草原に、けたたましいマシンガンの銃声が響く。
悲鳴と血しぶきが上がり、死体と化したゴブリンが次々と地面に伏せる。
音がやんだとき、そこに立っていたのはマシンガンを手にした女性ただ一人だった。
悲鳴と血しぶきが上がり、死体と化したゴブリンが次々と地面に伏せる。
音がやんだとき、そこに立っていたのはマシンガンを手にした女性ただ一人だった。
彼女の名は、セラス・ヴィクトリア。
かつては平凡な警察官であったが、今は半人前の吸血鬼である。
吸血鬼としても戦士としてもまだ未熟である彼女が、明らかな人外とはいえゴブリンを殺すのは、本来ならば多少なりともためらいが生じただろう。
だが実際には、セラスは一切ためらうことなくゴブリンたちに銃弾を撃ち込んだ。
その理由は、今の彼女が激情に支配されていることにある。
尊厳を粉砕するがごときやり方で殺された少女。
その死に様は、セラスの中の忌まわしき記憶を呼び起こした。
それは強盗に殺され、死してなお辱められる母親の姿。
少女に母の姿を重ねた結果、彼女の中には少女を殺した怪人への激しい怒りが生まれた。
絶対にあの男を倒す。セラスはそう決意していた。
そしてその怒りは、怪人の手下であろう怪物たちにも容赦なく向けられたのである。
かつては平凡な警察官であったが、今は半人前の吸血鬼である。
吸血鬼としても戦士としてもまだ未熟である彼女が、明らかな人外とはいえゴブリンを殺すのは、本来ならば多少なりともためらいが生じただろう。
だが実際には、セラスは一切ためらうことなくゴブリンたちに銃弾を撃ち込んだ。
その理由は、今の彼女が激情に支配されていることにある。
尊厳を粉砕するがごときやり方で殺された少女。
その死に様は、セラスの中の忌まわしき記憶を呼び起こした。
それは強盗に殺され、死してなお辱められる母親の姿。
少女に母の姿を重ねた結果、彼女の中には少女を殺した怪人への激しい怒りが生まれた。
絶対にあの男を倒す。セラスはそう決意していた。
そしてその怒りは、怪人の手下であろう怪物たちにも容赦なく向けられたのである。
「ふう……」
セラスの口から、ため息が漏れた。
殺戮によって多少は気が晴れたものの、未だ激情の炎は彼女の中で燃えさかっている。
殺戮によって多少は気が晴れたものの、未だ激情の炎は彼女の中で燃えさかっている。
(今の私を見たら、マスターはなんて言うかなあ……)
ぼんやりと、セラスは自分を吸血鬼にした主のことを考えていた。
「少しは化物らしくなったじゃないか」と褒めるのか、「その程度の感情も抑えられんのか」とあきれるのか。
正解と思えるものを導き出せるほど、彼女はまだ主を理解できていなかった。
「少しは化物らしくなったじゃないか」と褒めるのか、「その程度の感情も抑えられんのか」とあきれるのか。
正解と思えるものを導き出せるほど、彼女はまだ主を理解できていなかった。
(あ、そうだ。荷物の確認しなきゃ。
このマシンガン見つけたところで、こいつらが襲ってきたからなあ)
このマシンガン見つけたところで、こいつらが襲ってきたからなあ)
支給品の確認が不十分だったことを思い出し、カバンを手に取ろうとするセラス。
だがその時、彼女の聴覚が自分に向かってくる足音を捉えた。
だがその時、彼女の聴覚が自分に向かってくる足音を捉えた。
(まだいたか!)
ゴブリンの生き残りと判断し、セラスはその方向に銃を向ける。
だが現れたのは、彼女の予想外の存在だった。
だが現れたのは、彼女の予想外の存在だった。
「おっと、こちらに敵意はありません。
銃を下ろしていただけますか、同胞のお嬢さん」
銃を下ろしていただけますか、同胞のお嬢さん」
両手を上げて姿を見せたのは、人の良さそうな顔立ちをした初老の男だった。
「同胞……?」
男が口にしたフレーズに、セラスは困惑を隠せずにいた。
「じゃあ、あなたも吸血鬼?」
「ええ、そうです」
「ええ、そうです」
セラスの問いを、男はすぐさま肯定する。
よく見れば、その口元には牙が輝いていた。
よく見れば、その口元には牙が輝いていた。
「なるほど、あなたも吸血鬼であるというのはわかりました。
それで……殺し合いに乗るつもりはないと、そう考えていいんでしょうか」
「ええ、もちろんです。自分で言うのもなんですが、私は攻撃性の強い吸血鬼ではないので。
それに、エッチなことで人を傷つけるような輩に従いたくはありません」
「ん?」
それで……殺し合いに乗るつもりはないと、そう考えていいんでしょうか」
「ええ、もちろんです。自分で言うのもなんですが、私は攻撃性の強い吸血鬼ではないので。
それに、エッチなことで人を傷つけるような輩に従いたくはありません」
「ん?」
男の言い回しに引っかかるものを感じるセラスであったが、殺し合いに消極的であることは事実のようなのでとりあえずスルーする。
「えーと、とりあえずあなたのことは信用しましょう。
あ、名前聞かせてもらえますか?
私はセラス・ヴィクトリア。イギリスの警察官です」
あ、名前聞かせてもらえますか?
私はセラス・ヴィクトリア。イギリスの警察官です」
まずは自分から名乗るセラス。
ヘルシング機関の名を伏せたのは最初から個人情報を全て明かすのはさすがにどうかと思ったのと、
対吸血鬼機関の名前を出せば相手を警戒させてしまうのではと考えたためである。
ヘルシング機関の名を伏せたのは最初から個人情報を全て明かすのはさすがにどうかと思ったのと、
対吸血鬼機関の名前を出せば相手を警戒させてしまうのではと考えたためである。
「ほほう、イギリスの方でしたか。
私は日本の吸血鬼で……君がエッチなことを考えると流れ星を降らせるおじさんと申します」
「は?」
私は日本の吸血鬼で……君がエッチなことを考えると流れ星を降らせるおじさんと申します」
「は?」
セラスの脳が、理解を拒む。
「あの、すいません……。もう一度言っていただけます?」
「君がエッチなことを考えると流れ星を降らせるおじさんです」
「……あー、ひょっとしてこの状況で錯乱しておられる?」
「私はいたって冷静ですが」
「…………」
「君がエッチなことを考えると流れ星を降らせるおじさんです」
「……あー、ひょっとしてこの状況で錯乱しておられる?」
「私はいたって冷静ですが」
「…………」
もはやどう対応していいかわからなくなり、フリーズするセラス。
とりあえず、彼女の中の激情がすっかり消し飛んだのはたしかなようである。
とりあえず、彼女の中の激情がすっかり消し飛んだのはたしかなようである。
【セラス・ヴィクトリア@HELLSING】
[状態]健康
[装備]トンプソン機関銃(弾薬2割消費)@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]基本支給品一式、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]
基本方針:主催者の打倒
1:この人、どうすればいいの……
[備考]
参戦時期は、ミレニアムによるイギリス襲撃以前
[状態]健康
[装備]トンプソン機関銃(弾薬2割消費)@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]基本支給品一式、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]
基本方針:主催者の打倒
1:この人、どうすればいいの……
[備考]
参戦時期は、ミレニアムによるイギリス襲撃以前
【吸血鬼君がエッチなことを考えると星を降らせるおじさん@吸血鬼すぐ死ぬ】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本方針:エッチなことを悪用する輩に反抗する
1:セラスと協力関係を築きたい
[備考]
能力がどこまで使用できるかは、現状不明です。
そもそも、会場上空に星があるかも不明です。
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本方針:エッチなことを悪用する輩に反抗する
1:セラスと協力関係を築きたい
[備考]
能力がどこまで使用できるかは、現状不明です。
そもそも、会場上空に星があるかも不明です。
『支給品紹介』
【トンプソン機関銃@ジョジョの奇妙な冒険】
ジョセフが、ストレイツォとの戦いで使用したマシンガン。
ぶっ壊すほどシュート!
【トンプソン機関銃@ジョジョの奇妙な冒険】
ジョセフが、ストレイツォとの戦いで使用したマシンガン。
ぶっ壊すほどシュート!