浮遊大陸の片隅に存在するとある草原地帯。
突然そこの地面の一部が盛り上がったかと思うと……
突然そこの地面の一部が盛り上がったかと思うと……
「チュチューン!」
……人間の大人程の大きさがある巨大モグラが顔を出したのだった。
体色は明るいオレンジ。
鼻先は花のようになっており、
肩の部分には鉤爪状の部位が、
スコップ状の手には人間のような指があるなど、
明らかに普通のモグラではなかった。
鼻先は花のようになっており、
肩の部分には鉤爪状の部位が、
スコップ状の手には人間のような指があるなど、
明らかに普通のモグラではなかった。
彼の名は、モグラ獣人。
ただの巨大モグラではなく、動植物に人間並みの知能を移植する事によって生み出される『獣人』というカテゴリーの怪人である。
彼はかつて、世界征服を企む秘密結社の一つ『ゲドン』に所属していたのだが、任務に失敗して処刑されかかったところをゲドンと敵対する『仮面ライダーアマゾン』によって助けられた事で、アマゾンの『トモダチ』となったのである。
ただの巨大モグラではなく、動植物に人間並みの知能を移植する事によって生み出される『獣人』というカテゴリーの怪人である。
彼はかつて、世界征服を企む秘密結社の一つ『ゲドン』に所属していたのだが、任務に失敗して処刑されかかったところをゲドンと敵対する『仮面ライダーアマゾン』によって助けられた事で、アマゾンの『トモダチ』となったのである。
「はぁ〜……よっこいせ、と」
モグラ獣人は地面から這い出ると、頭上の空で静かに輝く満月を眺めだした。
「………なんで俺、生きてんだろうなぁ?」
月を眺めながら、モグラ獣人はふと先程から頭によぎる疑問をポツリと呟いた。
記憶が正しければ、自分はガランダー帝国のキノコ獣人の殺人カビで死んだ筈なのだ。
だというのに、五体満足の状態で『殺し合い』の会場にいる。
それがモグラ獣人には不思議でならなかった。
だというのに、五体満足の状態で『殺し合い』の会場にいる。
それがモグラ獣人には不思議でならなかった。
死んだと思ったのは自分の気のせいで、アマゾンが殺人カビの解毒剤を飲ませてくれたのか?
いや、あの体から『命』が抜け出していくような感覚は、絶対に気のせいなんかではない。
ならば何故、自分は無事なのか?
そして何故、『殺し合い』に参加させられているのか?
いや、あの体から『命』が抜け出していくような感覚は、絶対に気のせいなんかではない。
ならば何故、自分は無事なのか?
そして何故、『殺し合い』に参加させられているのか?
ひょっとしたら、ここは悪いことをした人間が死んだ後に行くという『地獄』と呼ばれる場所かもしれない。
自分はアマゾンの『トモダチ』だったけど、ゲドンの一員として散々悪いことをしてきたから『地獄』に落とされたのかも……。
自分はアマゾンの『トモダチ』だったけど、ゲドンの一員として散々悪いことをしてきたから『地獄』に落とされたのかも……。
「う〜ん・・・」
夜空に輝く満月を眺めながらモグラ獣人は考えを巡らせるが、情報が少ない現状では明確な答えなど思い付くはずも無く……
「……はぁ〜」
モグラ獣人は深いため息を漏らしたのだった。
その時だった。
その時だった。
「も、モグラ怪獣!?」
「……チュチューン?」
「……チュチューン?」
人間の声が聞こえた。
若い女の声だ。
若い女の声だ。
振り向くと、いつの間にかモグラ獣人の背後に水色を基調にしたセーラー服を着た高校生くらいの少女が佇んでいた。
その少女はモグラ獣人を見ながら驚いていると共に、好奇心旺盛な幼い子供のように目を輝かせていた。
その少女はモグラ獣人を見ながら驚いていると共に、好奇心旺盛な幼い子供のように目を輝かせていた。
「えっ!?嘘!?本物!?本物の怪獣!?」
少女はいかにも興奮している様子でモグラ獣人に抱きつき、モグラ獣人の体をあちこち触り始めたのだ。
「チュチューン!?」
「凄い!着ぐるみじゃないわ!!本当に生きてる!!」
「チュチューン!!」
「肌は結構すべすべしてるわね……鼻が花の形って洒落か何か?」
「チュチューン!お、おい!止めてくれよ〜!!」
「……喋ったぁぁぁ!!?」
「凄い!着ぐるみじゃないわ!!本当に生きてる!!」
「チュチューン!!」
「肌は結構すべすべしてるわね……鼻が花の形って洒落か何か?」
「チュチューン!お、おい!止めてくれよ〜!!」
「……喋ったぁぁぁ!!?」
その後、少女が落ち着くまでの30分間…………モグラ獣人は少女に身体中をまさぐられたのだった。
☆☆☆
「チュチューン……」
少女に身体中を触られて、モグラ獣人はぐったりとしていたが、当の少女の方は何故だか元気になっていた。
「いやぁ〜ゴメンね!まさかこんな所で本物の怪獣に会えるなんて思ってなくて、つい興奮しちゃって……あ、私はSOS団団長の涼宮ハルヒよ!アンタはなんて言うの?」
少女……ハルヒは全く悪びれる様子を見せずに自己紹介すると、モグラ獣人にも自己紹介を促した。
「……俺はモグラ獣人だ。というか、俺は『怪獣』じゃなくて『獣人』なんだけど・・・」
「『怪獣』も『獣人』も大して変わらないわよ。ようは体の大きさがビル並みか人間並みかの違いじゃない。それより、聞きたい事があるんだけど……」
「『怪獣』も『獣人』も大して変わらないわよ。ようは体の大きさがビル並みか人間並みかの違いじゃない。それより、聞きたい事があるんだけど……」
モグラ獣人の意見を一蹴りして、ハルヒは強引に情報交換を始めた。
ハルヒの話す『SOS団』なるグループとその仲間達との他愛ない日々の話を聞きながら、モグラ獣人は自然に『楽しいそうだな……』と思った。
次に、モグラ獣人がアマゾンやゲドン、そしてガランダー帝国の話をすると、ハルヒは『世界征服を企む悪の組織にそれと戦うヒーロー!?まるでテレビの特撮番組みたいじゃない!!』と、目を輝かせながら興奮していた。
しかし、モグラ獣人が自身の生死やそれに関するこの場での憶測を語ると……流石のハルヒも神妙な表情を浮かべたのだった。
次に、モグラ獣人がアマゾンやゲドン、そしてガランダー帝国の話をすると、ハルヒは『世界征服を企む悪の組織にそれと戦うヒーロー!?まるでテレビの特撮番組みたいじゃない!!』と、目を輝かせながら興奮していた。
しかし、モグラ獣人が自身の生死やそれに関するこの場での憶測を語ると……流石のハルヒも神妙な表情を浮かべたのだった。
「えっと……もしかして不味い事聞いちゃったかしら?」
「……いや、大丈夫だよ。本当のところは俺にもよくわからないから」
「……いや、大丈夫だよ。本当のところは俺にもよくわからないから」
『自分は地獄に落ちたのかもしれない』と語るモグラ獣人の姿はなんだかとても悲しそうで……ハルヒは胸が締め付けられるような感覚があった。
「あぁもう……そんな辛気臭い顔しないの!確かにここは悪夢みたいな場所かもしれないけど、断言しても良いわ。ここは『地獄』でも『死後の世界』なんかでもないわよ!」
「……なんでそう言い切れるんだ?」
「だって私、まだ死んでないし」
「……なんでそう言い切れるんだ?」
「だって私、まだ死んでないし」
あっけらかんと告げるハルヒにモグラ獣人は呆れそうになるが、ハルヒはモグラ獣人と目と目を合わせて「……それに」と続けた。
「アンタはアマゾンって人の仲間……『トモダチ』だったんでしょ?昔はどうだったか知らないけど、正義のヒーローの『トモダチ』が死んだ後に地獄に落ちる訳ないじゃない!そんなの、閻魔様が許してもこの私が許さないわ!!正義のヒーローが死んだ後に行くべきなのは、『天国』のはずだもの!」
「……」
「……」
何の根拠も、確証も無い言葉。
だがモグラ獣人には、何よりの救いの言葉だった。
だがモグラ獣人には、何よりの救いの言葉だった。
そうだ。
自分は悪者から世界を守るアマゾンライダーの『トモダチ』だ。
死んだ後に行くべきなのは『地獄』ではなく、『天国』の筈だ。
自分は悪者から世界を守るアマゾンライダーの『トモダチ』だ。
死んだ後に行くべきなのは『地獄』ではなく、『天国』の筈だ。
そう思うと……モグラ獣人の青い目からは自然と涙が流れ出していた。
「……ありがとう。お前、本当は良い奴なんだな」
「……『本当は』は余計でしょ!」
「……『本当は』は余計でしょ!」
モグラ獣人の言葉にハルヒは頬を膨らませてそっぽを向くが、不思議と悪い気はしなかった。
「ほら!正義のヒーローの仲間が、そんなに簡単に泣いたりしないの!」
「チュチューン……」
「チュチューン……」
ハルヒはスカートのポケットからハンカチを取り出すと、モグラ獣人の目から流れ出る涙を拭き取る。
その姿はまるで、幼子を慰める母親のようだった。
その姿はまるで、幼子を慰める母親のようだった。
「……ちょっと!誰が『母親』よ!?せめて、『姉』って言いなさいよ!!」
「……チュチューン?」
「……チュチューン?」
地の文にツッコミを入れるハルヒの姿に、モグラ獣人は首をかしげたのだった。
その時である。
近くの草むらから、がさごそと何かが動くような音が聞こえてきた。
近くの草むらから、がさごそと何かが動くような音が聞こえてきた。
「えっ?な、何?」
「チュチューン!」
「チュチューン!」
突然の物音にハルヒは固まり、モグラ獣人はハルヒを庇うように身構える。
そして、草むらの方からは……
そして、草むらの方からは……
「ワフゥ〜」
二人の思いもよらない者が姿を現したのだ。
「チュチューン!?」
「こ、今度はブルドック怪獣!?」
「こ、今度はブルドック怪獣!?」
そこにいたのは、一匹のブルドックだった。
だが、ただのブルドックではない。
だが、ただのブルドックではない。
「ワフゥ〜」
それは額からフォークを思わせる触覚を生やし、牛かサイに匹敵する巨体を持つ巨大ブルドックだったのだ。
その首にはハルヒやモグラ獣人と同じく、金属製の無骨な首輪が嵌められている。
どうやらこのブルドックはNPCではなく、参加者のようだった。
その首にはハルヒやモグラ獣人と同じく、金属製の無骨な首輪が嵌められている。
どうやらこのブルドックはNPCではなく、参加者のようだった。
「凄い!スゴいわ!モグラ怪獣を見つけたと思ったら、今度はブルドック怪獣に会えるなんて!!」
「いや、だから俺はモグラ『獣人』なんだけど……」
「いや、だから俺はモグラ『獣人』なんだけど……」
モグラ獣人の抗議がハルヒの耳に入る事はなかった。
ハルヒは巨大ブルドックに駆け寄ると、その大きな体に抱きついた。
ハルヒは巨大ブルドックに駆け寄ると、その大きな体に抱きついた。
「きゃあっ!スッゴいモフモフだわぁ〜♪ぬいぐるみみたい!」
「ワフゥ〜♪」
「ワフゥ〜♪」
ハルヒにギュッと抱き締められて、巨大ブルドックは嬉しそうに鳴いていた。
一方、モグラ獣人は巨大ブルドックに対してビビりまくっていた。
一方、モグラ獣人は巨大ブルドックに対してビビりまくっていた。
「チュチューン……おいやめろよ。食われたらどうすんだよ?」
「フッフッフッ……本物の怪獣に食べられるなら本望よ!」
「チュチューン……」
「フッフッフッ……本物の怪獣に食べられるなら本望よ!」
「チュチューン……」
ハルヒの様子にモグラ獣人は困惑するしかなかった。
「……ん?」
そこでモグラ獣人はある事に気がついた。
「おい、そいつ、首になんか書いてあるぞ?」
「えっ?」
「えっ?」
巨大ブルドックの首には『こんにちは、ボクの名前はロックジョー。ハグが大好きです』と英語で書かれた看板がぶら下がっていたのだった。
「へぇ〜、アナタ『ロックジョー』って言うのね?カッコいいじゃない!」
「ワフゥ〜♪」
「ワフゥ〜♪」
巨大ブルドック……ロックジョーは、自身の体をなで回すハルヒの顔を、体と同じくらい大きな舌でなめたのだった。
「きゃあ!くすぐった〜い♪」
「ワフゥ〜」
「ワフゥ〜」
ハルヒとロックジョーは楽しそうにじゃれあっていたが……
「チュチューン……」
………それを眺めるモグラ獣人は困惑するばかりであった。
【モグラ獣人@仮面ライダーアマゾン】
[状態]:健康、困惑
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:アマゾン達に会いたい
1:ハルヒの様子に困惑
2:なんで俺、生きてるんだ?
3:俺は『怪獣』じゃなくて『獣人』なんだけど……
[備考]
キノコ獣人に殺された直後からの参戦。
殺し合い会場は地獄なのでは?と考えています。
[状態]:健康、困惑
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:アマゾン達に会いたい
1:ハルヒの様子に困惑
2:なんで俺、生きてるんだ?
3:俺は『怪獣』じゃなくて『獣人』なんだけど……
[備考]
キノコ獣人に殺された直後からの参戦。
殺し合い会場は地獄なのでは?と考えています。
【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:健康、歓喜、興奮
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:生きて帰りたいけど、人殺しはしたくない
1:本物の怪獣がこんなに!!スゴ〜い!!
[備考]
『射手座の日』以降、『消失』以前の時間からの参戦。
[状態]:健康、歓喜、興奮
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:生きて帰りたいけど、人殺しはしたくない
1:本物の怪獣がこんなに!!スゴ〜い!!
[備考]
『射手座の日』以降、『消失』以前の時間からの参戦。
【ロックジョー@マーベル・コミックス】
[状態]:健康
[装備]:自己紹介カード@マーベル・コミックス
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2
[思考・状況]
基本:早く帰りたい
1:ワフゥ〜♪
[備考]
『Ms.マーベル』誌でMs.マーベルことカマラ・カーンと行動していた頃からの参戦。
テレポート能力を持っていますが、制限により一度に移動できる最大距離はエリア一マス分だけです。
[状態]:健康
[装備]:自己紹介カード@マーベル・コミックス
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜2
[思考・状況]
基本:早く帰りたい
1:ワフゥ〜♪
[備考]
『Ms.マーベル』誌でMs.マーベルことカマラ・カーンと行動していた頃からの参戦。
テレポート能力を持っていますが、制限により一度に移動できる最大距離はエリア一マス分だけです。
【自己紹介カード@マーベル・コミックス】
2代目Ms.マーベルことカマラ・カーンと最初に会った時に首から下げていたカード。
「HELLO.My name is Lockjaw.I like Hug(日本語訳:こんにちは、ボクの名前はロックジョー。ハグが大好きです)」と書かれている。
2代目Ms.マーベルことカマラ・カーンと最初に会った時に首から下げていたカード。
「HELLO.My name is Lockjaw.I like Hug(日本語訳:こんにちは、ボクの名前はロックジョー。ハグが大好きです)」と書かれている。