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  • この罪悪は涙に流せない

etorarowa @ ウィキ

この罪悪は涙に流せない

最終更新:2021年12月02日 16:19

匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
この作品は性的表現が含まれています。
過激な性的描写が苦手な方には不快となる内容なのでご注意ください





















 かつて幸せを知らなかった僕は、幸せを憎んだ。そして幸せを知った僕は、幸せに苦しんだ。僕なんかが、幸せに思う権利なんてあるわけがないのだから。僕がいるせいで、幸せを奪われた人たちがいるのだから。

「ごめんなさい。」

――取れないんだ。

「ごめんなさい。」

――あの匂いが、鼻の奥にこびり付いて取れない。

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……。」

――酒の匂いが。血の匂いが。燻るように苦い、愛液の匂いが。

「うっ……お゛……」

――部屋中に蔓延する、死の匂いが。

「お゛え゛ぇ…………。」

 込み上げてきた感情ごと、大量の吐瀉物をその場にぶちまけた。撒き散らされた胃酸の匂いが、僕の鼻につんと酸っぱい刺激を主張する。……それでも、もっと嫌な匂いが、鼻の奥から込み上げて止まらない。胃の中が空っぽになっても、この感覚からは、逃げられない。

「はぁ…………はぁ…………。」

 動悸がする。脈が波打って、足取りもおぼつかない。空っぽの胃ではまだ吐き足りないほどに、気持ちが悪い。

 原因は分かっている。人が死ぬ映像を見たこと……などではなく。人の性欲に訴えかけるような、この催しそのものを生理的に受け付けられないのだ。

 性欲などという動物の本能が、僕は大嫌いだ。愛も幸せも喰らい尽くすように包み込んで――そして、夜の暗闇よりもドス黒く塗り潰していく。

 酩酊のままに薄汚い欲に溺れる奴らが、淫猥な快楽に身を委ねる奴らが……そしてそんな奴らから産まれた僕自身が、憎くて憎くて仕方がないんだ。

 本来ならば死刑が確定しているはずの僕――ラッセル・シーガーに架せられた『HD式・更生プログラム』も、今日で6日目。僕は例のごとく、夢の世界へ行く薬『HAPPY DREAM』を注射し、いつもの名も無き町で目覚める……そのはずだった。しかし、目覚めたのは見覚えの全くない空間。それも、よりによって性を生業とするかのごとき世界。僕が、最も嫌悪するもの。これは断じてまやかしの幸せなどではなく――ただただ僕に対する純粋な罰だった。

 プログラムの趣旨が大きく転換した理由には、心当たりがある。HAPPY DREAMの世界で過ごした5日間で、心の不完全だった僕の中に罪悪感というものが芽生えていったからだ。もしもそれがなかったとしたら、更生プログラムは打ち切られ、当初の予定通りに死刑が執行されていたらしい。つまり、プログラムが何かしらターニングポイントを迎えていたとしても、タイミングとしては特におかしくはないのだ。

 これは全部ただの夢――そう思えたら、これほどまでに苦しまなくてもよかったのだろうけれど。しかし僕が今ここに立っているのは、そう思えなかったからこその因果なのだから皮肉なものだ。罪悪を覚えたから僕は苦しんでいる。もう今さら、何も取り戻せないから。だけど、罪悪を覚えたからこそ僕は生きている。もう今さら、何も取り戻せないのに。

――でも、何かを取り戻せるとしたら?

『――どんな願いでも叶える。』

 唐突に、主催者の言葉が脳裏をよぎる。

 もし本当に、どんな願いでも叶うのなら。僕なんて、最初から産まれてこなければよかったのに。……罪悪感を知ってからは、夢の中でみんなが笑うと、その度にそう思った。でもそんな願い、叶うわけがない。これはあくまで夢であって、この世界の外にいる人間は、神様でも何でもないのだから。

 20億円という大金ならば人間の力で何とかなるのかもしれないが、それもどうだっていい。カネに目の眩んだ人間がいかに愚かな選択に走るか、裏社会と少なからず関わりのあった僕は嫌というほど知っている。そもそも、そんな大金が死刑囚である僕に支払われる合理性もない。あんな口約束、口から出まかせだとすら思っている。

 と、優勝者への特典に対して無欲であるならば当然、誰かを積極的に殺したいという欲もまた湧いてはこない。

……でも。

『――お前が彼へとした仕打ち、件の証拠をこれへ持て。』

 閑照先生をあの時の包丁で刺さないと進めなくなった時みたいに。

『――彼女の背中を押せばいい。かつてお前がそうしたように。』

 ミレイユを、また突き落とさくてはいけなくなった時みたいに。

 HAPPY DREAMは、例え僕がそれをやりたくなくても、時に誰かを殺すことを要請する。そして今回は、今までよりも明確に分かりやすく、殺し合うように命じられたのだ。

 もう一度、みんなを殺してみろ、と。僕の手で壊した幸せを、罪悪感を抱いた上でもう一度壊してみせろ、と。……つまり、そういうこと、なのかもしれない。生より軽い夢の世界の、しかし死よりも重い罰。

「……とりあえず、行かなくちゃ。」

 ここで誰かと殺し合わなくてはいけないのなら、僕はきっと、今までよりもずっと苦しいだろう。ここが人の性欲を礎とする世界なのであれば、体験してきたどの施設よりも、どの羅針盤よりも、不愉快な景色が待ち受けているのだろう。

 しかし、如何なる決断を下すにしても、僕は進むしか道は無いのだ。夢の世界の時間は、僕が動かなくては進まないのだから。



■



「……意味が分かりません。どうして殺し合い……? それにどうして、あんな……っ!」

 見せしめに選ばれた女の子の末路を想起するとともに、幡田零はその場にへたり込んだ。

「っ……! ここ、辺獄なんですか……?」

 同時に、ふわりと舞い上がり視界の隅に映る純白のドレス。この時に零は、自分が辺獄の代行者の姿であることに気付く。

 感度3千兆倍やら20億円やら……そのまま飲み込むには数字の桁が文字通り違いすぎた。しかしその数字の正否は置いておくとしても、女の子に注入されたナノマシンとやらが人を即座に殺せるだけの殺人兵器であること、そして辺獄の代行者の力を行使できる世界で殺し合いを命じられていることは分かっている。特に後者はこの企画が辺獄という人間の規格の外にある世界で行われていることの証明であり、非現実的な出来事にも信ぴょう性が生まれてくる。

「メフィスとフェレスが助けてくれるといいのですが……でもこの悪趣味さ、特にフェレスなら逆に関わっていてもおかしくないような……」

 零は深くため息をついた。仮にそうだとしたらおそらく自分の命までは取られずとも、逆にどこまでの辱めまでなら受ける羽目になるかは未知数だ。感覚が浮世離れしがちではあるものの、それでも零は年相応の女の子の範疇を大きく逸脱はしていない。陵辱を受けるのは当然に拒絶するべきものである。

「……願い、ですか。」

 しかし――主催者の提示した言葉は、こんな好色な催しの中でも零を揺さぶるに足るものであった。

「そんなの、決まってます。私の願いは、みらいを殺したあの時から、ずっと……」

 アナムネシスへの憎しみに囚われて、暴走した力。頭の中が真っ白なままに、私の剣は大切な妹のみらいを貫いていた。

 その罪悪があればこそ、7つの理念と引き換えにみらいをヨミガエリさせる契約を悪魔と交わすことも躊躇わなかった。その契約の遂行のために、罪もない、命だったものを何千匹殺すことになろうとも。

 その決意の先に、この殺し合いがある。今さら、願いのために誰を殺すことを躊躇するというのか。小衣さんや千さん、777がこの催しに参加させられているかは分からないけれど、必要ならば彼女たちだって、殺してみせる。

「はあ……何にせよ、まずは配られたものの確認を――」

 一旦立ち上がろうと、地面に手を着いたその時。

――カチッ。

「……えっ。」

 何かを押してしまった感覚が手のひらに残った。反射的に手を引っ込めると、大地の色に擬態して、何かスイッチのようなものが押された状態で見える。

「これは……?」

 不思議そうな顔持ちでその感触に惚けていると、その正体の模索を開始するよりも早く――この世界に点在するトラップのひとつが起動する。

「えっ……いやああっ!!」

 辺りの大地を突き破って、八方から襲い来る触手。咄嗟に逃げようとするが、囲まれており脱出は不可能。眼前に迫る触手を手足を振り回して払い除け、決死に抵抗する零。だが、敵の触手八本に比べ彼女の手足は合計四本。元より運動神経も鈍い零は、やがて左上の拘束を許してしまう。

「は、離してっ……!」

 拘束された腕も、拘束に用いられた触手も、共に使えない。そうなれば、削ぎ落とされる戦力の割合が大きいのは必然的にひとつの胴体に四本の手足しかない零の側である。残りの手足もそれから間もなくして絡め取られ、触手八本の内の四本で空中に抱え上げられる形で、四肢の自由を奪われた構図が完成した。

 蒼白に染まる顔面。辺獄のような世界でいきなり訪れた命の危険。しかし不思議なことに、自由を奪うのみで敵の攻撃はなかなか飛んでこない。

「――ひゃうっ!」

 そんな時、空いた触手の一本が唐突に零の足を撫でた。想定していた痛みと実際に訪れたくすぐったさのギャップで発された色めいた呻き声に僅かに赤面しながらも、つうと走る太ももへの感触に、ぞわりと走る嫌悪感。

(これ、まさか……。)

 この場は、エロトラップダンジョンであると知らされている。それならば――その向かう先とて想像に難くはない。

「いやっ……ヘラクレイ……んむっ!!」

 慌てて守護者を呼ぼうとするが、しかしその名は呼び終えることができなかった。顔に巻き付いた触手の1本が、その前に零の口を完全に塞いだ。手も足も塞がれ、口内に入り込んだぬめりある触感に、抗う術は残されていない。

「むっ……むぐっ……」

 抵抗の手段がことごとく潰された零は、次の責めを味わうに至るのも必然だった。ドレススカートの内部に侵入した触手は、偏食により細く保たれたスレンダーな肉体を撫でるように弄び始める。素肌に触れる度に走る快感という名の不快感。塞がれた口の隙間から僅かに漏れる喘ぎ声だけが零に許された最後の行為だった。がっしりと掴まれた四肢。零の抵抗手段をことごとく潰した上での愛撫は、零の脳裏に諦念を浮かばせるには充分過ぎた。ばたつかせていた両手両足も、次第に大人しくなっていく。

 半ば辱めを受け入れる形になってからも、変わらず身体は弄ばれ続ける。むしろ芯にあった強気が消え、身を委ねる快楽が零の頭を支配していく。

 さらには、抵抗の手が緩んだことで、待機していた残る2本の触手も動きを見せ始めた。

「っ……!」

 両脇から零の装束の内部へと侵入したかと思ったのもつかの間、脇から下へと装束をずらし込まれ、年相応のサイズの胸元がはらりと露わになった。

(そ、それはだめっ……!)

 露出した胸に小さく主張する突起へと向けて、触手の尖端が喰らいつき、そのままグリグリと撫で回す。

「ふみゅっ……んむぅーっ!!」

 胴体を擽るに留まっていたところに、唐突に加えられた性感帯への大きな刺激。堪らず喘ぎ声のトーンが瞬間的に上がる。

 生物的な本能の一切に基づかず、ただただ参加者に辱めを与える目的にのみ従う機械触手。方針はそれまでの『くすぐり』から『責め』へと転化し、それに特化した攻撃を零へと着実に与えていく。

 目に溜まっていた涙が一気に溢れ出て、耳元を伝って地面に落ちる。その体液は意味を与えられることもなく、儚く散っていった。


■



 悲鳴が聴こえた方へと向かってみれば、僕を待っていたのは、怪物に襲われ、全身をまさぐられている少女の姿だった。その身を宙に浮かされる形で拘束され、どう足掻いても抵抗すらままならぬ状態。少女の背面から遭遇したことや、正面から顔に絡み付いている触手のせいで、その全貌はハッキリと見えない。だが、ここが僕の記憶から形成された夢の世界であるこという推測と、怪物が少女の身体を揺り動かす度にばさりと揺れる白銀の髪が、大まかな風貌しか分からぬその少女が誰であるのかを、ハッキリと物語っていた。

――ガーデニア。僕が殺した人たちの、1人。

 自分だけの部屋も、両親からの寵愛も、クラスの人たちからの人気も――彼女が当たり前のように持っていたものを、僕は何も持っていなかった。……それだけなら、まだ妬むだけで終わっていたのかもしれない。でも唯一の親友であるクリスまでも彼女に骨抜きなのを知って、唯一僕だけが持っていたはずのものまで彼女に奪われたような、そんな錯覚に陥って。気が付けば、僕は彼女をホールの階段から突き落としていた。

 半ば通り魔的に殺害したタバサですら、最後はどんな会話をしたのか覚えている。だけどガーデニアだけは、本当はどんな人だったのかを知らない。少なくともバースデイパーティーの誘いを受けた時にひと言ふた言くらいの会話を交わしたことはあるはずだが、その声すらも覚えていない。ましてや恋愛感情となればなおさら微塵も無かったし、そういった類の妄想すら抱いたことは無いと断言できる。

 それならば――僕の夢の中で淫らに発せられるこの喘ぎ声は、僕の記憶の如何なる部分に由来するというのか。その候補なんて、ひとつしかなかった。性欲に関連するものを意識的に遠ざけてきた僕が、唯一知っているそんな声など――母に関わる、忌々しいあの記憶しかないじゃないか。

 ああ、これは本当に僕に対する罰なのだろう。僕の心の中の大好きな人たちが無残に辱められた上で、淫らに堕ちていくその様相さえ、僕の知る限りの最悪の記憶で塗り替えられて。

 ……同時にどこか、納得があった。それが、最低な僕に対する、何よりもの罰だと理解しているから。だから僕は、彼らとの思い出すらも最悪の形で汚すこの催しを、受け入れなくてはならないのだ――



「――そんなのイヤだ。もう、みんなを苦しめたくない……!」


 頭の中に浮かんだ責務を、僕は否定した。

 どの口が言うか、と心の中の僕が僕に吐き捨てる。ああ、分かっている。みんなを苦しめているのは、他でもない僕だ。だってここは、僕の夢の中の世界なのだから。彼らの死すらも貶めて僕を苦しめるための駒にさせたのは紛れもなくこの僕であって、彼らの苦しみもまた僕に起因するものに他ならない。

「僕が殺したみんなが笑っているのは、とても辛かった。だけど……」

 HAPPY DREAMの世界は、幸せだった。今まで向けられたことの無い優しさを向けられる度に、心の奥から何かが溢れ出てくると同時に――それを壊したのは僕であると、嫌でも実感せずにはいられなかった。

 幸せは、僕を苦しめる。だけど、それ以上に。

「……みんなが苦しんでいるのは、もっと、辛い。」

 一周まわっての、原点。しかし、ぐるりと一周まわったからこそ辿り着いた境地でもあった。

「だから……僕はみんなを助けたい。」

 ……結局、やることは今までの更生プログラムと全く変わらない。僕が殺してきた人たちと協力して、僕の心から生み出された怪物を倒す。悪夢の囁きは苦しいけれど。みんなの平穏のために戦うのは、胸が痛いけれど。……それでも、みんなを苦しめたくないと思うこの気持ちは、産まれて初めて、真に芽生えた気持ちだから。僕はそれを否定するようなことは絶対にしたくない。

 支給されていたナイフを手に取って、少女に絡み付いた触手を根元から断ち切っていく。敵の拘束と陵辱に特化した触手は、それ自体の耐久力は乏しいらしく、少し力を込めるだけで、人の命よりもよほど、簡単に引き裂くことが出来た。

 触手の拘束から解放されると共に、少女は少し持ち上げられていた空中からどさりと落下した。しかしそれ以上の劣情に駆られた少女は、痛み程度では何の呻き声も上げなかった。未だ全身を駆け巡る感触が消えないのか、肩で息をしながら虚ろな目に涙を浮かべていた。僕はそんな様子を見ることなく、あさっての方向を向きながら声をかける。

「……大丈夫?」

「えっ……えっと…………あり、がとう……ございます…………。」

「……?」

 目を背けながらも、おかしいと直感的に思った。状況が状況で錯乱していてもおかしくないとはいえ、それでもガーデニアが敬語で話しているのは妙だ。違和感の整合を取るために、半ば無意識にちらりと少女の方を向いていた。

「……あれ?」

 改めて見てみれば、少女はガーデニアではない別人だったようだ。だが、こんな角飾りの生えた人など、自分の記憶の中には存在しない。僕の夢の中の住人は僕の記憶で構成されているはず。現実世界にはいないニャン族やペンギ族なども、何かモチーフとなる記憶に基づく改変に過ぎないのに。だが、この少女の存在は自分のどの記憶とも、結びつかないのだ。

「…………あの。」

 ようやく冷静さを取り戻した少女の声が、僕の思考に割って入った。

「助けてくれたことには本当に感謝しているのですが…………ええと……あまり、見ないでください……。」

 考え事に耽っていると、少女は胸元を隠しながら言い放った。その言葉で、眼前の光景が僕のトラウマと重なるものであることに、ようやく気付く。

「……っ!」

 込み上げる嫌悪感に、再び襲い来る猛烈な吐き気。

「……ちょっと、仮にも私のあられもない姿を見ておいて、そんな反応って……」

 零の身体から目を逸らすというより、逃げるかのようなその反応を前に、零は苦言を呈しかけて――同時に、目の前の少年の異常なほどの拒絶反応が、トラウマのフラッシュバックによるものであることに気付いた。みらいを殺してしまった手にいつまでも貼り付いたように残っている、私を蝕む感触。私がずっとあの瞬間の光景に苦しんでいるのと、同じような。

「……ええっと。」

 それに気付くと、零はいつの間にか言葉を発していた。

「私、幡田零っていいます。よかったら、一緒に行動しませんか? その……お互いに少しは安全かと思うのですが……。」

 我ながら、有り得ない一言だと思った。

 仮にこれが本当に最後の一人になるまで終わらない企画だと言うのなら、みらいをヨミガエリさせるために、早く参加者を皆殺しにして元の場所に戻らないといけないのに。

 仮に『どんな願いでも叶える』という特典が死者のヨミガエリすらも叶えられるのなら、それこそ私は優勝を狙うべきなのに。

 助けられたからか、共感を覚えたからか。どちらであっても、どちらもであっても、一緒に行動するなどあまりにも非合理的な行動原理だ。少しでも情が湧けば、それだけ切り捨てるのにも躊躇がいる。幽鬼を躊躇いなく殺してきた私も、利用するという名目を加味したとしても、多くの言葉を交わした777を殺すことには少なからず躊躇があった。

 あえて理由を見出すのなら、半ばトラウマになりかけているエロトラップへの恐怖といったところだろうか。少年の助けなしには脱出することはできなかっただろうあの罠に、仮にあのまま、されるがままの状態であり続けた場合。或いは、時間経過によって解放される類の罠であったかもしれないが……その時には一体どれほどの辱めを受ける羽目になっていたか、分からない。やもすれば、ああいったことまで――悪い想像を振り払うように零はぶんぶんと首を横に振る。

「……うん。僕は……ラッセル。よろしくね、レイ。」

「は、はい……よろしくお願い、します……。」

 二人は半ば儀礼的に、握手を交わす。妬むままに殺し続けた者と、暴走する力のままに最愛の妹を刺し殺した者。罪に塗れた二人の掌に、微かに灯る人肌の感触。両者共に、どこか複雑そうな心持ちで、その手を離した。

【ラッセル・シーガー@END ROLL】
[状態]:健康
[装備]:ほんもののナイフ@UNDERTALE
[道具]:基本支給品一式、不明支給品0〜2
[思考]
基本:殺し合いには乗らず、HAPPY DREAMを完遂する。
1:レイは一体、何者なんだろう。
[備考]
※罪悪値が20を超えて、6日目開始地点からの参戦です。
※殺し合いの世界を、HAPPY DREAMの世界だと勘違いしています。

【幡田零@CRYSTAR -クライスタ-】
[状態]:(身体は)健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、不明支給品0〜3(未確認)
[思考]
基本:生き残り、幡田みらいのヨミガエリを果たす
1:おそらくは優勝するのが最も確実な方法でしょう。
2:殺し合わずとも、メフィスとフェレスの助けは期待できるかもしれませんが。
3:何にせよ、エロトラップとやらはもうこりごりです……。
[備考]
※第六章「狂信者」以降、第八章(3)「光を愛せざる者」以前からの参戦です。
※貞操は無事です、今はまだ。

【支給品紹介】
【ほんもののナイフ@UNDERTALE】
UNDERTALEにおける最強武器だが、特別なものではなく、ごくごく一般的な包丁であると考えてよい。強いて一般的なナイフとの違いを述べるなら、それが殺人に用いられたナイフであるということ。

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