である。
- クローバー製の玩具『ガンダムDX合体セット』のガンダムには肩に装備する「ハイパー・バズーカ砲」、槍と斧が組み合わさった「ソードジャベリン」といった武器が付属していたが、いずれも本編には未登場。しかしこれらの構想はフルアーマーガンダムなどのMSV出典の機体や、後年の作品に登場するMSの武装などに受け継がれている。また、このガンダムの両手は「G(ガンダム)・パンチ」という名前の拳が敵機に向かって飛んでいく武器になっていた。こちらも本編とは関係ない武装だが、後年の公式外伝漫画作品やSDガンダムにはロケットパンチ的な武器を装備したガンダムも登場している。以上列挙したクローバー製の玩具『ガンダムDX合体セット』に付属するガンダムの武装は「リアルロボットという概念が希薄だった時代の産物」と評すべきものであろう。
- ガンプラブームが爆発した頃、それに便乗する形で『モビルフォースガンガル』なるパチモンプラモが販売されていたことは有名。ガンガルは形状的にはガンダムとは全く別物なのだが、色合いが微妙に似ている人型ロボットなので、作品を知らない当時の人間はガンダムと誤認しやすいという絶妙な姿をしていた。なおこのガンガル、ガンダムに似せた商品として逆に有名なためか、ガンガルそのもの或いはガンガルに酷似したものとして、プラモデルの登場する作品ではネタにされやすい。『ナイツ&マジック』のアニメ版では、ガンガルをさらに元ネタにしたプラモデル『ガーンガル』がちらっと映っている。『ケロロ軍曹』の原作漫画版でも何度か取り上げられているが、アニメ版では版権の都合でダンガルに差し替えられている。このアニメの制作会社は本家ガンダムと同じサンライズなので、パクられた側がパクった側の版権に配慮するという奇妙な図式となった。SDガンダムシリーズの方にはガンガルがモチーフの一つとして取り入れられていると思われるキャラクターが登場している。そのキャラが「悪の魔王」であるあたり何とも意味深である。
- 80年代前半に『月刊コロコロコミック』で連載されていたギャグ漫画『超人キンタマン』には、RX-78-2そのものである「オガンダム」なるキャラが登場し、数珠を手に何かと「ナンマイダ~」と読経を唱えるギャグを連発していた。折からのガンダムブームの影響もあって、オガンダムは読者からの絶大な人気を獲得し、スクラッチモデルの紹介記事なども組まれた。しかし、ほどなくして作者がサンライズの了承を得ずに登場させていた事実が発覚。以降、オガンダムは「バカラス」なる別のキャラ(こちらはブライガー似のデザインだが…)に改造されたという設定で姿を消し、単行本からも削除されるという黒歴史を地で体現した存在になった。なお、2011年に放送された『機動戦士ガンダムAGE』は『コロコロ』と提携しているが、オガンダムの一件が水に流れたか否かについては謎。一方、『週刊少年ジャンプ』で連載されていた漫画『銀魂』ではRX-78-2の頭部にモザイクをかけただけのそっくりなロボット「頑侍がんさむ」が登場しており、「アニメ版の製作会社が『サンライズ』のため版権は問題無い」と登場人物が作中で語っている(そもそも、アニメのオリジナルエピソードでガンダムがそのまま出たことがある)。ちなみにアニメ版では「頑侍」はそのまま登場し、頑侍に乗り込んだのは桂小太郎(演者はアスラン・ザラ役の声優である石田彰氏)で、出撃時には主題歌「翔べ! ガンダム」も流れてしまった(さすがにそのまま流すのはダメだったのか、TV放送時は「ガンダム」の「ダ」の所だけ、映像ソフト版はまるまるカラオケにしている)。
- サンライズ制作のアニメ『アイカツスターズ!』第19話において、作中のキャラクターがガンダムのハイパー・バズーカに酷似した代物を使用して捕獲用ネット弾を射出する場面がある。これはアニメ版『銀魂』の例と同じく、アニメ制作会社に因んだパロディの場面である。ちなみに、同作第51話ではさらに凄いことになっている。
- TV版『機動戦士ガンダム』放送開始から30年後の2009年に「GREEN TOKYOガンダムプロジェクト」の一環で、全高(18.0m)などのディテールを忠実に再現した1/1スケールの実物大ガンダムが東京都品川区に所在するお台場・潮風公園に期間限定(2009年7月11日~2009年8月31日)で建てられた。この実物大ガンダムはガンダムシリーズファンのみならず観光客に大好評であった。その後は一旦解体を経て、静岡県静岡市葵区に所在するJR東静岡駅北側の東静岡広場に設置(2010年7月24日~2011年4月1日)された。その後、東京都江東区に所在するお台場・ダイバーシティ東京プラザ内のフェスティバル広場に設置(2012年4月19日~2017年3月5日)された。
- 2018年に公開されたスピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』にガンダムが登場して、ハリウッドデビューを飾る。この作品ではバーチャルゲームに興じる人々がさまざまなアバターを身にまとうことで戦闘を行う設定になっており、劇中ではアバターの一人「ダイトウ」がアイテムでガンダムに2分間だけ変身し、アイアンジャイアントと共にメカゴジラと死闘を繰り広げた。ちなみに原作小説では主人公がウルトラマンに変身していたため、変身時間は3分間とされている。映画でも企画段階ではウルトラマンを出す予定だったが、円谷プロが当時版権問題で揉めていたために許可が出なかったので、その代役としてガンダムが出演することとなった。現在は版権問題は解決し、スピルバーグ監督も続編を作る時はウルトラマンは絶対に出したいと語っている。なお、ガンダムへの変身時に決めたポーズは、実はΖΖガンダムの合体時のポーズである。原作者のアーネスト・クライン氏によると「カッコイイから」との理由で採用したとのこと。2020年7月3日に金曜ロードSHOW!で『レディ・プレイヤー1』が放映された際には、各ガンダム作品の公式Twitterが「俺はガンダムで行く!」を各々のガンダムの画像と共にツイートするという出来事があった。ちなみにワーナーブラザーズジャパン側からもしっかりリツイートされている。
- 2020年に、1/1スケールで手足が動くガンダム「RX-78F00 ガンダム」が横浜市中区に所在する山下ふ頭に期間限定(2020年12月19日~2022年3月31日)で公開された。流石に現代の技術では歩くことはできず、腰部を後方から支持台車と固定されている。
- 映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』公開に伴い行われた「日本全国『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』行きます!」企画では神奈川県代表として同施設が選出され、キラ・ヤマトと共に映る記念イラストが公開されている。
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