ここは会場内の湖畔、そのほとりには無数の人影があった。
いや、厳密には人影ではなく、無数のゴブリンとそれに陵辱される一人の娘の姿があった。
「う、うげええぇぇぇ……もう、やめてぇ……お願いだからぁ……もう、出さ、な…でぇ…」
陵辱されている娘、女武闘家は嘔吐しながら力ない声でゴブリンたちへそう嘆願した。
しかし彼らが手を緩めることなどない。
それは彼女自身、自分の身をもって理解していることだった。しかしそれでも、その苦痛から彼女は嘆願せずにはいられなかった。
それは彼女自身、自分の身をもって理解していることだった。しかしそれでも、その苦痛から彼女は嘆願せずにはいられなかった。
そしてゴブリンたちはそんな彼女をあざ笑い、またも彼女の身体に自らの精を流し込んでいった。
それにより女武闘家が再び悲痛な声を上げる、そんなおぞましい光景がここには広がっていた。
しかしそんな光景が突如として終わりを迎えた。
見回りをしていたゴブリンたちが、謎の黄色い弾により吹き飛ばされたのだ。
それにより先ほどまで女武闘家を陵辱していたゴブリンたちはその手を止め、自らの武器を手に取りその場へと向かったのだ。
そしてそこには、奇妙な格好をした男がいた。
黒地に金の刺繍が施された着物にすだれのようなものが付いた冠、そして顔全体を巨大な呪符のようなもので覆っていた。
まるで中国の皇帝とキョンシーを混ぜたような見た目をした男が、そこに立っていた。
そしてゴブリンたちは気づいた。彼が自分たちを襲った者だと気づき、数の暴力に任せて彼に襲い掛かった。
しかしそれは悪手だった。男はそのまま彼らゴブリンたちを様々な技で葬っていったのだ。
丁度男の目の前にいたゴブリンは抜き手で無数の風穴を開けられ、
あるゴブリンは気弾を込めた掌底で身体を跡形もなく吹き飛ばされ、
またあるゴブリンは空中で繰り出された回し蹴りで周囲にいた仲間ごと頭をはね飛ばされ、
そして遠くにいたゴブリンは彼の手から放たれた気弾によってすべて薙ぎ払われてしまった。
中でも一番悲惨だったのはこのゴブリンたちを率いていたリーダーだろう。
彼は男の放つ無数の技を食らった挙句、全身を骨も残らずチリにされてしまったのだから。
そうしてその男は体術のみでゴブリンたちをすべて殺害してしまった。
その光景を、女武闘家は一言も発さず、まばたきもせずに見つめていた。
魅了されていたのだ。彼の放つ技一つ一つに。
曲がりなりにも武闘家であるから分かったのだ、彼の放った技の美しさとその威力に。
そして、彼の衣服には一つたりともゴブリンたちの血が付いていないことに気づいたのだ。
そうして彼女が男の姿に魅了されていると、その男がこちらに近づいてきた。
全身を汚辱にまみれた姿を見られたくないと思った彼女は男から逃げようとしたが、男のほうが早く彼女のすぐ近くまで来てしまった。
そうすると突如男が口を開いた。
「其方、なかなかいい目をしているのぉ……」
「憤怒、絶望、憎悪、屈辱、………そして力に対する渇望が透けて見えておる」
「余はそのような淀んだ目をした人間が大好きでの、何なら其方に技を授けてやろうか?」
目の前にいた男は女武闘家にそう言い、彼女をじっと見降ろしていた。
お前に自分の技を授けてやると、彼はそういったのだ。
そして彼女はその言葉に対し、即座に答えた。
「……ぜひともお願いいたします……!貴方のことを、師匠と呼ばせてください……!」
師匠と呼ばせてくださいと、貴方の技を授かりたいと、そう答えたのだ。
そして男は高笑いをしながら彼女の答えを受け取ったあと、自身の名を教えた。
「はっはっはっはっ!余に師事を仰ぐか!余はマオタイ、我が剛の拳の極意を、とくと味わうがよい」
そうして彼女に自分の技を教えるといったマオタイだったが、彼女に対して顔をしかめた雰囲気でこう言った。
「まずは、そこの湖で体を清めよ。そのままでは栗の花臭くて、教える気にはならぬ」
その言葉に若干ショックを受けた女武闘家だったが、その通りだとも思ったので彼の言うとおり自分の身体を洗いに行った。
そして先ほどまでゴブリンに襲われていたため確認できなかったデイバッグの中に、丁度衣服が入っていたのでそれを着ることにしたのだ。
これからの自分の成長に胸を躍らせながら……。
そして彼女が体を洗っている間、マオタイは……
「ふむ、やはり余の身体から力が失われておる…、これもあの主催者の仕業か……。全く、忌々しいものよ……!」
自分の身体に起きた変化について苦々しい雰囲気を出しながら確認をしていた。
(しかし、余の身体に起きた変化を確認するために小鬼どもを始末したが、とんだ拾い物をしたものよ)
しかし彼は呪符で隠した顔から笑みを浮かべていた。何故ならば、彼は面白い拾い物をしたからだ。
(あの小娘、女武闘家といったか?あれは、磨けば光る逸材よ……)
(必ずや、余の覇道を支える程の拳士、ひいては余の悲願たる"王楽浄土"の礎となる存在だろう……)
そう、彼は女武闘家の中にある才能を見出していたのだ。そしてその才能を開花させれば、必ず自身の役に立つ拳士となると、そう確信していた。
故に彼は女武闘家を助けたのだ。自身の覇道を助ける、一つの駒として、そして自らが求める『とこしえの楽園』のための礎として。
そして彼のもとに、身体についた汚辱を洗い流し、また新しい衣服を身にまとった武闘家が走ってきた。
「身体を清めてまいりました!では、稽古をつけさせていただけますか?」
「そうか、では早速稽古をつけさせてやろう。覇を掴む、最強の拳をその身に刻むがよい」
―― こうして、かつて小鬼により道を閉ざされた武闘家は仙界の魔皇によってその才覚を見出され、再び武の道を歩み始めた。
―― その先に待ち受けるのが、彼の意志によってすべてが決定される『偽りの理想郷』であっても、今の彼女にそれを知る由はない…………。
【女武闘家@ゴブリンスレイヤー】
[状態]:陵辱による疲労(中)、ゴブリンへのトラウマ(大)、マオタイの技に対する心酔
[装備]:カンフースーツ@現実
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:ゴブリンたちへの雪辱を晴らすため、マオタイに師事を仰ぐ。
1:何という技の数々……!この人に師事を仰げば私も……!
2:ゴブリンたちは皆殺しにする……しなければならないんだ……!
[備考]
※参戦時期はゴブリンスレイヤーによって救出され、馬車で他の犠牲者とともに移動していた時期
※元の衣服はゴブリンたちの手でズタズタにされたため、カンフースーツを着用しています。
※魔皇マオタイを『異国の武闘家』だと思っています。
[状態]:陵辱による疲労(中)、ゴブリンへのトラウマ(大)、マオタイの技に対する心酔
[装備]:カンフースーツ@現実
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:ゴブリンたちへの雪辱を晴らすため、マオタイに師事を仰ぐ。
1:何という技の数々……!この人に師事を仰げば私も……!
2:ゴブリンたちは皆殺しにする……しなければならないんだ……!
[備考]
※参戦時期はゴブリンスレイヤーによって救出され、馬車で他の犠牲者とともに移動していた時期
※元の衣服はゴブリンたちの手でズタズタにされたため、カンフースーツを着用しています。
※魔皇マオタイを『異国の武闘家』だと思っています。
【魔皇マオタイ@モンスター烈伝オレカバトル】
[状態]:健康、力を封じられたことに対する怒り(大)
[装備]:邪帝の酒器@モンスター烈伝オレカバトル
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:主催者を打倒し、『どんな願いもかなえる力』を奪う。
1:余の覇道を邪魔するか、痴れ者め!
2:『どんな願いでも叶える』か……ならばその力、余がすべていただこう。
3:こやつ(女武闘家)は、磨けば光りそうだ……。
[備考]
※制限により『無影暗殺拳』、『七死七殺拳』などの相手を即死させる技の効果が無効化されています。
また本来の姿である『邪帝』への変化もできません(正確にはそのために必要な『邪帝白酒』が没収されています)。
[状態]:健康、力を封じられたことに対する怒り(大)
[装備]:邪帝の酒器@モンスター烈伝オレカバトル
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:主催者を打倒し、『どんな願いもかなえる力』を奪う。
1:余の覇道を邪魔するか、痴れ者め!
2:『どんな願いでも叶える』か……ならばその力、余がすべていただこう。
3:こやつ(女武闘家)は、磨けば光りそうだ……。
[備考]
※制限により『無影暗殺拳』、『七死七殺拳』などの相手を即死させる技の効果が無効化されています。
また本来の姿である『邪帝』への変化もできません(正確にはそのために必要な『邪帝白酒』が没収されています)。
『支給品紹介』
【邪帝の酒器@モンスター烈伝オレカバトル】
黒と金の菱形模様をした盃で、彼が『邪帝』に変化するために必要な道具の一つ。
【邪帝の酒器@モンスター烈伝オレカバトル】
黒と金の菱形模様をした盃で、彼が『邪帝』に変化するために必要な道具の一つ。
これに彼特製の『白酒』を注ぐことで『邪帝』への変化を果たすのだが、
肝心の酒とそれを作るための『魔麹』が手元にないので、今のところ只の盃である。
肝心の酒とそれを作るための『魔麹』が手元にないので、今のところ只の盃である。