不気味な雰囲気の漂う古城。
その中を、フヨフヨと浮遊しながら移動する一つの影があった。
彼(厳密には両性具有なのだが、便宜上こう呼ぶ)の名は、クリムヴェール。愛称は「クリム」。
「天使の輪」の破損によって下界に転落してしまい、ただれた生活にどっぷりハマってしまったスケベ天使である。
その中を、フヨフヨと浮遊しながら移動する一つの影があった。
彼(厳密には両性具有なのだが、便宜上こう呼ぶ)の名は、クリムヴェール。愛称は「クリム」。
「天使の輪」の破損によって下界に転落してしまい、ただれた生活にどっぷりハマってしまったスケベ天使である。
「うう、大変なことになっちゃったなあ……」
クリムの口から、弱音が漏れる。
脳裏に浮かぶのは、あまりに無惨な方法で殺された少女の姿。
思い出すたびに、吐き気がこみ上げてくる。
吐き出せるものはもう全部吐き出してしまっているので、現状では出てくるものは何もないが。
脳裏に浮かぶのは、あまりに無惨な方法で殺された少女の姿。
思い出すたびに、吐き気がこみ上げてくる。
吐き出せるものはもう全部吐き出してしまっているので、現状では出てくるものは何もないが。
「スタンクさんたち、助けに来てくれないかなあ……。
さすがに無理かなあ……。ここ、異世界っぽいし……」
さすがに無理かなあ……。ここ、異世界っぽいし……」
スケベだが冒険者としての実力は折り紙付きの仲間たちを思い浮かべるクリム。
しかし、いかに彼らと言ってもここまで常識外れの事態を解決するのは難しそうだ。
となれば、自分の命は自分で守らなくてはならない。
しかし、いかに彼らと言ってもここまで常識外れの事態を解決するのは難しそうだ。
となれば、自分の命は自分で守らなくてはならない。
「僕に事態が解決できるとは思えないけど……。
せめて誰かが解決してくれるまで自力で生き延びないと……。
いや、それはちょっと他力本願過ぎるかなあ。
僕にも何かできることは……」
せめて誰かが解決してくれるまで自力で生き延びないと……。
いや、それはちょっと他力本願過ぎるかなあ。
僕にも何かできることは……」
前進を続けながら、真剣に考え込むクリム。
その結果周囲への注意が散漫になった彼は、あっけなくトラップに引っかかってしまう。
その結果周囲への注意が散漫になった彼は、あっけなくトラップに引っかかってしまう。
「うひゃあっ!」
突然顔を襲った奇妙な感触に、クリムは思わず素っ頓狂な声を上げる。
彼の顔に触れたもの、それは天井から吊り下げられたこんにゃくだった。
むろん、こんなものを主催サイドが真剣にしかけたわけではない。
あくまでこれは、本命のトラップに誘導するための布石だ。
彼の顔に触れたもの、それは天井から吊り下げられたこんにゃくだった。
むろん、こんなものを主催サイドが真剣にしかけたわけではない。
あくまでこれは、本命のトラップに誘導するための布石だ。
突然の衝撃に動揺したクリムは、よろけて足を地面につけてしまう。
それをスイッチに、床にしかけられたトラップが発動する。
それをスイッチに、床にしかけられたトラップが発動する。
「うええっ!?」
戸惑うクリムに、無数の触手のようなものが襲いかかる。
触手はクリムの体に絡みつき、瞬く間に全ての衣服を剥ぎ取った。
触手はクリムの体に絡みつき、瞬く間に全ての衣服を剥ぎ取った。
「えええええ!?」
予想外の展開に混乱するクリムは、周囲に放り投げられた衣服を拾うこともせず、全裸のままうろたえる。
しかも……。
しかも……。
「何があったの! 大丈夫?」
叫びを聞きつけ、近くにいた女性が駆けつけてしまった。
「あっ……」
「あーっ!!」
「あーっ!!」
そんなこんなで、一糸まとわぬ姿をバッチリ見られてしまったクリムであった。
◆ ◆ ◆
「すいません。お見苦しいものをお見せしまして……」
「いやいや、謝る必要ないって。どっちかっていうと、謝るべきは見ちゃったこっちでしょ」
「いやいや、謝る必要ないって。どっちかっていうと、謝るべきは見ちゃったこっちでしょ」
数分後、落ち着いて服を着直したクリムは、女性に向かって頭を下げていた。
しかし女性の方は、あまり気にしていないようで朗らかに笑っている。
しかし女性の方は、あまり気にしていないようで朗らかに笑っている。
その後、二人はお互いに自己紹介を行った。
それによると、女性の名前は松本乱菊。死者の魂を鎮める「死神」だという。
それによると、女性の名前は松本乱菊。死者の魂を鎮める「死神」だという。
「天使ねえ……。そんなものが実在するって話は聞いたことないし、やっぱり私とクリムは別の世界から連れてこられてるっぽいわね」
「そうですか……。ああ、困ったなあ。
元の世界に帰れるかなあ……」
「そうですか……。ああ、困ったなあ。
元の世界に帰れるかなあ……」
自分の懸念が当たっていたことを確信し、クリムは頭を抱える。
「まあ、そう悲観しない。こう見えてお姉さん、けっこう強いんだから。
あんた一人くらい、守ってあげるわよ」
「お手数おかけします……」
「それよりさあ」
「はい?」
あんた一人くらい、守ってあげるわよ」
「お手数おかけします……」
「それよりさあ」
「はい?」
下卑た笑みを浮かべて、乱菊はクリムの肩を押さえる。
「さっき、不思議なものが見えた気がするんだけど……。
もう少し詳しく、天使の体について教えてくれない?」
「ふえ!? い、いや、それは……」
もう少し詳しく、天使の体について教えてくれない?」
「ふえ!? い、いや、それは……」
困惑するクリム。その脳裏に浮かぶのは、いつものスケベ共の顔だ。
(僕、こういうタイプに巡り会う運命なのかな……)
受け取り方によっては、乱菊に対してえらく失礼な考えを巡らすクリムであった。
【クリムヴェール@異種族レビュアーズ】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本方針:生還する
1:大丈夫かな、この人……
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本方針:生還する
1:大丈夫かな、この人……
【松本乱菊@BLEACH】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本方針:殺し合いには乗らない
1:クリムを守る
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本方針:殺し合いには乗らない
1:クリムを守る
『トラップ紹介』
【装備外しの罠@不思議のダンジョンシリーズ】
読んで字のごとく、踏むと装備品が外れてしまうトラップ。
本来対象となるのは武器、防具、装飾品などだが、本ロワでは身につけている物全てが外されてしまうように改造されている。
外された物は消失するわけではなくその辺に放り投げられるので、一人で行動しているときに踏んでもさほど問題にはならない。
問題となるのは、敵対的な存在が側にいるときである。
【装備外しの罠@不思議のダンジョンシリーズ】
読んで字のごとく、踏むと装備品が外れてしまうトラップ。
本来対象となるのは武器、防具、装飾品などだが、本ロワでは身につけている物全てが外されてしまうように改造されている。
外された物は消失するわけではなくその辺に放り投げられるので、一人で行動しているときに踏んでもさほど問題にはならない。
問題となるのは、敵対的な存在が側にいるときである。