奇跡に価値なんてあるのか
人は奇跡をただの現象としか認識せず、その本質を学ぼうとしない
人は変わることはない、人は変われない
その裏で、奇跡によって切り刻まれ、まともな人生すら送ることの出来ない人間が増える
ならば奇跡とは、神々しいものでも、尊いものなのでもない、ただの下らない『現象』の一つでしか無い
● ● ●
「――その言葉、命乞いでの戯言では無さそうだな」
天宙の如き闇の中、星の輝きのみが地を照らす大地の真下、その少女は問いかける
魔女のようなローブと三角帽子に身を包み、その年に似合わない凛々しい顔立ちの、その紫の双眸が、少女の目の前にいる男を見定めようと見つめている
魔女のようなローブと三角帽子に身を包み、その年に似合わない凛々しい顔立ちの、その紫の双眸が、少女の目の前にいる男を見定めようと見つめている
「……一応は、だ」
言葉に応じるのは一人の男。精悍な顔立ちながらも裏腹に、その不健康そうな白い肌同様、その言葉には荒々しさは感じ取れない。だがその赤い右目だけははっきりと少女を映し出していた
「死んだと思えば勝手に殺し合いしろと言われたんだ。今更この世に未練なんて……まあ、あるっちゃあるが、どうにもならねぇだろ」
あっけからんと、諦めたように、開き直るように言葉を連ねる男
――少女はこの殺し合いに呼ばれ、強い不快感を憶えた
少女は錬金術師であり、世界への復讐を望んだ奇跡の殺戮者だ。そのための計画の算段の中、このような催しに呼ばれ、不愉快だった
不愉快のやつあたりとして、偶然目に映った男を殺そうとしたが、男はそんな少女の目を見て、こう呟いた
少女は錬金術師であり、世界への復讐を望んだ奇跡の殺戮者だ。そのための計画の算段の中、このような催しに呼ばれ、不愉快だった
不愉快のやつあたりとして、偶然目に映った男を殺そうとしたが、男はそんな少女の目を見て、こう呟いた
――お前も俺と同じ、か。と
その言葉に少しばかり眉を顰めながらも、少しばかり興味を示し、少女は男に問いかけた
「なんだこの茶番は。俺が生きてるのは奇跡ってやつか? これが俺への罪業か? ……下らないな」
「オレの前で『奇跡』という言葉を軽々しく喋るな。反吐が出る」
「アンタも『奇跡』が嫌いなクチか? だったら悪かったな」
「……お前も、か?」
「まあ、な。こんなものが俺への『奇跡』だってんなら尚更だ。人間(オールドタイプ)どもは奇跡を現象としか認識しない、そんな奴らが奇跡を何度見ようが変わるわけがない。いっそ、滅んでしまえばいい」
「………」
「オレの前で『奇跡』という言葉を軽々しく喋るな。反吐が出る」
「アンタも『奇跡』が嫌いなクチか? だったら悪かったな」
「……お前も、か?」
「まあ、な。こんなものが俺への『奇跡』だってんなら尚更だ。人間(オールドタイプ)どもは奇跡を現象としか認識しない、そんな奴らが奇跡を何度見ようが変わるわけがない。いっそ、滅んでしまえばいい」
「………」
男の愚痴に対し、少女は興味深そうな反応を見せる
こいつも、奇跡に切り刻まれて、何かを失ったのだと
父を、その功績を『奇跡』として切り捨てられ、異端として処刑されたように
こいつも、奇跡に切り刻まれて、何かを失ったのだと
父を、その功績を『奇跡』として切り捨てられ、異端として処刑されたように
「……ならば、滅ぼすか?」
「なに………?」
「オレは元々世界を滅ぼすつもりでいる。いや、正しくは世界全てを分解して解き明かす事だがな」
「なに………?」
「オレは元々世界を滅ぼすつもりでいる。いや、正しくは世界全てを分解して解き明かす事だがな」
少女の言葉に、男は反応する。
滅べばいい、そう滅べばいいのだ
奇跡など、蔓延る病魔にも似た害悪でしかないのだ、故に殺す。そしてそれが罷り通る世界など滅んでしまえばいい
少女の言葉は、男の目に別の光を灯す。それは同じく世界への憎悪を纏った、ギラついた輝きだ
滅べばいい、そう滅べばいいのだ
奇跡など、蔓延る病魔にも似た害悪でしかないのだ、故に殺す。そしてそれが罷り通る世界など滅んでしまえばいい
少女の言葉は、男の目に別の光を灯す。それは同じく世界への憎悪を纏った、ギラついた輝きだ
「分解、だ? くはっ、あははっ! 良いこと事ほざくじゃねぇかちびっ子!」
男は高らかに笑った。それは目の前の少女の大言壮語を小馬鹿にしているのではなく、そんな大それた望みを実行しようと考えている少女の『憎悪』に
「……いいぜ、テメェのその世界の分解とやら、気に入った。――手を貸してやる」
それ故に、男の答えは決まっている
今の自分には帰る場所もない、元より、あの刻から、居場所はあの機体とあの艦(ふね)しか存在しない
それすらいなくなったのならば、本当に全てをぶっ壊してしまうのも一興だと
今の自分には帰る場所もない、元より、あの刻から、居場所はあの機体とあの艦(ふね)しか存在しない
それすらいなくなったのならば、本当に全てをぶっ壊してしまうのも一興だと
「……ほう。だが、貴様に何が出来る?」
少女は、男に再び問いかける。少女から視れば多少は特殊な何かを持ち合わせている事以外、ただの人間でしかない
但し、その身に宿した世界への憎悪は、過程こそ全く別なれど自分の至った領域に近い位置にいるのは確か
但し、その身に宿した世界への憎悪は、過程こそ全く別なれど自分の至った領域に近い位置にいるのは確か
「何か乗りこなせるものがあれば、な」
男は答える。男は機体(モビルスーツ)に乗り戦うのがその在り方だ。大いなる赤い彗星の後継者として作り変えられた強化人間。複製品の失敗作(デッドコピー)、本物には遠く及ばない
だがその瞳の憶測には憎悪がある、執着がある、仮にも、彗星の後継者の候補だ、技量もそれなりにある
だがその瞳の憶測には憎悪がある、執着がある、仮にも、彗星の後継者の候補だ、技量もそれなりにある
「じゃじゃ馬を押し付けられても文句は受け入れんぞ、オレは」
「元から選択肢なんざねぇよ。何もかもぶっ壊せるんだったら、何だって乗りこなしてやるさ」
「オレに手を貸すとほざいたのだ。それぐらいの根気がないと容赦なく振り落とすぞ」
「それじゃあ、振り落とされない程度には働くさ」
「元から選択肢なんざねぇよ。何もかもぶっ壊せるんだったら、何だって乗りこなしてやるさ」
「オレに手を貸すとほざいたのだ。それぐらいの根気がないと容赦なく振り落とすぞ」
「それじゃあ、振り落とされない程度には働くさ」
少女は男を受け入れることにした。台詞から察するに何らかのパイロットとはお見受け出来る。まあ錬金術か何かで機体を拵えてやるのは一興か
「……キャロルだ」
「はぁ?」
「キャロル・マールス・ディーンハイム。オレの名前だ。また自己紹介も、お互いの情報共有もまだだったからな」
「ガキの癖して長い名前してんだなお前。……ゾルダン。ゾルダン・アッカネンだ」
「……ゾルダン・アッカネン、か。ならばここから再び始めようではないか」
「……ああ、いつか全部、全部、奇跡も世界も何もかも――――」
「はぁ?」
「キャロル・マールス・ディーンハイム。オレの名前だ。また自己紹介も、お互いの情報共有もまだだったからな」
「ガキの癖して長い名前してんだなお前。……ゾルダン。ゾルダン・アッカネンだ」
「……ゾルダン・アッカネン、か。ならばここから再び始めようではないか」
「……ああ、いつか全部、全部、奇跡も世界も何もかも――――」
全て、壊して、殺して、壊して、殺して
全部、無くなってしまえばいい
全部、滅ぼしてしまおう
其は、奇跡の殺戮者
● ● ●
数多の人の光があろうと、人が変わることはない。少しずつ前に進むことはあっても、その本質を変えることは出来ない
扉を開いた者はいるだろう、扉の近くまで近づけた者もいるだろう。而して、扉を潜る者は誰もいない
「それでも」と、「だとしても」と、その意志を貫くものがいる
その奇跡を、その輝きを、憎悪する掃き溜めから手をのばす怨恨の塊もある
その奇跡を、その輝きを、憎悪する掃き溜めから手をのばす怨恨の塊もある
これは後者の物語だ。これは絶望の果てに全てを焼却しようとする者達の、破滅の道筋だ
【ゾルダン・アッカネン@機動戦士ガンダムNT】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:何もかもぶっ壊す
1:キャロルの計画に付き合う
2:都合よくMSがあれば良いんだが……
[備考]
※参戦時期は死亡後
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:何もかもぶっ壊す
1:キャロルの計画に付き合う
2:都合よくMSがあれば良いんだが……
[備考]
※参戦時期は死亡後
【キャロル・マールス・ディーンハイム@戦姫絶唱シンフォギアシリーズ】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:万象黙示録を完成させ、世界を分解し奇跡を否定する
1:この男(ゾルダン)の憎悪は興味深い
[備考]
※参戦時期は最低でもGX8話以降
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:万象黙示録を完成させ、世界を分解し奇跡を否定する
1:この男(ゾルダン)の憎悪は興味深い
[備考]
※参戦時期は最低でもGX8話以降