◆
「――っ、戻った……?」
『永続的な効果でないのは幸いでしたね』
「うん……あっ、龍我さん!」
『永続的な効果でないのは幸いでしたね』
「うん……あっ、龍我さん!」
左半身の感覚は元に戻り、視界も正常に。
片側だけで構成されるアンバランスな世界とはおさらば、イリヤの瞳に映るのは左右揃った光景。
壊れゆく鉄球(レッキング・ボール)の持続時間が過ぎ、更に四肢の凍結もルビーが干渉を行い解除。
誰でも使用可能に調整されてるとはいえ、大元が魔力であれば魔術礼装の専門分野だ。
片側だけで構成されるアンバランスな世界とはおさらば、イリヤの瞳に映るのは左右揃った光景。
壊れゆく鉄球(レッキング・ボール)の持続時間が過ぎ、更に四肢の凍結もルビーが干渉を行い解除。
誰でも使用可能に調整されてるとはいえ、大元が魔力であれば魔術礼装の専門分野だ。
体の自由を取り戻し、仲間の元へと急ぐ。
自分が捕まってしまったせいで、万丈一人に戦闘を押し付けてしまった。
駆け付けた先では、丁度変身を解き生身を晒した所。
消耗で多少息が荒いが、致命傷は見当たらず安堵の表情を見せる。
自分が捕まってしまったせいで、万丈一人に戦闘を押し付けてしまった。
駆け付けた先では、丁度変身を解き生身を晒した所。
消耗で多少息が荒いが、致命傷は見当たらず安堵の表情を見せる。
『っ!用心してください!向こうはまだやる気みたいです!』
「はぁっ!?まだ立つのかよ……!」
「はぁっ!?まだ立つのかよ……!」
生体反応感知に加え、急激な力の上昇を確認。
軽くないダメージを与えた筈だが、戦意を奪い去るには至らない。
死んでないなら、欠片でも戦う術が残っているなら何度でも立ち上がる。
貪欲に勝利を求め、必ずや願いを叶えねば二度と■■には会えないのだから。
軽くないダメージを与えた筈だが、戦意を奪い去るには至らない。
死んでないなら、欠片でも戦う術が残っているなら何度でも立ち上がる。
貪欲に勝利を求め、必ずや願いを叶えねば二度と■■には会えないのだから。
壁をぶち抜いて民家内に叩き付けられた野獣先輩が、執念で再起動を果たす。
キングフォームどころかブレイドの変身自体を解除されているも、行使可能な力はこれ一つではない。
内に眠る無数の可能性を引っ張り出し、我が身へ降ろす。
両腕の筋肉が盛り上がるや、肉の鞭へ変貌し豪快に振り回した。
キングフォームどころかブレイドの変身自体を解除されているも、行使可能な力はこれ一つではない。
内に眠る無数の可能性を引っ張り出し、我が身へ降ろす。
両腕の筋肉が盛り上がるや、肉の鞭へ変貌し豪快に振り回した。
「また変わった……!?」
『雰囲気的にマズい感じが爆盛ですねーこれ』
『雰囲気的にマズい感じが爆盛ですねーこれ』
薙ぎ払った際の膂力のみで、民家を粉砕。
瓦礫の山を踏み付け現れた姿は、仮面ライダーブレイドとは別物。
背部と腿から管を生やし、殺意に染まった真紅の瞳で睥睨。
傲慢さと、態度に裏打ちされた絶大な存在感を醸し出し、
瓦礫の山を踏み付け現れた姿は、仮面ライダーブレイドとは別物。
背部と腿から管を生やし、殺意に染まった真紅の瞳で睥睨。
傲慢さと、態度に裏打ちされた絶大な存在感を醸し出し、
「アツゥイ!」
陽の光を浴びた途端に焼け始めた。
肉が焦げる音を立て、煙が上る様はバーベキューのよう。
野獣先輩焼肉好き説という、野獣先輩の好物は焼肉だと提唱する説があるからといって。
その説を使った訳でなければ、本人に焼き殺されたい願望だって皆無。
尤も、新説シリーズの力を使ったのは間違いないが。
肉が焦げる音を立て、煙が上る様はバーベキューのよう。
野獣先輩焼肉好き説という、野獣先輩の好物は焼肉だと提唱する説があるからといって。
その説を使った訳でなければ、本人に焼き殺されたい願望だって皆無。
尤も、新説シリーズの力を使ったのは間違いないが。
野獣先輩鬼舞辻無惨説。
国内のみならず国外でも大人気の漫画、鬼滅の刃に登場する諸悪の根源。
鬼の始祖、鬼舞辻無惨こそ野獣先輩だと言い張る説だ。
長年に渡って淫夢研究科達を悩ませて来た、野獣先輩の語録の一つである「こ↑こ↓」。
これが実際は「玉↑壺↓」と言っている可能性も、説の信憑性に拍車を掛けていた。
国内のみならず国外でも大人気の漫画、鬼滅の刃に登場する諸悪の根源。
鬼の始祖、鬼舞辻無惨こそ野獣先輩だと言い張る説だ。
長年に渡って淫夢研究科達を悩ませて来た、野獣先輩の語録の一つである「こ↑こ↓」。
これが実際は「玉↑壺↓」と言っている可能性も、説の信憑性に拍車を掛けていた。
そんな拓也の穴より使い物にならないガバスカな与太話はさておき、無惨の能力を得るのはメリットだけじゃあない。
人間を超越した身体機能と生命力と引き換えに、鬼の肉体故のデメリットも健在。
即ち、陽光で滅びる弱点をも引き継ぐ羽目になった。
人間を超越した身体機能と生命力と引き換えに、鬼の肉体故のデメリットも健在。
即ち、陽光で滅びる弱点をも引き継ぐ羽目になった。
「ハッ……アッ!アーツィ!アーツ!アーツェ!アツゥイ! ヒュゥー、アッツ!アツウィー!アツーウィ!アツー、アツーェ! すいませへぇぇ~ん!アッツ、アツェ!アツェ!アッー、熱いっす!熱いっす!アッツ! 熱いっす!熱いっす!アツェ!アツイ!アツイ!…アツイ!アツイ!アツイ!アー…アツイ!」
「……なぁ、こいつ攻撃して良いのか?」
「う、うーん……」
『私達が何かするまでもなく負けるんじゃないですかね、このオッサン』
「……なぁ、こいつ攻撃して良いのか?」
「う、うーん……」
『私達が何かするまでもなく負けるんじゃないですかね、このオッサン』
日○ペイント勤務のゲスいホモが尻に蝋燭を垂らされた時さながらに、聞くに堪えない奇声を上げる。
こちらが仕掛ける前に勝手に燃え上がり、のたうち回って必死に鎮火を試みる始末。
何とも言えぬ自滅っぷりに、万丈達も呆気に取られる。
こちらが仕掛ける前に勝手に燃え上がり、のたうち回って必死に鎮火を試みる始末。
何とも言えぬ自滅っぷりに、万丈達も呆気に取られる。
やがて太陽を浴びたせいで死にかけてると、野獣先輩も遅れて気付く。
焼ける体に鞭打って日陰に飛び込み、鬼を苦しめる輝きを遮断。
始祖の生命力が即座に発揮され、僅か数秒で負傷は完治。
傷が癒えた安堵も束の間、文字通りの鬼の形相を浮かべ喚き散らす。
焼ける体に鞭打って日陰に飛び込み、鬼を苦しめる輝きを遮断。
始祖の生命力が即座に発揮され、僅か数秒で負傷は完治。
傷が癒えた安堵も束の間、文字通りの鬼の形相を浮かべ喚き散らす。
「ふざけんな!(迫真) こんなクソみてェな体寄越しやがって頭に来ますよ!もう許せるぞおい!(寛大) 許さねぇからなぁ?(豹変)」
「もしかしてこいつ、とんでもない馬鹿なんじゃねぇのか?」
「もしかしてこいつ、とんでもない馬鹿なんじゃねぇのか?」
地団太を踏み、ありったけの不満をぶち撒ける。
誰がどう見ても自業自得だが、本人にそれを言った所で素直に受け取らないだろう。
仲間内でしょっちゅう馬鹿呼ばわりされた万丈すら、流石に呆れる他なかった。
緊迫した戦場の空気が一変、真面目に考えるのが阿呆らしくなるがしかし。
野獣先輩の殺意に変化は起きておらず、日を避けた状態ならば力の行使に問題は無い。
誰がどう見ても自業自得だが、本人にそれを言った所で素直に受け取らないだろう。
仲間内でしょっちゅう馬鹿呼ばわりされた万丈すら、流石に呆れる他なかった。
緊迫した戦場の空気が一変、真面目に考えるのが阿呆らしくなるがしかし。
野獣先輩の殺意に変化は起きておらず、日を避けた状態ならば力の行使に問題は無い。
『構えてください!マズいのが来ます!』
全身の躍動に加えて、体内を流れるエネルギーの収束。
両方を一早く察知したルビーが警戒を飛ばし、緊張感が再び顔を出す。
クラスカードを取り出すイリヤの隣で、万丈も急ぎ再変身。
両方を一早く察知したルビーが警戒を飛ばし、緊張感が再び顔を出す。
クラスカードを取り出すイリヤの隣で、万丈も急ぎ再変身。
「爆砕掛けますね~」
大先輩の背中を流す時のような気軽さで、無惨の血鬼術を発動。
名は持たず、なれど破壊力の点では強力無比。
鬼狩りとの最終決戦にて、隊士複数人の意識を纏めて奪った衝撃波が来た。
瓦礫を粉塵に変え、未だ原形を保つ家屋も木っ端微塵。
本物の無惨と違い老化薬を打たれてない為、必然的に出力も正史以上。
皮を突き抜け脳と臓腑を揺らし、ミキサーに掛けたように潰す。
始祖が討たれて尚も、鬼の脅威が人間達を襲う。
名は持たず、なれど破壊力の点では強力無比。
鬼狩りとの最終決戦にて、隊士複数人の意識を纏めて奪った衝撃波が来た。
瓦礫を粉塵に変え、未だ原形を保つ家屋も木っ端微塵。
本物の無惨と違い老化薬を打たれてない為、必然的に出力も正史以上。
皮を突き抜け脳と臓腑を揺らし、ミキサーに掛けたように潰す。
始祖が討たれて尚も、鬼の脅威が人間達を襲う。
だが忘れるなかれ、異界の屠り合いに集められた者達は。
一方的に狩られるだけの、人数合わせの子羊ではないことを。
一方的に狩られるだけの、人数合わせの子羊ではないことを。
『かーっ!どんだけ無茶苦茶すれば気が済むんですかねあのオッサンは!』
「間に合った……!あ、ありがとうございます!」
「間に合った……!あ、ありがとうございます!」
可憐なコスチュームのカレイドライナーから、毛皮を纏った狂戦士へ早変わり。
マグニの力を降ろし、肥大化した神腕で大槌を翳し防御。
始祖と言えども神域の力が相手では、破壊に至らず目論見は崩れた。
加えて、血鬼術を防いだのはイリヤ単独の働きではない。
マグニの力を降ろし、肥大化した神腕で大槌を翳し防御。
始祖と言えども神域の力が相手では、破壊に至らず目論見は崩れた。
加えて、血鬼術を防いだのはイリヤ単独の働きではない。
「……」
礼を告げる銀毛の娘を横目で見やるは、妖刀を構えた鬼。
ロストスマッシュを撃破し、イリヤ達との合流へ向かった先で見たのは。
一体全体どういう訳か、始祖の術を行使する奇怪な男。
肉体は無惨と全く同じなのに、何故か顔だけが愛嬌と穢れを集約したかの別人。
困惑が脳を駆け巡るも、グリモワールのウワサという前例もある為深くは考えず。
月輪を発生させ血鬼術を相殺、改めて始祖らしきナニカと対峙する。
ロストスマッシュを撃破し、イリヤ達との合流へ向かった先で見たのは。
一体全体どういう訳か、始祖の術を行使する奇怪な男。
肉体は無惨と全く同じなのに、何故か顔だけが愛嬌と穢れを集約したかの別人。
困惑が脳を駆け巡るも、グリモワールのウワサという前例もある為深くは考えず。
月輪を発生させ血鬼術を相殺、改めて始祖らしきナニカと対峙する。
「あの人……病院にいた時に襲って来た……」
黒死牟共々仲間と合流したいろはは、万丈の負傷を魔法で癒す。
直接戦ったのは承太郎や天津であるも、良くも悪くも一度見たら忘れられない顔だ。
聖都大学附属病院に集まった仲間が、各エリアに散らばる原因を作った男と二度目の遭遇となった。
直接戦ったのは承太郎や天津であるも、良くも悪くも一度見たら忘れられない顔だ。
聖都大学附属病院に集まった仲間が、各エリアに散らばる原因を作った男と二度目の遭遇となった。
「また増えるのか壊れるなぁ(呆れ)」
見覚えがあるのは野獣先輩も同じだ。
一時的に手を組んだ真紅の騎士、デェムシュと戦っていた内の二人。
刀を持ったメスガキや、奇抜な髪型の決闘者はいないようだが。
敵の増援を許してしまい、4対1でこちらが更に不利となる。
安全を優先的に考えるなら、ここいらで撤退を選ぶべきと分からない筈はなく――
一時的に手を組んだ真紅の騎士、デェムシュと戦っていた内の二人。
刀を持ったメスガキや、奇抜な髪型の決闘者はいないようだが。
敵の増援を許してしまい、4対1でこちらが更に不利となる。
安全を優先的に考えるなら、ここいらで撤退を選ぶべきと分からない筈はなく――
「……できませんねぇ!」
優勝の為に自らを追いやる覚悟が、合理的な選択を取らせない。
三人纏めて始末し、美遊の封印へ繋がる情報源を手に入れる。
無茶を利かせてでも、ここで勝利を奪うと戦闘続行を決断。
三人纏めて始末し、美遊の封印へ繋がる情報源を手に入れる。
無茶を利かせてでも、ここで勝利を奪うと戦闘続行を決断。
「馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前!さっさと出て来るんだよあくしろよ(せっかち)」
それに、数の不利を覆す方法が無いと言った覚えもない。
無惨説を解除し元の汚らしい姿へ戻ると、間髪入れずに別の説を発動。
外見上に変化はないが、今までとは明確に異なる光景が広がった。
無惨説を解除し元の汚らしい姿へ戻ると、間髪入れずに別の説を発動。
外見上に変化はないが、今までとは明確に異なる光景が広がった。
「まずうちさぁ、参加者いるんだけど…殺ってかない?」
「この辺にぃ、優勝を邪魔する連中来てるらしいっすよ。じゃけん今殺しましょうね~」
「Target…Capture…」
「この辺にぃ、優勝を邪魔する連中来てるらしいっすよ。じゃけん今殺しましょうね~」
「Target…Capture…」
軽快に物騒な言葉を交わす二人のおはぎうんこ、そしてシルバーボディの怪人。
野獣先輩が三人に増える、シュール且つ悪夢の如き現象。
これもまた新説シリーズの一つ、野獣先輩複数個体存在説である。
水泳部の田所や空手部の鈴木、そしてメタリックな彼ことサイクロップス先輩。
それらは同一人物でなく、全て別人だと提唱された説だ。
こんなガバガバ学説がまかり通る淫夢界隈は、ハッキリ言って異常だ(正論)。
野獣先輩が三人に増える、シュール且つ悪夢の如き現象。
これもまた新説シリーズの一つ、野獣先輩複数個体存在説である。
水泳部の田所や空手部の鈴木、そしてメタリックな彼ことサイクロップス先輩。
それらは同一人物でなく、全て別人だと提唱された説だ。
こんなガバガバ学説がまかり通る淫夢界隈は、ハッキリ言って異常だ(正論)。
エーデルフェルト邸での戦闘時には使わなかったが、度重なる能力の行使が影響を及ぼし。
より膨大な可能性を引き出すに至ったのだろう(適当)。
より膨大な可能性を引き出すに至ったのだろう(適当)。
多岐に渡る技や術を操る敵が、複数人に増えた。
相応の警戒心を抱いて然るべき、そう理解してはいるも。
女性陣の視界には全身を銀色に染めつつ、秘部が丸出しのサイクロップス先輩が嫌でも映り込み、
相応の警戒心を抱いて然るべき、そう理解してはいるも。
女性陣の視界には全身を銀色に染めつつ、秘部が丸出しのサイクロップス先輩が嫌でも映り込み、
『~~~~~~っ!!!??!』
イリヤが怯えを露わに後退る一方で、いろはも顔を真っ赤に染める。
直視出来ず、思わず両手で顔を覆い隠すのも無理からぬこと。
直視出来ず、思わず両手で顔を覆い隠すのも無理からぬこと。
「な、なんであの人一々脱いでるの……!?」
『イリヤさん、いろはさん。今からでも、コネクト(意味深)の続きをしてくれませんかね。ちょっとルビーちゃんも目の保養がないと、視覚機能ぶっ壊れそうなので』
「つーか急に増えてっけど、忍者のフルボトルでも持ってんのかよ?」
「半天狗の血鬼術……とも異なるか……」
「どうして二人はそんなに冷静なんですか!?」
『イリヤさん、いろはさん。今からでも、コネクト(意味深)の続きをしてくれませんかね。ちょっとルビーちゃんも目の保養がないと、視覚機能ぶっ壊れそうなので』
「つーか急に増えてっけど、忍者のフルボトルでも持ってんのかよ?」
「半天狗の血鬼術……とも異なるか……」
「どうして二人はそんなに冷静なんですか!?」
半ば錯乱状態の少女二人と反対に、記憶する類似した力を浮かべる男二名。
場の空気はしっちゃかめっちゃかと化し、殺し合いでなかったら賑やかな一幕で片付くも。
そうならない事は、ジャックフォームへと変身した敵を見れば明らか。
場の空気はしっちゃかめっちゃかと化し、殺し合いでなかったら賑やかな一幕で片付くも。
そうならない事は、ジャックフォームへと変身した敵を見れば明らか。
「全員纏めて殺りますよ~殺る殺る!」
『っと、おふざけはここまでみたいですよ!』
『っと、おふざけはここまでみたいですよ!』
オリハルコン製の甲冑と翼を纏い、長大化した片手剣を突き付ける。
本体たる野獣先輩の殺意に呼応して、残る人間の屑達も襲い掛かった。
叩き付けられる敵意と迫り来る凶器に、イリヤ達も意識を即座に切り替え応戦。
下北沢に怒号と得物の激突音が響き渡る。
本体たる野獣先輩の殺意に呼応して、残る人間の屑達も襲い掛かった。
叩き付けられる敵意と迫り来る凶器に、イリヤ達も意識を即座に切り替え応戦。
下北沢に怒号と得物の激突音が響き渡る。
○
「戌辰戦争……(1868年)」
変質者と紙一重な姿のサイクロップス先輩だが、持ち得る力はTDNホモビ男優を凌駕する。
標的を捉え、ゴーグル部分にエネルギーを収束。
高出力の熱線が、クローズチャージを焼き切らんと放たれた。
標的を捉え、ゴーグル部分にエネルギーを収束。
高出力の熱線が、クローズチャージを焼き切らんと放たれた。
「っぶねぇ……!」
接近し殴り掛かろうとしたが、足を止め慌てて回避。
地面を転がり直撃を避けるも、立ち上がった傍から次が発射。
エボルボトルの成分を加えたヴァリアブルゼリー製の装甲だ、簡単に破壊されはしない。
だが過信を抱いて痛い目を見る程、戦闘の素人にも非ず。
地面を転がり直撃を避けるも、立ち上がった傍から次が発射。
エボルボトルの成分を加えたヴァリアブルゼリー製の装甲だ、簡単に破壊されはしない。
だが過信を抱いて痛い目を見る程、戦闘の素人にも非ず。
肉弾戦を得意とするが迂闊に近寄るのも危険、よってこちらも遠距離手段を取る。
ツインブレイカーを銃撃形態に変え、光弾を発射。
内部でエネルギーの生成・圧縮が絶えず行われ、トリガーを引きっ放しで撃ち続けた。
ツインブレイカーを銃撃形態に変え、光弾を発射。
内部でエネルギーの生成・圧縮が絶えず行われ、トリガーを引きっ放しで撃ち続けた。
「ゲッチュ…ゲッチュ…」
しかし敵もまた、レーザーを撃つだけが全てじゃない。
特殊金属製のボディながら、身軽な動きを可能とする。
アクロバティックに光弾を躱し、あっという間にクローズチャージと距離を詰めた。
唸りを上げ脚部を振るい、狙う先には首。
スーツ越しだろうと無関係に、へし折る気か。
特殊金属製のボディながら、身軽な動きを可能とする。
アクロバティックに光弾を躱し、あっという間にクローズチャージと距離を詰めた。
唸りを上げ脚部を振るい、狙う先には首。
スーツ越しだろうと無関係に、へし折る気か。
『ディスチャージクラッシュ!潰れな~い!』
相手の接近を読めなかったクローズチャージではなく、慣れた動作でボトルを装填。
ロックフルボトルの成分が鎖を生成し、敵を雁字搦めで拘束。
悠長に構えていては抜け出されるだけだ、近接形態に戻したツインブレイカーで殴りつける。
ロックフルボトルの成分が鎖を生成し、敵を雁字搦めで拘束。
悠長に構えていては抜け出されるだけだ、近接形態に戻したツインブレイカーで殴りつける。
「うおわぁっ!?」
四肢が動かせずとも、対抗手段はゼロじゃあない。
頭部を激しく振り回し、狙いをまともに付けずに熱線を放つ。
近付かせまいと四方八方へ高熱が駆け、クローズチャージも動きを止めざるを得ない。
となれば次に起こるのは予想通り、鎖が砕け散り自由を取り戻す。
小賢しい真似に出た敵へ、余計な抵抗はさせてやらない。
頭部を激しく振り回し、狙いをまともに付けずに熱線を放つ。
近付かせまいと四方八方へ高熱が駆け、クローズチャージも動きを止めざるを得ない。
となれば次に起こるのは予想通り、鎖が砕け散り自由を取り戻す。
小賢しい真似に出た敵へ、余計な抵抗はさせてやらない。
「ダルビッシュ…ダルビッシュ…」
「誰だよ!?」
「誰だよ!?」
名前なのか、呟いた言葉の意味は分からない。
どうせ聞いても答えが返って来ないと、百も承知。
鋼鉄の拳が突き出され、迎え撃つべくこちらも殴り掛かる。
鉄拳同士の衝突によって、互いの腕に走る衝撃。
押し返さんと踏ん張るも拮抗し動かない、なればと蹴り付け合い仕切り直し。
どうせ聞いても答えが返って来ないと、百も承知。
鋼鉄の拳が突き出され、迎え撃つべくこちらも殴り掛かる。
鉄拳同士の衝突によって、互いの腕に走る衝撃。
押し返さんと踏ん張るも拮抗し動かない、なればと蹴り付け合い仕切り直し。
「うおらぁっ!」
ボクサー時代にリングの上で幾度も放ち、パンドラボックスを巡る戦いでも振るわれ続けた拳。
三都の戦争と、星狩りとの激戦を経て磨き上げた技。
それらを加減抜きで叩き込むも、サンドバッグになるだけの雑魚が相手ではない。
時に躱し、時に拳をぶつけ相殺し己がダメージへ変えない。
身体機能の高さのみでは成立しない、相応の技術と経験があってこその攻防。
相手の殴打をガードしつつ、クローズチャージも僅かに顔を顰める。
三都の戦争と、星狩りとの激戦を経て磨き上げた技。
それらを加減抜きで叩き込むも、サンドバッグになるだけの雑魚が相手ではない。
時に躱し、時に拳をぶつけ相殺し己がダメージへ変えない。
身体機能の高さのみでは成立しない、相応の技術と経験があってこその攻防。
相手の殴打をガードしつつ、クローズチャージも僅かに顔を顰める。
「お前、何がしたくてここまで鍛えたんだよ」
格闘技を軽くかじっただけじゃない、真剣に取り組まねば身に付かない体捌き。
ここまで鍛えた理由を、自分は何一つ知らないが。
殺し合いで勝ち残る為に、無関係の者へ犠牲を強いて願いを叶える為だけに。
己の拳を穢し、満足なのか。
ここまで鍛えた理由を、自分は何一つ知らないが。
殺し合いで勝ち残る為に、無関係の者へ犠牲を強いて願いを叶える為だけに。
己の拳を穢し、満足なのか。
「…………」
問い掛けに、メタリックな怪人は何も答えない。
会話に興じる気がないのか、答えを返せば自身に迷いが生まれるからか。
理由を察せられる程、彼らの間に付き合いはなかった。
会話に興じる気がないのか、答えを返せば自身に迷いが生まれるからか。
理由を察せられる程、彼らの間に付き合いはなかった。
確かなのは一つ、手を取り合う関係にはどうしたってならない。
片や、デスゲームの運営者達を必ず倒すと誓ったヒーロー。
片や、愛以外の全てを切り捨て願望器へ縋る哀れな野獣。
妥協の余地など存在しない、勝利を譲ればその時点で全てが無に還る。
勝つか負けるか、生きるか死ぬかの二択を互いに突き付けられていた。
片や、デスゲームの運営者達を必ず倒すと誓ったヒーロー。
片や、愛以外の全てを切り捨て願望器へ縋る哀れな野獣。
妥協の余地など存在しない、勝利を譲ればその時点で全てが無に還る。
勝つか負けるか、生きるか死ぬかの二択を互いに突き付けられていた。
「……っらぁ!」
懐へ潜り込み、胴体目掛けて数発打撃を命中。
悲鳴も出さずに怯んだサイクロップス先輩へ、追撃に出る。
フックを叩き込めば、腕部で防ぎゴーグル部分を発光。
至近距離での熱線発射に舌を打ち、上体を大きく逸らしてやり過ごした。
悲鳴も出さずに怯んだサイクロップス先輩へ、追撃に出る。
フックを叩き込めば、腕部で防ぎゴーグル部分を発光。
至近距離での熱線発射に舌を打ち、上体を大きく逸らしてやり過ごした。
○
斧槍(ハルバード)と三又槍(トライデント)、奇しくも長得物同士の対決。
魔法少女の柔肌を貫き、血と内臓を撒き散らす刺突(ラッシュ)の猛攻。
一度突き出しては引いて戻し、また突き出すの繰り返し。
必要となる工程を挟む瞬間に生じる、隙を感じさせない速度で繰り出す。
野獣先輩自身じゃあない、宿す力の大元となる人物の経験を自らに憑依させ可能となった芸当だ。
魔法少女の柔肌を貫き、血と内臓を撒き散らす刺突(ラッシュ)の猛攻。
一度突き出しては引いて戻し、また突き出すの繰り返し。
必要となる工程を挟む瞬間に生じる、隙を感じさせない速度で繰り出す。
野獣先輩自身じゃあない、宿す力の大元となる人物の経験を自らに憑依させ可能となった芸当だ。
「ホラホラホラホラ!気持ち良いか~KMR~?」
予選で命を落とすも、最後まで漢を貫いた後輩の名を口にし煽る。
或いはもう二度と、迫真空手部に戻れない悲しみが語録となって零れたのか。
単に語録以外を喋れない、ホモガキの操り人形故のクッソ惨めな習性か。
詳細な理由をいろはが知る由もなく、やちよから受け継いだ得物を操り耐え凌ぐのに集中。
或いはもう二度と、迫真空手部に戻れない悲しみが語録となって零れたのか。
単に語録以外を喋れない、ホモガキの操り人形故のクッソ惨めな習性か。
詳細な理由をいろはが知る由もなく、やちよから受け継いだ得物を操り耐え凌ぐのに集中。
「っ、どうして……」
しかし、意識を逸らすなと自分に言い聞かせても。
相手の姿には、疑問と困惑が尽きなかった。
相手の姿には、疑問と困惑が尽きなかった。
年頃の少女の為に仕立てられた、ストライプ柄の衣装。
淡い水色の髪を二つに結び、身動ぎの度に豊満な乳房が揺れ動く。
いろはと同性の特徴が多数存在する、にもかかわらず“コレ”を女だと誰も言えまい。
その顔の何たる汚いことか、何たるおぞましいことか。
大先輩と二人掛かりで後輩に自らのイチモツを押し当て、奉仕を強要する人間の屑極まった野獣のもの。
淡い水色の髪を二つに結び、身動ぎの度に豊満な乳房が揺れ動く。
いろはと同性の特徴が多数存在する、にもかかわらず“コレ”を女だと誰も言えまい。
その顔の何たる汚いことか、何たるおぞましいことか。
大先輩と二人掛かりで後輩に自らのイチモツを押し当て、奉仕を強要する人間の屑極まった野獣のもの。
「どうして、レナちゃんの見た目になってるの!?」
堪らずいろはが叫ぶのも無理はない。
野獣先輩水波レナ説、それこそ対峙中のステハゲが使用中の力の名。
並行してMUR大先輩十咎ももこ説や、KMR秋野かえで説もまことしやかに囁かれてるがともかく。
神浜の魔法少女の仲間と、顔以外は全く同じ。
何故にそんな状態になってるのか、如何なる理由でレナを選んだのかサッパリ分からない。
野獣先輩水波レナ説、それこそ対峙中のステハゲが使用中の力の名。
並行してMUR大先輩十咎ももこ説や、KMR秋野かえで説もまことしやかに囁かれてるがともかく。
神浜の魔法少女の仲間と、顔以外は全く同じ。
何故にそんな状態になってるのか、如何なる理由でレナを選んだのかサッパリ分からない。
「知らねーよ、そんなの。レズガキなんて俺の道具で良いんだよ上等だルォ?」
「レッ……勝手なこと言わないでください!」
「レッ……勝手なこと言わないでください!」
思い当たる節でもあるのか、言葉に詰まるも頭を振って追い出す。
掬い上げた三又槍に長得物を弾かれるが、すかさずジャコーダーを振るって牽制。
形状記憶合金製の刃は鞭にも変わり、敵の追撃を妨害。
動きが止まるや後方へ跳び、クロスボウを連射。
豪快に振り回し防ぐもその場へ留めるのには成功、すかさず動くのは狂戦士。
大槌片手に頭上から接近し、神腕を振り下ろす。
掬い上げた三又槍に長得物を弾かれるが、すかさずジャコーダーを振るって牽制。
形状記憶合金製の刃は鞭にも変わり、敵の追撃を妨害。
動きが止まるや後方へ跳び、クロスボウを連射。
豪快に振り回し防ぐもその場へ留めるのには成功、すかさず動くのは狂戦士。
大槌片手に頭上から接近し、神腕を振り下ろす。
「遅い遅い遅い!遅いんだって早くしろー?」
叩き潰されるのは御免被る、後頭部で腕を組み腰を振りながら避ける。
奇怪な動作と裏腹に、俊敏性に優れたBB素材の一つだ。
砕け散ったアスファルトには見向きもせず、魔力の出力を上げて大技(マギア)を発動。
イリヤを取り囲むように鏡を配置、その全てに水色の髪を揺らすうんこの擬人化が映し出された。
奇怪な動作と裏腹に、俊敏性に優れたBB素材の一つだ。
砕け散ったアスファルトには見向きもせず、魔力の出力を上げて大技(マギア)を発動。
イリヤを取り囲むように鏡を配置、その全てに水色の髪を揺らすうんこの擬人化が映し出された。
『全方位来ます!』
「分かってる!」
「分かってる!」
鏡面越しに斬撃が殺到するも、防ぐ手立ては当然ある。
地面に亀裂が生じる強さで踏みつけ、片足を軸に大回転。
大槌が槍を寄せ付けず、振るった際の衝撃波で鏡を残らず叩き割った。
凌ぎ切ったと一息つくには早計、本命たる一撃はここからだ。
イリヤの遥か頭上を取った野獣先輩が、投擲の構えを取る。
魔力を大量に籠めた事で、身の丈を遥かに超える巨大さとなって襲来。
地面に亀裂が生じる強さで踏みつけ、片足を軸に大回転。
大槌が槍を寄せ付けず、振るった際の衝撃波で鏡を残らず叩き割った。
凌ぎ切ったと一息つくには早計、本命たる一撃はここからだ。
イリヤの遥か頭上を取った野獣先輩が、投擲の構えを取る。
魔力を大量に籠めた事で、身の丈を遥かに超える巨大さとなって襲来。
「ファッ!?何してんだお前!?流行らせコラ!流行らせコラ!」
なれどレナの大技(マギア)を既に知る少女が、黙っているのは在り得ない。
投げ放つ寸前、三又槍を持つ腕目掛けジャコーダーを振るった。
真紅の鞭が巻き付き妨害、決めの一手を打たせない。
投げ放つ寸前、三又槍を持つ腕目掛けジャコーダーを振るった。
真紅の鞭が巻き付き妨害、決めの一手を打たせない。
「いろはさんありがとう!」
仲間が作った隙を活用し、主霊石を操作。
更に招雷を重ね跳躍、敵が高い威力の技を使った時はどうすべきか。
答えは難しくない、撃たれる前に撃てば良し。
更に招雷を重ね跳躍、敵が高い威力の技を使った時はどうすべきか。
答えは難しくない、撃たれる前に撃てば良し。
「雷閃拳!」
神の拳が放つは、正に罪人へ下す神罰の如し雷撃。
慌てて逃れんと藻掻くも遅い、駆け巡る衝撃に絶叫し落下。
ホモ特有の頑丈さと、アイテムの効果で耐久性が上がっていたのは幸いだ。
水色の髪を焦げ付かせるも死んではいない、よろけつつ立ち上がり憤怒の形相を作る。
慌てて逃れんと藻掻くも遅い、駆け巡る衝撃に絶叫し落下。
ホモ特有の頑丈さと、アイテムの効果で耐久性が上がっていたのは幸いだ。
水色の髪を焦げ付かせるも死んではいない、よろけつつ立ち上がり憤怒の形相を作る。
「調子こいてんじゃねぇぞこの野郎!メスガキとレズガキの癖によォン!?お前らみたいな女は地獄に落ちろ!落ちたな(早とちり)」
悪態を吐き捨てながらも、野獣先輩の動きは無駄がない。
三又槍を力任せに投げ付け、意識が僅かに逸れた瞬間に疾走。
逃げ出す為ではない、向かった先にはクローズチャージと戦闘中のサイクロップス先輩。
元は同じ野獣先輩同士な為か、即座に意図を察知。
薙ぎ払うように熱線を放射し牽制、駆け寄って来たもう一人の自分と頷き合う。
三又槍を力任せに投げ付け、意識が僅かに逸れた瞬間に疾走。
逃げ出す為ではない、向かった先にはクローズチャージと戦闘中のサイクロップス先輩。
元は同じ野獣先輩同士な為か、即座に意図を察知。
薙ぎ払うように熱線を放射し牽制、駆け寄って来たもう一人の自分と頷き合う。
「見とけよ見とけよ~」
「ダルビッシュ…」
「ダルビッシュ…」
レナ説を使った事で、神浜の魔法少女の技術を一通り把握。
そうでなくとも殺し合いでは、必須となる力さえあれば誰でも発動可能。
前提が既に組み上がっている以上、野獣先輩がやれない道理はない。
魔法少女の魔力と、サイクロップス先輩のエネルギー。
二つを組み合わせた、合体技(コネクト)がこ↑こ↓に誕生。
そうでなくとも殺し合いでは、必須となる力さえあれば誰でも発動可能。
前提が既に組み上がっている以上、野獣先輩がやれない道理はない。
魔法少女の魔力と、サイクロップス先輩のエネルギー。
二つを組み合わせた、合体技(コネクト)がこ↑こ↓に誕生。
「アーイキソイキソ…ン ア ア ア ア ア ! ! !」
耳が腐る野獣の咆哮を発するも、絶頂した訳ではない。
いろは達を大量の鏡が取り囲み完全包囲、レナの技と同じ現象でも数が桁違い。
しかも全てへ、サイクロップス先輩が映し出されてるではないか。
ゴーグル部分が発光しエネルギーを収束、発射まで一刻の猶予もない。
いろは達を大量の鏡が取り囲み完全包囲、レナの技と同じ現象でも数が桁違い。
しかも全てへ、サイクロップス先輩が映し出されてるではないか。
ゴーグル部分が発光しエネルギーを収束、発射まで一刻の猶予もない。
「イリヤちゃん!わたしにお願い!」
「うん!任せたよ!」
『思いっ切りやっちゃってください!本場の魔法少女の合体技の、見せ所ってやつですよ!』
「うん!任せたよ!」
『思いっ切りやっちゃってください!本場の魔法少女の合体技の、見せ所ってやつですよ!』
既に二度コネクトしてるのもあり、感覚はイリヤも掴んだ。
エボルト相手の時とは逆に、自身の魔力を付与。
ルビーの補助もあって、暴発を引き起こさず力を纏め上げる。
エボルト相手の時とは逆に、自身の魔力を付与。
ルビーの補助もあって、暴発を引き起こさず力を纏め上げる。
「届いて!」
いろはの足元を起点に、広範囲へ広がる水溜まり。
真下目掛けて光矢を撃ち込んだと同時に、熱線が襲い掛かる。
狙いを大きく外し自爆、とはならず迎撃開始。
水面が揺らいだと思えば、無数の槍が鏡を狙い射出された。
真下目掛けて光矢を撃ち込んだと同時に、熱線が襲い掛かる。
狙いを大きく外し自爆、とはならず迎撃開始。
水面が揺らいだと思えば、無数の槍が鏡を狙い射出された。
稲妻を帯びた槍が熱線を相殺し消えれば、次の槍が鏡目掛けて突撃。
地面から豪雨が発生し、天へと上るかの奇怪な光景。
槍と鏡が砕ける音が絶えず響き、それぞれの視界も閃光で塞がれる中。
サイクロップス先輩本体が溜め(チャージ)を終え、特大の熱線を放つ。
先の数で押す攻撃すら単なる前振り、太陽が落ちたのを錯覚する熱で焼き払う。
地面から豪雨が発生し、天へと上るかの奇怪な光景。
槍と鏡が砕ける音が絶えず響き、それぞれの視界も閃光で塞がれる中。
サイクロップス先輩本体が溜め(チャージ)を終え、特大の熱線を放つ。
先の数で押す攻撃すら単なる前振り、太陽が落ちたのを錯覚する熱で焼き払う。
「助かったぜ!なら次は俺の番だろ!」
『SCRAP BREAK!』
『Leat's Break!』
魔法少女達にだけ押し付け、呑気に見物する腑抜けになった覚えはない。
スクラッシュドライバーの操作に加え、ツインブレイカーに相棒のドラゴンをセット。
それぞれエボルボトルの成分を宿し、ブラッド族の遺伝子が活性化。
宿敵と同じ力だろうが関係無い、要は誰がどう使うかだと。
そう自分に教えたヒーローの喪失へ、胸の奥を突き刺す痛みも今は無視。
スクラッシュドライバーの操作に加え、ツインブレイカーに相棒のドラゴンをセット。
それぞれエボルボトルの成分を宿し、ブラッド族の遺伝子が活性化。
宿敵と同じ力だろうが関係無い、要は誰がどう使うかだと。
そう自分に教えたヒーローの喪失へ、胸の奥を突き刺す痛みも今は無視。
降り注ぐ灼熱がなんのその、迸る己が闘争心に比べれば温過ぎる。
放出したエネルギーが紅龍へと変わり、熱線を打ち消す。
迂闊に近寄れば灰も残らない激突で、仮面越しに熱風が叩く。
二種の輝きが晴れた時、敵も味方も全員が健在。
であれば力尽きるまで仕掛けるだけと、野獣先輩達が殺意を滾らせ、
放出したエネルギーが紅龍へと変わり、熱線を打ち消す。
迂闊に近寄れば灰も残らない激突で、仮面越しに熱風が叩く。
二種の輝きが晴れた時、敵も味方も全員が健在。
であれば力尽きるまで仕掛けるだけと、野獣先輩達が殺意を滾らせ、
揃って肉体にノイズが走り、急速に存在が希薄と化す。
「えっ、なにこれは(困惑)。はーっつっかえ!つっかえんわー、つっかえ。もうほんまつっかえ……やめたら?優勝」
「アーイキソ…」
「アーイキソ…」
片や原因に見当が付き悪態を吐いて、片や鼓膜を腐敗させる絶頂の喘ぎ声を出し。
完全に消え失せ、今までの喧しさが嘘のように沈黙が流れた。
一体何が起きたか、思い当たる理由は一つ。
完全に消え失せ、今までの喧しさが嘘のように沈黙が流れた。
一体何が起きたか、思い当たる理由は一つ。
それが答えだと言うように、三人の前へ放り出される者がいた。
○
実戦経験の点で言うなら、プレイヤーの中で黒死牟は上位に位置する。
武家の家長として賊の討伐を請け負い、人間相手の剣が童の遊び以下と思い知り。
呼吸法の習得に至り鬼を斬って、反対に鬼狩り達を狩る剣鬼と成り果て数百年。
すべからく滅ぶべしと憎悪を露わに討伐へ乗り出す柱の、悉くを返り討ちにして来た。
闘争の音色と血の臭い、それこそが黒死牟が身を置く世界の全てだった。
武家の家長として賊の討伐を請け負い、人間相手の剣が童の遊び以下と思い知り。
呼吸法の習得に至り鬼を斬って、反対に鬼狩り達を狩る剣鬼と成り果て数百年。
すべからく滅ぶべしと憎悪を露わに討伐へ乗り出す柱の、悉くを返り討ちにして来た。
闘争の音色と血の臭い、それこそが黒死牟が身を置く世界の全てだった。
「ちょっと刃ぁ当たんよ~」
そんな過去の死合と照らし合わせてみても、此度の敵はまっこと奇妙な技の使い手と言わざるを得ない。
白銀の甲冑と黄金の仮面で身を隠し、それぞれ異なる西洋の得物を装備。
絡繰り仕掛けの腰巻によって、身体機能の強化を施すのは今更驚かない。
だが繰り出す双剣は別だ、剣術の基礎を身に付けたソレとは明確に違う。
修練を重ね我が物とした技ではなく、型というものを全く無視しているかの動き。
腕を振るう動作を取り払い、『斬る』という結果だけが襲い来るような感覚。
白銀の甲冑と黄金の仮面で身を隠し、それぞれ異なる西洋の得物を装備。
絡繰り仕掛けの腰巻によって、身体機能の強化を施すのは今更驚かない。
だが繰り出す双剣は別だ、剣術の基礎を身に付けたソレとは明確に違う。
修練を重ね我が物とした技ではなく、型というものを全く無視しているかの動き。
腕を振るう動作を取り払い、『斬る』という結果だけが襲い来るような感覚。
よもや、ネットの海へ無数に散らばる情報を加工し繋ぎ合わせたが為の。
変幻自在な戦法(BB先輩シリーズ)だと、察しが付く筈もなく。
関節の動きに囚われないで、あらゆる方向から走らせる刃を刀一本で捌く。
斬撃一つを弾けば、次の瞬間には頸へ次撃が触れる寸前。
単純に速いんじゃあない、斬るのに必須の工程を大幅に省略させた歪な剣技だ。
変幻自在な戦法(BB先輩シリーズ)だと、察しが付く筈もなく。
関節の動きに囚われないで、あらゆる方向から走らせる刃を刀一本で捌く。
斬撃一つを弾けば、次の瞬間には頸へ次撃が触れる寸前。
単純に速いんじゃあない、斬るのに必須の工程を大幅に省略させた歪な剣技だ。
尤も、見切れぬと言った覚えは無いが。
「オォンッ!?」
急所二つへ同時に仕掛けた剣をすり抜けて、黒死牟が数歩接近。
甲冑を刀身が軽やかに駆け、オリハルコン製の防護を引き裂く。
鎧を幾度斬ろうと血は流れず、されど負傷の程度を告げる火花が視界を照らす。
人間であれば致命傷は免れぬ血飛沫の如き量、敵も相応の痛みを感じ体勢が崩れる。
甲冑を刀身が軽やかに駆け、オリハルコン製の防護を引き裂く。
鎧を幾度斬ろうと血は流れず、されど負傷の程度を告げる火花が視界を照らす。
人間であれば致命傷は免れぬ血飛沫の如き量、敵も相応の痛みを感じ体勢が崩れる。
追撃へ動かぬ手は無し、妖刀が放つは横薙ぎの一閃。
受ければ流れを敵に持って行かれると、ブレイドも危機感で腕を動かす。
ブレイラウザーの防御を間に合わせたが、関係無いとばかりに刀を押し込まれた。
鬼の膂力へ呼吸が更なる強化を齎し、100を超える重量を枯れ葉同然に吹き飛ばす。
受ければ流れを敵に持って行かれると、ブレイドも危機感で腕を動かす。
ブレイラウザーの防御を間に合わせたが、関係無いとばかりに刀を押し込まれた。
鬼の膂力へ呼吸が更なる強化を齎し、100を超える重量を枯れ葉同然に吹き飛ばす。
初見こそ困惑を与えたが、剣の世界に身を置く鬼の眼を長々と惑わせるのは不可能。
冴島鋼牙の時と同じく、後付けで得た力と修練を重ねた故の力。
どちらを宿すかで差が表れ、一気に喉元へ牙を突き立てられた。
冴島鋼牙の時と同じく、後付けで得た力と修練を重ねた故の力。
どちらを宿すかで差が表れ、一気に喉元へ牙を突き立てられた。
金属の落下音と共に、ブレイドは地面へ激突。
衝撃緩和によってダメージは薄い、しかし安堵に意識を割けば接近を許し細切れだ。
現に黒死牟は既に眼前へ到達、頸に刀身を添えるまで残り僅か。
衝撃緩和によってダメージは薄い、しかし安堵に意識を割けば接近を許し細切れだ。
現に黒死牟は既に眼前へ到達、頸に刀身を添えるまで残り僅か。
『TIME』
「大人しくしろぉ!ばら撒くぞこの野郎!」
脅威を退ける術は無数にある、このまま大人しく斬られると思ったら大間違い。
絶対唯一神GOの語録を無断で使うという、地獄の閻魔も腰を抜かす大罪を犯しつつラウズカードをリード。
スペードスートの10、スカラベアンデットの能力を解放。
対象の時間を止める破格の効果によって、黒死牟は氷像のように固まったまま。
DIOのザ・ワールドやクロノスのポーズ機能と違い、時を止めた相手に一切の攻撃は無効化される。
であれば簡単だ、死角へ移動し黒死牟の頸に刃を添えた。
能力解除と共に腕を動かせば、首無し死体が一つ完成。
絶対唯一神GOの語録を無断で使うという、地獄の閻魔も腰を抜かす大罪を犯しつつラウズカードをリード。
スペードスートの10、スカラベアンデットの能力を解放。
対象の時間を止める破格の効果によって、黒死牟は氷像のように固まったまま。
DIOのザ・ワールドやクロノスのポーズ機能と違い、時を止めた相手に一切の攻撃は無効化される。
であれば簡単だ、死角へ移動し黒死牟の頸に刃を添えた。
能力解除と共に腕を動かせば、首無し死体が一つ完成。
「……よく見りゃこいつ首輪がないじゃんアゼルバイジャン。まさか、美遊ってメスガキを先に手に入れたんですかねぇ……」
戦闘に集中し、意識を割く余裕も無かったが。
間近で見て、相手が首輪を付けていないのに気付いた。
他の連中は外せていないのに、何故この化け物だけが解除されてるのか。
もしや一足先に美遊を捕え、報酬で枷を外すよう願ったのだろうか。
気にはなるが、折角の参加者を殺す機会を放り投げるのも惜しい。
間近で見て、相手が首輪を付けていないのに気付いた。
他の連中は外せていないのに、何故この化け物だけが解除されてるのか。
もしや一足先に美遊を捕え、報酬で枷を外すよう願ったのだろうか。
気にはなるが、折角の参加者を殺す機会を放り投げるのも惜しい。
(あっちのメスガキを拷問して聞き出せば良いって、ハッキリ分かんだね)
仲間であろうイリヤなら、黒死牟が何故首輪を外せたかも知ってるだろう。
当初の予定通り生け捕りにし、その時情報を吐かせる。
この男にはこのまま死んでもらい、お仲間達に生首を放って動揺を引き出すまで。
当初の予定通り生け捕りにし、その時情報を吐かせる。
この男にはこのまま死んでもらい、お仲間達に生首を放って動揺を引き出すまで。
「解除しますよ~するする。じゃあ、死のうか(暗黒微笑)」
正道とは程遠い、外道に落ちぶれるも悔いはない。
あらゆる手を使って、愛しき■■を取り戻す決意は偽りに非ず。
凍てついた時間が熱を取り戻し、そして敵は二度と覚めぬ眠りへ落ちる。
攻撃可能の手応えを感じ、頸へブレイラウザーが食い込み、
あらゆる手を使って、愛しき■■を取り戻す決意は偽りに非ず。
凍てついた時間が熱を取り戻し、そして敵は二度と覚めぬ眠りへ落ちる。
攻撃可能の手応えを感じ、頸へブレイラウザーが食い込み、
切断を追い抜く速さで振るわれた虚哭神去が、ブレイドの仮面を叩き割った。
「逝き過ぎィッ!?」
予想だにしていなかった衝撃が走り、訳も分からず後退。
破損部分から散る火花で顔が痛むも、構っている場合じゃあない。
狙いをまともに付けずに剣を振り回し後退、剥き出しとなった目で敵を見れば。
出血をあっという間に治した鬼が、訝しく頸を擦る姿だった。
破損部分から散る火花で顔が痛むも、構っている場合じゃあない。
狙いをまともに付けずに剣を振り回し後退、剥き出しとなった目で敵を見れば。
出血をあっという間に治した鬼が、訝しく頸を擦る姿だった。
「奇怪な術を用いる……ふむ……よもやこの現象は裁定者と同じ……」
気が付いたら、それ以外に形容出来ないが。
頸に敵の剣が添えられてあって、肉を断たんと走り出した。
如何な達人、或いは鬼狩りの柱だろうと逃れる事叶わぬ死へ追い付かれる。
王手を掛けるのに、これ以上ない確殺の法。
頸に敵の剣が添えられてあって、肉を断たんと走り出した。
如何な達人、或いは鬼狩りの柱だろうと逃れる事叶わぬ死へ追い付かれる。
王手を掛けるのに、これ以上ない確殺の法。
しかし繰り返しとなるが、黒死牟は四百年もの時を闘争の渦中へ置いた男。
鬼狩り達の憎悪と殺意を一身に浴び、その都度己の糧に変えて来た。
自身の体へ凶器が触れる感触と、間近でぶつけられた殺気。
タイムスカラベの効果が解かれた瞬間、その二つを察知し脳が状況を理解する前に。
本能とでも言うべき部分が肉体を突き動かし、斬首を阻止すべく迎撃に出たのだ。
鬼狩り達の憎悪と殺意を一身に浴び、その都度己の糧に変えて来た。
自身の体へ凶器が触れる感触と、間近でぶつけられた殺気。
タイムスカラベの効果が解かれた瞬間、その二つを察知し脳が状況を理解する前に。
本能とでも言うべき部分が肉体を突き動かし、斬首を阻止すべく迎撃に出たのだ。
最初の放送で黎斗が葛葉絋汰を下した時や、桜ノ館中学へエボルトの介入が起きた際の現象。
こちらの意識が全く関与せず、気付かぬ内に行動を許していた。
ブレイドがたった今自分へやった件も含めれば、自ずと正体には察しが付く。
遊戯盤の主以外にも時間に干渉可能な者が、複数人現れるとは。
つくづく、不条理極まる舞台だと呆れの一つも抱きたくなる。
こちらの意識が全く関与せず、気付かぬ内に行動を許していた。
ブレイドがたった今自分へやった件も含めれば、自ずと正体には察しが付く。
遊戯盤の主以外にも時間に干渉可能な者が、複数人現れるとは。
つくづく、不条理極まる舞台だと呆れの一つも抱きたくなる。
「ざけんじゃねぇよオイ!誰が抵抗していいつったオラァ!」
折角のチャンスを無駄にされ、汚物ステロイダーはすっかりご立腹。
剥き出しの瞳が充血する程に怒りを表し、負の念を詰め込んだ野獣の眼光で射抜く。
とはいえ、憎しみを一身に集めるのは鬼にとって日常茶飯事。
些事以下と受け流し斬り掛かれば、敵も新たな手に打って出た。
剥き出しの瞳が充血する程に怒りを表し、負の念を詰め込んだ野獣の眼光で射抜く。
とはいえ、憎しみを一身に集めるのは鬼にとって日常茶飯事。
些事以下と受け流し斬り掛かれば、敵も新たな手に打って出た。
「やっぱり僕は、王道を往く…黒の剣士ですか(アインクラッドの英雄)」
渦巻く無数の可能性を探り当て、己が身へ降ろし力に変える。
ブレイラウザーと青薔薇の剣、二本を操る技量が急上昇。
型に嵌らない動きが一点、無駄を削ぎ落す剣士のモノへと変化。
先程とは全くの別人になったと、疑いを抱き掛けた程だ。
ブレイラウザーと青薔薇の剣、二本を操る技量が急上昇。
型に嵌らない動きが一点、無駄を削ぎ落す剣士のモノへと変化。
先程とは全くの別人になったと、疑いを抱き掛けた程だ。
片方を操る間、もう片方が手持無沙汰になって動きが稚雑に。
などと未熟な者が陥りがちな隙は見せず、息を完璧に合わせたように襲来。
心臓へ突き進む切っ先を弾き落とし、指一本数える暇も無しに頭部へ青い刃が疾走。
顎を引いてやり過ごすも、ブレイドは更に踏み込み苛烈に攻め立てる。
などと未熟な者が陥りがちな隙は見せず、息を完璧に合わせたように襲来。
心臓へ突き進む切っ先を弾き落とし、指一本数える暇も無しに頭部へ青い刃が疾走。
顎を引いてやり過ごすも、ブレイドは更に踏み込み苛烈に攻め立てる。
野獣先輩キリト説。
ソードアート・オンラインの主人公にして、デスゲームを終焉(エンディング)に導いた英雄。
キリトこと桐ヶ谷和人こそが淫夢界の英雄にして敗戦国の末路、野獣先輩だとする説だ。
アニメから入ったファンやweb版時代の古の読者も含めて、「肌が黒いからエギルでしょ」と口を揃えて言うレベルの支持を得ている。
こんな黒の剣士ならぬうんこ色の野獣をキリトだと茅場が見なす確率は、NKTIDKSGのナニのサイズよりも小さいがともかく。
新説シリーズの効果は本物、SAOで培った強さを自身のものとして行使。
ソードアート・オンラインの主人公にして、デスゲームを終焉(エンディング)に導いた英雄。
キリトこと桐ヶ谷和人こそが淫夢界の英雄にして敗戦国の末路、野獣先輩だとする説だ。
アニメから入ったファンやweb版時代の古の読者も含めて、「肌が黒いからエギルでしょ」と口を揃えて言うレベルの支持を得ている。
こんな黒の剣士ならぬうんこ色の野獣をキリトだと茅場が見なす確率は、NKTIDKSGのナニのサイズよりも小さいがともかく。
新説シリーズの効果は本物、SAOで培った強さを自身のものとして行使。
「もっと剣使って使ってホラ!」
右側から斬り掛かり、防がれた傍から次の斬撃を放つ。
回転の勢いを加えた三撃目を繰り出し、斜め上への斬り上げでフィニッシュ。
水平4連撃を弾き、刀身同士が擦れて悲鳴を響かせる。
回転の勢いを加えた三撃目を繰り出し、斜め上への斬り上げでフィニッシュ。
水平4連撃を弾き、刀身同士が擦れて悲鳴を響かせる。
「防いでるだけなの?そんなんじゃ甘いよ(棒)」
ブレイラウザーを振り上げ、着物を微かに割く。
タイミングを僅かにズラし反対の剣を走らせ、回避をより困難にした技だ。
なれど対処不可能とは言っておらず、澱みない足運びで死角へ移動。
仮面を完全に砕かんと走る刃は、両腕を伸ばし豪快に振り回す双剣が妨害。
タイミングを僅かにズラし反対の剣を走らせ、回避をより困難にした技だ。
なれど対処不可能とは言っておらず、澱みない足運びで死角へ移動。
仮面を完全に砕かんと走る刃は、両腕を伸ばし豪快に振り回す双剣が妨害。
「(切り札を)出そうと思えば」
刀身に光が迸るのは、ソードスキル発動の合図。
来る、そう構えると同時に妖刀の刀身を軋ませる衝撃。
一撃の重さと速さが、数段階一気に引き上げられた。
片方を振るってはもう片方を振るう、文字にすると単純極まるも。
実際の動きは隙を極限にまで縮め、一切の抵抗を許さぬ怒涛の連撃が叩き込まれる。
スターバースト・ストリーム。
流星の如し二刀流のスキルは、キリトの代名詞とも言える大技。
来る、そう構えると同時に妖刀の刀身を軋ませる衝撃。
一撃の重さと速さが、数段階一気に引き上げられた。
片方を振るってはもう片方を振るう、文字にすると単純極まるも。
実際の動きは隙を極限にまで縮め、一切の抵抗を許さぬ怒涛の連撃が叩き込まれる。
スターバースト・ストリーム。
流星の如し二刀流のスキルは、キリトの代名詞とも言える大技。
(成程……)
この動きと技が、ブレイド本人のものか別人の模造かは知る由もないが。
双剣の熟練度は間違いなく、自分を凌駕すると理解。
よくぞこれ程の絶技を身に付けたと、高揚し称賛を向ける気にはならずとも。
並の枠に押し込められる敵でないのは確か、そう冷静に判断を下す。
双剣の熟練度は間違いなく、自分を凌駕すると理解。
よくぞこれ程の絶技を身に付けたと、高揚し称賛を向ける気にはならずとも。
並の枠に押し込められる敵でないのは確か、そう冷静に判断を下す。
「最後の一発くれてやるよオラァ!」
トドメたる十六撃目の到来が、間近に迫る。
防げば翳した妖刀を砕き、再生成を待たず鬼の体を削ぎ落とす。
回避へ出ようにも間に合わせない、逃げ道などないのを思い知らされるだけ。
では打つ手無しと、断じるのが正しいか。
防げば翳した妖刀を砕き、再生成を待たず鬼の体を削ぎ落とす。
回避へ出ようにも間に合わせない、逃げ道などないのを思い知らされるだけ。
では打つ手無しと、断じるのが正しいか。
舐めるなと、言わせてもらおう。
日輪へ追い付かんと藻掻き、我が眼が見通すは視界が捉える表面上の世界に非ず。
着込んだ甲冑もその下の皮膚も透過し、筋繊維を一本残らず『視』る。
武の境地、至高の領域へ至った者の力を甘く見るなかれ。
決め手となる最後の刃がどこから、どの瞬間に如何なる部位へ疾走るかを。
読み取った鬼の剣が、敵の肘を軽く弾いた。
日輪へ追い付かんと藻掻き、我が眼が見通すは視界が捉える表面上の世界に非ず。
着込んだ甲冑もその下の皮膚も透過し、筋繊維を一本残らず『視』る。
武の境地、至高の領域へ至った者の力を甘く見るなかれ。
決め手となる最後の刃がどこから、どの瞬間に如何なる部位へ疾走るかを。
読み取った鬼の剣が、敵の肘を軽く弾いた。
「ファッ!?」
途端に起きるは、完成間近の技の総崩れ。
軸がブレる、剣筋が歪む。
生じた亀裂は小指の欠片程度、されどそのほんの僅かな隙が仕留め損ねると理解させた。
立て直すまでに長くは掛からない、だがちっぽけな穴を鬼の刃がこじ開ける。
大気が震え、灼熱の大海の如し湧き立つ血液。
黒の剣士の技術を得ようとも、上辺だけ真似て勝てる相手と見なしたのが誤りと知れ。
軸がブレる、剣筋が歪む。
生じた亀裂は小指の欠片程度、されどそのほんの僅かな隙が仕留め損ねると理解させた。
立て直すまでに長くは掛からない、だがちっぽけな穴を鬼の刃がこじ開ける。
大気が震え、灼熱の大海の如し湧き立つ血液。
黒の剣士の技術を得ようとも、上辺だけ真似て勝てる相手と見なしたのが誤りと知れ。
――月の呼吸 壱ノ型 闇月・宵の宮
月の牙が噛み砕く、捉えられぬ剣筋が甲冑を切り裂く。
衝撃と痛みが同時に来たと、ブレイドが理解出来たかも怪しい。
暴風へ揉まられる木の葉さながらに、宙で不格好に踊り狂い。
破壊の痕跡が真新しい地面へ、頭から叩き付けられた。
衝撃と痛みが同時に来たと、ブレイドが理解出来たかも怪しい。
暴風へ揉まられる木の葉さながらに、宙で不格好に踊り狂い。
破壊の痕跡が真新しい地面へ、頭から叩き付けられた。
「ハァ…ハァ…アォン…オォン……」
変身解除へ追いやられ、意識を手放しても当然の激痛が駆け巡る。
愛しい後輩の記憶を失う前なら、とうに撤退を選んだのは想像に難くない。
にじり寄る逃避の選択を、意地で黙らせ立ち上がった。
未だブレイドの変身は解かれず、決意を超えた執念でカードを引き抜く。
愛しい後輩の記憶を失う前なら、とうに撤退を選んだのは想像に難くない。
にじり寄る逃避の選択を、意地で黙らせ立ち上がった。
未だブレイドの変身は解かれず、決意を超えた執念でカードを引き抜く。
『SLASH』
『THUNDER』
『LIGHTING SLASH』
翼を展開し飛翔、縦横無尽に空中を飛び回って加速。
稲妻を迸らせたブレイラウザーと、青薔薇の剣を交差させる形で構える。
本来のブレイドにはなかった、二刀流で勝負を決めに行く。
稲妻を迸らせたブレイラウザーと、青薔薇の剣を交差させる形で構える。
本来のブレイドにはなかった、二刀流で勝負を決めに行く。
「邪剣・【夜】……逝きましょうね……!」
殺して、殺して、殺し続けて。
最後の一人になってようやく、忘れてしまったアイツと出会える。
取り零した思い出を取り戻して、もう二度と失わないように強く抱きしめる。
愛の証明には最早、殺戮の末の願望成就以外に残っていない。
最後の一人になってようやく、忘れてしまったアイツと出会える。
取り零した思い出を取り戻して、もう二度と失わないように強く抱きしめる。
愛の証明には最早、殺戮の末の願望成就以外に残っていない。
「…………」
敵を勝利へ駆り立てるモノの正体を、黒死牟は知らない。
されど剣を向けるなら是非も無し、受けて立ち斬り伏せるのみ。
死ねぬ理由は己にもある、終われぬ理由はもう見失わない。
ザンバットソードを引き抜き、魔皇力を発動。
身体機能と感覚の全てが、上弦の壱の座では辿り着けなかった領域(ステージ)へ踏み込む。
されど剣を向けるなら是非も無し、受けて立ち斬り伏せるのみ。
死ねぬ理由は己にもある、終われぬ理由はもう見失わない。
ザンバットソードを引き抜き、魔皇力を発動。
身体機能と感覚の全てが、上弦の壱の座では辿り着けなかった領域(ステージ)へ踏み込む。
研ぎ澄ました意識が認識するは、幻影怪物に宿る魂の欠片。
どこまでも広がる水の世界で自由を謳歌した、マーマン族の生き残り。
黄金の蝙蝠が瞳を翠に染め、翳した双剣へ真紅が奔る。
音に匹敵する速さで刃を煌めかせる騎士目掛け、鬼の剣が振り下ろされた。
どこまでも広がる水の世界で自由を謳歌した、マーマン族の生き残り。
黄金の蝙蝠が瞳を翠に染め、翳した双剣へ真紅が奔る。
音に匹敵する速さで刃を煌めかせる騎士目掛け、鬼の剣が振り下ろされた。
――月の呼吸 拾壱ノ型【極】
三日月が幾重にも重なって作り上げた、斬撃の砲丸。
不可視なれど質量を察知したブレイドが、回避へ動くも手遅れだ。
付随する力場に取り囲まれ、砲丸の奥深くまで押し出される。
翼を斬り、四肢を斬り、終わりが見えぬ月の渦から抜け出せない。
不可視なれど質量を察知したブレイドが、回避へ動くも手遅れだ。
付随する力場に取り囲まれ、砲丸の奥深くまで押し出される。
翼を斬り、四肢を斬り、終わりが見えぬ月の渦から抜け出せない。
「――――っ!!!!!」
意味を為さない絶叫すらも貪られ、激痛が自由に縛りを付けた時。
砕けたレンズ越しに見えた赤が空の色か、己が流した血かも分からなかった。
砕けたレンズ越しに見えた赤が空の色か、己が流した血かも分からなかった。
○
「アー逝キソ逝キソ…逝キソ…逝クッ……」
ブレイバックルが外れ、生身に戻っても複数回バウンド。
うつ伏せに倒れた野獣先輩は最早、虫の息以外に何も言葉が見付からない有様。
回復が全くの無駄と言うように新たな傷を負い、耐久性の強化とて限度がある。
これ以上抵抗に出ても、本人の寿命を縮めるだけだ。
うつ伏せに倒れた野獣先輩は最早、虫の息以外に何も言葉が見付からない有様。
回復が全くの無駄と言うように新たな傷を負い、耐久性の強化とて限度がある。
これ以上抵抗に出ても、本人の寿命を縮めるだけだ。
「勝手に終わりに……するんじゃねぇよお前よォン……!」
どれ程の苦痛に苛まれても、諦めの二文字だけは断固として拒否。
体以上に心が痛い、愛する者の記憶が失われたままなのが耐えられない。
人目も憚らず泣き叫び、理不尽を呪ってやりたい。
どれだけ嘆いても記憶が戻らず、まして生き返らない事だって分かってる。
体以上に心が痛い、愛する者の記憶が失われたままなのが耐えられない。
人目も憚らず泣き叫び、理不尽を呪ってやりたい。
どれだけ嘆いても記憶が戻らず、まして生き返らない事だって分かってる。
「関係ねぇんだよ!(強気) あいつが好きな気持ちに、嘘はありませんねぇ!」
「……あなた、もしかして――」
「……あなた、もしかして――」
鬼気迫る、それでいて悲壮感を感じずにはいられない覚悟の証明。
細かい事情を全く知らないイリヤが、まさかと目を見開く。
可能性としては十分にあり得る、何せ目の前の相手はマグニの宝具を使った。
となれば必然的に、ベアトリスと同じく記憶の欠落が起きたのだろう。
これ程に優勝を諦められない理由が、自分の予想通りならば――
細かい事情を全く知らないイリヤが、まさかと目を見開く。
可能性としては十分にあり得る、何せ目の前の相手はマグニの宝具を使った。
となれば必然的に、ベアトリスと同じく記憶の欠落が起きたのだろう。
これ程に優勝を諦められない理由が、自分の予想通りならば――
「余計な同情なんていらないって、それ一番言われてるから」
「――っ」
「――っ」
有無を言わせぬ口調で拒絶され、言葉に詰まる。
憐れみも同情もいらない、欲しいのは願いを叶える力のみ。
迫真空手部での愛すべき日々に、二度と帰れなくたって構わない。
己の愛に何もかもを捧げる覚悟で、ここまで来たのだから。
憐れみも同情もいらない、欲しいのは願いを叶える力のみ。
迫真空手部での愛すべき日々に、二度と帰れなくたって構わない。
己の愛に何もかもを捧げる覚悟で、ここまで来たのだから。
「俺は何が何でも……願いを叶えますよ~叶える叶える!だって俺はあいつが――」
「貴様は……」
「貴様は……」
自身を奮い立たせる為に紡がれた言葉は、低く漏れる鬼の声で中断。
愛に溺れる野獣を憐れむでもなく、内面を読み取らせぬ眼で見つめ、
愛に溺れる野獣を憐れむでもなく、内面を読み取らせぬ眼で見つめ、
「歪な己を生み出した裁定者が……願望を叶えると……本気で信じているのか……?」
「…………………………は?」
「…………………………は?」
決意へ、決定的な亀裂を生む問いを投げ掛けた。
聞き返すのに、たっぷり十数秒を要した。
質問の意図がまるで読めない、何を言われたのか理解出来ない。
こいつは何を言うのかと、困惑の視線は野獣先輩のみならず。
他の者達からも集める中、唯一黒死牟へ同調する者がいた。
質問の意図がまるで読めない、何を言われたのか理解出来ない。
こいつは何を言うのかと、困惑の視線は野獣先輩のみならず。
他の者達からも集める中、唯一黒死牟へ同調する者がいた。
『あー……やっぱりその可能性が高いって思います?』
「屠り合いを仕組んだ連中が……下らぬ細工を施したのは……大いにあり得るだろう……」
「屠り合いを仕組んだ連中が……下らぬ細工を施したのは……大いにあり得るだろう……」
黒死牟の問いへ疑問を抱くんじゃあない、神妙に頷く仕草を取る。
ルビーには何が言いたいか分かっているのか、両者は何に気付いたのか。
説明を求める瞳がチラホラ向けられた。
ルビーには何が言いたいか分かっているのか、両者は何に気付いたのか。
説明を求める瞳がチラホラ向けられた。
「ルビー、どういうこと?あの人のことで何か分かったの?」
『ええまあ。ぶっちゃけてしまうとあちらのオッサンが度々姿を変える際の反応に、酷似したものがあるんです』
「不動が持つ札……あれを使い呼び出した化生と……近い形へ肉体が組み変わっている……」
「遊星さんの……デュエルモンスターズっていうカード、ですか?」
『全く同じって訳じゃないですけどね』
『ええまあ。ぶっちゃけてしまうとあちらのオッサンが度々姿を変える際の反応に、酷似したものがあるんです』
「不動が持つ札……あれを使い呼び出した化生と……近い形へ肉体が組み変わっている……」
「遊星さんの……デュエルモンスターズっていうカード、ですか?」
『全く同じって訳じゃないですけどね』
野獣先輩が新説シリーズの力を使う際、肉体の内部で起きた変化を読み取れたのが黒死牟とルビーだ。
片や透き通る世界を視て、体が生物と明確に異なる状態へ再構築されたのを知った。
片や高度な感知機能によって、新説シリーズ使用時の反応が記憶済のパターンと似ていると気付けた。
両者が思い至った存在は、ゲームマスターが殺し合いで強く推す要素。
デュエルモンスターズのカードで召喚するモンスター、要は実体を持つデータの塊。
片や透き通る世界を視て、体が生物と明確に異なる状態へ再構築されたのを知った。
片や高度な感知機能によって、新説シリーズ使用時の反応が記憶済のパターンと似ていると気付けた。
両者が思い至った存在は、ゲームマスターが殺し合いで強く推す要素。
デュエルモンスターズのカードで召喚するモンスター、要は実体を持つデータの塊。
『今は生物の内部構造を取っていますが、実際にはどの生命体にも当て嵌まらない。早い話、継ぎ接ぎな情報の集合体と言うべき存在なんですよ』
確証を得た訳じゃあない、だがこれ程に無数の情報を一つの器に詰め込み。
わざわざデスゲームへ放る存在など、真っ先に思い付くのは運営側だ。
現に二回目の定時放送時、マサツグ様なる参加者は人造生命体と暴露したばかり。
対峙中のクッソ汚い男が件のマサツグ様かは知らないが、他にもそういった玩具(プレイヤー)がいても何ら不思議ではない。
わざわざデスゲームへ放る存在など、真っ先に思い付くのは運営側だ。
現に二回目の定時放送時、マサツグ様なる参加者は人造生命体と暴露したばかり。
対峙中のクッソ汚い男が件のマサツグ様かは知らないが、他にもそういった玩具(プレイヤー)がいても何ら不思議ではない。
「じゃあ、レナちゃんの見た目になったのは……」
『その方の基本的な情報を無理やり詰め込み、借り物の力で扱えるよう細工されたと言った所ですかねー』
「つまり……なんかむちゃくちゃ色んなことが出来るヤベー奴ってことか?」
「いや、うん、間違ってはいないけどさ……」
『その方の基本的な情報を無理やり詰め込み、借り物の力で扱えるよう細工されたと言った所ですかねー』
「つまり……なんかむちゃくちゃ色んなことが出来るヤベー奴ってことか?」
「いや、うん、間違ってはいないけどさ……」
驚愕の真実に各々反応を見せる一方、野獣先輩は呆然と佇む。
全身を苛む激痛と、重く圧し掛かる疲労。
それら二つを忘却したかのように、案山子にも似た様で身動ぎ一つ出来ない。
全身を苛む激痛と、重く圧し掛かる疲労。
それら二つを忘却したかのように、案山子にも似た様で身動ぎ一つ出来ない。
「俺が、データ……俺、が、虚構の存在……?」
みっともないくらい、声が震えてると果たして気付けたかどうか。
自分を動揺させる下らない嘘、妄言以外の何ものでもない。
そんな馬鹿げた話に構ってやる義理はない、鼻で笑いそれでお終い。
自分を動揺させる下らない嘘、妄言以外の何ものでもない。
そんな馬鹿げた話に構ってやる義理はない、鼻で笑いそれでお終い。
そう断言出来れば、どれ程良かったか。
「あ、あ、あ、ありえ、ませんね過ぎィ……!お、俺を騙そうったって、そうはいかねぇぞお前よォン……?」
定時放送を聞いた時から、思考の片隅に燻っていた疑問。
マサツグ様なるプレイヤーと同じく、自分も虚構に過ぎない可能性。
愛する者の記憶を失い、ナイーブになってるから荒唐無稽な不安がよぎったと。
否定しようにも、一度抱いた疑念は際限なしに膨れ上がる。
マサツグ様なるプレイヤーと同じく、自分も虚構に過ぎない可能性。
愛する者の記憶を失い、ナイーブになってるから荒唐無稽な不安がよぎったと。
否定しようにも、一度抱いた疑念は際限なしに膨れ上がる。
「お、俺は俺だってそれ一番言われてるから……!」
自分の名前は田所か鈴木、どちらかハッキリ思い出せない。
そもそも姓しか分からないなんて、普通に考えて不自然過ぎるだろう。
虚構である己には、名前など無かったのが正解なんじゃないか?
そもそも姓しか分からないなんて、普通に考えて不自然過ぎるだろう。
虚構である己には、名前など無かったのが正解なんじゃないか?
「違いますねぇ!俺にはちゃんと名前があって、家族だっていて……!」
当然だ、両親無くして自分はこの世に生まれて来ない。
ではその父と母の顔は、本名は、実家での思い出は?
それらしい男女や、妹と思わしき少女の顔が浮かび上がる。
だが彼らは本当に自分の家族か?こんな連中と同じ屋根の下で暮らした記憶があったと言えるのか?
ではその父と母の顔は、本名は、実家での思い出は?
それらしい男女や、妹と思わしき少女の顔が浮かび上がる。
だが彼らは本当に自分の家族か?こんな連中と同じ屋根の下で暮らした記憶があったと言えるのか?
「俺は……俺は田所、いや鈴木、ち、違う!俺は……俺は……!」
自分自身という存在を確立する記憶が、全く信用できない。
必死に探るのは、己が己たる証明。
『野獣先輩』を構成する無数の情報へ縋り付いては、どれもが違うと思い知る。
必死に探るのは、己が己たる証明。
『野獣先輩』を構成する無数の情報へ縋り付いては、どれもが違うと思い知る。
野獣先輩はジョセフ・ジョースター。
野獣先輩はジャン=ピエール・ポルナレフ
野獣先輩はジョルノ・ジョバァーナ。
野獣先輩はエンリコ・プッチ。
野獣先輩はファニー・ヴァレンタイン。
野獣先輩はサウンドマン。
野獣先輩はジャン=ピエール・ポルナレフ
野獣先輩はジョルノ・ジョバァーナ。
野獣先輩はエンリコ・プッチ。
野獣先輩はファニー・ヴァレンタイン。
野獣先輩はサウンドマン。
「全然違う!そもそも俺はどう見ても日本人だろいい加減にしろ……!」
野獣先輩は仮面ライダークウガ。
野獣先輩は仮面ライダーナイト。
野獣先輩は仮面ライダー王蛇。
野獣先輩は仮面ライダーカイザ。
野獣先輩は仮面ライダーオーズ。
野獣先輩は仮面ライダーソロモン。
野獣先輩は仮面ライダーガッチャード・デイブレイク。
野獣先輩は仮面ライダーナイト。
野獣先輩は仮面ライダー王蛇。
野獣先輩は仮面ライダーカイザ。
野獣先輩は仮面ライダーオーズ。
野獣先輩は仮面ライダーソロモン。
野獣先輩は仮面ライダーガッチャード・デイブレイク。
「仮面ライダーになったのは、殺し合いに巻き込まれてからだルォ!?俺じゃない!こんなのは俺じゃ……!」
野獣先輩は天海春香。
野獣先輩は渋谷凛。
野獣先輩は櫻井桃華。
野獣先輩は大崎甜花。
野獣先輩は藤田ことね。
野獣先輩は幽谷霧子の熱心なファン。
ひでは鷺沢文香。
桑山千雪は仮面ライダーウィザード。
浅倉透は仮面ライダージオウ。
新田美波の父親は空条承太郎。
野獣先輩は渋谷凛。
野獣先輩は櫻井桃華。
野獣先輩は大崎甜花。
野獣先輩は藤田ことね。
野獣先輩は幽谷霧子の熱心なファン。
ひでは鷺沢文香。
桑山千雪は仮面ライダーウィザード。
浅倉透は仮面ライダージオウ。
新田美波の父親は空条承太郎。
「誰だよ!?(ピネガキ) 男の俺がこんなメスガキどもな訳ないって、それ一番言われてるから……!(女の子説信者完全論破)」
野獣先輩は原付バイク。
野獣先輩は布団。
野獣先輩はお坊さん。
野獣先輩は宇宙人。
拓也さんはロックマンゼロ。
ドラゴン田中は数学者。
真夏の夜の淫夢はミュージカル
野獣先輩は布団。
野獣先輩はお坊さん。
野獣先輩は宇宙人。
拓也さんはロックマンゼロ。
ドラゴン田中は数学者。
真夏の夜の淫夢はミュージカル
「やめてくれよ……(絶望)。も、もうこんなの俺じゃ……俺はこんなんじゃ……!」
野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は
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野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は野獣先輩は
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「やめろォおおおおおおおおおおおおおおオオオオオオオオオオオオオオオオぉぉぉおおおおおおおオオオオオオオオオオオオオオおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオおおおおおおおォぉおおおおぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!」
仮定の話だが、もしも野獣先輩が肉体派おじゃる丸のように。
自分がネットの玩具だと、自覚していれば。
己が虚構に過ぎないと知っても、不快感や哀愁こそ抱いたかもしれないが。
アイデンティティの崩壊は、起こらなかったろう。
自分がネットの玩具だと、自覚していれば。
己が虚構に過ぎないと知っても、不快感や哀愁こそ抱いたかもしれないが。
アイデンティティの崩壊は、起こらなかったろう。
しかしプレイヤーたる野獣先輩は、自分の人生が本物だと信じ切っていた。
一人の人間として、今日まで生きて来たと疑いもしなかった。
定時放送で植え付けられた疑念は、予期せぬ形で真実を知り開花。
己の全てが偽りだったと知り、平静さを取り繕える程図太くはなれない。
■■への愛だけは本物、そう胸を張って言おうにも。
自身に眠る無数の可能性、野獣先輩新説シリーズを直視してしまい。
己の存在が音を立てて崩れた今となっては、蜘蛛の糸よりも儚い希望に過ぎない。
一人の人間として、今日まで生きて来たと疑いもしなかった。
定時放送で植え付けられた疑念は、予期せぬ形で真実を知り開花。
己の全てが偽りだったと知り、平静さを取り繕える程図太くはなれない。
■■への愛だけは本物、そう胸を張って言おうにも。
自身に眠る無数の可能性、野獣先輩新説シリーズを直視してしまい。
己の存在が音を立てて崩れた今となっては、蜘蛛の糸よりも儚い希望に過ぎない。
「アア……アアアアアアアアアアア……!」
自我が砕ける、魂が形を失う。
膨大な新説シリーズを受け入れる為の、野獣先輩という名の器が壊れる。
消滅に至るのを防ぐは、この期に及んでも抱き続ける■■への愛。
生きて、殺して、願いを叶える。
生存本能に突き動かされるまま、新説シリーズは再構築。
より歪で、醜悪に縫い直されていく。
膨大な新説シリーズを受け入れる為の、野獣先輩という名の器が壊れる。
消滅に至るのを防ぐは、この期に及んでも抱き続ける■■への愛。
生きて、殺して、願いを叶える。
生存本能に突き動かされるまま、新説シリーズは再構築。
より歪で、醜悪に縫い直されていく。
「なに!?一体何が起きて……!?」
『反応巨大!まーたこういう展開ですか……!』
『反応巨大!まーたこういう展開ですか……!』
現れたソレを、何と形容すべきか。
周囲の建造物を優に追い越し、地上の者らを睥睨する巨大な異形。
怪獣、否、邪神と呼ぶべき禍々しい存在感。
野獣先輩絶望神アンチホープ説。
別の世界線の九十九遊馬達と死闘を繰り広げた決闘者、e・ラーが操る絶望の化身。
アンチホープの力を引き出した、ただそれだけならまだマシだったろう。
周囲の建造物を優に追い越し、地上の者らを睥睨する巨大な異形。
怪獣、否、邪神と呼ぶべき禍々しい存在感。
野獣先輩絶望神アンチホープ説。
別の世界線の九十九遊馬達と死闘を繰り広げた決闘者、e・ラーが操る絶望の化身。
アンチホープの力を引き出した、ただそれだけならまだマシだったろう。
下腹部より突き出るは三幻神の一体、オシリスの天空竜。
巨人と竜が一体化したアンバランスさは、冥界を統べる大邪神。
ゾーク・ネクロファディスを彷彿させる、おぞましき姿。
巨人と竜が一体化したアンバランスさは、冥界を統べる大邪神。
ゾーク・ネクロファディスを彷彿させる、おぞましき姿。
更に巨体を突き破って、花のように咲く無数の人型。
仮面の戦士がいる、スタンド使いがいる、サーヴァントがいる、魔法少女がいる、淫夢ファミリーすらいる。
内包する新説シリーズが、本来と全く異なる形で発動。
一体残らず、感情を削ぎ落とされた今田耕司先輩の顔で標的を捉えていた。
仮面の戦士がいる、スタンド使いがいる、サーヴァントがいる、魔法少女がいる、淫夢ファミリーすらいる。
内包する新説シリーズが、本来と全く異なる形で発動。
一体残らず、感情を削ぎ落とされた今田耕司先輩の顔で標的を捉えていた。
『ヤッパリ■クハ、■■ヲイク■■■■■カ』
人間の、いいや到底生物が発したとは思えない。
ありとあらゆる怨嗟の声を混ぜ込んだように、聞くに堪えないノイズ染みたモノを吐き散らす。
獲物を一人も逃がす気はない、巨体を中心に下北沢一帯を包み込む結界。
魔力パターンに覚えがあり、いろはは驚愕を隠せなかった。
ありとあらゆる怨嗟の声を混ぜ込んだように、聞くに堪えないノイズ染みたモノを吐き散らす。
獲物を一人も逃がす気はない、巨体を中心に下北沢一帯を包み込む結界。
魔力パターンに覚えがあり、いろはは驚愕を隠せなかった。
「そんな……この魔力ってウワサと同じ……!」
野獣先輩ウワサ説。
よもや自身が神浜で戦った存在すらも、敵は宿しているのか。
全国のマギレコユーザーからは、「こんな汚物を創造したねむちゃんを許すな」「桜子ちゃんすき(クソザコノンケ)」との声を頂いているが。
最早そんなBB先輩劇場のノリなど通用しない。
よもや自身が神浜で戦った存在すらも、敵は宿しているのか。
全国のマギレコユーザーからは、「こんな汚物を創造したねむちゃんを許すな」「桜子ちゃんすき(クソザコノンケ)」との声を頂いているが。
最早そんなBB先輩劇場のノリなど通用しない。
『逃げ道を完っ全に塞がれましたねぇ。因みに、この結界を解く方法はご存じで?』
「ウワサ本体を倒す、くらいしか……」
「なら話は早ぇ、どの道ここでぶっ倒すつもりだったしな」
「ウワサ本体を倒す、くらいしか……」
「なら話は早ぇ、どの道ここでぶっ倒すつもりだったしな」
大元たる邪神を倒す、単純明快で最も手を焼く方法。
だがここに尻尾を巻いて逃げたがる参加者は、一人もいない。
だがここに尻尾を巻いて逃げたがる参加者は、一人もいない。
カレイドライナーは神腕を振り被る。
仮面の龍戦士は胸に宿る心火を一層燃やす。
剣鬼は持ち得る力を双剣に籠めて研ぎ澄ます。
魔法少女は砕けぬ決意を貫く為に、邪神へ挑まんとする。
仮面の龍戦士は胸に宿る心火を一層燃やす。
剣鬼は持ち得る力を双剣に籠めて研ぎ澄ます。
魔法少女は砕けぬ決意を貫く為に、邪神へ挑まんとする。
太陽の輝きが血のように濃さを増す、この瞬間。
愛憎の獣が紡ぐ物語は、最高潮(クライマックス)を迎えようとしていた。
愛憎の獣が紡ぐ物語は、最高潮(クライマックス)を迎えようとしていた。