死が二人を分かつまで
なれどその愛は分かたれる事はなく
死の神に愛されざる少女に安息を
○ ○ ○
永遠の闇をも飲み込む輝きに塗れた露店街の大通り。喧騒も人混みもなく、乱雑な露店の並びと不夜の大地が連なるそこは宛ら光のドームである
鉄網に無造作に放り込まれた揚げられた若鶏の匂い、カランカランと風に吹かれて鳴り響く綺羅びやかな風鈴が並べられて暖簾の用にゆらゆらと揺れ動いている
まるでさっき迄、人が存在していてそれが一斉にして一瞬で消えたとしか思えない、宛ら、切り取られた世界の片隅
鉄網に無造作に放り込まれた揚げられた若鶏の匂い、カランカランと風に吹かれて鳴り響く綺羅びやかな風鈴が並べられて暖簾の用にゆらゆらと揺れ動いている
まるでさっき迄、人が存在していてそれが一斉にして一瞬で消えたとしか思えない、宛ら、切り取られた世界の片隅
「デス! デス!」
そんな世界で小さく、されども大声で叫びながら、夜街を駆けるのは一人の少女
何より目立つのは赤いケープが付いた紺色のローブ。そして通常の人間とは思えない、まるで兎の様な黒い耳
世界に混ざった異物、赤い瞳に輝きはあれど、それは死に染まった禍の身
少女は叫ぶ、絶対の理解者にして唯一にして伴侶の名を
何より目立つのは赤いケープが付いた紺色のローブ。そして通常の人間とは思えない、まるで兎の様な黒い耳
世界に混ざった異物、赤い瞳に輝きはあれど、それは死に染まった禍の身
少女は叫ぶ、絶対の理解者にして唯一にして伴侶の名を
「デス! 返事をして! どこにいるの! どこにいるのデス!」
少女はかつて孤独だった。魔術の家に生まれるも才は無く、代わりが生まれた瞬間ただ虐げられるだけの存在になった
少女を唯一を愛したのは死神だった。少女は死神に恋をした。死神もまた少女に恋をした
少女は自分が愛されない世界に絶望した、唯一自分を愛してくれる死神と共に、自分たちだけの新世界を作り上げようとした――――だが、それは叶わなかった。
少女を唯一を愛したのは死神だった。少女は死神に恋をした。死神もまた少女に恋をした
少女は自分が愛されない世界に絶望した、唯一自分を愛してくれる死神と共に、自分たちだけの新世界を作り上げようとした――――だが、それは叶わなかった。
「デス! デス! あなたまで、あなたまで私を見捨てるの!? 嘘だと言ってよ! ねぇ!」
少女の叫びに、空は答えを返さない。『世界』はその静寂を返答として、少女の問いが只々木霊するだけ
「返事をして、お願いだからっ! 私を、私を一人にしないでぇ!!」
いくら叫んでも、いくら声を張り詰めても、何も応えないし、何も起こらない
凪の刻すら、孤独である彼女の心を蝕む
凪の刻すら、孤独である彼女の心を蝕む
「……ねぇ、お願い………私を、一人に、しないで……」
少女は崩れ落ちる、孤独と絶望に苛まれた心が濡れる様に、その瞼から水滴が零れ落ちる
それを拭う気力もなく、綺羅びやかな光の中に取り残された少女はただ項垂れるしかなかった
それを拭う気力もなく、綺羅びやかな光の中に取り残された少女はただ項垂れるしかなかった
「あの……?」
だが、誰もいない少女の世界に、何の予兆も無く入り込んできた。もとい、声をかけたのは一人の老人
髪が殆ど抜け落ちた頭に、まるで囚人を思わせるような白い服装。だが、それ以上に目を引くのは義手らしき右腕の、禍々しい金色のカギ爪
最も、それ以上に衣服やカギ爪に赤い痕が付着しているのを、少女は見逃してはいない
髪が殆ど抜け落ちた頭に、まるで囚人を思わせるような白い服装。だが、それ以上に目を引くのは義手らしき右腕の、禍々しい金色のカギ爪
最も、それ以上に衣服やカギ爪に赤い痕が付着しているのを、少女は見逃してはいない
「……誰?」
「……すみません。お嬢さんがとても悲しい顔をしていましたので、思わず放っておけなくて………」
「……すみません。お嬢さんがとても悲しい顔をしていましたので、思わず放っておけなくて………」
老人の物腰の柔らかい受け答えに、少女は意識を切り替え、警戒する。あからさまに「ついさっき流血沙汰を起こしました」と全身で表現しているような男に、たとえ老人であろうとすんなりと受け入れられるわけにはいかなかった
「……あなたには、関係のない話でしょ」
「失礼ですが、私にはそうはいかないのですよ。だって殺し合いだなんて野蛮な事ですし、そういうのはもう懲り懲りだと思っていたのに、なんて運の悪い」
「……だったら何? あなた程度、今ここで殺してもいいのよ?」
「失礼ですが、私にはそうはいかないのですよ。だって殺し合いだなんて野蛮な事ですし、そういうのはもう懲り懲りだと思っていたのに、なんて運の悪い」
「……だったら何? あなた程度、今ここで殺してもいいのよ?」
そう、殺せる。少女には才こそ無かったが力こそは存在する。その圧は老人にもわかっているはずである
「……殺す? すみません、私は夢を叶えるまで死ぬわけにはいかないのです」
だが、そんな言葉に動じず、何らブレないで、老人は語り続ける
「夢ですって? それは大層ご立派な夢なんでしょうね」
「……ええ、みんなが幸せになれる、立派な夢ですよ」
「―――なんですって?」
「……ええ、みんなが幸せになれる、立派な夢ですよ」
「―――なんですって?」
――「みんなが幸せになれる、立派な夢」。本来なら大言壮語、妄言にしては派手すぎる言葉であろう
だが、少女はそれをただの嘘と疑うには多少は判別は必要であった
だが、少女はそれをただの嘘と疑うには多少は判別は必要であった
ここで少女の説明を軽くしておこう。少女の名はニーア。アーカルムシリーズと呼ばれる星晶獣が一体『デス』と契約を結んだエルーン族の少女
自らを愛してくれない世界に絶望し、今の世界を破壊し自分たちだけの世界を作ろうとした死神に愛されし落とし子
彼女は知っている、世界を滅ぼすことのできる存在を、デスらアーカルムシリーズの創造主である『世界』
原則、アーカルムシリーズは『世界』に歯向かうことは出来ない
しかし、デスだけは例外。万象全てに終焉を齎すデスの力は、『世界』相手でも通用するのだ
自らを愛してくれない世界に絶望し、今の世界を破壊し自分たちだけの世界を作ろうとした死神に愛されし落とし子
彼女は知っている、世界を滅ぼすことのできる存在を、デスらアーカルムシリーズの創造主である『世界』
原則、アーカルムシリーズは『世界』に歯向かうことは出来ない
しかし、デスだけは例外。万象全てに終焉を齎すデスの力は、『世界』相手でも通用するのだ
「……冗談でも笑えないですよ、それ」
「冗談でもなんでもありませんよ。一度世界を壊して、やり直すんですよ」
「冗談でもなんでもありませんよ。一度世界を壊して、やり直すんですよ」
老人の言葉は穏やかで、嘘を言ってるようには思えない。それがただの妄想なのかはニーアにはわからないが、老人はそれが出来ると確信した上で発言している、それだけが確かである
「……世界を滅ぼしちゃう事には別には文句はないです。どうせ、私たちを愛してくれない世界なんて、やり直した所で………」
「――では、私があなたを愛しましょう」
「………へぇ、貴方が私を―――ぇ」
「――では、私があなたを愛しましょう」
「………へぇ、貴方が私を―――ぇ」
老人の言葉に、一瞬ニーアの思考が飛んだ
「あなたを見ていると、私の仲間の一人に似ている目をしているのです。その人は愛する人が出来たようですが、あなたは……」
単純に、似た目をした女が仲間内にいたというだけの話。たったそれだけ、そのはずだったのに。それでも、死神以外から愛してるなんて言葉、まともに言われたことなんて無いのに
「――――愛して、くれるんですか?」
こんな事、デスに聞かれたら嫉妬されそうなんて思ったけれど、それでも、他に自分を愛してくれる人がいると、愛してくれるという事実に
ニーアは戸惑って、少しだけ期待してしまった
ニーアは戸惑って、少しだけ期待してしまった
「……ええ。途中目的まで一致している、というだけかもしれません。あなたがどんな過去を辿ったのか私にはわかりません。ですが、もし、協力してくれるのであれば、それが私にとって一番嬉しいのです」
「………でも、私には」
「既に愛してる人がいるんですね。困りました、その人がもし嫉妬深かったら私のお節介がただの迷惑だったのかもしれませんし」
「……いえ、そういうわけでは―――……デス?」
「………でも、私には」
「既に愛してる人がいるんですね。困りました、その人がもし嫉妬深かったら私のお節介がただの迷惑だったのかもしれませんし」
「……いえ、そういうわけでは―――……デス?」
デスがいない、という絶望から鈍っていたが、胸の内にこみ上げる熱さがニーアにある事実を思い出させた
……自分はまだデスに見捨てられてなんかいない、契約は切られていない、まだ自分を愛してくれている
……自分はまだデスに見捨てられてなんかいない、契約は切られていない、まだ自分を愛してくれている
「―――ありがと、デス。ごめんね、私、あなたに見捨てられたなんて思っちゃって。そうよね、デスが私のこと、見捨てるわけ無いもんね」
言い聞かせるように、感謝の言葉を紡ぐ。そして、改めて老人に対して視線を向ける
「……私達の目的は、今の世界を滅ぼして、私達が愛される世界を作ることなの。あなたの夢に、私達が認められて、愛される世界はあるんですか」
「―――――ええ、勿論」
「―――――ええ、勿論」
明確な意志のこもったニーアの問に、何ら変わりなく、いつもの通りに老人は答える
老人のそれが妄言なのか、はたまた本当に「それが可能である」のかは分からない
老人のそれが妄言なのか、はたまた本当に「それが可能である」のかは分からない
「それでは、私と一緒に、夢を見ませんか?」
「……そうね。悪くないわ」
「……そうね。悪くないわ」
だけれども、幸せを得るためならば、手段なんて選ばない。何であろうと、愛され認められる世界は理想的
現実よりもよっぽどマシだし、何より
現実よりもよっぽどマシだし、何より
(デス以外で愛してくれるなんて言ってくれた人、初めてかも)
こんな新鮮な経験、悪くないかな? 本当に愛してくれる人がいるなら、なんてニーアは思っていた
勿論本命は唯一無二の死神だけで、それは誰にも譲れないのであるが
勿論本命は唯一無二の死神だけで、それは誰にも譲れないのであるが
― ― ―
「そういえば、その赤いのは一体?」
「……ああ。これは……お恥ずかしいのですが、実はあなたの前に仲間に引き入れようと声を掛けた人がいるのですが、その……いつもの悪い癖で、死なせてしまったんです」
「でも、わかりますよ、そういう事。説得しようとしたらつい力みすぎて殺っちゃう事とか」
「おやおや、あなたもそうなんですか。お互い実は似た者同士なのかもしれませんね」
「流石にあなたと似てるのはちょっと違うような……?」
「……そういえば、名前を聞いていませんでしたね。私は……そうですね、本名はあるのですが、長くて呼びづらいので『同志』と呼んでくれれば結構です」
「……わかりました『同志』さん。私はニーアって言います」
「ニーアさんですか、こちらこそ、長い付き合いになってしまいますが、宜しくおねがいします」
「……ああ。これは……お恥ずかしいのですが、実はあなたの前に仲間に引き入れようと声を掛けた人がいるのですが、その……いつもの悪い癖で、死なせてしまったんです」
「でも、わかりますよ、そういう事。説得しようとしたらつい力みすぎて殺っちゃう事とか」
「おやおや、あなたもそうなんですか。お互い実は似た者同士なのかもしれませんね」
「流石にあなたと似てるのはちょっと違うような……?」
「……そういえば、名前を聞いていませんでしたね。私は……そうですね、本名はあるのですが、長くて呼びづらいので『同志』と呼んでくれれば結構です」
「……わかりました『同志』さん。私はニーアって言います」
「ニーアさんですか、こちらこそ、長い付き合いになってしまいますが、宜しくおねがいします」
○
露店街の路地裏、光が余り届かぬ場所に、男の死体がある
なにかに抱きしめられ、骨も臓器も潰されたように、男の死体は壊れた人形のように関節があらぬ方向に曲っている
それは、夢に塗れた狂人に殺された、名前も分からぬ犠牲者でしかないのだ
【プロデューサー@アイドルマスター シャイニーカラーズ 死亡】
【ニーア@グランブルーファンタジー】
[状態]:健康
[装備]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[道具]:
[思考]
基本:今ある世界を滅ぼして、自分たちが認められて幸せになれる世界を作る
1:今は『同志』と共に行動を共にする
2:デス以外で愛してるなんて言われたこと、初めてかも……?
[備考]
※参戦時期はキャラエピソード6、主人公たちに敗北した直後
[状態]:健康
[装備]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[道具]:
[思考]
基本:今ある世界を滅ぼして、自分たちが認められて幸せになれる世界を作る
1:今は『同志』と共に行動を共にする
2:デス以外で愛してるなんて言われたこと、初めてかも……?
[備考]
※参戦時期はキャラエピソード6、主人公たちに敗北した直後
【カギ爪の男@GUN×SWORD】
[状態]:健康、衣服とカギ爪に血の痕
[装備]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[道具]:
[思考]
基本:どうしたものでしょうか……
1:新しいお友達(ニーア)が出来て嬉しいです
[備考]
※参戦時期は後続の書き手にお任せします
※先程殺した人物のことは多分忘れました
[状態]:健康、衣服とカギ爪に血の痕
[装備]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[道具]:
[思考]
基本:どうしたものでしょうか……
1:新しいお友達(ニーア)が出来て嬉しいです
[備考]
※参戦時期は後続の書き手にお任せします
※先程殺した人物のことは多分忘れました