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  • 決闘バトルロイヤル @ ウィキ
  • EPISODE99.5『DUEL ROYALE SPECIAL③』

決闘バトルロイヤル @ ウィキ

EPISODE99.5『DUEL ROYALE SPECIAL③』

最終更新:2025年05月25日 19:13

zombi2baisoku

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「最初は軽い自己紹介といきたいが…俺が話すより適任がいるか。だろ?いろは?」
「え、わ、わたしですか?」

唐突に話を振られ、分かり易いくらいに困惑の表情を作る。
どうして自分がという疑問へ、相も変わらぬ軽薄な笑みで答えを返す。

「さっき、そこのスッテキが俺の名前を言った時だ。随分驚いてただろ?一体誰から聞いた?どこぞのアイドルじゃあるまいし、有名になった覚えは……ああまあ、ありゃ前の世界での話か」
「それは……」
「縮こまるなって。別に責めようってんじゃないぜ?」

10年もの間地球に潜伏し、人間達を思うがままに掌で転がして来たのだ。
感情の微妙な変化を察するのは容易い。
ルビーが自分の名を言った時、いろはから感じたのは驚きと警戒の二つ。
まだ名乗っていないにも関わらずあの反応、理由を難しく考える必要はない。

「戦兎は違うとして、だ。一体誰から俺のことを聞いたのかねぇ。だんまり貫いても良いが、お前が聞きたがってるやちよの話も始められなくなるかもな?」
「っ……」
「ま、何を聞かされたのか予想は付く。気にせずそのまま言えば良いさ。お隣の侍殿がおっかない目つきになってきたしなァ」

癪に障る軽口を延々と吐き出すのを、六眼の鬼は許さなかったらしい。
睨みを利かされた手前、エボルトは一旦黙り待ちの姿勢に入った。
口籠るも自分が言わねば話は進まず、皆にも迷惑が掛かってしまう。
ややあって緊張の面持ちで、病院で聞いた内容をいろはが言う。

「わたしが直接聞いたわけじゃないです。天津さん達…ここに来る前に会った人達が、一海さんっていう人から聞いた内容で…」
「成程ねぇ、グリスの奴が……そんで?」
「……一海さん達のいる地球を滅ぼそうとしたのが、エボルトさんだって。そう聞きました」
「予想通りの内容で、逆に安心しちまったよ」

間違ってないけどな、とあっけらかんとした態度で笑う。
平然とするエボルトと反対に、当たり前だが他の者は和やかな様子とは言い難い。
既に危険性を天津と承太郎経由で知ったいろは達はもとより、初めて聞いた面々も警戒を抱かざるを得ない。
地球を滅ぼすという悪役のテンプレな目的も、実際にしでかす者がいたとあれば笑い事じゃないかった。

「滅ぼすって…どうしてそんなことしたの!?」
「何でって言われてもねぇ?俺が“そういう種族”だからとしか答えようがないな」

星一つの崩壊は、イリヤにとっても他人事ではない。
ダリウスに見限られた世界がどうなったかを、ハッキリと思い出せる。
泥に塗り潰され、生存競争に負けた光景をヴィマーナの上から見た。
一人の魔術師が犯した禁忌を目の当たりにしたからこそ、問わずにはいられない。
だが返って来たのは納得とは程遠い答え。
壮大な背景も野望もない、エボルト…ブラッド族とは星を狩る生命体だから。
根本的に人間とは在り方が相容れないのを理解せざるを得ず、イリヤの背を嫌な汗が滴り落ちる。

「ならお前は、殺し合いでも人間を滅ぼすつもりなのか?」
「落ち着けよ橘、今はリゼだったか?そんな恐い顔じゃあ、チノ達だって怯えて逃げちまうだろ?」

息をするように苛立たせる言葉を吐き、険しい視線も涼しい顔で受け流す。
過去に地球滅亡を目論んだのを偽る気はない、全て本当のこと。
しかし殺し合いでもそのように動くかと問われれば、首を振るのは縦じゃなく横だ。

「確かにこの星を滅ぼそうとしたが、生憎見事に失敗しちまったよ。ラブアンドピースなんてのを掲げる、仮面ライダーどもに随分痛い目遭わされたもんさ」
「仮面ライダーがお前を…?」
「憎たらしいことに、な。おかげであいつらの大勝利、俺は新しい世界の素材にされちまったって訳だ」

そう言って細めた目は、この場にいない誰かへ向けているかのようで。
忌々しさと呆れと、他にも複数が綯い交ぜとなった一言では言い表せない表情。
エボルトにしては珍しい複雑な内面が見え隠れし、

「……えっ?あの、何の話をしてるんですか?」

数秒の沈黙を挟んだいろはが、疑問符を浮かべ思わず聞き返す。

「何のもかんのも、どうせグリスの奴が戦兎と万丈の活躍を教えたんだろ?あんまり他人様の傷口をほじくり返すのは、俺でもどうかと思うがね」
「えっと、天津さん達はあなたが負けたって話はしませんでしたよ…?」
「……グリスの奴、ちょいと説明不足じゃねぇのか?」

いろはの様子から察するに、その天津や承太郎なる者に新世界やキルバスとの戦いに関しては言ってないのか。
或いは言ったものの、単に天津達がその辺の説明を端折ったのか。
どこか違和感を抱かないでもないが、エボルトの情報で嘘は言っていない。
一海本人はとっくに脱落しており、直接会って確かめるのは不可能。
不自然さを感じながらも、脱線し掛けた話を戻す。

「グリスの事はともかくだ、心配しなくてもゲームマスター様の言い成りにはならねぇよ。勝手にゲームの駒扱いは、俺も納得してないんでな」

コツコツと首輪を叩きながら自身のスタンスを伝える。
案の定、誰一人として信用の眼差しを向けないが別に構わない。
友達作りをするつもりはなく、自分の生還に利用出来れば文句もない。
警戒と不信感は変わらずとも、話を打ち切り戦闘を行う気がなければ上等だ。
何せ本選が始まってからの動きを、まだ一つも口にしてないのだから。

開始早々危機に陥った因縁のヒーロー、桐生戦兎との共闘に始まる。
間もなくしてNPCに襲われている女を発見、その人物こそいろはが最も聞きたがってるだろう情報。
七海やちよなのだが、再度いろはから疑問が飛ぶ。

「本当に……やちよさんがそう言ったんですか?」

話を中断させて悪いとは思うが、幾ら何でも問い質さずにはいられない。
やちよがいろは以外の魔法少女を強く警戒しているのは、明らかにおかしい。
灯花とねむのみならず、フェリシアとみふゆまでもその括りに入れている。
確かに二人共マギウスの翼に所属した事もあったが、過去の話だ。
鶴乃からウワサを引き剥がす戦いを経て、みふゆとの蟠りも解消されただろうに。
それに、まどかの名前を一度も出さなかったのも不自然。
まるでチーム解散を告げた時のような焦りを、やちよが抱いてる気がしてならない。

「内心じゃお気に入りのお前以外どうでも良いと思って、適当に吹かしただけかもな?」
「っ!やちよさんはそんな人じゃありません!」
「冗談だよ。しっかしこいつは……」

やちよといろはの間で生じる矛盾。
どちらかの話が間違ってるのでないとすれば、さてどういうことか。

「…まさか、そういうことなのか?」
『遊戯さんも気付きましたか。いやはやあの自称神様、やりたい放題にも程があるでしょうに』

堪えにいち早く気付けたのは遊戯とルビー。
当然自分達だけの秘密にはせず、一同にも伝えておく。
恐らくだが、檀黎斗は平行世界のみならず異なる時間を行き来する術も有している。
嘗て未来の時間軸の決闘者達と共闘した遊戯だからこそ、すぐその可能性に思い至った。
加えてルビーもまた、放送前から薄々考えてはいたのだ。

参加者の中にはそれぞれ違う時間から招かれた者もいる。
それならいろはとやちよの話が食い違うのも納得だ。
いろはから見てやちよは過去の時間、記憶ミュージアムの崩壊から間もない頃に殺し合いへ連れて来られた。

「成程ねぇ……」

エボルトもまた合点がいったとばかりに独り言ちる。
遊戯達の仮説通りだとするなら、一海は旧世界での時間から参加していたのだろう。
道理で新世界を創造するに至った経緯を、何一つ言わなかったわけだ。
そして一海に限らず、万丈や幻徳も旧世界の彼らが参加してるとも考えられる。
二人に関しての情報は未だ得られず、現状確かめられないが。

無事疑問が解消され、エボルトの話にまた戻る。
明石が警戒し探索を断念した寺が実は、首輪の解析作業に持って来いの設備が整っていた。
そう聞き考え込む仕草の橘を尻目に、オーエド町での闘争を説明。
仮面ライダースペクターこと深海マコトはともかく、猛威を振るった紺色の剣士には微妙な空気が流れる。
橘や戦兎、天津といった善側のライダーだけじゃない。
殺し合いに乗り気且つ、人間性についてもコメントへ窮する者もライダーの力を得ているとは。

「あの人がわたしに凄く怒ってたのは……」
「ま、作戦の内ってことで大目に見てくれよ?」

自分の姿を勝手に擬態された挙句、悪びれる様子が全くない。
可愛くもないウインクと両手を合わせ頼む仕草に、何とも言えない顔となる。
紺色の剣士が如何に手強いかは理解しており、勝つ為の作戦の一環と言うなら仕方ないのかもと自分を納得させた。
流石にこの先も、特にやちよ達の前で擬態するのは止めさせたいが。

ニノンという犠牲こそ生まれたが、紺色の剣士の撃退には成功。
尤も話はそこで終わらず、これまた少なからず衝撃が走る内容が語られる。

「キャルちゃんが言ってたカイザーインサイトって、あの人だったんだ…」
「ちょっと待って…司さんの友達がその人の所にいるの!?」

複雑な背景はあれど、キャルにとっても強く警戒せざるを得ない覇瞳皇帝。
フェントホープで強大な力の一端を見せた女が、まさかその本人なのは驚きだ。
いろはが息を呑む一方で、イリヤは思わず椅子から立ち上がり声を荒げる。
自分を庇って命を落とした司が生前、複雑そうにしつつも大事な友達と言っていた少女。
琴岡みかげはよりにもよって危険人物に同行中。
一応殺し合いには乗ってないらしいが、紺色の剣士への仕打ちを聞くに善人とは言い難い。

「陛下殿がお前らと仲良くするのは難しいだろうが、みかげに関しちゃ当分は無事だろうよ」
「理由はなんだ?まさか、女を囲って愛でる趣味でも持ってるのか?」
「えっ」
『それだと別の意味でみかげさんが危ないですねー』
「えっ」

女の子は女の子同士で恋愛すべきとは、とある夏の日に友人が言ったものだったか。
思考が凍り付くイリヤだが、当然そんな理由じゃない。
エボルトが見るに、カイザーインサイトには人手が余り足りていない。
元々ただの一般人のみかげを殺し、首輪を手に入れるのは容易い。
にも関わらず、実際は自分の部下としての運用を選んだ。
ランドソルなる場所へいた頃と違い、自由に動かせる駒が大いに不足してる証拠だ。
だから本来特別な力もないみかげだろうと、ここでは貴重な部下の一人。
少なくとも、今すぐ殺す程後先考えない真似はしない筈。

「一応アイツも立場的には打倒神様なんだ。いきなり喧嘩売る真似はなしにしようぜ?」

難しい顔で黙り込むイリヤは、どう見ても納得したとは言い難い。
すぐにみかげをどうこうされる可能性は高くない、だが絶対そうならないとも言い切れない。
これから先捨て駒として扱われ、命を落とすのも有り得る。
純粋な善意で保護した訳でない以上、不安は尽きなかった。

(こりゃ、もう一人の方は黙って正解だったかもなァ)

カイザーインサイト本人の話に嘘はないが、みかげ以外に引き連れている参加者は別。
「放送前にはおらず、多分放送後に仲間へ引き入れたろう参加者なので自分は知らない」、とイリヤ達には言った。
無論嘘だ、少女の名前が保登心愛だとはオーエド町での騒動後に聞いている。
かといって馬鹿正直に伝えるつもりはない。
都合良く利用されてるとはいえ、意識を明確に保っているみかげはまだ誤魔化しも効く。
が、みかげ以上に強く暗示の影響を受けたココアは無理だ。
まず間違いなく、リゼの友人を守ろうと張り切ってる橘の反感を強く買う。
下手すればココアを助けるべく、フェントホープへ殴り込んだって不思議はない。
悪辣な面を聞かされても顔色一つ変えない黒死牟はともかく、他の面々はココア奪還に賛成するだろう。

別に、カイザーインサイトの身を案じてはいない。
ただ利用価値がまだある相手を、切り捨てるにはまだ早い。
フォローに感謝してくれよと内心苦笑いし、表向きは何でもない風を装う。

カイザーインサイト達とは一旦別れた後、エーデルフェルト邸での件はイリヤ達の説明通り。
D-1が禁止エリアになった関係で、戦兎達との合流を先回しにして単独での探索を続行。
フェントホープでの騒動に繋がった。

「シロウさん……」
「お、やっぱりあの坊主を知ってたか。美遊の見た目になったら、今にも殺されそうなくらい睨まれちまってな」
『的確に地雷をぶち抜くのが上手過ぎて、ルビーちゃんも流石に引いてますよ…』

遊戯達だけでなくエボルトの話で、ゲームにおける士郎の方針は最早確定と言っていい。
改めて現実を突き付けられ、唇を強く噛み締める。
本音を言うなら勿論止めたいが、士郎達がど何処へ行ったのか分からないのがもどかしい。
カイザーインサイトが振るった聖剣の巻き添えを受け死亡、とはなっていないとのこと。
退避寸前の一瞬だけだが士郎が協力者らしき少女共々、天高くへ飛び上がるのを見た。
肝心のどこまで飛んで行ったかは、残念ながら不明。

「じゃあ最後はわたし達、ですね」

おずおずと片手を上げる少女へ視線が集まる。
最後に番が回って来たいろは達の話が、病院での情報開示の際と然して変わらない。
但し天津達から聞いた内容も含み、そこへ加えて放送後に起きた戦闘も伝えるのだ。
情報量は必然的に多くなった。

(城之内くんらしいね……)
「(ああ……)」

千年パズルを通し、相棒と共に親友へ思いを馳せる。
少女を庇って命を落とす、自分の身を案じる前に迷わず動く。
知らされた城之内の最期は、どちらの遊戯にとっても驚く内容じゃあない。
自分達の知る彼なら、固く友情を結んだ城之内克也なら。
そうするだろうと納得があり、本田の死でショックを受けても変わらない城之内らしさに寂し気な笑みが零れる。
城之内の取った行動を間違いと言う気はない、ただ親友に生きて欲しかったのも本音だ。

良いか悪いかの判別は難しいが、遊戯にとって驚くべき話が他にある。

「いろは、それは本当のことなのか…?」
「は、はい。直接戦ったのはキャルちゃん達だけど、わたし達にも見えましたから」
(ねえもう一人の僕、まさか本当に……)
「間違いないぜ。その男が変身したのは、オシリスだ……!」

放送後に病院を襲った者の一人、曰くどことなく不潔そうな感じの男の人。
なるべくオブラートに包んだ言い方であり、淫夢動画で笑ってるホモガキもIRHちゃんを見習って、どうぞ。

それはさておき、その汚い男が姿を変えた巨大な竜を遊戯が知らない訳がない。
決闘都市でマリクが繰り出し、圧倒的な力に一度は勝利を諦めかけた神。
三幻神の一体、オシリスの天空竜以外に有り得なかった。

「単にそいつが支給品を使って、オシリスだかってのを呼び出したんじゃないのか?凌牙みたいなデッキを持ってなくても、カード一枚で呼べるんだろ?」
「いや、ただ召喚するだけじゃない。おかしいのは、男自身がオシリスに姿を変えたってことだぜ」

遊戯が持つエアトスや、遊馬に支給されたカガリ等。
デッキが無くとも召喚条件を無視し、呼び出せるカードは複数存在する。
だがロード・オブ・ザ・レッドのように身に纏うならまだしも、参加者自身がモンスターに変身するのは初耳だ。
マリクと同じくラーの翼神竜を使い、一体化を果たすなら分かる。
しかし何度思い返してもオシリスにそういった効果はなく、益々疑問は深まるばかり。

正体不明の男が持つのは、オシリスへの変身能力だけではない。
遊戯以外にもう一人、引っ掛かりを覚える者がいた。

「その男が変身したライダーについて、もっと詳しく教えてくれ」
「ええっと…最初は確か銀色と青色で、頭に一本の角?みたいなのがあって…」
「…金色の武具を纏い……大剣と札を得物とした……そう記憶している……」

直接対峙した天津と承太郎ならまだしも、遠目に見ただけな上にデェムシュとの戦闘に意識を割いた為注視してはいない。
思い出すのに苦戦中のいろはを見兼ねたのか、埒が明かないと呆れたのか。
淡々と黒死牟から告げられた特徴で、橘も正体を察し愕然とする他ない。

「何てことだ……本当にブレイドなのか……!」
「その様子じゃ、お前の知ってるライダーシステムで間違いないみてぇだな?」
「ああ、認めたくはないが……」

剣崎が参加していなくとも、ブレイバックルは支給品で利用されている。
それだけでも許し難いが、変身者の話を聞き橘の怒りは一層の激しさを増す。
戦えない全ての人々の代わりに戦う、剣崎の覚悟の証をただの暴力にまで貶めた。
永遠の孤独という代償を支払い、友と世界の両方を救った仲間の戦いへ唾を吐くに等しい。

(剣崎、ブレイバックルは俺が必ず取り返す。ブレイドの力で、これ以上誰かを泣かせる真似はさせない)

ここにはいない仲間へ一つの誓いを立てる。
身勝手な願いを叶える為に、他者へ理不尽な犠牲を強いる男を。
剣崎の魂を汚す外道を、決して許す気はなかった。

「にしても話を聞いた感じ、遊星は集めたカードを使いこなしてるんじゃねぇか?」
「それだけ遊星くんの実力が高いってことだぜ」

現地捕獲のモンスターと他者のデッキ。
不利な状態で強敵達と渡り合えるのは、遊星が非常に優れたデュエルタクティクスの持ち主だからに他ならない。
一度は肩を並べて戦った戦友の話に、どこか誇らしさがあった。
同時に城之内のデッキを遊星が持っているのに安堵を抱く。
良からぬ目的を持った参加者ではなく、信頼出来る決闘者なら決して間違った使い方はしないだろう。

予期せぬ形で仲間達と引き離され、辿り着いたのがフェントホープ。
紺色の剣士との戦闘以外は、エボルトの話と相違ない内容だった。
話はこれで終わり、と言うにはまだ早い。

「敵キャラクターだかって侍を、前々から知ってるんだろ?でなきゃ、俺にあそこまでキレた理由が思い付かねぇな」
「……」

予想通りの問い掛けに睨み返すも、向こうが引き下がる様子はない。
言葉に出さないだけで、いろは以外の全員が同様に聞きたがっている様子。
縁壱に擬態したエボルトへ見せた反応に、無関係だと考える方がどうかしてる。

「あ、あの!そのことは…」
「やめろ……」

咄嗟に割って入ったいろはを制し、重々しく口を開く。
人間との関係を断つ機会を悉く、自ら潰して来たツケと言うのか。
参加者達と不要に関わり続けていれば、いずれは縁壱が見ず知らずの他人でないのに気付かれるのが自然。
自分で蒔いた種と理解しており、尚の事己への苛立ちが湧き上がる。
とはいえ、既に病院で会った者達にはいろはを含めて知られた。
各地へ散らばった連中が触れ回ったとて、何らおかしくない。
今知るか後で知るか、結局その程度の違いでしかないのなら。
幼き頃より燻らせた内面は決して明かさず、簡潔に告げる。
弟だ、と。

案の定、大なり小なり驚きが広まった。
主催者直々に用意した鬼札と、血縁関係を持つ。
詳しく話を聞きたいのが各々本音だろうが、生憎と当人が発する威圧感が安易な質問を拒む。
そんな空気の中、一つ思い出したように六眼が橘へ向けられた。

「日が昇らぬ内に……あのお方の襲撃を受けたと言ったな……」
「あ、ああ。それがどうかしたのか?」
「…あのお方を……敗死寸前に追い詰めたのが……奴だ……」
「なっ……!?」

無惨を殺した男へ、何か思う所がまだあったのか。
情報開示の場にいる最低限の義理のつもりか。
深くは考えていない気まぐれか。
黒死牟にも理由は釈然としないまま、釘を刺すとも恐れを煽るとも取れる言を吐き出す。
昏い衝動に突き動かされ、いろはに苛立ちを吐露したのと同じ轍を踏む気はなく。
話はそれで終わりとばかりに、今度こそ黙り込む。

一歩間違えればリゼ一人の犠牲では済まなかった強さの無惨すら、縁壱には及ばない。
そのような男が自分達の敵として立ち塞がるだろう光景に、図書室内は自然と重苦しい雰囲気となる。

「ま、そこそこ強い程度で敵キャラクターは務まらないからなァ。手に負えない力があるのはむしろ当然だろうよ」

元気付ける意図はないが、黙り込んで話が進まないのは望んでいない。
エボルトにしては非常に珍しく、余計な軽口抜きでやや強引に話を纏めた。
兄弟関係で頭を抱える羽目になったのは、全く持って不愉快ながらエボルトも経験者だ。
うんざりする程の異常者(キルバス)を思い出す、それは精神衛生上宜しくない。
全員が桜ノ館中学に来る経緯は話し終えたのもあり、ここいらで別の話題を切り出す。

「決闘者の遊戯くんに是非意見を伺いたくてな、取り敢えずは聞いてくれ」

殺し合いでデュエルを推したのは黎斗以外の者ではないか。
戦兎と移動中に立てた仮説を否定せず、神妙な顔つきで遊戯は頷く。

「その可能性は俺も低くないと思うぜ。デッキ以外の支給品を後から没収して、奴自身に関係が深い仮面ライダーじゃなくあえてデュエルを主軸に据えている。
 ゲームマスターを名乗る割には、どうもちぐはぐだ」
「だろ?単に殺し合わせたいだけなら、ライダーに変身する道具でもばら撒いた方が手っ取り早い。
 なのに自称神様は、自分でも扱い切れてない節があるデュエルを取り入れた。あいつ自身はそもそもデュエルとは無縁だってのに、だぜ?」

橘が会った花家大我や、いろは達が会ったポッピーピポパポ。
殺し合い以前から黎斗を知る者達の話で、デュエルに関しては一度も触れられていない。
元々デュエルモンスターズを一切知らない黎斗が、調整の甘さが目立つ結果となって尚ゲームに取り入れたのは何故か。
主催側にいる別の何者かに吹き込まれ、急遽デュエルの導入を決めたからでは。
仮説が正しいとする場合、それは一体誰なのかという疑問が新たに浮かび上がる。

「磯野かハ・デスって線は?」
「いや、磯野はあくまで海馬コーポレーションの一社員だ。デュエルの知識があるだけで、檀黎斗に強く意見できるとは思えないぜ」
「冥王は自分がカードのモンスターになってる事を知らなかった。ハ・デスも同じだとしたら、デュエルに深い知識を持つとは限らないんじゃないか?」
『ふーむ、ということは……遊戯さん達と同じ決闘者が檀黎斗に協力してるんでしょうかね?』
「殺し合いを起こすような奴か…」

パッと思い付くのはマリクや乃亜、ダーツと言った過去に戦った強敵達。
黎斗が時間を操れると分かった以上、遊戯に敗れる前の彼らが主催側にいる可能性は否定できない。
或いは遊星や遊馬に因縁を持つ決闘者が、黎斗の協力者とも考えられる。

「ま、デュエリスト以外にも参加者と関係ある奴が、檀黎斗に協力してるってのも有り得ない話じゃないかもな」
『或いは、檀黎斗ですら黒幕的な存在に操られてるってことも、なくはないですねぇ』
「まさか神威の野郎が……いや、魔界孔をもう一度開くのと関係があるのか?」
「天王寺なら関わっていてもおかしくはないが…」
「もし本当にいるならアリナさん、かな……?」

磯野、ハ・デス、黎斗、黒い鎧の男。
判明している面々以外にもまだ、運営側に参加者と関係する者がいるのかもしれない。
そういった「主催に協力してそうな人物」には、それぞれ心当たりがない訳でもなかった。
現状は可能性止まりに過ぎないが。

「餅は餅屋って地球の言葉に倣って、決闘者の相手は遊戯くんに任せるとしてだ。美遊ってお嬢ちゃんの話をしても良いか?」
「っ、美遊がなに……?」

親友の名を出され表情が強張るのは無理からぬこと。
エーデルフェルト邸で仲間達に話したのと同じ内容を、エボルトに伝える気はない。
いろは達だけならともかく、この男に美遊の正体を知られるのは危険だ。
遊戯と蛇王院も分かってるようで、厳しい顔付きになる。
露骨な警戒もエボルトを怯ませるには至らない、何より『答え』はとっくに自分で出してる。

「まどろっこしいの抜きで聞くが、優勝した奴の願いを叶える方法ってのがズバリ美遊なんだろ?」
「っ!?」
「おっとォ?その反応は大正解って訳だな。教えてくれてありがとよ」

絶対に話すまいと決めた真実を、向こうは何故か知っていた。
自分は教えていない、士郎だって言う筈がない。
予想外の言葉に全身が跳ね、喉がヒュッと音を立てこれ以上ないくらいの反応を見せてしまった。

「な、なんで……」
「小難しく考えた訳じゃねぇさ。ただ人質って前提を外した時、こう思ったんだよ。
 元々殺し合いに必要不可欠だから確保したんであって、囚われのお姫様扱いは後から思い付いたんじゃないかってな」
『くっ、いらんところで脳細胞をトップギアにしやがりましたね!』
「…で、それを知ってお前はどうする気だ?」

最悪の相手に美遊の情報を知られ青褪めるイリヤに代わり、蛇王院が問い掛ける。
瞳に宿すは仲間に見せた豪気さとは違う、因縁深い聖女相手にぶつけるのに劣らない殺気。
魔界孔を再び開く為に自分を利用した神威同様、ロクでもない目的を果たすつもりでイリヤの親友を狙うなら。
返答次第ではタダで済ましてはやらない。

「別にィ?俺はただ黎斗を始末して、生きて帰れりゃ文句はねぇよ。お前さんらといきなり事を構える程、余裕があるとも言えないんでな」
「それを信じろってか?」
「イリヤ達の命の恩人の言葉を、信じてもらえないのは悲しいね」

殺意を向けられるのなど、数多の星を滅ぼして来て飽きる程経験した。
今になって動じる素振りも見せず、涼しい顔で受け流す。

「……いいよ。わたしとチノさんがあなたに助けられたのは本当だから、今は何もしない」
「そいつは有難いこって」
「だけど!美遊には指一本触れさせない」

幼いながらに修羅場を潜り、年齢とは不釣り合いな気迫で以て応える。
人類最古の英雄王へ、身一つで立ち向かったように。
親友を犠牲に大望を掲げる魔術師へ、己が我儘(願い)を返したように。
一歩も退かず睨み付けるイリヤに、重なるのは自身へ敗北を刻んだヒーロー。
誰にも気付かせない一瞬、愛憎入り交じった顔を浮かべ。
すぐに元の飄々とした態度を取り戻す。

「了解だお姫様。肝に銘じといてやるよ。人間じゃない俺に肝なんてないがなァ。あ、今のは笑うとこだぜ?」
『笑ってるのあなたしかいなんですがそれは……』

→
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