クレス。
優しくて正義感が強くて、一時はちょっと好きだった人。
優しくて正義感が強くて、一時はちょっと好きだった人。
ミント。
優しくおっとりとしていて、おっぱいも大きくて、同じ女性として憧れだった人。
優しくおっとりとしていて、おっぱいも大きくて、同じ女性として憧れだった人。
そしてチェスター。
ぶっきらぼうで口が悪くて、だけどもやっぱり優しくて、そして…愛している人。
ぶっきらぼうで口が悪くて、だけどもやっぱり優しくて、そして…愛している人。
みんなみんな、大切な仲間。
だけどあたしに、彼らの仲間を名乗る資格なんて、もうないんだ。
だけどあたしに、彼らの仲間を名乗る資格なんて、もうないんだ。
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
アセリア歴4202年。
あたしとクラースは、152年後の世界でダオスを倒した後、この時代に戻ってきた。
あたしとクラースは、152年後の世界でダオスを倒した後、この時代に戻ってきた。
「クレスやミント、チェスターに会えるのは100年後かあ」
「私はもう会えないがな」
「ふふ…クラース、羨ましい?」
「まあ、私も彼らと会いたいし、長寿であるハーフエルフのお前が羨ましくないと言えば噓になる。だが…」
「私はもう会えないがな」
「ふふ…クラース、羨ましい?」
「まあ、私も彼らと会いたいし、長寿であるハーフエルフのお前が羨ましくないと言えば噓になる。だが…」
そこで、クラースは何故か暗い顔になった。
そして、アーチェに言った。
そして、アーチェに言った。
「アーチェ…くれぐれも、全てが終わる前の彼らに会いに行ってはだめだぞ」
「分かってるよ、そうしないと歴史が変わっちゃうかもしれないってことでしょ?」
「本当に分かっているのか…?」
「分かってるよ、そうしないと歴史が変わっちゃうかもしれないってことでしょ?」
「本当に分かっているのか…?」
自分の能天気な様子に、クラースは不安を感じたらしい。
彼は、真面目な表情でアーチェに問う。
彼は、真面目な表情でアーチェに問う。
「クレスやチェスター、ミントが、私たちの時代にやって来る前の話は、聞いているか?」
「え?う、うん…クレスとチェスターは村を襲われて、ミントは投獄されてお母さんを…」
「え?う、うん…クレスとチェスターは村を襲われて、ミントは投獄されてお母さんを…」
そこまで言ったところで、ドクンと心臓が鳴った。
過去のあたしは、未来に起きる彼らの悲劇を知っている。
それって、つまり…
過去のあたしは、未来に起きる彼らの悲劇を知っている。
それって、つまり…
「ようやく気付いたようだな…そうだ、彼らに起こる悲劇を、お前は黙殺しなければいけない」
「な…そんなの、ダメに決まってるじゃん!」
「な…そんなの、ダメに決まってるじゃん!」
思い出すのはハーメルの村。
デミテルによって崩壊させられたその村には、親友のリアがいて…彼女は殺された。
あれと同じような悲劇を、止められると分かっていて、止めないなんて、そんなこと…
デミテルによって崩壊させられたその村には、親友のリアがいて…彼女は殺された。
あれと同じような悲劇を、止められると分かっていて、止めないなんて、そんなこと…
「お前が彼らの悲劇を止めれば、クレス達はダオスを倒すために私たちの時代に来ることはなくなる。その結果…歴史は変わり、世界は闇に包まれるかもしれない」
クレス達によれば、ダオスは元々モリスンによって倒される予定だったらしい。
しかし、歴史は変わりモリスンは志半ばで死んだ。
クレスや自分たちによってダオスは退けられ、結果的にうまく行ったが…そんな奇跡が何度も起こるとは限らないのだ。
しかし、歴史は変わりモリスンは志半ばで死んだ。
クレスや自分たちによってダオスは退けられ、結果的にうまく行ったが…そんな奇跡が何度も起こるとは限らないのだ。
「でも、だからって…」
「それにアーチェ…お前が悲劇を止めれば…私たちと旅をしてきたクレス達は、いなくなる。お前のことを覚えてる彼らは、いなくなるんだ」
「!!…みんなが、あたしのことを…?」
「とにかく、彼らに会うタイミングは、よく考えてくれ…すまないな、お前ひとりに、このようなことを押しつけてしまって」
「それにアーチェ…お前が悲劇を止めれば…私たちと旅をしてきたクレス達は、いなくなる。お前のことを覚えてる彼らは、いなくなるんだ」
「!!…みんなが、あたしのことを…?」
「とにかく、彼らに会うタイミングは、よく考えてくれ…すまないな、お前ひとりに、このようなことを押しつけてしまって」
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
アセリア歴4304年、5月21日。
それは、運命の日。
きっと今頃、100年前の時代からやってきた自分たちが、ダオスと戦っているのだろう。
それは、運命の日。
きっと今頃、100年前の時代からやってきた自分たちが、ダオスと戦っているのだろう。
「ごめんね…ごめんね、みんな」
そう、アーチェは見逃した。
トーティスの悲劇も、ミントの母親の死も。
止められる立場にあったのに、見逃したのだ。
トーティスの悲劇も、ミントの母親の死も。
止められる立場にあったのに、見逃したのだ。
「こんなあたしを…みんな受け入れてくれるのかな」
彼らの悲劇を黙殺して以降、アーチェは夢を見るようになった。
クレスやミント、チェスターの夢を。
クレスやミント、チェスターの夢を。
『アーチェ…どうして今頃になって来たんだい?君がもっと早く来てくれれば、父さんや母さんは死なずに済んだ!』
『私のお母さんも…アーチェさん、ひどいです!』
『お前のせいだ!お前のせいで…アミィは!』
『私のお母さんも…アーチェさん、ひどいです!』
『お前のせいだ!お前のせいで…アミィは!』
みんなが、あたしを責め立てる。
違う、違うよ。
あたしだって、止めたかった。
見殺しになんか、したくなかったよ。
だけど…仕方ないことだった。
だから…
違う、違うよ。
あたしだって、止めたかった。
見殺しになんか、したくなかったよ。
だけど…仕方ないことだった。
だから…
『お前なんか、仲間じゃない!』
だから…そんなこと言わないでよ!
それから数か月が経ったころ。
おそらく、もう全てが終わったころだろう。
きっとクレス達は、トーティスの復興作業にいそしんでいることだろう。
彼らに、会わないと。
おそらく、もう全てが終わったころだろう。
きっとクレス達は、トーティスの復興作業にいそしんでいることだろう。
彼らに、会わないと。
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
『アーチェ!?』
『アーチェさん!?』
『アーチェさん!?』
トーティスにやってきたあたしに、クレスとミントが驚く。
『えへへ…来ちゃった。久しぶり…って言っても、そっちにとっては数か月ぶりになるのかな』
『アーチェ、会いたかったよ』
『この村の復興の目途がついたら、探しに行こうと思ってたんです』
『アーチェ、会いたかったよ』
『この村の復興の目途がついたら、探しに行こうと思ってたんです』
笑顔であたしを迎えてくれるクレスとミント。
そんな二人の姿に、安堵する。
そんな二人の姿に、安堵する。
『…アーチェ?』
彼らに続いてチェスターも現れ、アーチェの姿に驚く。
『ひ、久しぶりチェスター!元気そうじゃん』
『…おせえんだよ』
『え?』
『…おせえんだよ』
『え?』
ぶっきらぼうなチェスターの言葉に、一瞬ぎくりとする。
脳裏に、自分を責め立てる悪夢の中のチェスターがよぎる。
しかし…チェスターはニッと笑うと、アーチェの肩を組んで行った。
脳裏に、自分を責め立てる悪夢の中のチェスターがよぎる。
しかし…チェスターはニッと笑うと、アーチェの肩を組んで行った。
『ここに来たからには、お前もこの村の一員だからな。キリキリ働いてもらうぜ』
『あたしが…この村の一員?』?
『あたしが…この村の一員?』?
チェスターの言葉に、クレスとミントも優しい表情で頷く。
『いいの?あたし、みんなといて、いいのかな?』
あたしの言葉に、3人はキョトンとした表情になる。
『お前、100年経ってボケたのかよ?いていいに、決まってるだろ』
『何年経っても、アーチェは僕たちの大切な仲間だ。その仲間を、拒絶する理由なんて、ない』
『歓迎しますよ、アーチェさん』
『何年経っても、アーチェは僕たちの大切な仲間だ。その仲間を、拒絶する理由なんて、ない』
『歓迎しますよ、アーチェさん』
みんなの言葉に、あたしは目頭が熱くなる。
嬉し涙を流しながら、あたしは元気よく答えた。
嬉し涙を流しながら、あたしは元気よく答えた。
『みんな、これからもよろしく!』
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
これは、夢。
そうなるはずだった、夢。
しかし、その夢が現実となる前に…トーティスへとたどり着く前に、アーチェはこの殺し合いに巻き込まれた。
そうなるはずだった、夢。
しかし、その夢が現実となる前に…トーティスへとたどり着く前に、アーチェはこの殺し合いに巻き込まれた。
「…はは」
アーチェの口から、乾いた笑いが漏れる。
「あは、あはは、アハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
その笑いは、狂気を帯びた高笑いになる。
嬉しいから笑うんじゃない。
悲しくて、逆に笑えてくるのだ。
嬉しいから笑うんじゃない。
悲しくて、逆に笑えてくるのだ。
「…罰が当たったんだ」
そう、これは罰なんだ。
トーティスを、ミントのお母さんを助けなかった罰。
こんな罪深い自分が、彼らに会おうなどと、虫がいい話だったんだ。
トーティスを、ミントのお母さんを助けなかった罰。
こんな罪深い自分が、彼らに会おうなどと、虫がいい話だったんだ。
「あたしは、この殺し合いで最後の一人になる。そして…今度こそ、みんなを助けるんだ」
クラースは言っていた。
歴史を変えると、クレス達が自分たちの時代に来なくなり、歴史が変わって未来が闇に包まれるかもしれないと。
だけど、この殺し合いの主催者は言っていた。
どんな願いでも叶えると。
それならば、ダオスの脅威を排除した上で、彼らの悲劇を止められるのでは?
というより、ダオスという存在自体を消すことを望めば、彼らに悲劇は起きないのでは?
歴史を変えると、クレス達が自分たちの時代に来なくなり、歴史が変わって未来が闇に包まれるかもしれないと。
だけど、この殺し合いの主催者は言っていた。
どんな願いでも叶えると。
それならば、ダオスの脅威を排除した上で、彼らの悲劇を止められるのでは?
というより、ダオスという存在自体を消すことを望めば、彼らに悲劇は起きないのでは?
勿論、そうなった時、やはりトーティスやミントの母の悲劇はなくなり、過去の時代での自分との出会いもなかったことになるだろう。
だけど、それでいい。
悲劇を見てみぬふりをした自分に、彼らの仲間を名乗る資格なんてないのだから。
彼らがあたしのことを覚えている必要なんてない。
あたしは…一人でいい!
だけど、それでいい。
悲劇を見てみぬふりをした自分に、彼らの仲間を名乗る資格なんてないのだから。
彼らがあたしのことを覚えている必要なんてない。
あたしは…一人でいい!
「クレス、ミント、チェスター、待っててね。みんなの悲劇…今度こそ止めて見せるから。あたしのいない世界で…幸せに生きてね」
【アーチェ・クライン@テイルズオブファンタジア】
[状態]:健康
[装備]:不明
[道具]:基本支給品一式、不明支給品1〜3
[思考]
基本:優勝し、ダオスの脅威を排除した上でクレス達の悲劇を止める
[備考]
※参戦時期はED後、クレス達の時代です
[状態]:健康
[装備]:不明
[道具]:基本支給品一式、不明支給品1〜3
[思考]
基本:優勝し、ダオスの脅威を排除した上でクレス達の悲劇を止める
[備考]
※参戦時期はED後、クレス達の時代です