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  • 決闘バトルロイヤル @ ウィキ
  • 刃骸魔境(中編)

決闘バトルロイヤル @ ウィキ

刃骸魔境(中編)

最終更新:2025年05月24日 23:16

zombi2baisoku

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当然の話であるが、ウルトラゼットライザーには制限が加えられている。
最たる例はウルトラマン・怪獣共に変身後の大幅なサイズダウン。
本来のトライキングに比べればパワーもタフネスも、縮小に伴い低下は免れない。
では恐れるに足りない雑魚かと言うと、それもまた否。
あくまで元々に比べれば小さいだけで、三階建ての建造物を余裕で追い越す程度には巨大。
等身大サイズの参加者からすれば、十分な脅威に映るだろう。

トライキングが取った戦法は極めてシンプル。
拳を握って眼下の敵目掛け振り下ろす。
特別な異能も何もない、純粋なまでの暴力。
フォームだって格闘経験を学んだソレとは程遠い、力任せの一撃に過ぎない。
しかし単純な殴打も放つ存在が十代の少女ではなく、『怪獣』ならば脅威の度合いは何十倍にも引き上げられる。
ましてトライキングの両腕のパーツは古代怪獣ゴルザ。
マッシブな見た目は飾りに非ず、地底を高速で掘り進むのに適した剛腕。
そのような腕力を乗せたパンチを受け止めようものなら、地面の染みになる末路以外有り得ない。

だがエボルは哀れな犠牲者の枠に入らない、真っ向より迎え撃てるライダー。
片手に超硬合金製の斧を握り、頭上より飛来する拳を睨む。
避ける素振りは見せない、見せる必要も無い。
自身の体躯を超える拳へ得物を叩き付け、力任せに弾いた。

強化ボディスーツが運動能力を最大以上に高め、ヒューマギアの限界を超えたパワーを発揮。
更に物体を意のままに操る、赤いオーラを纏わせる。
接触した対象を押し返し、圧殺されるのを防いだ。
ドライバーこそ複製品でも、オリジナルのエボルに見劣りしないハイスペックである。

まさか避けるのではなく、弾かれるとはキャルにも予想外。
とはいえ驚きは長続きせず、即座に気を引き締め直す。
忘れるなかれ、自分達が巻き込まれた殺し合いはカイザーインサイトでさえ参加者側にいる魔境。
怪獣相手に真正面から戦える者がいても、何ら不思議はない。

一撃防がれたからといって、勝負がお開きにはならない。
どちらか片方が力尽きねば終わらず、そちら側になるのは真っ平御免。
再度拳を振り下ろせば、エボルも得物を用いて対抗。
衛星ゼアが生成した武器は切れ味のみならず、強度も破壊困難だ。
対するゴルザの拳もまた、ウルトラマンティガと肉弾戦を繰り広げた凶器。
互いに僅かな亀裂すら生まれず、ならば次だと三撃目に移行。

『こんの…!』

殴る、殴る、殴る、殴り続ける。
地上へ降り注ぐ無慈悲な拳の雨を、甘んじて受け入れる趣味はない。
右拳を押し返し、左拳へ斧を叩き付け、次の攻撃も同様。
十を超えても双方受けたダメージはゼロ。

変化の見られない戦況維持をキャルは望まない。
殴るだけが能でない所を、そろそろ見せてやる頃合いか。
両腕の動きは止めず、額へエネルギーを収束。
紫に輝く超音波光線が、エボルを飲み込まんと迫り来る。

地球外の物質を利用した装甲は、並大抵の攻撃では傷一つ付かない。
しかし敵の巨大さに相応しい熱量の光線を、あえて浴びる意味もあるまい。
腕に纏わせたオーラを今度は脚部に流し込み、走力を大きく引き上げる。
残像を残し回避、光線はアスファルトを破壊し煙が立ち込めた。

先手は取られたが、今度は自分が仕掛ける番だ。
走力を落とさずにエボルが再接近、跳躍し顔面部分へ狙いを付ける。
肩部の装甲ユニット内で強化剤が生成され、瞬間的に能力が上昇。
ただの斬撃でありながら、必殺の威力を叩き出す。
自分以上の大きさがあろうと無事では済まない。

『甘いのよ!』
「チィッ……!」

敵が今日初めて戦闘を行った、巨体を利用し暴れ回るだけの素人なら。
今の斬撃に何らかの反応が出来たかは怪しい。
なれどキャルは殺し合いより以前を、気楽に遊んで過ごした訳ではない。
美食殿の一員として魔物退治をこなし、ランドソルでの決戦といった修羅場も潜り抜けた。
今更この程度で慌てる少女じゃあない。

翼を思わせる形状の被膜を振るい、暴風を巻き起こす。
最大速度マッハ6の飛行を可能にする、メルバのパーツを動かしたのだ。
吹き飛ばされ壁に叩き付けられる寸前で、全身に赤いオーラを流しどうにか宙で安定。
地へ降り立つのと同じタイミングで再び超音波光線が放たれ、忌々し気に回避。

もう一度接近し斬り付けるか、より高威力の技を放つか。
それとも武器を遠距離形態に変え、移動しながら体力を削るか。
或いはボトルを変え、パワーを引き上げた上で接近戦を挑む手もある。
フェーズ1のエボルでも真正面からの打ち合いは可能、故に格闘戦特化のフェーズ2ならダメージに期待出来る。

(いや、ここは……)

敵の巨体は厄介と認めるが、小回りの利く動きは自分が勝る。
そこを活かさぬ手はなく、丁度良い道具が手元にはあった。
正確に言うなら、奪い取ってやったのだが。

『RABBIT!RIDER SYSTEM!EVOLUTION!』

『Are You Ready?』

「変身」

『RABBIT…RABBIT…EVOL RABBIT!』

『フッハッハッハッハッハッ!』

邪悪な高笑いが響き、エボルの姿にも変化が起こる。
肩部装甲は鋭利な形状から、丸みを帯びシンプルなものへ。
頭部パーツも大きく変わり、レンズ部分には兎の耳を模したブレード。
桐生戦兎が変身するヒーロー、仮面ライダービルドと瓜二つな仮面を被る。

仮面ライダーエボル・ラビットフォーム。
加速ユニットを追加し高速戦闘へ特化したフェーズ3。
フェリシアの支給品から見付けたラビットエボルボトルを使い、更なる進化をここに果たす。

『変わった!?…って、そんな驚く程でもないわね!』

自分が怪獣メダルを使ってるのもあって、外見の変化に大きな驚きは見せない。
問題は新しい姿になった敵が、どんな能力を持ってるかだ。
警戒を強め、迂闊に近付くよりはと超音波光線を発射。
餌を吊り下げられた獣の如く迫る光へ、エボルは焦らず頭部パーツを指でなぞる。
飲み込まれる正にその時、真紅の装甲が消え去った。

『痛っ!?』

後頭部へ鈍い痛みが走り、何だと振り返るもそこに人影は見当たらず。
と、肩に異物のような感触を覚え見やる。
ほんの数秒前まで地上にいたエボルが立ち、片脚を振り被っていた。
頬を鈍痛が襲い、巨体が僅かに怯む。
片手を伸ばし振り落とそうとするも、既にエボルはいない。

『ウロチョロすんなっての…!』

視線を落とし、見付けた先を踏み付ける。
潰れた蟻同然の末路を歓迎する気はない、軽やかに跳び回避。
ついでにオーソライズバスターを撃ち、胴体へ火花を散らす。
致命傷にはならないが痛みが無いとも言えず、連続で当たれば少しずつだが体力も削られる。
図体のデカい的扱いは御免被る、もう一度吹き飛ばすべく両の被膜を操作。
だが暴風に閉じ込められる前に背後を取り、無防備な背を斬り付けた。

『こいつ…!』

敵の狙いに嫌でも気付かされ、視線は険しさを増す。
サイズ差と高速移動を利用し、こっちの反応を待たず体力を削り取る気か。
セコい奴だと悪態を吐き捨てるも、実際有効なのが余計に腹立たしい。

ラビットフォームのエボルはパワーこそドラゴンフォームに劣るものの、敏捷性は上。
加えてカメラアイから伸びたパーツは飾りでなく、聴覚強化装置。
ほんの僅かな身動ぎすら正確に捉え、敵の動きを予測し常に先手を取る事が可能。
巨体故細かい動作の利かない今のキャルには、非常に相性の悪い力だった。

(デカい技で一気に勝負を着けてやれば良いんだろうけど……)

病院内で戦闘中の者達まで巻き込みやしないかと、危惧を抱き大技に躊躇が生じる。
しかも敵も察してるのか、時折病院を背に動きこっちの攻撃を牽制するのだから本当に腹が立つ。
内心で文句を言っても戦況に変化は齎さず、両刃の斧が命を刈り取らんと迫りつつあった。


○


黄金の戦士が駆け出し、狙う標的もまた黄金を纏った男。
仲間を襲撃した上に、言動や態度からも善とは程遠い人間性と察した。
これでまだ対話を行い戦闘回避を望む程、天津も承太郎もお人好しではない。
訪れた危機を退ける方法はたった一つ、戦ってどうにかするのみ。
判断を間違えればツケを払うのは自分だけでは済まされない、仲間にも危害が及ぶ。
であれば攻撃に迷いは微塵も抱かず、揃って敵を自らの間合いに閉じ込める。
グリスの鉄拳が叩くか、サウザーの槍が貫くか。

「オォン!」

どちらでもない、耳が腐る喘ぎ声を発し振るった剣が阻む。
最初の一撃で即決着になるとは、この場の誰も思っていない。
予想出来た結果に一切の動揺を持ち込まず、男達は示し合わせたように次撃へ出る。

「24歳、学生です(自己紹介)」

殺す前の挨拶を礼儀とでも思い込んでるのか、単なる挑発のつもりか。
若しくは淫夢語録しかロクに喋れない、ホモガキの玩具故のクッソ哀れな習性か。
正確な理由をグリスは知らないし知る気も皆無。
敵を倒す、必要な考えは50日に及ぶ旅での戦いの頃から変わらない。
耐衝撃ボディスーツが腕力と運動能力を劇的に強化、喧嘩自慢の高校生を超人の領域まで引き上げる。
伸ばした腕にはツインブレイカーと呼ばれる、専用の可変型武器を装備。
杭型の打撃装置が回転数を速め、強固な装甲をも砕き貫通する威力をグリスへ付与。
自らが操るスタンドにも引けを取らないパワーに、敵の取る手は同じく打撃。
グローブに覆われただけの無手で以て迎え撃つ。
己の手を進んで使い物にならなくさせるとしか思えない、愚行の極み。
大多数がそう嗤うだろう光景は現実にならず、グリスの拳と打ち合った。

「オラァッ!」

敵の拳を砕いた感触は無く、自身も同様にダメージゼロ。
突き出した拳を一旦引き、もう片方で殴り掛かる。
ツインブレイカーは両腕に装着済みだ、威力の低下は起きない。
攻め立てるのはグリス単独ではない、サウザーもまた己が得物を操り勝利を狙う。
サウザンドジャッカーはZAIAの技術を結集させ作っただけあり、飛電の装備にも劣らない高性能。
金に輝く穂先に掛かれば、1000mmの特殊合金すら障子紙同然。
だが装甲は勿論、敵が翳す大剣には軋み一つ与えられない。
拳と得物を通じサウザー達の強さを感じ取ったのか、仮面の下でゲスい笑みを作る。

「いきますよーイクイク(攻撃宣言)」

次いで響くは拳と刃が絶えず激突を繰り替えし、闘争が生み出す音色。
グリスが両拳で放つ殴打の嵐を、片腕のみで対処。
サウザーとも剣戟を展開し、己が身には一撃たりとも掠めさせない。
生半可な防御や回避は呆気なく崩す猛攻が、此度は二つ揃った。
にも関わらず敵は余裕の態度で凌ぎ、たった一人で相手取るのは悪い夢のよう。

サウザーとグリスの性能の高さは今更言うまでもない。
しかし野獣先輩が変身中の仮面ライダーブレイド・キングフォームもまた、引けを取らない強さを持つ。
単純なスペックだけなら上記二つが上であるも、最大の特徴は13体のアンデットの力をラウズカードのリード抜きで自在に操れる点。
パンチ力の加速と破壊力の強化を行い、更には高速移動能力も付与。
平時でさえ高周波振動による切れ味を誇る専用装備、キングラウザーも同様に斬撃の威力を引き上げた。
加えて言うなら変身者の野獣先輩は無限に等しいBB素材により、型に囚われない攻撃が可能。
グリス達を相手に一人で渡り合っても、何ら難しい話ではない。

「ジャンク・フォアードを手札から特殊召喚!」

モンスターが封じられたカードを使うのは、ブレイドの専売特許ではない。
仲間だけに戦闘を押し付けるつもりは最初からなく、遊星もデュエルモンスターズを駆使し参戦。
達也が遺した支給品を使い念の為ウィザードに変身したが、やはり本領発揮はカードを使ってこそ。

ホカクカードを使い手に入れたモンスター、ジャンク・フォアード。
自分の場にモンスターが存在しない時、手札から特殊召喚が可能になる。
参加者もモンスターとして扱われる為どうなるかは半ば賭けだったが、ある程度は都合都合で解釈出来るらしく成功。
アタッカーを任せるには攻守ともに頼りないが構わない。

「更に俺は、レベル3のジャンク・フォアードにレベル2のシャドウ・ファイターをチューニング!」

通常召喚したレベル2のモンスターは、城之内のデッキから借りた一体だ。
新たに現れるのは白銀の装甲と包帯、名前の通り全身に傷痕を刻んだ戦士。
レベル5のスカー・ウォリアーに睨み付けられ、ブレイドは弾かれたように突撃。
大剣を振り下ろし一刀両断で終わらせる気だろうが、黙ってやられる自殺志願者じゃあない。
包帯に隠された刃を突き出し、キングラウザーと打ち合う。
トライアルシリーズですら薙ぎ払う斬撃を前に、スカー・ウォリアーは破壊されず拮抗。
仕留められなかったブレイドには苛立ちよりも、困惑の方が大きかった。

「これもう分かんねぇな…お前どう?」

日焼けに誘った後輩に対してのような気安さで問うも、遊星からの返事はない。
種明かしをするなら、スカー・ウォリアーは1ターンに一度だけ戦闘では破壊されない効果を持つ。
更に場に存在し続ける限り、相手は他の戦士族モンスターを攻撃対象に選べない。
仮面ライダーに変身している為か、グリス達は戦士族扱いされたようである。

スカー・ウォリアーしか攻撃出来ず、しかも今だけ破壊不可能。
となったらどう動くかは決まったも同然。

『スクラップフィニッシュ!』

『Progrise key comfirmed. Ready to break.』

ドライバーを操作し、グリスの腕部アーマーから黒い液体が噴射。
エネルギー源たるヴァリアブルゼリーを使い急加速し、勢いを乗せた拳を叩き込む。
サウザーも同様に得物へプログライズキーを装填、高威力の技を発動。
巨大な蠍の尾が出現、毒針の強烈な一突きが頭上より襲来。

「これでもう勝った気とか甘過ぎィ!笑っちゃうぜ!ウッソだろお前!(ガンダム主人公)」

直撃を受ければタダで済まないと理解しつつ、余裕たっぷりに嘲笑うブレイド。
アンデットの力を引き出し磁力操作、スカー・ウォリアーを盾として翳す。
戦闘耐性が継続中なのが影響し、ブレイドへ一切の攻撃を寄せ付けない。
無傷で凌ぎ、結果的に万能の盾を手に入れた。
こうなれば何度攻撃を加えようとスカー・ウォリアーで防がれる為、ターンを終了する他ない。

「冷えてるか~?」

大先輩の語録を無断で使うという人間の屑っぷりを見せ付けながら、効果の切れたモンスターを破壊。
スカー・ウォリアーを仕留めた大剣を遊星に向け、切っ先へ帯電。
アンデットの力を使えば斬るのみならず、電撃を浴びせ焼き殺す事だって可能だ。
変身中とはいえ直撃は危険、ましてデュエルディスクの故障やカードが焼かれるのも有り得る。

「スタープラチナ・ザ・ワールド」

故にグリスは迷わず己が力を行使。
一海から託された仮面ライダーの力ではない、承太郎が本来持つ異能。
宿敵である帝王との決戦にて開花した、時間停止。
時を支配下に置き、聖都大学付属病院一帯は完全なる静寂に包まれる。
唯一動けるのはグリスのみ、とはいえ永遠の静止は不可能。
僅かに得た猶予を無駄にせず、スタンドと本体の両方が拳を放つ。
ライダーの装甲相手には同じライダーのパワーで対抗していたが、時間停止中の無防備な状態なら有効打を与えられる筈。
強敵たる人狼相手にも大ダメージを食らわせたラッシュで以て、仲間の危機を遠ざけるのだ。
黄金の戦士と青き拳闘士、両者の拳がブレイドを――

「なっ…!?」

打ち抜く寸前で阻まれた。
ブレイドの前に突如出現し、自分達同様に拳を放った存在。
その姿をグリスは知っている。
知っているからこそ、有り得ない光景に目を見開く。

青いボディを持つ拳闘士、スタープラチナ。
他でもない、承太郎のスタンドがもう一体現れたのだ。

「どういうことだ…何故テメーが俺のスタンドを…!?」

スタープラチナとザ・ワールドのように同じタイプのスタンドこそあれど、姿形や能力全てが同一は存在しない。
だというのにスタンド使いのルールを根底から覆す存在が、確かにいる。
相手のスタンドをコピーする能力だとか、そういった類なのか。

何故スタープラチナがもう一体現れたのか。
答えを明かすにはまず、野獣先輩とは如何なる存在なのかを説明せねばなるまい。
知っての通り、殺し合いに参加しているこの男は厳密には人間ではない。
24歳の学生や後輩をレイプした人間の屑を演じたホモビ男優が、ネットの世界で数多の逸話や冒険譚、喜劇に悲劇を付け足され生まれた情報集合体。
だからこそTDNホモビ男優が本来持ち得ない戦闘能力を発揮出来た。

殺し合いにおける野獣先輩の強さの元は大きく分けて二つ。
一つはBB素材。
俗にBB先輩シリーズとも言われる、ホモビ本編を切り抜き動画の素材に加工する正気の沙汰とは思えないホモガキのクッソ寒いお遊戯。

そしてもう一つ、野獣先輩を象徴する力こそスタンドを使えた理由。
ある意味BB先輩シリーズ以上に強力な為、殺し合い直後は睡眠薬入りアイスティーを飲まされた水泳部の後輩のように眠ったままだった。
しかし魔戒騎士や仮面ライダー、神との闘争を経て本能的に力の使い方を理解したのだろう(適当)。

野獣先輩新説シリーズ。
国内のみならず国外にまで痴態を晒されて尚、一切の目撃証言や過去の経歴が明かされない。
今日に至るまで野獣先輩の正体は不明=不明ということはどんな存在も根拠さえあれば野獣先輩になるんじゃないか。
小学生でも考えないようなガバガバ理論により生まれたのが、この力の根源である。

此度の戦闘でも新説シリーズの力を引き出し、承太郎の時間停止を打ち破った。
名は野獣先輩空条承太郎説。
野獣先輩の正体はジョジョの奇妙な冒険の大人気キャラクター、空条承太郎であると提唱する説だ。
多くのジョジョラーからも、「んなわけねェだろこのタンカスがッ!」と好評を得ている。

「俺だけの世界に勝手に入って来ないでくれよな~頼むよ~」

野獣先輩でありながら承太郎でもある、だからスタープラチナを使える。
馬鹿げた理由を知る由もなく、ただ現実として敵は自分と同じスタンドを操ると理解。
素直に答えを返してくれるとは期待しておらず、野獣先輩もまた種明かしをする気は皆無。
時が再び動き出すまで残り僅か、仮面越しに互いの視線が交差し火花が散る。

「いくぜオイ!」
「良いよ!来いよ!」

同じ力を持っていようと関係無い。
仲間を襲いクソッタレなゲームに乗った悪党を、愛する後輩の蘇生を阻む邪魔者を。
彼らが認めるのは断じて有り得ないのだから。

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!!」
「もっとスタンドパワー使って!使ってホラ!ホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラァッ!!!」

殴り合いと言うには苛烈極まる光景が繰り広げられる。
近接最強のスタンド、スタープラチナ同士の一歩も譲らぬ激戦。
宿す想いは正反対、黄金の精神と狂い落ちた歪愛。
相容れぬ両者共に勝利を奪い取る気概は十分、なれば勝負を決めるのはなにか。
スタンドの性能は全く同じ、幾度拳を叩き付けても砕けず、砕かれず、届かず、届かせない。
共通しているのは時間停止に課せられた制限もだ。
2秒を超える支配は現状不可能、凍てついた世界は熱を取り戻し一先ずの終わりが――

「ぐっ!?」
「がぁ…っ!?」

訪れた筈が、予期せぬ痛みに呻き声が上がる。
スタンドへ殴打を受け、本体のグリスにもフィードバックが襲う。
更には遊星も背後から斬られ、少なくない火花が散った。
唯一無傷のサウザーは困惑するも、仲間が攻撃されたのは瞬時に察知。
得物を振るいブレイドを引き離した。

「野郎……」

この程度の痛みなら押し殺せるが、問題なのはブレイドが何をやったか。
間違いない、間髪入れずに時間をもう一度止めた。

「気持ち良いか~KMR~?」

予選で人間の鑑っぷりを見せ脱落となった後輩の名を口にし、ここぞとばかりに煽る人間の屑。
グリスの考えた通り、今やったのは時間停止。
但しスタープラチナではなく、スカラベアンデットの力を使ってだ。
停止中は敵への攻撃も無効化されるが死角へ移動し、解除と同時に痛め付けた。
スタンドと同様に連続使用が不可能な制限こそあるも、時を止める手段を二つ持つのは大きな強みだろう。

「…っ、俺は手札から速攻魔法、ハイパーフレッシュを発動していた……!」

だが転んでもタダでは起きないのが決闘者。
ブレイドが自身に電撃を浴びせる予兆を見せた時、遊星は咄嗟に魔法カードを使用。
自分のライフポイントを予め倍にし、被害をなるべく最小限に抑えた。
何よりダメージを受けたからこそ、効果を発揮するカードが手札にがある。

「手札のBKベイルの効果発動!戦闘によるダメージを受けた時、このカードを特殊召喚しライフを回復する!」

あくまで今負った分のダメージのみ回復な為、放送前からの傷は変わらずとも幾分痛みが和らぐ。
大尉との戦闘時にも使ったモンスターを召喚、これで場ががら空きになるのは防げた。
ウィザードに変身中の恩恵もあるだろう、大尉に蹴り飛ばされ時と比べればスムーズな召喚だ。
そう簡単に倒されてはやらない、仲間と共に勝利を掴むべく戦意を滾らせる。


○


対照的な剣を振るうは二体の化け物。
真紅の騎士、デェムシュが己が魔剣に宿すは憤怒。
1日にも満たない間に受けた数々の屈辱が、自身を闘争へ突き動かす燃料へ変える。
選ばれし種族、フェムシンムをコケにした猿を殺す。
自分達に跪き、慄き、ただ殺されるのを待つだけの弱者に過ぎないと教えてやらねばならない。

対するは十二鬼月・上弦の壱、黒死牟。
妖刀へ乗せる感情はデェムシュと正反対に、酷く冷め切ったもの。
強者との斬り合いへ高揚は抱かず、貪欲なまでに勝利を求めず、まして人間達のように他者を守りたいなど以ての外。
襲われた、だから殺す。
他に大きな理由を見付けられないまま、しかし大人しく死を受け入れる程殊勝にもなれない。

戦闘へ臨む心構えで言うなら、圧倒的にデェムシュが上。
人も鬼も、命を燃やさずして掴める勝利は存在しない。
と言い切るのは容易いが、黒死牟は精神の差を大きく埋められるだけの実力を持つ男。
顔面を叩き割らんと襲い来る大剣を見据え、言葉なく刀を振り上げる。
岩をも砕く刃を弾き、あっさりと死を跳ね除けた。

猿の分際で煩わしい抵抗に出た事実へ、デェムシュの苛立ちが上昇。
尤も、敵が全くの雑魚でないとは理解している。
一撃防ぐ事すら不可能なら、最初に会った時点でとっくにあの世行きだ。
大人しく死ぬ気がないのであれば、力尽きるまで得物を叩き付けるのみ。

頭部目掛け大剣が振り下ろされる。
愛剣シュイムの強度と切れ味が如何程かは、長々と説明するまでもない。
アーマードライダーの装備と打ち合って尚も刃毀れ一つせず、装甲を削り取った。
そこへ劇的な強化が起きたパワーを乗せた以上、剣でありながら木っ端微塵に打ち砕く威力と化す。

されど黒死牟が纏う空気に、僅かな乱れも生じない。
闘争への熱を抱けないだけが理由に非ず、身を震わせる程の脅威でないが故。
果実の如く脳漿と肉が散らばる光景は実現しない、両手で握った得物が大剣と激突。
刀身越しに伝わる力は、成程日の出前の戦闘時以上に重い。
嘗てこの身を滅ぼした岩柱をも超えていると、極めて冷静に判断を下す。

だが忘れるなかれ、膂力に優れるのは黒死牟も同様。
執念で研磨を重ねた肉体が、人の限界から解き放った鬼種の血が、火炎の如き痣の恩恵が、食らい続けた数多の鬼狩りの肉が。
オーバーロードとの斬り合いを可能にし、再び刃を弾き返す。
次に剣が迫るのを待ちはしない、こっちから仕掛け早々に終わらせる。
人も異形も頸を落とせば死ぬ、眼球の張り付いた刀身が頭部と胴を繋ぐ部位へ疾走。
死を運ぶ妖刀へ、デェムシュは首筋に冷たさを覚えた。
猿如きの剣で斬首されるなど断じて受け入れない、シュイムを翳し防御。
押し返し体勢を崩しに行くも、一手早く敵が得物を大剣から離し死角へ移動。
瞬間移動と見紛う速度と共に行う斬り付け、この動作だけで数十の隊士を纏めて葬れる。

「甘イわ!」

が、オーバーロードを仕留めるには至らない。
目で追わずとも、外皮を貫く殺気で居場所を察知。
巨体とは裏腹の俊敏な動きで迎撃、シュイムで薙ぎ払いを繰り出す。
互いの刃がかち合い重い金属音が響く中、次の手にはデェムシュの方が早く出た。
もう片方の得物をがら空きの脇腹へ突き立てる。

「チッ!」

その寸前で狙いを急遽変更、背後からの斬撃を防ぐ。
瞳を動かせば案の定、憎たらしい笑みを浮かべた小娘が映り込む。
力任せに押し潰そうと力を籠めるも、膂力で叶わないとは向こうも理解してるのだろう。
打ち合いは避けパッと飛び退き、タイミングを同じくして桜色の矢が次々突き刺さった。

「小賢シいゾ脆弱なサルどモガァっ!!」

左手を豪快に振り回し、殺到する矢を吹き飛ばす。
一方で右腕は絶えず黒死牟との打ち合いを続け、切っ先が撫でるのも許さない。
とはいえ、僅かながら意識が外れたのを見逃さない。
呼吸により全身の血が煮え滾り、鬼の身体能力を更に引き上げる。

――月の呼吸 弐ノ型 珠華ノ弄月

振るう刀は一本、なれど放たれる斬撃は三つ。
前方へ巨大な三日月が現れ、同じく大量の刃がデェムシュを取り囲む。
不可視の刃で作り上げた檻は、迂闊に動こうものなら最後。
待ち受ける末路は生物の原型を留めぬ、肉片の山。

「コノ程度がどうシたッ!」

惨たらしい最期を覆すべく、デェムシュもまた得物を振り回す。
シュイムと新たに得た魔剣が、竜巻の如き斬撃を発生。
回避などに出る必要はなし、小手先の技は力で打ち破るに限るのだから。
次は刃を放った本人の番と言わんばかりに、黒死牟を襲う二振りの剣。
左右から挟み込むように襲い来る刀身を、跳躍し躱した上で頭上からの一撃を見舞う。

――月の呼吸 参ノ型 厭忌月・鞘

横薙ぎの刀から放つ三日月状の刃が、鋸を思わせる回転で飛来。
連続で放ち位置を変え、回避を更に困難なものへ変える。
尤も、デェムシュの対処法は同じく得物を用いた迎撃。
叩き付けるかのように振り下ろされ、刃は全て剣が食い潰す。

着地の瞬間を見極め襲い来る双剣を、黒死牟は刀一本で防ぐ。
癇癪を起こし暴れる童子さながらの動きに見えて、その実狙いは恐ろしいまでに正確。
自らを怒りに捕えながらも、編み上げた剣技の低下は引き起こさない。
むしろ怒れば怒る程、技のキレが増す気さえあった。
感情を剥き出しにし、尚且つ振り回されず糧にするとは実に厄介極まる。

「そっちから喧嘩売っといて、無視は酷くない?」

不満を垂れる口調は年相応の微笑ましさがあれど、我が身を矢に変えた速度は到底少女のソレではない。
頬を膨らませながら結芽が接近、迅移を使い加速の勢いを乗せた刺突を放つ。
加えて得物は破壊困難な御刀、鉄板を重ねても貫通は確実だろう。
尤も人間の常識を鼻で笑う耐久性のデェムシュには届かず、そもそも刃を体に当てさせてももらえない。
シュイムで黒死牟を相手取りつつ、二本目の得物を結芽へ突き出す。
切っ先同士の衝突が起こり、押し負け後方へとよろめく。

「かったい…!」

八幡力で筋力を強化したと言うのに、尚も力は敵が上。
既に分かり切ってるが、マトモな打ち合いでは自分が圧倒的に不利。
それならそれで戦い方はある、再度迅移を発動し疾走。
別方向から狙うも、オーバーロードは動体視力にも優れた存在。
のこのこ近付く姿をハッキリと捉え、反対に串刺しにせんと突きを放つ。

そこへ動くのは三人目、桜色の矢を射る魔法少女。
装填の手間を必要とせず、意思一つで連射可能なクロスボウ。
固有装備でデェムシュを狙い撃ついろはが、仲間へ攻撃を当てさせない。
倒せるとは思っていない、少しでも気を逸らせれば良い。
現に背へ突き刺さり、鬱陶しい痛みにデェムシュがこちらを睨み付けた。

ナイスと言いながら剣を紙一重で躱し、真紅の胴体を斬り付ける。
これが人なら重症は確実、しかしデェムシュには痒いと感じたかも怪しい。
ただでさえ強固な体がロックシードの摂取の影響を受け、更に頑強な装甲と化したのだから。

厄介な敵がもっと厄介になって自分達の前に現れた。
直視せざるを得ない現実に、文句を付ける暇は存在しない。
上体を大きく反らし避け、結芽は次に斬るべき箇所を定める。

直後、傍らで膨れ上がった威圧感に幼い肢体が引き締まった。

「――っ!あはっ…やっば♪」

自身へ敵意を向けられたのではないが、急ぎ離れねば危険。
汗を垂らしつつも楽し気な笑みを浮かべ、黒死牟から距離を取る。
誤解から始まった戦闘時にも感じた技の予兆。
違うのは一点、本気で殺す為に放つ気だ。

――月の呼吸 玖ノ型 降り月・連面

背中へ回した刀を前方に振り、頭上より複数の斬撃波が降り注ぐ。
流星群の如き勢いと、床を砕き地下深くまで削り取る威力。
鬼殺隊を苦しめた悪夢同然の光景が、此度は黒死牟と同じ人外を屠る為に放たれた。

「オノレ…!」

広範囲尚且つ、不規則な軌道故に読み辛い。
よってこの戦闘で初めて双剣の防御を選択肢から外し、回避を選ぶ。
全身を赤い霧に変えロビー内を飛行、斬撃波が当たろうともダメージにはならない。
首輪に衝撃が与えられる可能性は無視出来ない為、気は張っているが。

「当たって!」

気体化を解除した瞬間を狙い、いろはがクロスボウを連射。
デェムシュにとっては微々たる違いなれど、以前の交戦に比べ矢の威力も上がっている。
装備者の攻撃の貫通力を強化するアクセサリ、ストライクマークもいろはの支給品の一つ。
大型の魔女にも効果的なダメージを与えるだろうが、今回は相手が悪い。

しかしデェムシュの肉体を貫けないのは百も承知。
狙うのは左手に握る得物の刀身部分。
一点集中で命中させ、剣を持つ力が弱まった所へ動くのは結芽だ。
彼女もデェムシュの能力は初戦時にある程度把握しており、実体化のタイミングを見逃さない。
八幡力で威力を上乗せし叩き付け、あらぬ方へと弾き飛ばしてやった。

「あんなキラキラした剣、おにーさんに似合ってないよっ!」
「減らず口ヲ叩クな猿ガ!」

小馬鹿にするようにけらけらと笑う結芽へ、何度目になるかも分からない苛立ちを覚える。
挑発こそしないが、この機を逃さぬと黒死牟も接近。
離れた位置ではいろはもクロスボウの狙いを付け、反撃に打って出る気なのは明らか。

「貴様ラの勝利なド万に一ツも有リ得エん!」

武器一本を手放した程度が何だと言う、愛剣は未だ手元に存在する。
加えて両手が塞がっていた先程と違い、左手が開いたから使用可能な力があるのだ。
猿の道具を使う抵抗感などとっくに消え失せており、何の躊躇もない。
数度の使用で使い慣れた力を、此度は更に上位の術として引き出す。

「……」

表面上の変化が確認出来ない程小さく眉を顰め、黒死牟が脚を速める。
いろはと結芽も足元で力の収束が発生し、慌てて飛び退く。
水の主霊石を使った攻撃は、対象の凍結や氷柱の射出だけじゃない。
地面から次々氷が噴出し、天井へ届き兼ねない程の高さとなった。
直撃すれば人体など鑢にかけられたように、骨まで削り取られるに違いない。
足を止めず回避しながら距離を詰めた黒死牟は、斬り殺し強制的に術を止めんと動く。

接近に気付かないデェムシュではない、自前の能力である火球を生成し連射。
強化の恩恵を受け弾幕を張るも、面攻撃は敵の得意分野。
刀が生み出す無数の三日月に掻き消され、直に頸を落とすべく踏み込む。

「……っ!」

だが直前で真横へ跳び、結果デェムシュから遠ざかる。
そうせざるを得ない理由は、破壊され見るも無残な床を照らす光。
氷の柱か火球の連射か、どちらが原因かはこの際重要ではない。
不死に等しい生命力の鬼が唯一恐れる、太陽の光がロビーを照らしていた。

「…ハハハハハハッ!ソうか!やはリ貴様は我ラに遥カに劣ル、下ラン猿に過ぎン!!」

悪い事にデェムシュも弱点を察したらしく、嘲笑と共に火球を放つ。
狙いは天井や壁、日の光を遮る物体を破壊するつもりなのは明白。
当然阻止に動き刀を振るうも、不意に自分を包む影に頭上からの脅威を見た。
火球を放つ間も主霊石を操作し、巨大な氷塊を生成。
参ノ型『厭忌月・鞘』で砕くが狙いは別にあった。
天井と自身の間に氷塊で壁を作り、一時的に視界を塞ぐ為だ。

「がっ……!?」

氷塊の破壊へ意識を割いた一瞬の内に、黒死牟の真上部分の天井を破壊。
細かに散った氷の欠片をも溶かす、太陽の光が降り注ぐ。
人間達には祝福の光も、鬼にとっては地獄の責め苦に等しい。
網の上で炙られるように皮膚が焼け爛れ、力を急激に削ぎ落す。

「黒死牟さん…!」

鬼の死。
大正の世にて僅か数体の例外を除き、人々が望んだソレをこの場においては認めない者がいた。
火球や氷柱が群れを為し襲う中、歯を食い縛りいろはは駆ける。
時折掠め純白のフードに赤色が滲むも、構っている場合じゃない。
奇跡的に無事な箇所の床を蹴り、黒死牟の元へ身を投げ出す。
渾身の力で飛び掛かった甲斐もあり、自分諸共日陰まで放り出された。

「ヌウエエエエエエエエエエエエイッ!!!」

巨大な竜巻に身を変えたデェムシュが、二人を纏めて吹き飛ばしたのは直後のこと。
運が良いのか、病院内の壁を突き破り奥へ奥へと転がる。
落ちて来た瓦礫がロビーへの道を塞いだ。


○


「……」

何をしているのだろうかと、改めて無様な自分へ辟易する。
稚雑な策に翻弄され、地に背を付け倒れ伏す有様。
これでもまだ屈辱感を戦意に変える気さえ起きず、ため息を吐くのも億劫だ。
極め付けは、そう、

「黒死牟さん!大丈夫、ですか…?」

間近で顔を覗き込む娘の存在が、余計に己を惨めにする。

突き飛ばした状態から然程変わらず吹き飛び転がった為、傍から見れば相手を押し倒す体勢。
自身の現状を気にする余裕もなく、いろはは心配気に尋ねる。
鬼が太陽に嫌われてると、黒死牟から直接聞いた。
最初から疑う気は微塵も無かったが、先の光景が嘘ではないとの証明。
業火へ包まれたように全身が焼け爛れ、骨も残らない消滅は時間の問題だった。

「見て理解出来ない程の……愚鈍ではないだろう……」

苛立ちを籠め、投げやり気味に吐き捨てる。
日の光から逃れたなら、鬼の生命力も即座に機能し再生。
惨たらしい火傷は消え失せ、傷一つない肉体がいろはの視線の先にあった。
ホッとしたのも束の間、ようやく自分の体勢に気付き慌てて退く。

「ご、ごめんなさい…でも、黒死牟さんが助かって良かったです」
「……」

恥ずかし気に頬を赤らめ、かと思えば心からの安堵で笑みを見せる。
これが鬼狩りなら「大人しく死ねば良いものを」と、憎悪を滾らせ言うだろうに。
今に始まったものではなくとも、やはりこの娘はどうかしている。
理解の到底及ばない狂人だと言う他ない。

だというのに、未だそう言い切らない自分もまたおかしくてならない。
思考を割く意味も価値も無しと断じれば、簡単に済む話だろうに。
何故、何故と馬鹿の一つ覚えで声に出さず問い続ける。
いろはも、自分自身も理解出来ないのは、二度目の生を受け間もない頃から変わらない。
ただ唯一、己を太陽から遠ざけたように。
この娘が「そういった行動へ躊躇せず出れる人間」とだけ、数時間の付き合いで分かった。
だから何だと言うものであり、本人へ伝える気は小指の先程もないが。

のっそりと体を起こし、ロビーと違って原型を保った床を踏みしめる。
と、自分達以外に転がる物へ気付き手を伸ばす。
暴風に巻き込まれ偶然ここまで飛ばされたのか、運が良いのか悪いのかよく分からない。
拾い上げたソレはただの人間には重く、だが鬼の膂力には軽い。

「それって……」

黒死牟が手にした物を、いろはも少々驚きつつ見つめる。
つい先程までデェムシュが振るい、結芽が弾き落とした剣だ。
前に戦った時には使ってなかったが、支給品で所持してたのか。
持ち主の手を離れ黒死牟の元へ渡った以上、わざわざ返す理由もあるまい。

眩い刀身と、黄金の蝙蝠の形の鍔。
特徴的な剣がただ豪奢な見た目だけではないと、二人共分かる。
魔法少女に変身中のいろはは、そこにあるだけで溢れる力をより深く感じ取った。

「もしかしたら……あの赤い人?に勝てるかもしれません」

剣を見つめたと思えば、考え込む仕草を取ること十数秒。
閃いたように顔を上げたいろはへ、訝し気な瞳を返す。
これが妖刀、否、魔剣の類だとは察しが付くも振り回せば勝てると言う気か。
疑問を視線に宿しぶつければ、逸らさず受け止め口を開いた。

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