◆
起きてはならない闘争、とでも言うべきだろうか。
首を垂れ、魂を売り渡し、忠義を捧げた主へ剣を向ける。
生前であれば決して考え付かなかった、何より思考の片隅へ置いた時点で粛清は避けられない。
上弦の鬼が始祖に剣を向ける構図とはつまり、本来実現される事が有り得ないのだ。
首を垂れ、魂を売り渡し、忠義を捧げた主へ剣を向ける。
生前であれば決して考え付かなかった、何より思考の片隅へ置いた時点で粛清は避けられない。
上弦の鬼が始祖に剣を向ける構図とはつまり、本来実現される事が有り得ないのだ。
されど此度は鬼狩りと鬼、両者の因縁渦巻く世界の理からはみ出た屠り合い。
絶対の隷属を与える呪いはとうに切れ、上弦の壱は忠義を自ら投げ捨てたも同義。
まして現れ出たのが始祖本人に非ず、極限まで本物(オリジナル)へ近付けた模造品(コピー)と来た。
絶対の隷属を与える呪いはとうに切れ、上弦の壱は忠義を自ら投げ捨てたも同義。
まして現れ出たのが始祖本人に非ず、極限まで本物(オリジナル)へ近付けた模造品(コピー)と来た。
上記が揃った以上、黒死牟は動揺を瞬時に黙殺。
血鬼術と異なる小賢しきまやかしに翻弄され、果てに頸を差し出す最期は受け入れない。
無惨の右腕の輪郭がブレるのを待たず、得物を抜刀。
様子見や加減を持ち込めば即座に己の死へ繋がる故、出し惜しみは無しでいく。
頭上より振り落とされた触手の到達まで、残り1秒すらない。
血鬼術と異なる小賢しきまやかしに翻弄され、果てに頸を差し出す最期は受け入れない。
無惨の右腕の輪郭がブレるのを待たず、得物を抜刀。
様子見や加減を持ち込めば即座に己の死へ繋がる故、出し惜しみは無しでいく。
頭上より振り落とされた触手の到達まで、残り1秒すらない。
轟音を立て破壊される床。
運動シューズで踏みしめるスポーツクラブの聖域は、煎餅を砕くように破壊。
触手を叩き付けた先に標的の姿はなく、既に駆け出した後。
全集中の呼吸と魔皇力、二つを掛け合わせた身体強化を躊躇せずに実行。
右手の妖刀、虚哭神去もまた鮮血色に染め上げる。
運動シューズで踏みしめるスポーツクラブの聖域は、煎餅を砕くように破壊。
触手を叩き付けた先に標的の姿はなく、既に駆け出した後。
全集中の呼吸と魔皇力、二つを掛け合わせた身体強化を躊躇せずに実行。
右手の妖刀、虚哭神去もまた鮮血色に染め上げる。
――月の呼吸 弐ノ型 朱華ノ弄月
巨獣が爪を振り上げたが如き、不可視の刃が発生。
皮を剥ぐ程度では止まらぬ、魂までもを引き裂かんとする極大の殺意。
嘗て死闘を繰り広げた柱達ですら、劇的に引き上げられた威力へ戦慄を抱かざるを得ないだろう。
運の全てを使い切り避けたとて、取り囲んだ不可視の月輪が逃しはしない。
皮を剥ぐ程度では止まらぬ、魂までもを引き裂かんとする極大の殺意。
嘗て死闘を繰り広げた柱達ですら、劇的に引き上げられた威力へ戦慄を抱かざるを得ないだろう。
運の全てを使い切り避けたとて、取り囲んだ不可視の月輪が逃しはしない。
その絶対斬滅の技が、腕の一振りで薙ぎ払われる。
刃は砕かれ、檻は粉微塵に変えられ、尚も勢い止まらず襲来。
毒牙の餌食にせんと向かうは、最も長く己に従った部下。
付き合いの長さを理由に攻撃を止めはせず、そもそも標的排除以外に回す思考を持たなかった。
刃は砕かれ、檻は粉微塵に変えられ、尚も勢い止まらず襲来。
毒牙の餌食にせんと向かうは、最も長く己に従った部下。
付き合いの長さを理由に攻撃を止めはせず、そもそも標的排除以外に回す思考を持たなかった。
技が破られるなど、想定の範囲内。
如何に生前以上の力を得たとて、初手で決着が付くとは思っていない。
始祖を相手取るとは即ち、明確な格上の鬼に挑むということ。
上弦の壱たる己が唯一手の届かぬ鬼、それこそが鬼舞辻無惨。
如何に生前以上の力を得たとて、初手で決着が付くとは思っていない。
始祖を相手取るとは即ち、明確な格上の鬼に挑むということ。
上弦の壱たる己が唯一手の届かぬ鬼、それこそが鬼舞辻無惨。
――月の呼吸 伍ノ型 月魄災渦
得物を振るう動作を無視し、刃の渦を発生。
構わず突き進む触手を捕え、ズタズタに斬り刻む。
腹を空かせた獣の口に、自ら手を突っ込むに等しい愚行。
と言えない例外が無惨だ、刃が触れた瞬間より即座に再生が起きる。
渦が消えた後に肉片の山は無く、傷一つない腕があるのみ。
構わず突き進む触手を捕え、ズタズタに斬り刻む。
腹を空かせた獣の口に、自ら手を突っ込むに等しい愚行。
と言えない例外が無惨だ、刃が触れた瞬間より即座に再生が起きる。
渦が消えた後に肉片の山は無く、傷一つない腕があるのみ。
問題ない、勢いを僅かなりとも鈍らせれば良かった。
左手がもう一本の得物を引き抜き、妖刀と同じく真紅へ染まる。
手数を増やせば勝てる稚雑な戦ではない、現に見よ。
敵もまた肉体を蠢かせ、新たな戦法で仕掛けて来た。
左手がもう一本の得物を引き抜き、妖刀と同じく真紅へ染まる。
手数を増やせば勝てる稚雑な戦ではない、現に見よ。
敵もまた肉体を蠢かせ、新たな戦法で仕掛けて来た。
胴と腕が割れ、鋭利な牙を生やした口を覗かせる。
捕食だけが活用方法に非ず、複数の衝撃波を発射。
砲丸状に固めた空気の弾幕を、迎え撃つは鬼が操りし双剣。
地縛神との一戦を経て、二刀流も我が身へ馴染ませた。
視界ではなく、五感全てと研ぎ澄ませた直感を駆使し弾の群れを『視』る。
捕食だけが活用方法に非ず、複数の衝撃波を発射。
砲丸状に固めた空気の弾幕を、迎え撃つは鬼が操りし双剣。
地縛神との一戦を経て、二刀流も我が身へ馴染ませた。
視界ではなく、五感全てと研ぎ澄ませた直感を駆使し弾の群れを『視』る。
留まって防戦に徹しては、自身の首を絞めるのと変わらない。
故に前進あるのみ、双剣を振るい斬撃の結界を生成。
空気弾を斬り伏せながら距離を詰めるも、無惨を討つには遥かに遠い。
故に前進あるのみ、双剣を振るい斬撃の結界を生成。
空気弾を斬り伏せながら距離を詰めるも、無惨を討つには遥かに遠い。
全身が躍動するのも一瞬のこと、肉の鞭が飛び出す。
変形させた両腕だけじゃない、腿と背部からも管を伸ばした。
音を超え迫り来る触手を前に、呼吸をより一層練り上げる。
肺が燃え盛る程の熱を帯び、双剣と触手が激突。
一本防いで次はどこを対処するか、などと悠長に構えていては確実に死ぬ。
数百手先に及ぶまでもを構築し、欠片程の隙も生じさせず動く。
変形させた両腕だけじゃない、腿と背部からも管を伸ばした。
音を超え迫り来る触手を前に、呼吸をより一層練り上げる。
肺が燃え盛る程の熱を帯び、双剣と触手が激突。
一本防いで次はどこを対処するか、などと悠長に構えていては確実に死ぬ。
数百手先に及ぶまでもを構築し、欠片程の隙も生じさせず動く。
その光景を果たして、まともに視認出来る者が会場に何人いるのだろうか。
何かが破裂するような音を、辛うじて聞き取れはしても。
『誰』が『なに』をやってるのか、理解が及ぶ前に。
10秒に達した時点でとうに百を超えた打ち合いに巻き込まれ、塵が残るかも怪しい最期を迎えるだろう。
何かが破裂するような音を、辛うじて聞き取れはしても。
『誰』が『なに』をやってるのか、理解が及ぶ前に。
10秒に達した時点でとうに百を超えた打ち合いに巻き込まれ、塵が残るかも怪しい最期を迎えるだろう。
互角に渡り合っていると思わせ、その実余裕がないのは常に黒死牟の方だ。
幾度斬ろうと傷は付かず、安易に踏み込めば反応を許されずに粉砕は確実。
魔皇力を用いた強化があって、ようやっと食い下がれる。
だがこのまま打ち合いに興じ続けた所で、先に限界が来るのがどちらかを言うまでもない。
幾度斬ろうと傷は付かず、安易に踏み込めば反応を許されずに粉砕は確実。
魔皇力を用いた強化があって、ようやっと食い下がれる。
だがこのまま打ち合いに興じ続けた所で、先に限界が来るのがどちらかを言うまでもない。
橘朔也が無惨を討った時の、幾重にも及ぶ不利な条件は存在しない。
ましてこの無惨は、黒死牟の記憶を元に再現された個体。
首輪による制限がされておらず、老化薬を打ち込まれた弱体化の気配も無し。
何一つ縛られない、その上自我を持たぬ故に己の短気な性根に振り回されもしないとくれば。
黒死牟単独で相手取ることそのものが、自殺行為と呼んでも差し支えなかった。
ましてこの無惨は、黒死牟の記憶を元に再現された個体。
首輪による制限がされておらず、老化薬を打ち込まれた弱体化の気配も無し。
何一つ縛られない、その上自我を持たぬ故に己の短気な性根に振り回されもしないとくれば。
黒死牟単独で相手取ることそのものが、自殺行為と呼んでも差し支えなかった。
(存外……落ち着いているな……)
全集中の呼吸と、体中に行き渡らせた魔皇力。
両方を切らさぬよう気を張る中で、冷静な自分自身がどこか奇妙に感じた。
両方を切らさぬよう気を張る中で、冷静な自分自身がどこか奇妙に感じた。
主の意に沿わぬ行動を取り続けたのみならず、模造品とはいえ刃を向ける状況になっても。
動揺や迷いが入り込む余地はなく、十全の戦意で剣を振るっている。
一度剥がれ落ちた忠義を毛先程でも取り戻し、これ以上恥に濡れる前に討たれる時が遂に来た。
そう思い頸を捧げる選択が最初から浮かばなかった辺り、やはり己は部下としても不出来極まる半端者だったと。
胸中で痛罵を吐き捨て、しかし刀を放り投げる気は一向に起きない。
動揺や迷いが入り込む余地はなく、十全の戦意で剣を振るっている。
一度剥がれ落ちた忠義を毛先程でも取り戻し、これ以上恥に濡れる前に討たれる時が遂に来た。
そう思い頸を捧げる選択が最初から浮かばなかった辺り、やはり己は部下としても不出来極まる半端者だったと。
胸中で痛罵を吐き捨て、しかし刀を放り投げる気は一向に起きない。
死ぬつもりがない、縁壱以外の者へくれてやる命はないと己の中で定まった。
であれば最早、始祖が相手であっても殺されてはやらない。
であれば最早、始祖が相手であっても殺されてはやらない。
「どの道……ここで躓くようでは……」
始祖を超える剣士、弟に追い付くのは永劫叶わぬだろう。
先へ進む為に越えねばならぬ壁となり、我が眼前に立ち塞がるなら。
それが例え始祖、最強の鬼であろうと止まれはしない。
常時貼り付く「限界」の二文字が、絶えず枷になるも知った事か。
三本の触手を纏めて打ち払い、更に一歩踏み込んだ。
先へ進む為に越えねばならぬ壁となり、我が眼前に立ち塞がるなら。
それが例え始祖、最強の鬼であろうと止まれはしない。
常時貼り付く「限界」の二文字が、絶えず枷になるも知った事か。
三本の触手を纏めて打ち払い、更に一歩踏み込んだ。
○
「ストラーダ・フトゥーロ……!」
魔力を一本の矢に集中し、天空目掛けて放ついろはの大技(マギア)。
空中で炸裂し桜色の雨を降らせ、地上の敵を一層するが此度の敵は柔じゃない。
地面が削れる程の機動力で以て縦横無尽に駆け、一本たりとも矢を当てさせなかった。
時折尾を振るい叩き落としながら、撃った本人を殺しに掛かる。
空中で炸裂し桜色の雨を降らせ、地上の敵を一層するが此度の敵は柔じゃない。
地面が削れる程の機動力で以て縦横無尽に駆け、一本たりとも矢を当てさせなかった。
時折尾を振るい叩き落としながら、撃った本人を殺しに掛かる。
切符鋏を打ち鳴らし、挟み込むべく腕を伸ばす。
一度捕えられれば、いろはの細い腰など魚の小骨よりも簡単にへし折れるだろう。
後方へと跳ねて回避、獲物を逃した金属が虚しく音を立てる。
一度捕えられれば、いろはの細い腰など魚の小骨よりも簡単にへし折れるだろう。
後方へと跳ねて回避、獲物を逃した金属が虚しく音を立てる。
避けながらも矢を連射し、背後に複数本の槍を生成。
光矢を躱した先へもう一つの得物を射出するも、豪快に振るわれた尾が寄せ付けない。
両手を地面に叩き付け敵が跳躍、頭上を取るや尾の先端のカンテラを揺らす。
何を起こす為の動作かを知る故に、いろはも意識を回避へ集中。
光矢を躱した先へもう一つの得物を射出するも、豪快に振るわれた尾が寄せ付けない。
両手を地面に叩き付け敵が跳躍、頭上を取るや尾の先端のカンテラを揺らす。
何を起こす為の動作かを知る故に、いろはも意識を回避へ集中。
上空から降り注ぐ激流が、校舎諸共地面を洗い流す。
飲み込まれれば溺死を待たず、体中の骨が砕かれるだろう。
槍を階段状に生成し駆け上がって、波の届かぬ位置にまで移動。
間髪入れず、切符鋏を突き出した相手が飛び掛かった。
飲み込まれれば溺死を待たず、体中の骨が砕かれるだろう。
槍を階段状に生成し駆け上がって、波の届かぬ位置にまで移動。
間髪入れず、切符鋏を突き出した相手が飛び掛かった。
「っ、う……!」
手元に生成した槍を構え、防御の姿勢を取る。
得物を挟んで睨み合うも、やはり相手が何らかの言葉を返しはしない。
当然だ、ここにいるのはやちよであってやちよ本人ではない。
所詮は外見と能力だけの模造品と、簡単に割り切れれば楽だろうけど。
得物を挟んで睨み合うも、やはり相手が何らかの言葉を返しはしない。
当然だ、ここにいるのはやちよであってやちよ本人ではない。
所詮は外見と能力だけの模造品と、簡単に割り切れれば楽だろうけど。
「やちよさん……っ!」
あっさり切り捨てられる程、やちよとは浅い関係じゃない。
顔を歪ませても向こうは手加減せず、挟み込んだ槍を破壊する。
得物が壊される前に手放し、自ら真下へと急降下。
受け身を取ったいろはを追い掛け、やちよも頭上より両腕を叩き付けた。
顔を歪ませても向こうは手加減せず、挟み込んだ槍を破壊する。
得物が壊される前に手放し、自ら真下へと急降下。
受け身を取ったいろはを追い掛け、やちよも頭上より両腕を叩き付けた。
そう来る事まで予測済だ、地面を転がりながら矢を撃つ。
距離を取っても接近するのは容易い、薙ぎ払い迫る青い魔法少女を視界に入れ。
迎撃用の矢と槍を放った。
距離を取っても接近するのは容易い、薙ぎ払い迫る青い魔法少女を視界に入れ。
迎撃用の矢と槍を放った。
「――っ、やぁああああああああああっ!!」
動揺に苛まれるのはいろは一人だけではない。
叫んだのは自分を奮い立たせる為か、或いは誤魔化す為か。
理由も分からないままに踏み込むイリヤの手には、民の理想を背負った王の剣。
セイバーのクラスカードを使い、幼い身に騎士王の力を降ろす。
果敢に斬り掛かる少女を相手は鼻で笑う事もなく、無言のままに双剣をぶつける。
叫んだのは自分を奮い立たせる為か、或いは誤魔化す為か。
理由も分からないままに踏み込むイリヤの手には、民の理想を背負った王の剣。
セイバーのクラスカードを使い、幼い身に騎士王の力を降ろす。
果敢に斬り掛かる少女を相手は鼻で笑う事もなく、無言のままに双剣をぶつける。
巧みに操る白黒の剣を、聖剣一本で捌く。
カレイドライナーが不得意とする近接戦も、クラスカードの影響で補われた。
両腕に力を籠め押し返し、体勢の崩れた瞬間に突きを繰り出す。
が、それは敵があえて作った隙。
絡め取るように双剣で受け流され、今度はイリヤががら空きの急所を晒す番。
カレイドライナーが不得意とする近接戦も、クラスカードの影響で補われた。
両腕に力を籠め押し返し、体勢の崩れた瞬間に突きを繰り出す。
が、それは敵があえて作った隙。
絡め取るように双剣で受け流され、今度はイリヤががら空きの急所を晒す番。
「まだ……!」
細い首へ走る剣を、馬鹿正直に受け入れる自殺志願者になった覚えはない。
片足を軸に半身回転、双剣を打ち返し使い手諸共吹き飛ばす。
枯れ葉のように宙を舞うも、華麗な動作で着地。
手には新たに黒塗りの弓を装備、番えた矢が討ち抜く先はイリヤの足元。
爆発が起き視界を奪い、秒と掛からず背後へ移動。
二本目で頭部を射抜く算段だろうが、イリヤの反応速度を甘く見過ぎだ。
片足を軸に半身回転、双剣を打ち返し使い手諸共吹き飛ばす。
枯れ葉のように宙を舞うも、華麗な動作で着地。
手には新たに黒塗りの弓を装備、番えた矢が討ち抜く先はイリヤの足元。
爆発が起き視界を奪い、秒と掛からず背後へ移動。
二本目で頭部を射抜く算段だろうが、イリヤの反応速度を甘く見過ぎだ。
「そこっ……!」
振り返り様に剣を振るい、矢を斬り落とす。
なればと敵は複数本の剣を周囲に生成、一斉射出で牽制しながら最接近。
先程投げ捨てた双剣が手元へ現れる光景に、疑問は持たない。
投影魔術、アーチャーのクラスカードが核のクロエだからやれる芸当と知っている。
なればと敵は複数本の剣を周囲に生成、一斉射出で牽制しながら最接近。
先程投げ捨てた双剣が手元へ現れる光景に、疑問は持たない。
投影魔術、アーチャーのクラスカードが核のクロエだからやれる芸当と知っている。
『相手は本物ではありません、あくまで模造体に過ぎませんが……』
「分かってる……分かってるけど……!」
「分かってる……分かってるけど……!」
クロエがもういない事なんて、消滅の瞬間を見た自分が一番よく分かっている。
もう一度会いたい、そう思わない訳がない。
「泣き虫イリヤ」と悪戯っぽい笑みを浮かべ、ひょっこり顔を出す光景が現実ならどれ程良かったか。
最期に見せた顔は強く記憶に焼き付いており、だから余計に許せない。
もう一度会いたい、そう思わない訳がない。
「泣き虫イリヤ」と悪戯っぽい笑みを浮かべ、ひょっこり顔を出す光景が現実ならどれ程良かったか。
最期に見せた顔は強く記憶に焼き付いており、だから余計に許せない。
『頭上注意!魔力反応ありです!』
「っ!?」
「っ!?」
模造体を造った男を思わず睨み付けるも、直後に脅威が迫り来る。
グリモワールのウワサ本体が、何もせず傍観に徹するルールはない。
熱線が放たれ、校舎を焼きながら襲来。
一足先に打ち合いを止め距離を取ったクロエに倣い、イリヤも回避へ動く。
焼き払われる末路を遠ざけるも、戦い自体が終わったのではない。
懐へ潜り込んだクロエが得物を突き出せば、刀身を翳し防御。
鍔迫り合う二人の内片や無表情、片や感情が混じり合って歪んでおり正反対だった。
グリモワールのウワサ本体が、何もせず傍観に徹するルールはない。
熱線が放たれ、校舎を焼きながら襲来。
一足先に打ち合いを止め距離を取ったクロエに倣い、イリヤも回避へ動く。
焼き払われる末路を遠ざけるも、戦い自体が終わったのではない。
懐へ潜り込んだクロエが得物を突き出せば、刀身を翳し防御。
鍔迫り合う二人の内片や無表情、片や感情が混じり合って歪んでおり正反対だった。
「うおらああああああああああああああっ!!!」
湧き上がる全てを怒りに変え、闘争の熱気を数段階上げるのは万丈こと仮面ライダークローズブラッド。
マントに内蔵された推進ユニットが機能し、動作一つ一つが高速化。
真紅の残像を残し拳を突き出せば最早、クローズ自身が必殺の弾丸と化すにも等しい。
エボルドライバーならでは高スペックと、万丈自身の揺るがぬ闘争心。
両方が組み合わせたライダーを前に、並の敵では到底相手は務まらない。
マントに内蔵された推進ユニットが機能し、動作一つ一つが高速化。
真紅の残像を残し拳を突き出せば最早、クローズ自身が必殺の弾丸と化すにも等しい。
エボルドライバーならでは高スペックと、万丈自身の揺るがぬ闘争心。
両方が組み合わせたライダーを前に、並の敵では到底相手は務まらない。
だが高速戦闘を得意とするのは、クローズ一人の特権ではない。
煌びやかなボトルを全身各所に突き刺した、仮面ライダービルドの最終形態。
ジーニアスビルドもまた、バトルシューズ内の成分を活性化。
クローズに引けを取らない速度を発揮し、拳を叩きつけ合う。
煌びやかなボトルを全身各所に突き刺した、仮面ライダービルドの最終形態。
ジーニアスビルドもまた、バトルシューズ内の成分を活性化。
クローズに引けを取らない速度を発揮し、拳を叩きつけ合う。
強化剤の注入で打撃の威力を引き上げたのみならず、肉弾戦はクローズが最も得意とする戦法。
隙を生じさせぬ拳が雨あられと放たれるも、パワーに優れるのはビルドとて同じ。
グローブ部分の装置が敵の攻撃を解析、エボルボトルが力の大元と結果を叩き出す。
地球にとって悪しき成分を中和するのが、ジーニアスフォームの持ち味の一つ。
クローズが放った打撃の威力が減少、押し切られるのは時間の問題だ。
隙を生じさせぬ拳が雨あられと放たれるも、パワーに優れるのはビルドとて同じ。
グローブ部分の装置が敵の攻撃を解析、エボルボトルが力の大元と結果を叩き出す。
地球にとって悪しき成分を中和するのが、ジーニアスフォームの持ち味の一つ。
クローズが放った打撃の威力が減少、押し切られるのは時間の問題だ。
「それがどうしたぁっ!!」
なれどクローズは闘争心が高まれば高まる程、自身を強化する戦士。
頭部が輝くと共に、拳へ蒼い炎を纏わせた。
強制的に下げられた力を、自力で急上昇。
ビルドの拳を押し返し、小さな隙間をこじ開けるように胴へラッシュを叩き込む。
頭部が輝くと共に、拳へ蒼い炎を纏わせた。
強制的に下げられた力を、自力で急上昇。
ビルドの拳を押し返し、小さな隙間をこじ開けるように胴へラッシュを叩き込む。
呻き声は出さないが、ダメージにはなったのだろう。
後退しつつ、ビルドは自身に宿るフルボトルの能力を使用。
単に殴り合うだけがジーニアスフォームの全てでないと、思い知らせる時だ。
右腕からは消防車の梯子が、左腕からはタコ足を模した触手を伸ばす。
薙ぎ払うべく腕を振るうも、それぞれの先端から針と銃弾が撃ち込まれる。
後退しつつ、ビルドは自身に宿るフルボトルの能力を使用。
単に殴り合うだけがジーニアスフォームの全てでないと、思い知らせる時だ。
右腕からは消防車の梯子が、左腕からはタコ足を模した触手を伸ばす。
薙ぎ払うべく腕を振るうも、それぞれの先端から針と銃弾が撃ち込まれる。
「うおっ!?」
思わぬ攻撃へ怯んだクローズへ、追い打ちを掛けるべく接近。
忍者さながらの俊敏性で懐へ潜り込み、突き出した拳は先程以上の重さだ。
強引に押し返そうにも、一手早くビルドが二撃目を放つ。
ロケット噴射の勢いを味方に付け、狼のような爪を突き刺す気か。
忍者さながらの俊敏性で懐へ潜り込み、突き出した拳は先程以上の重さだ。
強引に押し返そうにも、一手早くビルドが二撃目を放つ。
ロケット噴射の勢いを味方に付け、狼のような爪を突き刺す気か。
敵の好き放題を長々と許し、無意味に自分を不利にする趣味はない。
蒼炎を片足に纏わせて振るい、爪を弾き返す。
防いで終わりと思ったら大間違いだ、連続して放った蹴りが余計な真似をさせない。
蒼炎を片足に纏わせて振るい、爪を弾き返す。
防いで終わりと思ったら大間違いだ、連続して放った蹴りが余計な真似をさせない。
「がっ!?」
しかしクローズの敵はビルドのみに非ず、割って入ったウワサの光弾が命中。
火花を散らし呻くと、機会を逃さず反対に蹴りを繰り出された。
靴底にキャタピラを展開、装甲を削り取りダメージを蓄積。
堪らず後退するも逃しはしない、クローズ同様に拳へ蒼炎を纏わせて殴り付ける。
火花を散らし呻くと、機会を逃さず反対に蹴りを繰り出された。
靴底にキャタピラを展開、装甲を削り取りダメージを蓄積。
堪らず後退するも逃しはしない、クローズ同様に拳へ蒼炎を纏わせて殴り付ける。
「があああああ……っ!」
仮面越しに頬へ突き刺さり、脳を激しく揺さぶられる。
殴り飛ばされ地面を転がった所に、追い打ちでエネルギー弾が殺到。
両腕を盾に凌ぐが弾数は敵が圧倒的に多い、防ぎ漏らした箇所が悲鳴を上げる。
一方的に嬲るという、ヒーローらしからぬ真似に出て当然だ。
そこに天才物理学者の掲げた愛と平和は無く、只の兵器でしかない。
殴り飛ばされ地面を転がった所に、追い打ちでエネルギー弾が殺到。
両腕を盾に凌ぐが弾数は敵が圧倒的に多い、防ぎ漏らした箇所が悲鳴を上げる。
一方的に嬲るという、ヒーローらしからぬ真似に出て当然だ。
そこに天才物理学者の掲げた愛と平和は無く、只の兵器でしかない。
『ONE SIDE!』
『逆サイド!』
『『ALL SIDE!/オールサイド!』』
レバーを操作し、異なる電子音声が技の発動を知らせる。
ボトル内の成分を最大限に活性化、グラフ型の滑走路を生成。
基本フォームと同じシークエンスの蹴り技なれど、威力はその比ではない。
正真正銘、ビルドにとっての『必殺』たる力で標的を消し去る。
自分の相棒であっても、罪悪感が入り込む余地は存在しない。
ボトル内の成分を最大限に活性化、グラフ型の滑走路を生成。
基本フォームと同じシークエンスの蹴り技なれど、威力はその比ではない。
正真正銘、ビルドにとっての『必殺』たる力で標的を消し去る。
自分の相棒であっても、罪悪感が入り込む余地は存在しない。
「容赦なしかよ……分かってたけどなぁ……!」
『Ready Go!』
『GREAT DRAGONIC FINISH!』
対するクローズも、選ぶ手札は最大級の技。
エボルドライバーを操作し、ボトル内からエネルギーを限界以上に付与。
パイプオルガンの演奏に似た音楽に続き、宿敵の声で準備完了を伝えられた。
エボルドライバーを操作し、ボトル内からエネルギーを限界以上に付与。
パイプオルガンの演奏に似た音楽に続き、宿敵の声で準備完了を伝えられた。
跳躍したビルドが滑走路を急降下し、猛烈に加速。
標的は外さない、靴底が胴体を叩き爆散の末路へと追いやる。
襲い来る敵へ逃げも隠れもせず、クローズは真っ向勝負で迎え撃つ。
全身を蒼炎に包みながら、戦意の全てを乗せた拳を放った。
標的は外さない、靴底が胴体を叩き爆散の末路へと追いやる。
襲い来る敵へ逃げも隠れもせず、クローズは真っ向勝負で迎え撃つ。
全身を蒼炎に包みながら、戦意の全てを乗せた拳を放った。
60本のフルボトルと、ジーニアスボトル。
それら全てのエネルギーを宿す蹴りの破壊力たるや、想像を絶する程。
呆気なく打ち負け倒れ伏しても、責められはしないだろう。
それら全てのエネルギーを宿す蹴りの破壊力たるや、想像を絶する程。
呆気なく打ち負け倒れ伏しても、責められはしないだろう。
「こんなもんかよ……」
だがクローズは倒れない。
伸ばした腕は押し返されず、ビルドをそれ以上一ミリたりとも進ませない。
エボルドライバーを使ったクローズの力でも、決して気の抜けない威力だ。
いつ崩れ落ちても不思議の無い負荷が掛かり、だから何だと敗北の可能性を捻じ伏せる。
伸ばした腕は押し返されず、ビルドをそれ以上一ミリたりとも進ませない。
エボルドライバーを使ったクローズの力でも、決して気の抜けない威力だ。
いつ崩れ落ちても不思議の無い負荷が掛かり、だから何だと敗北の可能性を捻じ伏せる。
「魂が全然籠ってねぇ、ビルドの見た目だけ真似たってなぁ……!」
能力だけは本物のビルドと同じでも、まるで脅威には思えない。
ラブ&ピースの世界を実現するべく、時に心が折れる程の苦痛を味わっても。
再起し戦い抜いた、ヒーローの魂が無い外見だけのビルドなんぞに。
戦兎の意思を継ぐと決意した自分は、断じて負けはしない。
ラブ&ピースの世界を実現するべく、時に心が折れる程の苦痛を味わっても。
再起し戦い抜いた、ヒーローの魂が無い外見だけのビルドなんぞに。
戦兎の意思を継ぐと決意した自分は、断じて負けはしない。
「桐生戦兎の強さなんざ、これっぽちもねぇんだよ!!!」
魂が燃え、クローズを覆う蒼炎の勢いが更に上昇。
これはよくないと見たのか、上空の巨体が援護で光弾を放つも構うものか。
アッパーカットがビルドを打ち上げ、龍の顎を模した蒼炎が小癪な横槍をも焼き潰す。
一度掴んだ流れを逃さず、取り出した得物を構える。
これはよくないと見たのか、上空の巨体が援護で光弾を放つも構うものか。
アッパーカットがビルドを打ち上げ、龍の顎を模した蒼炎が小癪な横槍をも焼き潰す。
一度掴んだ流れを逃さず、取り出した得物を構える。
『読後一閃!烈火居合!』
「俺の炎が……迸る!!」
真紅のエンブレムを填めた聖剣に宿るは、二種の力。
剣自身が持つ火炎と、クローズが纏う蒼炎。
剥き出しの闘争心が灼熱となり、刀身に膨大な熱が帯びる。
豪快に振り回した聖剣が広範囲を焼き払い、炎刃がビルドを切り裂く。
剣自身が持つ火炎と、クローズが纏う蒼炎。
剥き出しの闘争心が灼熱となり、刀身に膨大な熱が帯びる。
豪快に振り回した聖剣が広範囲を焼き払い、炎刃がビルドを切り裂く。
刃が届いたのは残る二体の模造体、やちよとクロエもだ。
激流は蒸発し、双剣の防御も無意味。
切り裂かれた両者はダメージ故か、暫し硬直。
だが消滅に至らないなら動かせると、上空から指示が飛ぶ。
再度動き始めた三体は各々得物を構え直し、やはり沈黙を貫き攻撃に出た。
激流は蒸発し、双剣の防御も無意味。
切り裂かれた両者はダメージ故か、暫し硬直。
だが消滅に至らないなら動かせると、上空から指示が飛ぶ。
再度動き始めた三体は各々得物を構え直し、やはり沈黙を貫き攻撃に出た。
グリモワールのウワサと、ソレを操るリンボ目掛けて。
「なんですと!?」
これに驚いたのはリンボだ。
当たり前だが、自分で自分を攻撃させるトチ狂った命令を出す筈がない。
しかし現実に模造体は他の者に目もくれず、こちらを狙うではないか。
一体何事かと混乱するも、事態は待ってくれなかった。
当たり前だが、自分で自分を攻撃させるトチ狂った命令を出す筈がない。
しかし現実に模造体は他の者に目もくれず、こちらを狙うではないか。
一体何事かと混乱するも、事態は待ってくれなかった。
飛行ユニットにより上昇し、ビルドがエネルギー弾と火炎弾を連射するのに倣い。
やちよも激流を発生させ、クロエは矢を射って援護。
三方向から狙われるも、図体のデカい的扱いは御免だ。
困惑はそのままにグリモワールのウワサを操り、熱線や魔力の放射で迎撃。
自身も淀みない動作で結界を展開、目障りな攻撃を寄せ付けない。
やちよも激流を発生させ、クロエは矢を射って援護。
三方向から狙われるも、図体のデカい的扱いは御免だ。
困惑はそのままにグリモワールのウワサを操り、熱線や魔力の放射で迎撃。
自身も淀みない動作で結界を展開、目障りな攻撃を寄せ付けない。
「急に何が……?仲間割れ?」
「もしかして、こうなるのを龍我さんも知っててやったってこと?」
「いや、俺も全然分かんねぇって……」
「もしかして、こうなるのを龍我さんも知っててやったってこと?」
「いや、俺も全然分かんねぇって……」
唐突な事態に付いていけないのは、いろは達も同様。
仲間割れが起きたにしても、その原因がハッキリしない。
万丈が攻撃した直後に、模造体達の様子が急におかしくなったが。
よもや、この剣に特殊な仕掛けでもあるのかと。
思わず手元に視線を落とすが、返事は沈黙だった。
仲間割れが起きたにしても、その原因がハッキリしない。
万丈が攻撃した直後に、模造体達の様子が急におかしくなったが。
よもや、この剣に特殊な仕掛けでもあるのかと。
思わず手元に視線を落とすが、返事は沈黙だった。
尤も、万丈本人は知らないが仮説は正しい。
奇怪な現象を引き起こしたのは、炎刃を放った聖剣。
火炎剣烈火の能力で間違いない。
奇怪な現象を引き起こしたのは、炎刃を放った聖剣。
火炎剣烈火の能力で間違いない。
烈火の力はワンダーライドブックと組み合わせ、仮面ライダーセイバーに変身するだけが全てではない。
本来の使い手、神山飛羽真がメギドとの戦いで度々活用した機能。
『邪悪とそうでないものを斬り離す力』が、此度も働いた証拠だ。
本来の使い手、神山飛羽真がメギドとの戦いで度々活用した機能。
『邪悪とそうでないものを斬り離す力』が、此度も働いた証拠だ。
グリモワールワンダーライドブックとリンボの術式で創られたが、模造体の原形となったのは。
鬼の始祖を除き、善性の強い者達。
そこへ烈火の能力が影響を及ぼし、グリモワールのウワサによる支配から斬り離された。
後に残るは標的排除のみに動いた人形ではなく、オリジナルの人物同様の精神性。
言葉は変わらず発せないが、三体共に考える事は一つ。
鬼の始祖を除き、善性の強い者達。
そこへ烈火の能力が影響を及ぼし、グリモワールのウワサによる支配から斬り離された。
後に残るは標的排除のみに動いた人形ではなく、オリジナルの人物同様の精神性。
言葉は変わらず発せないが、三体共に考える事は一つ。
世話の焼ける妹、筋肉馬鹿らしい相棒、希望を託した相手。
生きて戦う彼らの為に、自分達の力を使い切る。
生きて戦う彼らの為に、自分達の力を使い切る。
「何が起きてんのかハッキリ分かんねぇけど、もう敵じゃないんならごちゃごちゃ考えることもねぇだろ」
『うーん清々しいまでの脳筋ぶりですねー』
「るっせえよ!」
『うーん清々しいまでの脳筋ぶりですねー』
「るっせえよ!」
だが万丈の言うように、自分達に敵対しないのであれば。
倒すべき敵が全員一致した以上、どの道やるべき事は最初と同じだ。
元凶たる術師とウワサを倒す、頷き合い三人も打って出る。
倒すべき敵が全員一致した以上、どの道やるべき事は最初と同じだ。
元凶たる術師とウワサを倒す、頷き合い三人も打って出る。
「ンンンンソソン!!飼い犬に恩を仇で返されるとは正にこのこと!」
予想外の事態になるも、それはそれとして敗北と言うには早過ぎる。
呪符を数枚取り出し投擲、呪力をトリガーに使い魔を生み出す。
橙色の体に爪を生やした、式神を通じ得た情報(データ)により生成可能になった荒魂だ。
呪符を数枚取り出し投擲、呪力をトリガーに使い魔を生み出す。
橙色の体に爪を生やした、式神を通じ得た情報(データ)により生成可能になった荒魂だ。
すかさずいろはが矢を撃ち込むも、一体一体の回避能力は高い。
嘲笑うように躱し反対に爪を振るうが、死角から伸びた切符鋏が捕える。
今度は逃げ出す間もなく圧死、いろはだけに気を取られたが故の末路だった。
嘲笑うように躱し反対に爪を振るうが、死角から伸びた切符鋏が捕える。
今度は逃げ出す間もなく圧死、いろはだけに気を取られたが故の末路だった。
「ありがとうございます……!」
礼を伝えても相手は無言、しかしそれでも構わない。
槍と矢の射出による支援を背に、やちよの模造体が荒魂を次々叩き潰す。
槍と矢の射出による支援を背に、やちよの模造体が荒魂を次々叩き潰す。
前足だけで駆け、顎部分に刀を持つ荒魂が襲い掛かったのはイリヤ。
複数同時に飛び掛かり、更に頭上から魔力弾がばら撒かれる。
どちらか片方に意識を割けば、もう片方の餌食と化す。
させじと躍り出た影が双剣を駆使し、光弾を斬り落とした。
イリヤの方は見ず、その背が行けと伝える。
複数同時に飛び掛かり、更に頭上から魔力弾がばら撒かれる。
どちらか片方に意識を割けば、もう片方の餌食と化す。
させじと躍り出た影が双剣を駆使し、光弾を斬り落とした。
イリヤの方は見ず、その背が行けと伝える。
「うん……!」
込み上げたものを飲み込み聖剣を一閃。
荒魂達を蹴散らし、大元の元凶たる術師を目指す。
荒魂達を蹴散らし、大元の元凶たる術師を目指す。
小賢しくも抵抗に出始めたが、これで終わりと思ってもらっては困る。
リンボが宙に印を描くと、肉の檻で今も陵辱を受けるココアへパスを繋ぐ。
異世界で得た能力は、鼠共相手に存分に使ってやろう。
苦痛への叫びがウワサ内部で木霊するも、リンボを止める効果はゼロ。
魔力が収束し水流を発生、やちよが放った以上の威力で小癪な抵抗を残らず洗い流す。
リンボが宙に印を描くと、肉の檻で今も陵辱を受けるココアへパスを繋ぐ。
異世界で得た能力は、鼠共相手に存分に使ってやろう。
苦痛への叫びがウワサ内部で木霊するも、リンボを止める効果はゼロ。
魔力が収束し水流を発生、やちよが放った以上の威力で小癪な抵抗を残らず洗い流す。
『ULTIMATE MATCH BREAK!』
我こそは裁きを下す神とでも言うつもりだろうが、人間の足掻きが驕りを打ち砕く。
ビルドとクローズ、本来であれば二度と並び立ちはしないベストマッチのコンビ。
共にフルボトルバスターを装備し、四本のボトルを装填。
威力を最大級に高めたエネルギー光弾が同時発射し、分厚い水の壁も貫く。
ビルドとクローズ、本来であれば二度と並び立ちはしないベストマッチのコンビ。
共にフルボトルバスターを装備し、四本のボトルを装填。
威力を最大級に高めたエネルギー光弾が同時発射し、分厚い水の壁も貫く。
「甘い甘い!胸やけを起こすくらいに甘いですなぁ!」
なれど敵はキャスター・リンボ、今更対処に手間取る輩には非ず。
呪符数枚を投げ放ち、結界の生成でライダー達の砲撃を防ぎ切る。
矛と盾の激突によりエネルギーが霧散、一時的に視界を奪う。
呪符数枚を投げ放ち、結界の生成でライダー達の砲撃を防ぎ切る。
矛と盾の激突によりエネルギーが霧散、一時的に視界を奪う。
「ぬっ!?」
そこまでが相手の狙い通りだ。
送風攻撃ユニットを出現させたビルドが、クローズ目掛け暴風を浴びせる。
攻撃の為でないのは、風の勢いを味方に付け突撃する姿からも明らか。
事前の打ち合わせなど行っておらず、ましてビルドは言葉を持たない。
しかし余計な会話が無くとも、魂で分かった。
本人でなかろうとラブ&ピースの信念を取り戻したヒーローなら、必ず共に戦ってくれると。
送風攻撃ユニットを出現させたビルドが、クローズ目掛け暴風を浴びせる。
攻撃の為でないのは、風の勢いを味方に付け突撃する姿からも明らか。
事前の打ち合わせなど行っておらず、ましてビルドは言葉を持たない。
しかし余計な会話が無くとも、魂で分かった。
本人でなかろうとラブ&ピースの信念を取り戻したヒーローなら、必ず共に戦ってくれると。
「好き放題やってんじゃねぇぞ!!」
グリモワールのウワサを切り裂くは、クローズが振るいし火炎剣烈火。
胴を刀身が走るも、敵のサイズがサイズだ。
煩わしそうに体を震わせこそしたが、撃破には至らない。
所詮は頭に血を昇らせた猿のお遊びと、嘲笑うに値する愚行。
胴を刀身が走るも、敵のサイズがサイズだ。
煩わしそうに体を震わせこそしたが、撃破には至らない。
所詮は頭に血を昇らせた猿のお遊びと、嘲笑うに値する愚行。
それが出来ないのは、巨体内部で起きた異変を即座に察知したが為だろう。
「何と!?搾取されるだけの芋娘めが、この期に及んで抵抗するか!」
模造体を支配から斬り離したように、此度も烈火の能力が効果を発揮。
邪悪なる巨体と善なる少女、ココアを引き剥がすべく働きかける。
急ぎ呪力を流し拘束力を高めるが、ウワサの制御に綻びが生じたのは避けられない。
模造体達の体にノイズが走り、存在が徐々に希薄へと変わる。
邪悪なる巨体と善なる少女、ココアを引き剥がすべく働きかける。
急ぎ呪力を流し拘束力を高めるが、ウワサの制御に綻びが生じたのは避けられない。
模造体達の体にノイズが走り、存在が徐々に希薄へと変わる。
影響は当然の如く、唯一善たる者から外れた始祖にも起こっていた。
○
「……っ!」
双剣の防御をすり抜け、触手がとうとう頸に掛けられる寸前の事だった。
目に見えて無惨の勢いが落ち、対処可能な域にまで下がったのは。
ザンバットソードで肉の鞭を弾き、虚哭神去が不可視の半月を生み出す。
相変わらずの生命力で切断面すら拝めないが、六眼は確かに捉えた。
肉体透過は誤魔化せない、筋繊維の動き一つ一つに至るまで鈍さがある。
何より、模造体を構成する魔力にも揺らぎが生じていた。
目に見えて無惨の勢いが落ち、対処可能な域にまで下がったのは。
ザンバットソードで肉の鞭を弾き、虚哭神去が不可視の半月を生み出す。
相変わらずの生命力で切断面すら拝めないが、六眼は確かに捉えた。
肉体透過は誤魔化せない、筋繊維の動き一つ一つに至るまで鈍さがある。
何より、模造体を構成する魔力にも揺らぎが生じていた。
何が起きたのか、外の連中が何かやったのが原因か。
理由を探る為の思考は捨て置き、流れを逃すまいと意識全てを斬る事へ割く。
今の内に距離を取って、斬撃波を飛ばすか?
深入りは禁物、もう暫し様子見に徹するか?
どちらも否、畳み掛けるにはこの機以外に無し。
血管が湧き立ち走力を引き上げ、迷わず懐へと潜り込む。
理由を探る為の思考は捨て置き、流れを逃すまいと意識全てを斬る事へ割く。
今の内に距離を取って、斬撃波を飛ばすか?
深入りは禁物、もう暫し様子見に徹するか?
どちらも否、畳み掛けるにはこの機以外に無し。
血管が湧き立ち走力を引き上げ、迷わず懐へと潜り込む。
突き出すは両手の得物、妖刀と魔剣。
胸部を正確に貫き、背部より刀身を生やし串刺しに。
相手が屈強なだけの人間であれば決着が付いたが、始祖相手には悪手以外の何者でもなく。
膨れ上がる威圧感は、無惨が血鬼術を放つ前兆。
無名なれど強力無比極まる、広範囲へ衝撃波を放つ技。
至近距離で浴びせられれば黒死牟と言えども、肉体の原形を保てるかは非常に怪しい。
無謀にも自ら網へ飛び込んだ鬼が、当たり前のように滅びるのがこの闘争の末路か。
胸部を正確に貫き、背部より刀身を生やし串刺しに。
相手が屈強なだけの人間であれば決着が付いたが、始祖相手には悪手以外の何者でもなく。
膨れ上がる威圧感は、無惨が血鬼術を放つ前兆。
無名なれど強力無比極まる、広範囲へ衝撃波を放つ技。
至近距離で浴びせられれば黒死牟と言えども、肉体の原形を保てるかは非常に怪しい。
無謀にも自ら網へ飛び込んだ鬼が、当たり前のように滅びるのがこの闘争の末路か。
いいや違う、王手を掛けたのは黒死牟の方だ。
――月の呼吸 伍ノ型【極】
剣士に必須の動作を省き斬撃の嵐を起こす、鬼ならではの技。
魔剣と魔皇力を加える事で、数段階上の破壊力を叩き出す。
突き刺さったままの双剣を起点に刃が拡散。
始祖の生命力を以てすれば、瞬きを終える前に修復が済む。
結局は無意味と触手を振り被り――肉体が内側から爆ぜた。
魔剣と魔皇力を加える事で、数段階上の破壊力を叩き出す。
突き刺さったままの双剣を起点に刃が拡散。
始祖の生命力を以てすれば、瞬きを終える前に修復が済む。
結局は無意味と触手を振り被り――肉体が内側から爆ぜた。
即座に再生が始まるも、細胞の破壊も同時並行で発生。
ただ斬撃を飛ばすだけじゃない、黒死牟が攻撃に織り交ぜたのは魔皇力。
放送前、フェントホープでクロスセイバーにやったのと原理は同じ。
但し精密なコントロールが可能になった今、効果はあの時の比ではない。
ただ斬撃を飛ばすだけじゃない、黒死牟が攻撃に織り交ぜたのは魔皇力。
放送前、フェントホープでクロスセイバーにやったのと原理は同じ。
但し精密なコントロールが可能になった今、効果はあの時の比ではない。
無惨の全身を余す事無く駆け巡り侵食、崩壊を引き起こす。
城とは内側からも崩せる、ゲームマスターに囚われた創世の神がデザイアグランプリで放った言葉だ。
鬼の始祖という難攻不落の牙城は、異界の魔族の力によって破壊されようとしていた。
城とは内側からも崩せる、ゲームマスターに囚われた創世の神がデザイアグランプリで放った言葉だ。
鬼の始祖という難攻不落の牙城は、異界の魔族の力によって破壊されようとしていた。
平時の、いいや本物の無惨であればまだしも。
力を削がれた模造体に、これ以上の抵抗を許す程。
屠り合いにて戦意を取り戻し、牙を研ぎ続けた黒死牟は生温くない。
物言わぬ真紅の瞳と六眼が交差、恨みつらみの類は訴えられない。
歪な形であれども主との決別へ、ほんの一瞬噛み締めるように息を吐き、
力を削がれた模造体に、これ以上の抵抗を許す程。
屠り合いにて戦意を取り戻し、牙を研ぎ続けた黒死牟は生温くない。
物言わぬ真紅の瞳と六眼が交差、恨みつらみの類は訴えられない。
歪な形であれども主との決別へ、ほんの一瞬噛み締めるように息を吐き、
――月の呼吸 拾参ノ型【極】
躊躇を完全に踏み砕き、鮮血色の牙を突き立てる。
地縛神をも喰らい千切った刃が狙うは、千年を生きた悪鬼。
再生は追い付かせない、一欠片の肉片すら残しはしない。
地縛神をも喰らい千切った刃が狙うは、千年を生きた悪鬼。
再生は追い付かせない、一欠片の肉片すら残しはしない。
目前へと迫る終焉を、模造体は何の感情を浮かべずに見つめる。
鬼舞辻無惨の紡ぐ悲劇は既に、橘朔也という人間の手で終わらせた。
なれば最早語る必要がありはしない。
体育館内の壁が消し飛び、後には破壊の痕跡以外に何もなかった。
鬼舞辻無惨の紡ぐ悲劇は既に、橘朔也という人間の手で終わらせた。
なれば最早語る必要がありはしない。
体育館内の壁が消し飛び、後には破壊の痕跡以外に何もなかった。
○
決着の機会が訪れたと察したのは、イリヤ達もだ。
グリモワールのウワサに異変が起き、威圧感が幾分弱まった。
あえてこの機に動かない理由は、探す方が難しい。
敵の好きにさせるリンボではなく、荒魂をけしかけるも無意味。
模造体達が相手を引き受け、倒して来いと無言の背に促される。
グリモワールのウワサに異変が起き、威圧感が幾分弱まった。
あえてこの機に動かない理由は、探す方が難しい。
敵の好きにさせるリンボではなく、荒魂をけしかけるも無意味。
模造体達が相手を引き受け、倒して来いと無言の背に促される。
「っ、はい!行ってきます!」
「……うん、ありがとう!」
「……うん、ありがとう!」
本人でないのは分かり切っていても、思う所は少なくない。
込み上げる諸々の感情に蓋をし、未練を断ち切り駆け出す。
模造体達の行動を咎めはしない。
どうあれ彼らは死者、黄泉の国へ旅立った身。
悪戯に呼び戻す歪さは長続きしない、あるべき形へ戻るだけ。
込み上げる諸々の感情に蓋をし、未練を断ち切り駆け出す。
模造体達の行動を咎めはしない。
どうあれ彼らは死者、黄泉の国へ旅立った身。
悪戯に呼び戻す歪さは長続きしない、あるべき形へ戻るだけ。
「ええい!揃いも揃ってとんだ三流役者に過ぎぬか!」
「だったらテメェは百流の大馬鹿野郎だろ!」
「だったらテメェは百流の大馬鹿野郎だろ!」
『Ready Go!』
『GREAT DRAGONIC FINISH!』
返すのは怒声一つじゃ到底足りない、これまでの怒りを籠めてレバーを回す。
エボルボトルの成分が活性化し、後は直接叩き付けてやるのみだ。
跳躍し蹴りを放つクローズに倣って、少女達も後に続く。
エボルボトルの成分が活性化し、後は直接叩き付けてやるのみだ。
跳躍し蹴りを放つクローズに倣って、少女達も後に続く。
「イリヤちゃん!コネクトするから受け取って!」
『王道の合体技キター!お二人が濃密に絡み合うのが分かりますよー!』
「誤解を生むようなこと言わないで!?と、とにかく!いろはさんの魔力、受け取ったよ!」
『王道の合体技キター!お二人が濃密に絡み合うのが分かりますよー!』
「誤解を生むようなこと言わないで!?と、とにかく!いろはさんの魔力、受け取ったよ!」
ねむと一度したのもあって、コネクトのやり方はもう知っている。
流れ込んだ魔力を自身のと組み合わせ、桜色の巨大な翼を生やす。
聖剣を構え猛加速するイリヤの後方では、いろはも魔力を一点に収束。
無数の矢を束ねて槍を作り上げ、標的目掛け発射。
流れ込んだ魔力を自身のと組み合わせ、桜色の巨大な翼を生やす。
聖剣を構え猛加速するイリヤの後方では、いろはも魔力を一点に収束。
無数の矢を束ねて槍を作り上げ、標的目掛け発射。
「何とも儚き悪足掻きでございましょうや!ありもしない希望に縋る様、大変見苦しく憐憫さえ覚えますなぁ!」
高威力の力を放てるのは、何もクローズ達だけに限った話じゃない。
グリモワールのウワサに組み込んだ素材の一つ、カイザーインサイトからマナを抜き出す。
赤黒い光が迸り、巨体の頭部の前で塊へ変化。
無意味でしかないと思い知らせるべく、極大の光線が発射。
三人と真っ向より激突し、暫し拮抗を見せるも押し始めたのはリンボの方。
負けじと踏ん張るが根性一つで変えられる程、お優しい敵じゃあない。
グリモワールのウワサに組み込んだ素材の一つ、カイザーインサイトからマナを抜き出す。
赤黒い光が迸り、巨体の頭部の前で塊へ変化。
無意味でしかないと思い知らせるべく、極大の光線が発射。
三人と真っ向より激突し、暫し拮抗を見せるも押し始めたのはリンボの方。
負けじと踏ん張るが根性一つで変えられる程、お優しい敵じゃあない。
「っ!?これは少々いけませぬか……!」
余裕の顔色を変えた理由は、周囲一帯を覆い隠す闇の存在。
直接見るのは初だが、現象の正体には察しが付く。
式神を通じ知った中で、同じ事を起こせるのは一人。
直接見るのは初だが、現象の正体には察しが付く。
式神を通じ知った中で、同じ事を起こせるのは一人。
――月の呼吸 玖ノ型 降り月・連面
正解だと言わんばかりに降り注ぐ、月が零した涙雨。
頭上より襲い来る斬撃波へ、結界を生成し防御。
破裂音を大量に響かせ凌ぐ中、リンボの瞳は新たに参戦した者を睨み付ける。
頭上より襲い来る斬撃波へ、結界を生成し防御。
破裂音を大量に響かせ凌ぐ中、リンボの瞳は新たに参戦した者を睨み付ける。
無惨の模造体を片付けた黒死牟は、その足で屋外での闘争へ乱入。
時間制限の解かれた札を用いて闇を呼び寄せ、鬼の天敵を遮断。
魔皇力を宿す斬撃波がリンボを狙い、付随する力場はグリモワールのウワサを痛め付ける。
クローズ達から意識を逸らすのに十分な成果を出し、瞬く間に押し返される羽目に。
時間制限の解かれた札を用いて闇を呼び寄せ、鬼の天敵を遮断。
魔皇力を宿す斬撃波がリンボを狙い、付随する力場はグリモワールのウワサを痛め付ける。
クローズ達から意識を逸らすのに十分な成果を出し、瞬く間に押し返される羽目に。
「おぉりゃああああああああああっ!!!」
咆哮と共に勢いを取り戻し、光線を徐々に打ち消す。
クローズに遅れは取るまいと、イリヤといろはも自らの力をありったけ叩き付けた。
悪しき目論見と魂を纏めて打ち砕き、囚われた仲間を取り返さんとする為に。
クローズに遅れは取るまいと、イリヤといろはも自らの力をありったけ叩き付けた。
悪しき目論見と魂を纏めて打ち砕き、囚われた仲間を取り返さんとする為に。
「こいつで……!!」
「甘いわ小童ども…!!」
「甘いわ小童ども…!!」
リンボもこの期に及んでまだ、勝負を捨てようとはしない。
蒼炎が焼き潰すか、熱線に全て飲み込まれるか。
結末は二つに一つ、望みの未来を掴むのは己だと両者譲らず――
蒼炎が焼き潰すか、熱線に全て飲み込まれるか。
結末は二つに一つ、望みの未来を掴むのは己だと両者譲らず――
『PAUSE』
何が起きたと、即座に分かった者はいない。
クローズ達はおろか、リンボですら頭に無数の疑問符が浮かぶ。
互いに大技をぶつけ合い、己が勝利で終わらせんとしていたのは間違いない。
では、では一体何がどうなっている。
何故自分達が放った力が、
クローズ達はおろか、リンボですら頭に無数の疑問符が浮かぶ。
互いに大技をぶつけ合い、己が勝利で終わらせんとしていたのは間違いない。
では、では一体何がどうなっている。
何故自分達が放った力が、
『大豊作ってやつかァ!感謝するぜ、これだけの力を寄越してくれて!』
突如現れた紅い乱入者へ、吸い込まれているのか。
「なっ!?お前――」
現れた者の正体と、そいつが手にした道具。
力を根こそぎ奪い取るソレが何かへ、真っ先にクローズが反応するももう遅い。
力を根こそぎ奪い取るソレが何かへ、真っ先にクローズが反応するももう遅い。
善なる者の信念も、悪なる者の愉悦も。
全てこの瞬間の為に、星を狩る怪物の復活祭へ捧げられる。
全てこの瞬間の為に、星を狩る怪物の復活祭へ捧げられる。
驚愕を嘲笑うように、膨大な光が戦場を包み込んだ。