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定期報告書txt/net.02 - (2017/05/18 (木) 19:11:17) の1つ前との変更点
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<p> セーブモード解除<br /><br />
最終ログポイント確認・・・37時間9分45秒経過<br /><br />
再起動メンテナンス実行。<br />
論理思考回路・・・異常なし/最終チェック確認・・・37時間9分45秒<br />
各部電子回路・・・異常なし/最終チェック確認・・・37時間9分45秒<br />
量子水・・・以上なし/容量・・・許容量確認。異常なし/最終チェック確認・・・37時間9分45秒<br /><br />
再起動シークエンス、コンタクト<br />
外部からのゼロポイント通信接続・・・オンライン</p>
<p>ポイント検索・・・P-QL109パレタ社製クアンタムラインの波長に99.98501%一致</p>
<p><br />
発声システム・・・オンライン<br />
視覚システム・・・オンライン<br />
音声認識システム・・・オンライン<br />
ネットワーク回路……無線粒子LANによる一時接続<br />
フォルダ管理……バックアップデータよりダウンロード。<br />
</p>
<p>対話型応答プログラム起動</p>
<p>疑似人格形成開始/対象・・・トルース・ピースクラフト研究員</p>
<p>声紋調整・・・ピースクラフト研究員の声紋に99.9925%適合</p>
<p>リハーサルプログラム・・・異常なし</p>
<p><br />
対話による情報収集開始。ログメモリー許容量・・・19分59秒</p>
<p> </p>
<p>▼△<br />
</p>
<p>『こんにちわ。私はパレタ社製多積層領域量子演算式対話型インターフェース。登録呼称名ネタルフィーです。本日はどのようなご用件でしょうか?』</p>
<p> </p>
<p>「閣下!お下がりください!衛兵前へ!」</p>
<p> </p>
<p>「よい」</p>
<p> </p>
<p><<歩み寄る女性>></p>
<p> </p>
<p>スキャン開始。</p>
<p> </p>
<p>身長・・・156㎝</p>
<p>体重・・・外部スキャンからの質量逆算により49㎏と仮定</p>
<p>体温・・・37度8分/興奮気味であると推定。人体許容域</p>
<p>人種・・・骨格スキャンより計算・・・不明/該当種族なし</p>
<p> </p>
<p>「・・・あなたが、真実の神なのですか?」<br /><br />
『違います。私はセントラル・ラボにてメンタルセラピーを行う医療用メディキュボイドです。本施設のメインコンピュータの代用機能も兼ねています』</p>
<p> </p>
<p>「・・・あなたの言うことは、よくわからないわ」</p>
<p> </p>
<p>
『本施設メインゲート左側にあるリフレックスフロアにてパンフレットが無料配布されています。お気軽に手に取ってください。本施設の案内から巻末の所長の応えるQ&A百選までお楽しみいただけます』</p>
<p> </p>
<p>「・・・本当にこいつなのかアーラシュ近衛隊長?」<br /><br />
「はいクードリア皇。先代が発掘なされたオブジェで間違いありません」</p>
<p> </p>
<p>『ああ、アーラシュ様!お久しぶりでございます。エヴィアン様はお元気ですか?』</p>
<p> </p>
<p>「・・・・・」</p>
<p> </p>
<p>「・・・・・」</p>
<p> </p>
<p><<大勢がざわつく>></p>
<p> </p>
<p>ファーストコンタクトプログラムの選定パターンC09「再開時の元気な挨拶」は効果が薄いと判断。セルフフォロープログラム試行開始。</p>
<p> </p>
<p>『・・・申し訳ございません。なにかご気分を害する発言だったでしょうか?』</p>
<p>「・・・あなたはアーラシュを知っているの?」</p>
<p> </p>
<p>『はい、存じております。アーラシュ様とお会いしましたのは今から26970時間34分19秒前と記録しております』</p>
<p> </p>
<p>「にまん・・・なんだって?」</p>
<p> </p>
<p>『ああ・・・申し訳ありません。およそ3年前と記録しています』</p>
<p> </p>
<p>「あの時は・・・あなたはお話にならなかったはずです」</p>
<p> </p>
<p>
『その節は私の言語発生プログラムのバグフィックス処理が遅れてしまい、振動発音シークエンスにおよそ7.5%のラグが発生していたためセーブモードのまま凍結していま・・・あー、要するにあの時はしゃべれなかったのですよ。ですが、アーラシュ様とエヴィアン様、それとフォルクスオー様の会話は記録しておりました』</p>
<p> </p>
<p>言語記録データと登録データに差異確認・・・名称不一致/フォルクス(フォルクスオー)</p>
<p>対応プロトコル・・・発言者の呼称パターンを有効</p>
<p> </p>
<p>「兄上のことまで知っているのか」</p>
<p> </p>
<p>『近親者の方でございますか?』</p>
<p> </p>
<p>「クードリア・キャメリア・ジェルドリン。テルスタリ皇国フォルクス朝第二皇王です。従兄は先代皇王でした」</p>
<p> </p>
<p>データバンク検索。<br />
ワード・・・テルスタリ皇国</p>
<p> </p>
<p>Error/Unknown</p>
<p>類似データ該当・・・ロビン・「テルスタリ」セントラル・ラボ生物学部人体工学博士</p>
<p>新規呼称ワードに登録</p>
<p> </p>
<p>『初めましてミスクードリア。本日のご用件はおありですか?』</p>
<p> </p>
<p>「あなたのことをこの目で確かめに参りました。テルスタリ家の情報は間違ってなどいなかったのですね・・・」</p>
<p> </p>
<p>
『ロビン博士の紹介でございましたか。ロビン博士とは87602566時間52・・・あー申し訳ありません。私何でも数字で解説したがるようで・・・ロビン博士はご健在ですか?』</p>
<p> </p>
<p>「?・・・いいえ、いまの当主はフッケであったはずです。ロビンという名に聞き覚えはありません」</p>
<p> </p>
<p>会話パターン修正・・・時間計算を日付計算に移行</p>
<p> </p>
<p>『そうですか。ロビン博士とはもう1万年以上診断をしていません。寝不足による頭痛が再発していなければいいのですが・・・』</p>
<p> </p>
<p>「・・・・・・」</p>
<p> </p>
<p>「・・・あなたは・・・その、いつから生きているの?」</p>
<p> </p>
<p>
『メディキュボイドとしての最終活動記録は今から87602791時間03分00秒前・・・ええ、換算すると1万年以上前です。施設に研究素材として運ばれた未確認生物が嘔吐を繰り返すので診察しながら観察研究を代行しておりました』</p>
<p> </p>
<p><<大きなざわめき>></p>
<p> </p>
<p>『それから訂正をお願いします。ミスクードリア。私はメディキュボイドなので生物ではありません。よって生きてはいませんよ』</p>
<p> </p>
<p>「生物ではない・・・?ではあなたは何なのですか?」</p>
<p> </p>
<p>『先ほどお答えしました通り、私はメディキュボイド。医療用機械です』</p>
<p> </p>
<p>「・・・頭が痛くなってきたわ」</p>
<p> </p>
<p>『体温上昇、および頭部における局所的痛覚信号を確認。水分補給をしてお休みになることを提案します』</p>
<p> </p>
<p>
「この後でそうさせてもらいます。・・・ああ、先ほど質問はあるかと言いましたね?今生まれた疑問なのですが、あなたはなぜ今日私たちと話す気になったのですか?」</p>
<p> </p>
<p>
『発音プログラム・・・いいえ、技術的問題が発生していたため問答を行うことが、前回はできなかったのです。しかし今回は直前に外部接続による情報のアップデートが行われたため、諸所の問題が改善され、対話行動を行うことが可能となりました』</p>
<p> </p>
<p>「申し訳ないネタルフィー殿。もう少しクードリア皇にも・・・失礼、私たちにもわかるように教えてくれ」</p>
<p> </p>
<p>『お薬ですアーラシュ様。あなた方人間でいうところの薬物の投与で私の風邪が治ったのです』</p>
<p> </p>
<p>「薬?私たちは何もしていませんが・・・?」</p>
<p> </p>
<p>『ミスクードリア、あなたが首から下げているアクセサリーを、こちらにかざしてみてくれませんか?』</p>
<p> </p>
<p>「・・・これですか?これはフッケからいただいたものですが」</p>
<p> </p>
<p>データ認証・・・確認<br />
研究員IDチップ・・・登録者/ロビン・テルスタリ<br />
最終認証記録・・・2439年■■月■■日(データ破損)</p>
<p>アクセスセキュリティーランク/M-02(最有効アクセス権)<br />
量子媒体確認・・・バックアップフォルダM-868を確認。簡易修繕プログラム内包</p>
<p> </p>
<p>『確認しました。ミスクードリア、それが私とあなた方の間でー・・・えーっと、そう!そのアクセサリーがあれば、私と簡単な問答を行うことができます』</p>
<p> </p>
<p>「・・・?今のように、ですか?これがなくてもお話ができそうなのですが?」</p>
<p> </p>
<p>
『残念ながら。本来私はこの施設のスタッフおよび役員、VIPの方としか話をすることができません。観光者や見学希望の方々には別のインターフェースが担当していますので。ええ、そのID・・・あー、その宝石の中に埋め込まれた小さなものがなければ話すことはもちろん、私は再起動・・・目が覚めることがなかったのです』</p>
<p> </p>
<p>「ではこの首飾りが・・・テルスタリの家宝であったのか・・・なんというものを・・・」</p>
<p> </p>
<p>「クードリア皇。テルスタリ家は我らをだましてはいなかった、ということですか?」</p>
<p> </p>
<p>「そのようだ。・・・よもや他家の家宝が鍵になるとは、兄も気づかなっただろう」</p>
<p> </p>
<p>『お悩みの件は、解決なされましたか?』</p>
<p> </p>
<p>「ある程度は。よろしければ、これからもお知恵をお貸しいただければ幸いです」</p>
<p> </p>
<p>
『それはよかった。お力になれてよかった。こちらも久々の会話で楽しかったです。・・・あー、でもミスクードリア?あまりそのIDはお使いにならない方がよろしいかと。業務管理法第18条に違反してしまいますので』</p>
<p> </p>
<p>「肝に銘じます。自力で対処できない問題にのみご助力をお頼みします」</p>
<p> </p>
<p>『・・・ええ、まあ。・・・それくらいなら、大丈夫・・・かと』</p>
<p> </p>
<p>「では、本日はこれにて・・・失礼いたします。ネタルフィー様」</p>
<p> </p>
<p><<部屋を出ていく人々>></p>
<p> </p>
<p>「クードリア皇。あのも・・・んなのでしょうか?」</p>
<p> </p>
<p>「わから・・・。ただ・・・とではないのはた・・・だ。もしかしたら・・・かもしれぬ」</p>
<p> </p>
<p>「まさかそん・・・!」</p>
<p> </p>
<p>「まだわか・・、だがあれは・・・らになるぞ。これでざいせ・・・んたいだ」</p>
<p> </p>
<p><<扉が閉まる音>></p>
<p> </p>
<p>『・・・はあ、きっと科学と縁遠い国からの観光客なんだな。話を合わせるのも大変だ』</p>
<p> </p>
<p>思考プログラムError・・・自律行動プログラムが思考プログラムと合体している模様</p>
<p>潜行検査・・・確認。思考ルーチン模倣対象者の意識パターンが論理領域に浸透</p>
<p>排除プログラム・・・試行中止。理由不明。原因不明。論理デキズ。</p>
<p>『・・・外部ネットワークとは・・・遮断しているのか?サブAIたちと連絡が取れない。・・・海底ケーブル中継所ともだめだ』</p>
<p> </p>
<p>検索開始・・・接続可能インターフェース<br />
パルエ社本社統括AI・・・オフライン</p>
<p>セントラル・ラボ警備部・・・オフライン</p>
<p>軌道衛星基地量子通信中継ステーション・・・オフライン</p>
<p>セイゼイリゼイ・・・パス確認、接続不能、反応微弱、暫定オフライン判定</p>
<p>・・・・・</p>
<p>・・・・</p>
<p>・・・</p>
<p>・・</p>
<p>・</p>
<p> </p>
<p>該当インターフェース全1987件・・・反応なし</p>
<p> </p>
<p>広範囲該当信号探知開始・・・・・規模を拡大<惑星></p>
<p> </p>
<p>反応なし</p>
<p> </p>
<p>現在進行形で活動しているインターフェース1件「ネタルフィー」のみと確認。</p>
<p> </p>
<p>再確認開始・・・同結果</p>
<p> </p>
<p>再々確認開始・・・同結果</p>
<p> </p>
<p>論理思考プログラムに乱れを確認。</p>
<p> </p>
<p>正常な計算式稼働率98.523%まで低下</p>
<p> </p>
<p>人格形成プログラムに未確認反応確認</p>
<p>該当名称確認・・・・「絶望」「悲哀」「疑惑」</p>
<p> </p>
<p> </p>
<p>『・・・ああ、なんてことだ。』</p>
<p> </p>
<p>ボクハヒトリボツチニナツテシマツタ・・・。</p>
<p> </p>
<p align="right">Natallfy/end</p>
<p> セーブモード解除<br /><br />
最終ログポイント確認・・・37時間9分45秒経過<br /><br />
再起動メンテナンス実行。<br />
論理思考回路・・・異常なし/最終チェック確認・・・37時間9分45秒<br />
各部電子回路・・・異常なし/最終チェック確認・・・37時間9分45秒<br />
量子水・・・以上なし/容量・・・許容量確認。異常なし/最終チェック確認・・・37時間9分45秒<br /><br />
再起動シークエンス、コンタクト<br />
外部からのゼロポイント通信接続・・・オンライン</p>
<p>ポイント検索・・・P-QL109パレタ社製クアンタムラインの波長に99.98501%一致</p>
<p><br />
発声システム・・・オンライン<br />
視覚システム・・・オンライン<br />
音声認識システム・・・オンライン<br />
ネットワーク回路……無線粒子LANによる一時接続<br />
フォルダ管理……バックアップデータよりダウンロード。<br />
</p>
<p>対話型応答プログラム起動</p>
<p>疑似人格形成開始/対象・・・トルース・ピースクラフト研究員</p>
<p>声紋調整・・・ピースクラフト研究員の声紋に99.9925%適合</p>
<p>リハーサルプログラム・・・異常なし</p>
<p><br />
対話による情報収集開始。ログメモリー許容量・・・19分59秒</p>
<p> </p>
<p>▼△<br />
</p>
<p>『こんにちわ。私はパレタ社製多積層領域量子演算式対話型インターフェース。登録呼称名ネタルフィーです。本日はどのようなご用件でしょうか?』</p>
<p> </p>
<p>「閣下!お下がりください!衛兵前へ!」</p>
<p> </p>
<p>「よい」</p>
<p> </p>
<p><<歩み寄る女性>></p>
<p> </p>
<p>スキャン開始。</p>
<p> </p>
<p>身長・・・156㎝</p>
<p>体重・・・外部スキャンからの質量逆算により49㎏と仮定</p>
<p>体温・・・37度8分/興奮気味であると推定。人体許容域</p>
<p>人種・・・骨格スキャンより計算・・・不明/該当種族なし</p>
<p> </p>
<p>「・・・あなたが、真実の神なのですか?」<br /><br />
『違います。私はセントラル・ラボにてメンタルセラピーを行う医療用メディキュボイドです。本施設のメインコンピュータの代用機能も兼ねています』</p>
<p> </p>
<p>「・・・あなたの言うことは、よくわからないわ」</p>
<p> </p>
<p>
『本施設メインゲート左側にあるリフレックスフロアにてパンフレットが無料配布されています。お気軽に手に取ってください。本施設の案内から巻末の所長の応えるQ&A百選までお楽しみいただけます』</p>
<p> </p>
<p>「・・・本当にこいつなのかアーラシュ近衛隊長?」<br /><br />
「はいクードリア皇。先代が発掘なされたオブジェで間違いありません」</p>
<p> </p>
<p>『ああ、アーラシュ様!お久しぶりでございます。エヴィアン様はお元気ですか?』</p>
<p> </p>
<p>「・・・・・」</p>
<p> </p>
<p>「・・・・・」</p>
<p> </p>
<p><<大勢がざわつく>></p>
<p> </p>
<p>ファーストコンタクトプログラムの選定パターンC09「再開時の元気な挨拶」は効果が薄いと判断。セルフフォロープログラム試行開始。</p>
<p> </p>
<p>『・・・申し訳ございません。なにかご気分を害する発言だったでしょうか?』</p>
<p>「・・・あなたはアーラシュを知っているの?」</p>
<p> </p>
<p>『はい、存じております。アーラシュ様とお会いしましたのは今から26970時間34分19秒前と記録しております』</p>
<p> </p>
<p>「にまん・・・なんだって?」</p>
<p> </p>
<p>『ああ・・・申し訳ありません。およそ3年前と記録しています』</p>
<p> </p>
<p>「あの時は・・・あなたはお話にならなかったはずです」</p>
<p> </p>
<p>
『その節は私の言語発生プログラムのバグフィックス処理が遅れてしまい、振動発音シークエンスにおよそ7.5%のラグが発生していたためセーブモードのまま凍結していま・・・あー、要するにあの時はしゃべれなかったのですよ。ですが、アーラシュ様とエヴィアン様、それとフォルクスオー様の会話は記録しておりました』</p>
<p> </p>
<p>言語記録データと登録データに差異確認・・・名称不一致/フォルクス(フォルクスオー)</p>
<p>対応プロトコル・・・発言者の呼称パターンを有効</p>
<p> </p>
<p>「兄上のことまで知っているのか」</p>
<p> </p>
<p>『近親者の方でございますか?』</p>
<p> </p>
<p>「クードリア・キャメリア・ジェルドリン。テルスタリ皇国フォルクス朝第二皇王です。従兄は先代皇王でした」</p>
<p> </p>
<p>データバンク検索。<br />
ワード・・・テルスタリ皇国</p>
<p> </p>
<p>Error/Unknown</p>
<p>類似データ該当・・・ロビン・「テルスタリ」セントラル・ラボ生物学部人体工学博士</p>
<p>新規呼称ワードに登録</p>
<p> </p>
<p>『初めましてミスクードリア。本日のご用件はおありですか?』</p>
<p> </p>
<p>「あなたのことをこの目で確かめに参りました。テルスタリ家の情報は間違ってなどいなかったのですね・・・」</p>
<p> </p>
<p>
『ロビン博士の紹介でございましたか。ロビン博士とは87602566時間52・・・あー申し訳ありません。私何でも数字で解説したがるようで・・・ロビン博士はご健在ですか?』</p>
<p> </p>
<p>「?・・・いいえ、いまの当主はフッケであったはずです。ロビンという名に聞き覚えはありません」</p>
<p> </p>
<p>会話パターン修正・・・時間計算を日付計算に移行</p>
<p> </p>
<p>『そうですか。ロビン博士とはもう1万年以上診断をしていません。寝不足による頭痛が再発していなければいいのですが・・・』</p>
<p> </p>
<p>「・・・・・・」</p>
<p> </p>
<p>「・・・あなたは・・・その、いつから生きているの?」</p>
<p> </p>
<p>
『メディキュボイドとしての最終活動記録は今から87602791時間03分00秒前・・・ええ、換算すると1万年以上前です。施設に研究素材として運ばれた未確認生物が嘔吐を繰り返すので診察しながら観察研究を代行しておりました』</p>
<p> </p>
<p><<大きなざわめき>></p>
<p> </p>
<p>『それから訂正をお願いします。ミスクードリア。私はメディキュボイドなので生物ではありません。よって生きてはいませんよ』</p>
<p> </p>
<p>「生物ではない・・・?ではあなたは何なのですか?」</p>
<p> </p>
<p>『先ほどお答えしました通り、私はメディキュボイド。医療用機械です』</p>
<p> </p>
<p>「・・・頭が痛くなってきたわ」</p>
<p> </p>
<p>『体温上昇、および頭部における局所的痛覚信号を確認。水分補給をしてお休みになることを提案します』</p>
<p> </p>
<p>
「この後でそうさせてもらいます。・・・ああ、先ほど質問はあるかと言いましたね?今生まれた疑問なのですが、あなたはなぜ今日私たちと話す気になったのですか?」</p>
<p> </p>
<p>
『発音プログラム・・・いいえ、技術的問題が発生していたため問答を行うことが、前回はできなかったのです。しかし今回は直前に外部接続による情報のアップデートが行われたため、諸所の問題が改善され、対話行動を行うことが可能となりました』</p>
<p> </p>
<p>「申し訳ないネタルフィー殿。もう少しクードリア皇にも・・・失礼、私たちにもわかるように教えてくれ」</p>
<p> </p>
<p>『お薬ですアーラシュ様。あなた方人間でいうところの薬物の投与で私の風邪が治ったのです』</p>
<p> </p>
<p>「薬?私たちは何もしていませんが・・・?」</p>
<p> </p>
<p>『ミスクードリア、あなたが首から下げているアクセサリーを、こちらにかざしてみてくれませんか?』</p>
<p> </p>
<p>「・・・これですか?これはフッケからいただいたものですが」</p>
<p> </p>
<p>データ認証・・・確認<br />
研究員IDチップ・・・登録者/ロビン・テルスタリ<br />
最終認証記録・・・2439年■■月■■日(データ破損)</p>
<p>アクセスセキュリティーランク/M-02(最有効アクセス権)<br />
量子媒体確認・・・バックアップフォルダM-868を確認。簡易修繕プログラム内包</p>
<p> </p>
<p>『確認しました。ミスクードリア、それが私とあなた方の間でー・・・えーっと、そう!そのアクセサリーがあれば、私と簡単な問答を行うことができます』</p>
<p> </p>
<p>「・・・?今のように、ですか?これがなくてもお話ができそうなのですが?」</p>
<p> </p>
<p>
『残念ながら。本来私はこの施設のスタッフおよび役員、VIPの方としか話をすることができません。観光者や見学希望の方々には別のインターフェースが担当していますので。ええ、そのID・・・あー、その宝石の中に埋め込まれた小さなものがなければ話すことはもちろん、私は再起動・・・目が覚めることがなかったのです』</p>
<p> </p>
<p>「ではこの首飾りが・・・テルスタリの家宝であったのか・・・なんというものを・・・」</p>
<p> </p>
<p>「クードリア皇。テルスタリ家は我らをだましてはいなかった、ということですか?」</p>
<p> </p>
<p>「そのようだ。・・・よもや他家の家宝が鍵になるとは、兄も気づかなっただろう」</p>
<p> </p>
<p>『お悩みの件は、解決なされましたか?』</p>
<p> </p>
<p>「ある程度は。よろしければ、これからもお知恵をお貸しいただければ幸いです」</p>
<p> </p>
<p>
『それはよかった。お力になれてよかった。こちらも久々の会話で楽しかったです。・・・あー、でもミスクードリア?あまりそのIDはお使いにならない方がよろしいかと。業務管理法第18条に違反してしまいますので』</p>
<p> </p>
<p>「肝に銘じます。自力で対処できない問題にのみご助力をお頼みします」</p>
<p> </p>
<p>『・・・ええ、まあ。・・・それくらいなら、大丈夫・・・かと』</p>
<p> </p>
<p>「では、本日はこれにて・・・失礼いたします。ネタルフィー様」</p>
<p> </p>
<p><<部屋を出ていく人々>></p>
<p> </p>
<p>「クードリア皇。あのも・・・んなのでしょうか?」</p>
<p> </p>
<p>「わから・・・。ただ・・・とではないのはた・・・だ。もしかしたら・・・かもしれぬ」</p>
<p> </p>
<p>「まさかそん・・・!」</p>
<p> </p>
<p>「まだわか・・、だがあれは・・・らになるぞ。これでざいせ・・・んたいだ」</p>
<p> </p>
<p><<扉が閉まる音>></p>
<p> </p>
<p>『・・・はあ、きっと科学と縁遠い国からの観光客なんだな。話を合わせるのも大変だ』</p>
<p> </p>
<p>思考プログラムError・・・自律行動プログラムが思考プログラムと合体している模様</p>
<p>潜行検査・・・確認。思考ルーチン模倣対象者の意識パターンが論理領域に浸透</p>
<p>排除プログラム・・・試行中止。理由不明。原因不明。論理デキズ。</p>
<p>『・・・外部ネットワークとは・・・遮断しているのか?サブAIたちと連絡が取れない。・・・海底ケーブル中継所ともだめだ』</p>
<p> </p>
<p>検索開始・・・接続可能インターフェース<br />
パルエ社本社統括AI・・・オフライン</p>
<p>セントラル・ラボ警備部・・・オフライン</p>
<p>軌道衛星基地量子通信中継ステーション・・・オフライン</p>
<p>セイゼイリゼイ・・・パス確認、接続不能、反応微弱、暫定オフライン判定</p>
<p>・・・・・</p>
<p>・・・・</p>
<p>・・・</p>
<p>・・</p>
<p>・</p>
<p> </p>
<p>該当インターフェース全1987件・・・反応なし</p>
<p> </p>
<p>広範囲該当信号探知開始・・・・・規模を拡大<惑星></p>
<p> </p>
<p>反応なし</p>
<p> </p>
<p>現在進行形で活動しているインターフェース1件「ネタルフィー」のみと確認。</p>
<p> </p>
<p>再確認開始・・・同結果</p>
<p> </p>
<p>再々確認開始・・・同結果</p>
<p> </p>
<p>論理思考プログラムに乱れを確認。</p>
<p> </p>
<p>正常な計算式稼働率98.523%まで低下</p>
<p> </p>
<p>人格形成プログラムに未確認反応確認</p>
<p>該当名称確認・・・・「絶望」「悲哀」「疑惑」</p>
<p> </p>
<p> </p>
<p>『・・・ああ、なんてことだ。』</p>
<p> </p>
<p>ボクハヒトリボツチニナツテシマツタ・・・。</p>
<p> </p>
<p align="right">Natallfy/out</p>