以前、コラムスイッチを右ハンドル仕様に改造(右ハンドル用コラムスイッチ参照)し、それっきり棚の飾り状態だったが、現行スイッチが限界に達したので思い切って取り替えることに。
ただ、筆者のFIAT 500Fはワイヤリングハーネスが異常とも言えるような改造(ていうかでっち上げ)されていて、ボディ側の配線色は全くあてにならないうえに、尋常じゃない数のリレーが並んでいて、全く何が何だか解らない状態。なので以下は具体的な配線の色には触れず、取り付けの注意点のみ記す。また、記事&italic
タイトルは「右ハンドル用」となっているが、ノーマル(無改造)コラムスイッチの脱着手順もほぼ同じなので参考のされたい。
タイトルは「右ハンドル用」となっているが、ノーマル(無改造)コラムスイッチの脱着手順もほぼ同じなので参考のされたい。
コラムスイッチの着脱
ホーンの外し方:
ホーンボタンのメッキリムとハンドルのハブ部分の間に鉄ヘラまたは薄いマイナスドライバーの先を差し込みコジるとホーンボタンが浮くので全体を引っ張り出す。{(ヘインズ日本語版では単に「はめ込まれている」と書かれているが、勘違いしてホーンボタンの樹脂部分をコジると破損してしまうので注意)


ステアリングホイールの外し方:
ハンドルの回転位置を直進状態にしておく(戻す時に重要!)。ホーンボタンの下に隠れていたナット(ボックスレンチ23mm)を外し、ハンドルを抜く。固着しているのを無理に引っ張ると、いきなり抜けて前歯や鼻を折るかも。ガタガタ揺すってもダメなら、クッションをハンドルと胸の間に挟み込んで、両手で手のひらを手前に向けてハンドルスポークの裏側を叩くと安全に外せる。
コラムスイッチ本体の外し方:
- 1,コラムスイッチの下部にある小さなセルフタッピングねじを緩める、あるいは抜く。
- 2,ステアリングコラムを支え、且つコラムスイッチの金属パイプ(廻り止めキーのある部分)を締め付けているホルダー金具(写真)のボルト・ナットを緩める(メーターカバーの下からレンチで緩められる)。
- 3,コラムスイッチに繋がる電線のギボシコネクターを全て抜く(スイッチ側とボディー側で配線の色が異なることがあるので、その場合はコネクターの根本付近にタグを付けて対応する線の色を記入しておく)。
- 4,コラムスイッチを引き抜く。(上記2でネジを緩めても、ホルダーがきつく締まっていてコラムスイッチの金属パイプが抜けない場合は、メーターカバーとステアリングコラムの間から、ホルダーの隙間にマイナスドライバーなどを差し込み、抱き込みを緩めてやる必要があるかもしれない)
コラムスイッチの取り付け方:
新しいコラムスイッチの組付けは概ね上記の逆順でよい。ただし、ステアリングコラムのホルダー金具を締め付ける前に次の2点を確認してコラムスイッチの位置決めをすること。(たいていは、ハンドルをステアリングコラムに固定しておいて、コラムスイッチを一番上まで引き上げ、止まる位置でOKだが、ハンドル側、スイッチ側、双方の個体差により近すぎると干渉したり、離れすぎるとキャンセル機構が働かなかったりすることがあるかもしれない。キャンセル機構の修理については「ウインカー キャンセラーの機能復活」を参照されたい。)
- ウインカーキャンセラーのカム(コラムスイッチ側)を押すための突起(ハンドルのハブの裏側にあるピン状部分)の先端がカムに届いていること。
- ハンドルハブ裏側の金属プレートにコラムスイッチの摺動接点が接触し、導通があること。
ハンドルをステアリングコラムのスプラインに戻す時、外した時と同じ位置(角度)になるようにはめ込む。ステアリングコラムとハンドルを固定するナットの締め付けトルクは約4〜5kgf・m。
以上がノーマルのコラムスイッチ脱着。
右ハンドル用コラムスイッチ(改造品)の取り付け:
配線色の問題:
元から付いていたコラムスイッチの配線色は、現在一般に売られているものや出回っている配線図のそれとは異なっていた。最初期のNuovaから最終のRまで車体側の配線色には変遷があり、それに従って純正部品のコラムスイッチの配線色も変わっていたはずだし、後発の社外部品もある程度の共通性を保ちながら「平均的」なバリエーションがいくつか見られる。しかし、ウインカーの左右の線色はたいてい青/青黒と相場が決まっている。ところがこれが紫/薄青黄という見たこともない色になっていた。また本来なら灰赤のロービーム給電が灰黄と、、、。幸い、古いコラムスイッチを取り外した途端にバラバラと壊れたので、各接点と線色の照合をすることができた。(古いスイッチの茶線はFの後期およびL以降では黄に変わっている)
先に取外しの段階で書いたように、すでに色違いの配線が結合されている場合は、各コネクター付近に色名を記したタグを付けておくとよい。
先に取外しの段階で書いたように、すでに色違いの配線が結合されている場合は、各コネクター付近に色名を記したタグを付けておくとよい。
- 既存コラムスイッチの配線色(スタンダードではない)
- 新規購入したスイッチの配線色(F後期、L〜Rに対応)
カバー固定ネジの問題:
コラムスイッチ下部の円錐状のカバーを固定する小さいタッピングビスが、改造(位置決めキーの付いた金属パイプを154°ねじって固定)したためか、目一杯締め込んでも効かない。同じ径で少し長いピスにしてみたら、今度は長すぎてステアリングコラムに当たってしまい、ハンドルの回転でゴリゴリ擦れる音がする。ビスの頭をサンディングして調整。
コラムスイッチ下部の金属パイプの問題:
古いスイッチは経年劣化でプラスチックがもろくなっていて、コラムスイッチを抜いたときに金属パイプ部分が固定ブラケットに残ってしまった。それに気づかずコラムスイッチを組み込み、配線を結合してしまってから、金属パイプがブラケットに押し込めない事態になった。面倒なので貫通マイナスドライバーで叩いて古い金属パイプを下側に抜き落として対処(パイプはステアリングコラムの下の方でブラブラしているがな何処にも干渉しないのでそのままにしてある。
ウインカーのセルフキャンセリング機構の問題:
これは、筆者のFIAT 500固有の問題だが(というか、右ハンドル仕様のコラムスイッチ自体「固有の問題」だけど、、、W)、多くのチンクオーナーが悩まされ、諦めている「ウィンカーのキャンセル機構のピンが折れて、セルフキャンセリングが働かない」のを、新たにピンを立てて修理してある。しかし、新しいコラムスイッチについているキャンセル機構のカムの高さがわずかに低く、これが機能しなくなった。ピンの位置を動かせないので、太いピンに替えるか、ピンにスリーブを被せて対処する必要がある。アルミダイキャストの土台はもう余裕がなく、太さは増せないし、適当に選んだピンにピッタリの金属パイプは見つかりそうにない。そこでピンを若干内側に曲げてカムを押すようにした。
また、正規のサイズ・形状ががわからないままでっち上げたピンの長さが若干長すぎる(短すぎるとカムに届かない)ので、コラムスイッチの位置決めを注意深くやらないと、ピンの頭がウインカレバーの付け根に干渉して、ゴリゴリ擦れてしまう。離しすぎると当然キャンセル機構は利かない。無改造の正規品のようなポン付けはできないということ、、、。
また、正規のサイズ・形状ががわからないままでっち上げたピンの長さが若干長すぎる(短すぎるとカムに届かない)ので、コラムスイッチの位置決めを注意深くやらないと、ピンの頭がウインカレバーの付け根に干渉して、ゴリゴリ擦れてしまう。離しすぎると当然キャンセル機構は利かない。無改造の正規品のようなポン付けはできないということ、、、。
ヘッドライト切り替えレバーのポジション問題:
これまた固有の問題で、前オーナーが配線をいじりまくり、むやみにリレーをかませてあるため、車体側のヘッドライトコントロール系統はほぼブラックボック状態。リレー使用には利点も多いのでこれまでは目を瞑ってきた。近々、ワイヤリングハーネスを新品オリジナルに戻す予定だが時間がかかるので、当面は今の配線にコラムスイッチを繋ぐ。
現状では、左ハンドル用ライトレバーが下から時計回り方向に、下:Low⇔中:High⇔上:Smallとなっており、停車中に前方のクルマに迷惑にならないよう配慮してSmallにしようとすると、どうしてもHighを経由することになる。Lowビームだったのにビカッ!とパッシング合図されたようになり、返って驚かせるはめに、、、。
車体側がノーマル配線であればこの問題は発生しない。ただ、幸い、リレー化によって左右2系統あるヘッドライトのHigh/Lowの配線が、コラムスイッチ側では片方しか使われていないので、単純にHighとLowの栓を入れ替えるだけでこの問題は解決。現状では反時計回りに、下:Small⇔中:Low⇔上:Highと、自然且つ直感的な操作ポジションになっている。(なお、ユーザーズマニュアルによると左ハンドルのノーマル車の場合、これが逆転して、時計回りに下:High⇔中:Low⇔上:Smallとなる。・・・上=High 、下=Lowの方が直感的だけど、それ良いかどうかは慣れと個人の趣味だろう。ISO基準でライト類の操作レバーはハンドル位置の左右に係わらず左手側と決まっているらしいが、レバーの上下ポジションについてはどうなのか、知らない)
これまた固有の問題で、前オーナーが配線をいじりまくり、むやみにリレーをかませてあるため、車体側のヘッドライトコントロール系統はほぼブラックボック状態。リレー使用には利点も多いのでこれまでは目を瞑ってきた。近々、ワイヤリングハーネスを新品オリジナルに戻す予定だが時間がかかるので、当面は今の配線にコラムスイッチを繋ぐ。
現状では、左ハンドル用ライトレバーが下から時計回り方向に、下:Low⇔中:High⇔上:Smallとなっており、停車中に前方のクルマに迷惑にならないよう配慮してSmallにしようとすると、どうしてもHighを経由することになる。Lowビームだったのにビカッ!とパッシング合図されたようになり、返って驚かせるはめに、、、。
車体側がノーマル配線であればこの問題は発生しない。ただ、幸い、リレー化によって左右2系統あるヘッドライトのHigh/Lowの配線が、コラムスイッチ側では片方しか使われていないので、単純にHighとLowの栓を入れ替えるだけでこの問題は解決。現状では反時計回りに、下:Small⇔中:Low⇔上:Highと、自然且つ直感的な操作ポジションになっている。(なお、ユーザーズマニュアルによると左ハンドルのノーマル車の場合、これが逆転して、時計回りに下:High⇔中:Low⇔上:Smallとなる。・・・上=High 、下=Lowの方が直感的だけど、それ良いかどうかは慣れと個人の趣味だろう。ISO基準でライト類の操作レバーはハンドル位置の左右に係わらず左手側と決まっているらしいが、レバーの上下ポジションについてはどうなのか、知らない)
以上で「右ハンドル仕様のコラムスイッチ取り付け」について、個人車の固有問題も含めて書いてみた。一般的な問題の対処に役立つ部分もあるかと思うので情報を活用してください。
by Okapon
