これは、いつかの未来で誰かの過去。
この殺し合いには何の関係もない話。
この殺し合いには何の関係もない話。
カーテン越しに入って来る柔らかい光に満たされた部屋。
その部屋の大きく白いベッドの上に赤子を抱いた女性が横たわっていた。
そのベットに垂れた長い髪はこの国の大勢の人間と同じ黒い色をしており、その青い眼は生まれたばかりの我が子を映していた。
その腕に抱かれ赤子が、その小さな体のあらん限りの力を奮って泣き声をあげると女性はその体を揺らしてあやしてやった。
それに伴い、女性の頭に着いた鈴飾りもカランと乾いた音を立てる。
やがて赤子は泣き止み疲れて寝てしまったが、それでも女性の顔から憂いが消えることはなかった。
その部屋の大きく白いベッドの上に赤子を抱いた女性が横たわっていた。
そのベットに垂れた長い髪はこの国の大勢の人間と同じ黒い色をしており、その青い眼は生まれたばかりの我が子を映していた。
その腕に抱かれ赤子が、その小さな体のあらん限りの力を奮って泣き声をあげると女性はその体を揺らしてあやしてやった。
それに伴い、女性の頭に着いた鈴飾りもカランと乾いた音を立てる。
やがて赤子は泣き止み疲れて寝てしまったが、それでも女性の顔から憂いが消えることはなかった。
今日は、祝福されるべき日であった。
現在の世界情勢は暗い。
近年何の前触れもなく生まれた異能の力を持つ人類、第七波動(セブンス)能力者の存在が明らかになるにつれ、時代は混迷を極めていた。
新たな人類を巡り起こる争い、差別、反発、ニュースを見ても嫌になるほど刺激的なニュースで持ち切りだ。
そんな時代の中でも、この国は皇神(スメラギ)グループの尽力により飛躍的安定を保っている。
そしてその皇神グループの中でいち早く第七波動の制御技術を確立した英雄こそが、彼女の夫であった。
新進気鋭の勢いを持つ皇神グループの英雄と、由緒正しき対魔師の家系『神園家』の一員である彼女との婚姻は当然政略結婚ではあったが、その分周囲の人間から惜しみないサポートを受け入れられた。
夫も多忙ながら彼女との時間を作る気立てのいい男であり、パートナーとして不満を感じたことはない。
子どもたちが生まれてくる今日という日は、皇神と神園の繋がりが形になる日であり何より彼女とその夫が何よりも喜ぶ万人から祝福される日だったのだ。
そう、祝福されるべき日だったのだ。
近年何の前触れもなく生まれた異能の力を持つ人類、第七波動(セブンス)能力者の存在が明らかになるにつれ、時代は混迷を極めていた。
新たな人類を巡り起こる争い、差別、反発、ニュースを見ても嫌になるほど刺激的なニュースで持ち切りだ。
そんな時代の中でも、この国は皇神(スメラギ)グループの尽力により飛躍的安定を保っている。
そしてその皇神グループの中でいち早く第七波動の制御技術を確立した英雄こそが、彼女の夫であった。
新進気鋭の勢いを持つ皇神グループの英雄と、由緒正しき対魔師の家系『神園家』の一員である彼女との婚姻は当然政略結婚ではあったが、その分周囲の人間から惜しみないサポートを受け入れられた。
夫も多忙ながら彼女との時間を作る気立てのいい男であり、パートナーとして不満を感じたことはない。
子どもたちが生まれてくる今日という日は、皇神と神園の繋がりが形になる日であり何より彼女とその夫が何よりも喜ぶ万人から祝福される日だったのだ。
そう、祝福されるべき日だったのだ。
ガラガラと音を立てながら、病室の扉が開かれた。
色素の薄い髪と瞳の男が、赤子を抱いて入ってきた。
その男の顔は、今や彼女は誰よりもよく見知った顔である。
色素の薄い髪と瞳の男が、赤子を抱いて入ってきた。
その男の顔は、今や彼女は誰よりもよく見知った顔である。
「あなた!ミチルは大丈夫なの!?」
この日生まれた子どもは一人ではない。
双生児、彼女の腕に抱かれた男子の妹となる子どもが産まれていたのだ。
男子は何の問題もなく産まれ、その妹ミチルもなんの異常も無いように見えていたが数時間経てども産声一つ上げず精密検査を受ける運びとなっていた。
双生児、彼女の腕に抱かれた男子の妹となる子どもが産まれていたのだ。
男子は何の問題もなく産まれ、その妹ミチルもなんの異常も無いように見えていたが数時間経てども産声一つ上げず精密検査を受ける運びとなっていた。
「ああ、検査の結果は問題なかったよ。
もう少し様子を見れば声を出すんじゃないかって言ってたよ。」
もう少し様子を見れば声を出すんじゃないかって言ってたよ。」
「よかった…!」
夫のその言葉に、女性は目に涙を浮かべて喜んだ。
気づけばその腕に抱かれた赤子が、父と同じ赤い瞳を開いて己の父と妹を覗いていた。
気づけばその腕に抱かれた赤子が、父と同じ赤い瞳を開いて己の父と妹を覗いていた。
「ただ…」
夫がその口を開きかけた時、その腕に抱かれた赤子ミチルがついに口を開いた。
女性はその喜ぶべき瞬間に、何故か不安になって腕の中に居る赤子の手を優しく握った。
女性はその喜ぶべき瞬間に、何故か不安になって腕の中に居る赤子の手を優しく握った。
この直後、祝福されるべき時は呪われた日に変わる。
世界の終末を告げるトランペットの音のごとく、世界に深い傷を刻む謡精の産声を聞くのは、この四人のみ。
世界の終末を告げるトランペットの音のごとく、世界に深い傷を刻む謡精の産声を聞くのは、この四人のみ。
話を戻して、殺し合いの場。
「きゃあ~!」
暗い洞窟の中に少女の声が響いた。
彼女の名は神園しのぶ、人の世に蔓延る悪魔を追い返す由緒正しい悪魔ハンターの家系に生まれた人間であり、当然このような催しにも反抗の意を持って歩いていた彼女だが、その足を突如掬う存在が居た。
彼女の名は神園しのぶ、人の世に蔓延る悪魔を追い返す由緒正しい悪魔ハンターの家系に生まれた人間であり、当然このような催しにも反抗の意を持って歩いていた彼女だが、その足を突如掬う存在が居た。
「ま、魔界植物?」
体調十メートルに及ぶかという巨大な植物が、本来植物には持ちえない両の眼が、その触手によって宙に吊り上げられた彼女を見つめていた。
これは魔界植物、かつて悪魔がイタズラのために魔界から持ち込んだもので彼女もかつてひどい目にあわされた。
何故これがこんなところに、そう考えようとしたところで魔界植物の口が大きく開けられた。
これは魔界植物、かつて悪魔がイタズラのために魔界から持ち込んだもので彼女もかつてひどい目にあわされた。
何故これがこんなところに、そう考えようとしたところで魔界植物の口が大きく開けられた。
「嫌!離して!」
この後どうなるかは彼女が一番よく知っている。
最悪の予感に震え、必死に身をよじるが何の効果もない。
最悪の予感に震え、必死に身をよじるが何の効果もない。
「助けて…天使様…」
魔界植物の口が目前に近づき、もはやここまでかと思ったその時、一条の光が眼に飛び込んできた。
「天魔覆滅!」
一条の光は、宙の触手に強烈なタックルを食らわせしのぶを強引に振り解かせた後、彼女を抱きかかえてゆっくりと大地へ降下した。
神々しくも見えるその光に、彼女は呆然と呟いた。
神々しくも見えるその光に、彼女は呆然と呟いた。
「あなたは…天使様?」
「悪いが、天使ではないな。」
その光の眩さに目が慣れたころ、しのぶは己を救った一条の光の正体が見えた。
紅白の甲冑(アーマー)を身に纏った少年だ。現在はアーマーの各所からのジェット噴射によりゆっくりと降下しており、先ほどのはこのジェット噴射を用いて魔界植物へ突進したのであろう。
その少年も同様に目が慣れたのか、色素の薄い髪を揺らして赤い瞳を驚愕に見開いてしのぶを見つめていた。
紅白の甲冑(アーマー)を身に纏った少年だ。現在はアーマーの各所からのジェット噴射によりゆっくりと降下しており、先ほどのはこのジェット噴射を用いて魔界植物へ突進したのであろう。
その少年も同様に目が慣れたのか、色素の薄い髪を揺らして赤い瞳を驚愕に見開いてしのぶを見つめていた。
「お前、は――」
少年が何かを言いかけた時、獲物を取られた魔界植物が咆哮を上げる。
「ちっ、走れるか!?」
「あ、あったりまえじゃない!」
少年はすぐさましのぶを下ろし、その手を引いて駆け出した。
すぐさま魔界植物もその後を追うが、二人はその巨体では入れない道に入り込み、走り続ける。
すぐさま魔界植物もその後を追うが、二人はその巨体では入れない道に入り込み、走り続ける。
「あの触手を伸ばしてこられたら厄介だ、もっと奥まで行くぞ。」
「あ、あんたいったい何者なのよ。」
「……今の俺は、何者でもない。」
「名前は!?」
それを訪ねた時、少年はようやく足を止めた。
しのぶは、肩で息をしながらその青い瞳で少年の赤い瞳を見つめた。
しのぶは、肩で息をしながらその青い瞳で少年の赤い瞳を見つめた。
「……人に聞く前に、自分の名を言え。」
「しのぶよ。神園しのぶ。」
その答えを聞いた少年は、目を伏せて答えた。
「アキ……アキュラ。家も姓も何もない『ただのアキュラ』だ。」
彼はぶっきらぼうにそう答えると、再びしのぶの手を引いて走り出した。
しのぶがその手を掴み続けているのは、魔界植物への恐怖からか、あるいは彼の手から感じる不思議な安心感からか。
しのぶがその手を掴み続けているのは、魔界植物への恐怖からか、あるいは彼の手から感じる不思議な安心感からか。
二人は殺し合いの中を駆け出した。
これは、いつかの過去で誰かの未来。
いつか母親になる少女と、かつて赤子だった少年の物語。
これは、いつかの過去で誰かの未来。
いつか母親になる少女と、かつて赤子だった少年の物語。
【神園しのぶ@ぎゃるがん だぶるぴーす】
[状態]:疲労(小)
[装備]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[道具]:
[思考]
基本:悪鬼討滅!殺し合いの打破。
1:とりあえず魔界植物から逃げる。
2:アキュラの手、なぜか安心するわね…?
[備考]
※参戦時期は次の書き手様に任せます。
[状態]:疲労(小)
[装備]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[道具]:
[思考]
基本:悪鬼討滅!殺し合いの打破。
1:とりあえず魔界植物から逃げる。
2:アキュラの手、なぜか安心するわね…?
[備考]
※参戦時期は次の書き手様に任せます。
【アキュラ@蒼き雷霆ガンヴォルト爪】
[状態]:
[装備]:基本支給品、ヴァイスティーガー(付箋付き)、ランダム支給品1~2
[道具]:
[思考]
基本:悪鬼討滅、殺し合いの打破。
1:このふざけた催し、俺が討滅する。
2:とりあえず逃げる。
3:かあさ………。
[備考]
※参戦時期は本編エピローグ後
※ヴァイスティーガーの付箋には『甲冑フェチのために特別に初期装備DEATH!』と書かれた付箋が貼ってあります。また、ホバリング以外の全コードはアンインストールされていおり、バトルポットや銃と言った追加武装もありません。
[状態]:
[装備]:基本支給品、ヴァイスティーガー(付箋付き)、ランダム支給品1~2
[道具]:
[思考]
基本:悪鬼討滅、殺し合いの打破。
1:このふざけた催し、俺が討滅する。
2:とりあえず逃げる。
3:かあさ………。
[備考]
※参戦時期は本編エピローグ後
※ヴァイスティーガーの付箋には『甲冑フェチのために特別に初期装備DEATH!』と書かれた付箋が貼ってあります。また、ホバリング以外の全コードはアンインストールされていおり、バトルポットや銃と言った追加武装もありません。
【NPC紹介】
【魔界植物くん@ぎゃる☆がん だぶるぴーす】
全長十メートル近くある、とげの無いサボテンに似た巨大な植物
触手で獲物を掴み、その巨大な口で獲物を丸のみにして体内の触手で襲い掛かる。
弱点は口の中の核。
マイティガンヴォルトにおいてもパンテーラが作成した世界内で登場し、
狙いづらい触手と神園しのぶの『HELP』の文字でGV達を苦しめた。
【魔界植物くん@ぎゃる☆がん だぶるぴーす】
全長十メートル近くある、とげの無いサボテンに似た巨大な植物
触手で獲物を掴み、その巨大な口で獲物を丸のみにして体内の触手で襲い掛かる。
弱点は口の中の核。
マイティガンヴォルトにおいてもパンテーラが作成した世界内で登場し、
狙いづらい触手と神園しのぶの『HELP』の文字でGV達を苦しめた。