
ザクとは違うのだよ! ザクとは!
ジオン公国が重力下での運用を前提として「ザクII」を基に開発した陸専用量産型MSで、ザクIIに比べて機動力や運動性の向上、装甲の強化が施されている。さらに、内装されたサブスラスターなどの効用によって走破性も格段に向上しており、湿地帯や岩場でも高い機動性を発揮するほか、右腕には高熱を発する伸縮自在の電磁鞭「ヒート・ロッド」を内蔵するなど、白兵戦に特化した高性能の機体となっているが、内蔵式の武装には汎用性が低く、扱いも難しかった為、操縦には熟練した技術が必要とされた。
スペック
分類 | 陸専用モビルスーツ |
生産形態 | 試作機→量産機 |
型式番号 | YMS-07B(先行量産型)、MS-07B |
頭頂高 | 18.2m |
全高 | 18.7m |
本体重量 | 58.5t |
全備重量 | 75.4t |
動力 | 熱核融合炉 |
ジェネレーター出力 | 1,034kw |
スラスター総推力 | 40,700㎏ |
装甲材質 | 超高張力鋼 |
開発 | ジオニック社 |
所属 | ジオン公国軍 |
主なパイロット | ランバ・ラル |
初登場作品 | 機動戦士ガンダム 第12話「ジオンの脅威」(1979年6月23日放送) |
パイロットプロフィール
- ランバ・ラル
ジオン軍宇宙攻撃軍司令「ドズル・ザビ」直属の特務部隊、通称「ランバ・ラル」隊の隊長で、「青い巨星」の異名を持つ歴戦の職業軍人である。ジオン共和国建国の功労者の一人「ジンバ・ラル」の息子で、自らを「ゲリラ屋」と称するほどのゲリラ戦術のスペシャリストであり、指揮官としてもMSパイロットとしても一級の腕を持ち、さらに自らの出世が部下の生活の安定に繋がると考えて困難な任務を受け、自らグフを駆って前線に赴き、冷遇される部下の為に敢えて火中の栗をも拾おうとする義理堅さを持つなど、部下からの人望も厚い。
生年月日0044年頃、年齢35歳
CV:広瀬正志、喜山茂雄(THE ORIGIN)
生年月日0044年頃、年齢35歳
CV:広瀬正志、喜山茂雄(THE ORIGIN)
武装
- ヒート・ロッド
右腕に内蔵されている伸縮可能な電磁式の鞭。敵機に巻きつけて電子回路を破損させたり、発生する熱で敵機を溶断したり出来る。本機を象徴する武器である。しかし、完全に使いこなすには相応の操縦技量が要求されたため、一般兵は専ら熱溶断機能で武器として用いることが多かった。
- 75mm5連装フィンガーバルカン
左腕のマニピュレーターに内蔵されている機関砲。「フィンガーランチャー」とも表記される。ヒートサーベルをしっかり握り締める程度の可動性はあるものの、マニピュレーターとしての性能が低下しており、パイロットからの評判はあまり良くなかったらしい。
- ヒートサーベル
格闘戦用の武装。シールドの裏側にマウントされている。対ガンダム戦で使用した。ちなみに、当初の設定では「ビームサーベル」だったらしく、ラル機がガンダム相手にシールドを投げ捨てて起動させるシーンでは刀身が伸びている。
- シールド
左腕に装備。裏側にヒートサーベルをマウント可能。
名台詞
TV版
- 「うろたえるな。これが地球の雷というものだ」
初登場の第12話より。雷を地球連邦軍の攻撃と勘違いして大騒ぎになったランバ・ラル隊兵士を諫めた台詞。物怖じしないラルの豪胆さが印象に残る。。スペースコロニー内では地球の自然環境が擬似的に再現されているが、実際のそれはスペースノイドにとって縁遠いものとなっているという世界観を端的に伝えている。
- 「ザクとは違うのだよ! ザクとは!」
第12話より。ガンダムがビームサーベルを引き抜こうとする際にグフのシールドを巧みに使いガードして。言わずと知れたランバ・ラルを代表する名台詞。
- 「私はゲリラ屋だ。ガルマ様の敵討ちをすればすぐ宇宙へ帰る」
第16話「セイラ出撃」にて。マ・クベの鉱山がある中央アジア領域でホワイトベースの追撃戦を行うことについて、マ・クベの思惑を懸念するハモンに対しての発言。「自分は戦いに来たのであり、縄張り争いをしに来たわけではない」との意図であると思われるが、当のマ・クベは鉱山の存在自体別派閥の人間に知られたくないという立場であり、これが後々に響き補給を止められる事態となってしまった。
- 「お前の言う通り、今度の作戦はザビ家の個人的な恨みから出てはいる。しかしだな、この戦いで木馬を沈めてガルマ様の仇を討ってみろ、ワシは二階級特進だ。ワシの出世は部下達の生活の安定に繋がる」
- ハモン「兵達のため?」
- 「お前のためでもある。ザビ家により近い生活ができる。まぁ見ていろ」
第17話より。木馬討伐の任務を受けた理由をハモンから聞かれた時に。
- 「気に入ったぞ、小僧。それだけはっきりものを言うとはな」
第19話より。砂漠のバーでアムロと対面したシーン。ラルの軍の態度に不快感を示したアムロに対して。
普通の敵兵相手ならば銃殺もあり得るのだが、あえてラルはアムロへ何もしなかった。むしろラルの懐の広さを見せている。一方、この判断にはわざとアムロ(および彼を追ってきたフラウ)を泳がせて尾行し、木馬の位置を探るという冷徹な意図もあった。
普通の敵兵相手ならば銃殺もあり得るのだが、あえてラルはアムロへ何もしなかった。むしろラルの懐の広さを見せている。一方、この判断にはわざとアムロ(および彼を追ってきたフラウ)を泳がせて尾行し、木馬の位置を探るという冷徹な意図もあった。
- 「せ、正確な射撃だ。それゆえコンピューターには予想しやすい」
同上。ビームライフルの連射を一歩も動かず上半身の動きだけで避けながら。最初は動揺するも、すぐ冷静に対処してみせた。
- 「まさかな…時代が変わったようだな、坊やみたいなのがパイロットとはな!」
同上。お互いの斬撃で出来た裂け目からアムロと対面して。ガンダムのパイロットが自分よりはるかに若い少年であった事に驚きを隠せず呟く。
- 「見事だな! しかし、小僧、自分の力で勝ったのではないぞ! そのモビルスーツの性能のおかげだということを、忘れるな!」
同上。グフが撃墜され、ガンダムにワイヤーを引っ掛けながらアムロに言い残した台詞。当初、アムロには「負け惜しみ」としか聞こえなかったが、後に気持ちを改めている。しかしながら、ラルとグフが得意とする接近戦でアムロが真っ向勝負で勝利できたのもまた事実であり、その点ではラルの方が発言力で上手だったと言える。
- 「いや、このランバ・ラル、たとえ素手でも任務はやり遂げてみせるとマ・クベ殿にはお伝えください」
第20話より。ドムの補給ができなくなった事(実際はマ・クベによる虚偽の内容)を報告しに来たウラガンに対して。この発言に対しウラガンは「戦馬鹿」と陰口を言ったが、一方のラル達もマ・クベからの補給を当てにしておらず、逆にゲリラ屋としての戦いに意欲を燃やした。
- 「ふふ、この風。この肌触りこそ戦争よ」
同上。マ・クベの策略で補給が届けられず、ホワイトベースに白兵戦を仕掛ける際に放った台詞。
- 「銃を持っていれば殺す。どこかに隠れているんだ」
同上。ホワイトベースのサブブリッジに向かう途中、フラウ・ボゥに遭遇するが、彼女の銃を落とし、退避を促す。
- 「あっ! …ひ、姫、ひ、姫様か…!?」
- セイラ「ああ」
- 「間違いない、アルテイシア様に違いないな。私をお忘れか? あなたの父上ジオン・ダイクン様に御仕えした、ジンバ・ラルの息子ランバ・ラルですぞ」
同上。白兵戦の最中、敵兵セイラと出会って、彼女の正体がダイクンの遺児アルテイシア・ソム・ダイクンであると気づいた際の台詞。
- 「ハモンすまぬ。木馬をギャロップで撃破してくれ…ランバ・ラル、戦いの中で戦いを忘れた…ア、アルテイシア様が…」
同上。セイラに気を取られ重傷を負いながらハモンに通信した際の台詞。
- 「わしの戦っていた相手が皆、年端もいかぬ少年達とは皮肉なものだ…」
- 「君達は立派に戦って来た。だが、兵士の定めがどういうものかよく見ておくのだな…」
同上。逃げ場を失ったラルは投降せず、己の死を持って少年達に戦争の現実を教え込ませた。
劇場版
- 「立派な戦い方だったぞ諸君!だがよく見ておけ!」
- 「戦いに敗れるとは、こういう事だぁっ!!」
こちらは劇場版での最期の台詞。少年でもわかりやすいようにか、TV版よりも簡潔になった。
添付ファイル