兵器一覧
双方の国家同士がそれぞれ北半球、南半球から出撃し赤道地点で会敵するこの世界に地上戦は起こりにくい。しかしここ数年は制空権よりも駐屯地や城塞の奪い合いが主な戦略となっていることから、地上配備型の兵器が開発されるに至った。
空中艦から撃ちにくい場所への砲撃ができ、硬い岩盤などに隠れることが出来るので都市争奪戦にふさわしい。
第二紀世代
先頭車から、万能突破機関車ブンカー改Ⅷ、砲制圧車カノライⅣ、航空母車バンスク、標準A型台車、重砲起動車メルガー、バルクキャリアB型、
武装制動車ギャリバー、対空貨車マクラ、暖房車ブッダン。(後続車は見えていない)
※先頭車と連結している貨車群を一つの兵器として扱っています。
乗員 | 740名 |
動力 | ゼスパノエンジンx1 外付け拡張ピストンx4 高純度燃料増槽x8 メルガー車載エンジンx1 後続エンジンx2 |
出力 | 1700ps 800ps 1200psx2 |
最大速度 | 160km/h 189km/h(緊急加速時) |
装甲(前/横/背) | 9mm/5mm/5mm |
武装 | 砲多数(雑多すぎて列挙不可) セズレⅣ戦闘機x1 トエイ中戦車x3 デーヴァⅢ装甲戦車x1 快速豆戦車ダッカーx1 |
トダ工廠製マグラダ工業製
装甲蛇というのは、連邦語ですなわち装甲列車のことだ。
その場のノリで機関車以下の構成が決まる。各車体ごとに車長がおり、それぞれの指揮をするいわば陸上艦隊だ!!
先頭機関車は旗艦であり、装甲蛇の文字通り頭脳を司る。
というわけで、後続の貨車が仮に敵前逃亡を企ててブレーキを掛けたとしても、それを無理やり引っ張るための強力なエンジンを積んでいる。
逆に、先頭の司令が狂ったとしても、それ以外の車体が一斉にブレーキや逆進をかければ停止させることができるわけだ。この辺りがアーキリア・ベステスト・ヒューマンマネジメント(笑)の妙である。
ハの字に挟み込むパルエ独特の軌条は、カーブでスピードを出していても脱線しない利点がある。
このシーンではブンカー率いる装甲蛇が片道の高速特攻をかけているところ。
第二紀世代
乗員 | 3名 |
動力 | ゼスパノエンジンx1 |
出力 | 1700ps |
最大速度 | 160km/h |
装甲(前/横/背) | 70mm/5mm/5mm |
武装 | 10mmナバンカ機関銃x6 (運転席にガンポートあり) |
トダ工廠製
連邦結成50周年記念にアーキル本国からザイリーグ軍管区に贈呈された機関車。
武装は運転席のガンポートのみで、純粋な機関車となっている。
機関車の正面に飾られている肖像画はザイリーグ軍管区の英雄、バスカル大将軍。壊れては無礼なためすごい固い鋼材で作られている。
バスカル大将軍はザイリーグ艦隊創設に尽力した人物。彼自身も陣頭に立ち多くの戦いを指揮し、ザイリーグ艦隊の高い練度・技術的先見性の源流。
第二紀世代
左に見えるとても弱そうなヤツ The car that has hopless 4 wheels
乗員 | 4名 |
動力 | 内燃機関x1 |
出力 | 50ps |
最大速度 | 整地70km/h 不整地25km/h |
装甲(前/横/背) | |
武装 | 10mmナバンカ機関銃x3 |
マグラダ工業製
民間企業が製作した装甲車。治安維持のために使われる車両であるが、兵力が足りない時には戦闘車両として徴用される。
砲塔を持っていることから装輪戦車として扱われるらしいのだが――
第二紀世代
奇抜さはないが、傑作兵器とはそういうものである。
乗員 | 2~4名 |
動力 | 内燃機関x1 |
出力 | 50ps |
最大速度 | 整地85km/h 不整地20km/h |
装甲(前/横/背) | |
武装 | 現地改装により様々 |
マグラダ工業製(設計)トダ工廠シグモダン工業
アーキル連邦軍の代表的な軍用軽車両。
元々民間用に開発された大衆車であったが、税制の変更により3輪車が主流になったため商業的に失敗した車両を連邦軍が採用したという経緯を持つ。
元が軍用ではないため前輪2輪駆動であり、2人乗りであるため汎用性を欠くなどの欠点はあったがそれを補って有り余る信頼性、生産性、車体容積による拡張性から各企業で大量生産された。
座席を拡大した4人乗りモデルや救急車モデル、戦時簡易型から無理やり対空機関砲を搭載した対空車両までその派生型は星の数ほど存在する。
戦後は民間向け乗用車として世界各国に輸出され、「無故障自動車」として人気を博した。
第三紀世代
全体的にコンパクトになった。
乗員 | 4名 |
動力 | 内燃機関x1 |
出力 | 85ps |
最大速度 | 整地120km/h 不整地75km/h |
装甲(前/横/背) | |
武装 | 現地改装により様々 |
マグラダ工業製(設計)トダ工廠
安い、速い、場所を選ばない、三拍子揃った連邦軍の主力のいわゆるジープ。
砂漠に、雪原に、湿地に、市街に、丘陵に…どんな過酷な環境でも仕事をこなすすごいヤツ。
第四紀に入っても相当数が壊れず現存しており、愛好家も多い。
ケチを付けるとすれば後部座席があまりにも狭いこと。設計としても2人での乗車を想定している。
第二紀世代
これが有ると無いとでは話が変わってくる。
乗員 | 1名 |
動力 | 内燃機関x1 |
出力 | 118ps |
最大速度 | 整地65km/h 不整地40km/h |
装甲(前/横/背) | |
武装 | 現地改装により様々 |
マグラダ工業製
連邦軍の半装軌中型トラック。
カノッサなどの泥土に物資や兵員を輸送する必要に迫られて開発された。
トラックの前部分は民生用のものを使用しているため導入コストが安かったが、駆動方式が変わったために変速機周りの詰め込み方がかなり無理のあるものとなっている。
対空機関砲や対戦車砲を牽引したり、荷台にそのままポン置きしたりと使い勝手が非常に良かったらしく第三紀でもバリバリ現役だ。
▲派生型 ラーディンR3型 大型トラック
さらに大型化したマンモスサイズのR4型重トラックも存在する。
第三紀世代
乗員 | 6名 20名(後部) |
動力 | マクラン社製エンジンx2 |
出力 | 100ps x2 |
最大速度 | 30km/h |
装甲(前/横/背) | 50+30mm/50mm/5mm |
武装 | 3.5finパンパン砲 10mmナバンカ機関銃 |
コンセプトデザイン:六方晶ダイヤモンド
トダ工廠製
戦後アーキルで製造された兵員輸送車。
エンジンを前後に2つ搭載し、重戦車並みの装甲で敵陣を食い破り歩兵を下ろす構想でしたが、使い勝手が悪くてボツになったという。
アーキルには珍しい多面式装甲が特徴です。そこそこの防御力を発揮していたことは確かで、基本設計自体は優秀。だがエンジン2基は正気の沙汰ではない。
六方晶ダイヤモンド氏のコミック"パルエ縦断日誌"に登場します。
第二紀世代
やられメカ万歳のラスティフロントのイラストの定番メカ
I~Xまでの様々な系譜が存在し、デーヴァ開発史に各車がまとめられている
乗員 | 3-4名 |
動力 | マクラン社製エンジン N20A |
出力 | 100ps |
最大速度 | 30km/h |
装甲(前/横/背) | 50mm/8mm/8mm |
武装 | 7.5fin榴弾砲 7.7mm機関銃 |
トダ工廠製
アーキルの傑作戦闘車両として知られる。
当時としては依然として攻撃力の高かった7.5fin砲を乗せ、雪上・砂上・泥上などありとあらゆる場所を走り回れるデーヴァⅢは、560年台に最初の一台が生産されてから
1世紀に渡り生産されたアーキルの名馬だ。軍上層部が闇雲にデーヴァIV、Vと新規車体を発注するのと同時にデーヴァⅢもマイナーチェンジを繰り返し、
最終的にⅢが生き残ったという。
設計は古臭いが、枯れた技術ほど頼もしものはない。100年以上の間、ダッカーと並んで戦場を支えた名車である。
とくにそのシャーシはアーキル戦闘車両の原型となり、中戦車トエイやストーイェなどの大中小の車両へと紡がれた。
詳しくはデーヴァ開発史をご参照下さい。
第二紀世代
乗員 | 4名 |
動力 | マクラン社製エンジン N40A |
出力 | 180ps |
最大速度 | 38km/h |
装甲(前/横/背) | 30mm/20mm/15mm |
武装 | 5.5finズィスズィス戦車砲 10mmナバンカ機関銃(同軸) 10mmナバンカ機関銃 |
トダ工廠製
デーヴァⅢの車体を延長して作られた中戦車。専門的なことはともかく旋回砲塔を持っていてとても"一般的"な形をしているのがわかるだろう?
連邦陸軍念願の砲塔を持っているが、やはり7.5fin砲の小型化に問題を抱えており5.5finで妥協したと見える。
この世界の戦車戦とは一般に、大陸中にぽつぽつと点在している都市国家の攻略/防衛戦のことであり、市街戦が中心だった。
遮蔽物のない平原や湿地帯といった場所で戦うなんてもってのほかなの!
アーキルメカにおいて極めてまともな兵器としてラスティフロント創作界隈でも認知度が高く
「アーキルの希望」みたいなたいそうな扱いを受けています。
チハ→ハチ→8→エイト→トエイ
第三紀世代
乗員 | 4名 |
動力 | マクラン社製エンジン N43D |
出力 | 220ps |
最大速度 | 44km/h |
装甲(前/横/背) | 40mm/20mm/15mm |
武装 | 5.5fin長砲身戦車砲 10mmナバンカ機関銃(同軸) 1.4finマウズ機関砲 |
トダ工廠製
中戦車であるトエイを更に発展させたバージョン。一般に新砲塔トエイと呼ばれる。
長砲身5.5finを載せた先頭車両は第二紀にデーヴァVやズィスズィス・ダッカーなどで実現はしていたが、
密閉砲塔に搭載することに関しては生産コストの面とその設計の難しさから難航していた。
これを解決したのがイマジヤン技師が設計した新5.5finである。
いままでの試みは、既存のズィスズィス5.5finを使うことに固執していたのが原因だった。
よりコンパクトになり、初速が上がったことにより貫通力が増したトエイは帝国のゼクセルシエ戦車とついに対等に戦うことができるようになったのである。
戦後も多くの新砲塔型が残存しており、さらなる改良を受けながら連邦陸軍を支えた。
帝国が新砲塔トエイを認識したのは遅かった。
こちらの装甲を貫けないはずのトエイ・タンクとの戦闘で撃破される報告が増えても、現場指揮官はアーキルの執拗なゲリラ戦術によるものと結論づけたからだ。
彼らがこの認識を改めたのは、メルパゼル共和国陸軍の重戦車ディダラの出現だ。
帝国はこれまでにない長砲身を装備した戦車の驚異を目の当たりにし、連邦軍が既存戦車の長砲身化を推し進めていることに気がついたのである。
この思想を受けて帝国工学院はバカみたいな大口径から脱却し、10fin超えの(彼らにとっては)比較的おとなしいサイズの戦車砲の開発を進める契機となった。
アイデア:ZERO零 デザイン:蒼衣わっふる
第三紀世代
乗員 | 4名 |
動力 | マクラン社製エンジン N43E |
出力 | 260ps |
最大速度 | 50km/h |
装甲(前/横/背) | 50mm/20mm/15mm |
武装 | 5.5fin長砲身戦車砲 10mmナバンカ機関銃(同軸) |
トダ工廠製
アーキル連邦軍親衛戦車大隊に少数が配備されていた中戦車。
トエイ型中戦車の最終型といえるデザインでその性能は高く、帝国との再開戦後に集中運用された。
首都のパレードで定番の戦車であり、市民からも親しまれたいる。
主砲は傑作戦車砲であるズィスズィス5.5fin砲の強化型を搭載している。
第三紀世代
乗員 | 5名 |
動力 | マクラン社製エンジン N62C |
出力 | 590ps |
最大速度 | 40km/h |
装甲(前/横/背) | 60mm/40mm/20mm |
武装 | 7.5fin長砲身戦車砲 10mmナバンカ機関銃(同軸) 10mmナバンカ機関銃(後部) |
トダ工廠製
第三紀の終戦直前にロールアウトした重戦車。
またトエイの車体を使いまわししているが、もともと小さめの車体にバランス良く重装甲を配分。
砲塔も鋳造で防御力の高いデザインへと変貌。そしてなによりも7.5finの長砲身砲が全周砲塔に収まったのである。
この時点でアーキルは世界最高水準の中型の重戦車という、トータルで見れば悪くもない確実な戦車を手にれたのである。
終戦と同時にカノッサを割譲した連邦軍。再開戦後、帝国をカノッサから叩き出すために期待とともに投入された。
新砲塔トエイと大量のデーヴァⅢ、そして言わずもがな無数のダッカーと新時代の機甲部隊の戦いを披露した。
トエイの改良型だが、技術的には陸練戦車タツカンに近い。
第三紀後期
乗員 | 4名 |
動力 | マクラン社製エンジン N-65B |
出力 | 620ps |
最大速度 | 54km/h |
装甲(前/横/背) | 60mm/50mm/20mm |
武装 | 7.5fin長砲身戦車砲 10mmナバンカ機関銃(同軸) 10mmナバンカ機関銃(車体) |
トダ工廠製
戦後のアーキル陸軍を支える新型の中戦車。
終戦直前に試作車両が完成するも、対帝国の戦いには間に合わなかった。
ヂトチン重戦車と同じ7.5fin長砲身を採用し、車体はバランス良く小型化されている。
デーヴァⅢから使い回されてきたシャーシも一新され、大転輪と広めの履帯により走行性能は向上した。
試行錯誤のアーキル戦車もついにその完成形の一つを見るに至ったのである。
既存のデーヴァベースの旧式車両を置き換えるため大量に生産され、パンノニア事変で初めて実戦投入された。
保守的な設計であるものの、整備性や信頼性は高く戦車乗りの評価は上々であった。
コレと言った欠点がないというアーキル戦車のアイデンティティ(?)を揺るがす名車である。
この戦車は他国にも少なからず影響を与え、パンノニア陸軍のシタデル護国戦車はノイナを参考にしていると言われている。
第三紀後期
乗員 | 6名 |
動力 | マクラン社製エンジン D-65 |
出力 | 750ps |
最大速度 | 50km/h |
装甲(前/横/背) | 90mm/70mm/20mm |
武装 | 12fin長砲身戦車砲 10mmナバンカ機関銃(同軸) タンキ・パンパン砲(後部) |
トダ工廠製
戦後に登場した重戦車。
ノイナ中戦車の車体パーツを流用した拡大型である。
帝国との戦いで、アーキル戦車隊は小型、中型、大型戦車の役割分担の重要性を思い知らされており
ノイナの開発のメドが立つとその重戦車型の書類にゴーサインを出したのだった。
コムサックには全体的にこれと言った新機軸は盛り込まれておらず、保守的な設計で、悪く言えば地味である。
他国がMBTのような走攻守の揃った新型戦後車両を開発する中、コムサックは生まれながらの重戦車であり時代遅れの産物であった。
しかし、他国がその新機軸に頭を悩ます中アーキルはノイナとともにコムサックを大量生産し、その数で大きなプレゼンスを得た。
大柄な車両が幸いして対空型や重自走砲型など派生型も多く、結果としてはこれも名車両と認めてもよいだろう。
主砲は空軍で使用されていた12fin艦砲を改良したもので、12finの大口径である。
旧来の砲戦型艦船が次々と退役していく中、取り外された大量の艦砲はコムサックの主砲に流用するのにぴったりだったわけである。
仮想敵は帝国のエマーリアン重戦車であり、2000mltからの射撃で装甲を貫通することができた。
だが精密射撃には相性が悪く、アーキルはこれを複数台のコムサックによる同時攻撃で命中率を補うものとした。
パンノニア事変では20両あまりが投入されており、大戦中の兵器が大半を占めるパンノニア陸軍に対して無敵の強さを誇ったが、
彼らの単純な罠に嵌ってしまい、橋ごと爆破されるという笑い話を持つ。
戦後のパンノニアで再建され名所となっている"コムサック大橋"はミリタリーマニアの間では有名。
第二紀世代
乗員 | 2名 最大4名 |
動力 | マクラン社製エンジン |
出力 | 180ps |
最大速度 | 47km/h |
装甲(前/横/背) | 30+30mm/9mm/9mm |
武装 | 5.5fin戦車砲(榴弾非搭載) |
整備学校用の訓練戦車…を実戦に耐えるよう増加装甲板をポン付けした"スペシャル仕様"(!?!!??)
かなりまともな設計をしており、特にアーキルでは珍しい鋳造砲塔が特徴的。
「訓練なんざに良い戦車を供与する余裕なんてないから訓練用のを作っとけ」という上層部からのお達しによって設計されたタツカンは
"挙動はもっさりしているが、キビキビ動くし信頼性も異様に高い"実戦兵器顔負けの良戦車として生まれた。
15両が生産され、うち1両が増加装甲などの改修を受けてカノッサ湿地帯における戦車戦へ投入されている。
このエピソードはコミックにもなっているのでご覧あれ。
トエイ中戦車と似ているが、残念ながらこいつは榴弾を撃つことができない。
唯一の弱点として、2名で運用することを前提として設計されているので車内がやたら狭いのである。
第三紀世代
乗員 | 6名 |
動力 | マグラダ社製スパルタンエンジン |
出力 | 790ps |
最大速度 | 60km/h |
装甲(前/横/背) | 80mm/7mm/7mm |
武装 | 5fin狙撃砲 1.2fin機関砲 10mmナバンカ機関銃 |
トダ工廠(車体)シグモダン工業(基本設計)マグラダ工業(エンジン)
デーヴァⅢの車体を延長したトエイ中戦車の車体を、さらに延長して作られた自走砲。
突如カノッサ湿地帯に現れた帝国のエマーリアン重戦車の装甲を全く貫通できないことにしびれをきたした連邦陸軍が、半ばやけくそで民間企業に発注した戦闘車両。とにかくエマーリアンの装甲を貫くためだけに作られた、連邦陸軍の咲かせた意地の華である。
基本設計はシグモダン工業が担当し、彼らの青写真を前にトダ工廠のエンジニアたちが頭を抱えつつなんとか形にした。
マグラダ工業はもともと自動車メーカーなのになぜ参加しているのかはこの項を描いている著者ですら謎である。
自動車作り脳が炸裂し、速いは正義を体現するがごとくその巨体を不整地で60km/hまで加速させるパワフルなエンジンを搭載させた。
エンジンは車体の全長7割を占有していたが、これが意外にも増加装甲代わりとなり、前面防御に関してはなかなかの堅牢さを誇った。
しかしながらこの有り余る馬力を抑えるためにわざと重いギアに入れて走行していたらしい。
ギアがもつはずもなく、無論履帯もあまりの高速のせいで麺類のようにふるまい、ずたずたに引きちぎられる光景がみられたという。
実戦では、ダッカー3両、スーパーダッカー1両を護衛車両として付随させ、カノッサ湿地帯に投入された。
快速車両同士、得意の機動戦術を駆使して帝国を圧倒しようというもくろみであった。
ストーイェは実践ではとうとうエマーリアンと遭遇することはできず、体当たりによるゼクセルシエ戦車1両、原生生物7匹の撃破が唯一の戦果であった。
第二紀世代
乗員 | 2名 |
動力 | バオバ・エンジン |
出力 | 150ps |
最大速度 | 45km/h |
装甲(前/横/背) | 8mm/8mm/8mm |
武装 | 5.5fin榴弾砲 ゲーパット対戦車噴進弾x3 |
マグラダ工業製
5.5fin戦車砲搭載車両をできるだけ安く、大量に生産するというコンセプトのもと設計された自走砲。
トダ工廠のデーヴァⅢと同様のポジションに並行進化した面白いパターンである。
ダッカーと対となって火力支援に当たることを想定して設計されている。
同工廠製造のトエイ中戦車の下位互換ではあるが、携行対戦車グレネードであるゲーパットを3門装備しているため、瞬間火力は非常に優秀。
惜しむらくは、大半がオデッタやニヂリスカといった弱小構成国に配備されてしまったことで、前線には行き渡っていないことだ。
後方で惰眠をむさぼっているため当然損耗もなく、補充設備の維持コストの問題から600年代に突入する前に生産ラインは破棄されてしまう。
本車両が本格的に運用開始するのは開発から50年近くがたった、625年のカノッサ奪還作戦だ。
デーヴァやトエイなどの主力車両が欠乏しており、補給管理部門が目をつけたのがこのマキシだった。
オデ・ニヂの猛反発を受けながらもマキシは徴収され、80台あまりが実戦投入された記録が残っている。
第三紀世代
乗員 | 4名 |
動力 | マクラン社製エンジン |
出力 | 220ps |
最大速度 | 45km/h |
装甲(前/横/背) | 65mm/15mm/30mm |
武装 | 7.5fin自動装填狙撃砲 10mmナバンカ機関銃 |
トダ工廠製
この戦車、結論から言えば非常に優秀である。
しかしながら当車両は、失敗兵器の終着点たるパンドーラ隊へ送り込まれてしまった。それは何故か。
全く使えない失敗兵器ばかりを押し付けられるパンドーラ隊もついに我慢の限界に達し、試乗試験で好成績をだしたこの戦車の報告書類を最悪な結果に書き換えたのだ。
彼らの思惑通り上層部は報告書類の散々たる結果を見ると、ろくに検証もせずパンドーラ隊へ送り出した。
こうしてパンドーラ隊についに使える戦車がやってきたのである!!
デーヴァⅢの主砲と口径こそ変わりないが、長砲身による砲撃精度と貫通力は連邦軍最高性能である。その上、3発の自動装填装置もついて、攻撃力も3倍(?)となった。
この戦車を制式採用できなかったことにより連邦軍の戦車開発は4年の遅れを出すことになる。
【本来の報告書類】
本車(形式AT-595b メルディラと呼称)の走行試験および戦闘試験の報告書
メルディラの試験結果は我々の予想をはるかに上回る結果となった。最大速度は不整地でも45km/h以上をマークし、実験的意味合いの強かった千鳥転輪も悪路での走行ではその効果を遺憾なく発揮した。
狙撃砲の貫通力は感嘆すべきもので、このまま改良を続ければ10fin超えも現実のものとなるだろう。これは帝国軍戦車を彼らの射程外から一方的に撃滅できることを意味する。
【パンドーラ隊により改ざんされた報告書類】
始末書
本車(形式AT-595b メルディラと呼称)の走行試験および戦闘試験の報告書。
メルディラの試験結果は悲惨なものとなりました。最大速度はオコジョにも及ばず、発動機はストーブのごとく数分でオーバーヒートする有り様でとても実用的ではありません。
実験的意味合いの強かった千鳥転輪も3分の走行で4つが脱落し高級将校の自家用車へ1つが衝突することになりました。
パンドーラ隊へ送るべきです。パンドーラ隊へ、送るべきです!!
第三紀世代
乗員 | 5名 |
動力 | マクラン社製エンジン |
出力 | 250ps |
最大速度 | 38km/h |
装甲(前/横/背) | 35mm/20mm/5mm |
武装 | 10fin短榴弾砲 10mmナバンカ機関銃(同軸) |
トダ工廠製
上記の試作戦車メルディラの車体を使って試作された、アーキルでは珍しい10fin超えの巨砲を備える自走砲だ。
コンスタンティン級駆逐艦の副砲を無理やりねじ込むという無茶苦茶な設計思想にしては、やけに先進的な車体設計が目を引く。
重心が前によりすぎているため砲身を短くせざるを得ず、口径にしては情けない短砲身となってしまった。
もともとは7.5fin砲を載せるための設計だったため、シャーシが重量を支えきれておらず足回りが脆弱。
試作1両がカノッサ戦線へ投入されたが戦場に着くまでに何度も立ち往生し、戦車兵らに"わがまま娘"を意味する"マシャンキ"と渾名された。
戦車兵らは我慢の限界に達していたが、何度も整備をしていくうちに不思議とマシャンキに愛情を感じるようになっていく。
「おはよう、マシャンキ。」「がんばれマシャンキ!」
―そう語りかけているうちにマシャンキも不思議とそれに答えるように動いてみせたという。(練度が上がっただけとか無粋なことは考えない)
マシャンキは彼らの丁寧な扱いと的確な戦術によって帝国のゼクセルシエ型戦車を5両撃破した記録が残っている。
第二紀世代
企画参加者たちに最も人気の車両。
乗員 | 2名 |
動力 | トラクトルエンジン |
出力 | 70ps |
最大速度 | 95km/h |
装甲(前/横/背) | 5mm/3mm/3mm |
武装 | 2.5fin戦車砲 |
マグラダ工業製
「20finを超える巨大な主砲を標準兵器としている帝国に打ち勝つには”装甲”ではなく”機動性”だ!!」というコンセプトにより大量生産されたのがこの快速豆戦車”ダッカー”である。
最大装甲厚5mm、平均装甲厚3mm、不整地の最高速度はなんと95km/hだ。しかし履帯がもたない
武装は2.5fin戦車砲。素早く敵の背後に回りこみ敵戦車を撃破するのがダッカーに与えられた悲壮な使命。
やたらと数が生産されたため無数のバリエーションが存在しており、その数は軍も把握できていない。
パルエサーバーでも実装!! ペパクラでも登場!! ラスティフロントで愛されるメカの筆頭。
第二紀世代
乗員 | 2名 |
動力 | トラクトルエンジン |
出力 | 70ps |
最大速度 | 53km/h |
装甲(前/横/背) | 5mm/4mm/3mm |
武装 | 対艦機関砲 (手動装填) |
現地改修型
快速豆戦車があまりに非力すぎたため、兵士がどこから拾ってきたかわからない空軍機の対艦機関砲を取ってつけてきたもの。
ついでにシュルツェンもついて見た目は強そう。しかし小さな車内は空薬莢ですぐにいっぱいになるのでオープントップとなり、装甲は事実上0mm。空気である。
似てないが気のせいである
第二紀世代
乗員 | 4名 |
動力 | トラクトルエンジン |
出力 | 75ps |
最大速度 | 30km/h |
装甲(前/横/背) | 6mm/0mm/0mm |
武装 | 5.5finズィスズィス戦車砲(装弾6発) 7.7mm機関銃 |
コンセプトデザイン:まるりょう
現地改修型
ダッカーにズィスズィス対戦車砲をポン付けしたもの。
乗員は発砲の度にハッチから外に出て主砲を操作する必要があるため、発射速度は想像に容易い。
1台限りのワンオフだが、これと似た車両は多く作られたことだろう。
ダッカーに限ったことではないが、現地改修型はバリエーションが多すぎるため軍本部も把握しきれていない。
▲まるりょう氏のペーパークラフト
▲デーヴァV デーヴァIII以外の系譜についてはデーヴァ開発史を見てみると良いだろう。
第二紀世代
画像は破棄されたもの Abandoned Dacker.
乗員 | 2名 |
動力 | トラクトルエンジン |
出力 | 70ps |
最大速度 | 5km/h |
装甲(前/横/背) | 5mm/4mm/3mm |
武装 | 帝式21fin榴弾砲 2.5fin戦車砲 銃剣(?) |
現地改修型
帝国軍の戦車「ダック210」の21fin砲を鹵獲・搭載したハイパーなダッカー。現地改修で作られた1台である。「型式番号ラ0337 ダッカー」
乗員による愛称は「アバッドーン」、破壊を司る伝説上の化け物。
車体の天蓋装甲を外して無理やり榴弾砲をくっつけたので、バカでかい無線機を置くスペースが無くなってしまった。幸い砲手が技術大学出身だったので(なぜ一兵卒なのか?)アンテナを設けて臨時無線機とした。
車内は砲弾で溢れており、乗組員は散乱する砲弾に埋もれながら戦った。泥と。カノッサ湿地帯の泥は鈍重なハイパーダッカーを泥濘へ沈めた。
余談だが土嚢のようにみえるのは連邦レーションである。
その後回収され、パンドーラ隊へ創立10周年の贈り物として寄与された。
こぼれ話
ラ0337ダッカーはカノッサ湿地帯において帝国のダック210軽戦車(下図)に遭遇、これを撃破した。
姿を見せずに茂みから猛スピードで接近してくるダッカーを、ダック210の乗組員はかねてより兵士たちの間で噂となっていた"ヴンター"と勘違い、取り乱して発砲したところをダッカーが背後に回りこみ撃破したという。
「これがダッカーの使い方ってわけさ」と車長ハーマン談。
▲帝国軍軽戦車ダック210 名前が似ているのは偶然だ。
厳密な話をすると「Dach」と「Dack」の発音の違いである。前者は「ダッヘ」といったかんじで喉で発音をやめるイメージだ。
第三紀世代
乗員 | 3名 |
動力 | F3小型エンジン |
出力 | 130ps |
最大速度 | 88km/h |
装甲(前/横/背) | 10mm/10mm/10mm |
武装 | 3.5fin対戦車砲 |
コンセプトアイデア:ZERO零
トダ工廠製
ZERO零氏の小説「凍てつく森のノイゼン」の後編にて登場 (前編 後編)。
アーキル連邦の長年の戦車設計ノウハウが生かされた、綺麗にまとまった小型戦車。
快速と高レートの攻撃力を生かして、新型帝国戦車に立ち向かった。
ダッカーの上位互換と言える車両だが、圧倒的な生産数を誇るダッカーを更新するには至らなかった。
航空機の補助エンジンとして開発された、小型高出力で定評のある"F3エンジン"を搭載している。
速度はダッカーに比べて落ちているが、機動性能や走破能力は大幅に向上していて戦車兵からの評判はよい。
「ダクソンは良い戦車だ。大型のダクソンさえあればもっと良いのだが。」というのが現場からの意見である。
対人型のパンパン砲を積んだ雌型が少数存在する。
第二紀世代
野心的な設計だがエンジンはダッカーの使い回し。なぜそこで妥協した!?
乗員 | 8-10名 |
動力 | トラクトルエンジン |
出力 | 70ps |
最大速度 | 12km/h |
装甲(前/横/背) | 15mm/15mm/15mm |
武装 | 3.7fin戦車砲 7.7mm機関銃x4 1.2fin機関砲x4 |
シグモダン工業製
連邦が誇るクソ多砲塔戦車。歩兵を守りつつ戦線を押し上げる、早い話が歩兵戦車…であるが装甲はダッカー並。ダッカーは機動性で装甲を補っていたのだがこちらは最大出力でやっと12km/hである。
乗組員を大量に必要とする・絶望的に遅い・よく横転する・操縦士は終始立ち膝・斉射すると反動で停車する等の理由から各部隊の間でたらい回しにされ、連邦軍遺跡発掘部隊”パンドーラ隊”の正式戦車として生きながらえた。
第二紀世代
もともとは帝国兵器。削られた帝国紋章が、寝取られ感を醸し出す。
乗員 | 4名 |
動力 | 旧式浮遊機関x1 |
出力 | 210lc |
最大速度 | 60km/h |
装甲(前/横/背) | 55mm/45mm/45mm |
武装 | 帝式15.2fin榴弾砲 |
鹵獲兵器
連邦軍が鹵獲した帝国装輪戦車の車輪を外し、浮遊機関をポン付けしたもの。
浮かせてしまえば陸上水上どこだっていけてしまうんです。帝国ではありふれた15.2fin砲も連邦にとっては大火力。しかしながら鹵獲できた戦車が5,6両ほどだったので配備先に手間取り、結局パンドーラ隊へ与えられた。厄介者はパンドーラ隊によく回される。
第二紀世代
600mlt以内ならゼクセルシエの正面装甲を射貫することができた。
乗員 | 4名 |
動力 | N/A |
出力 | N/A |
最大速度 | N/A |
装甲(前/横/背) | 5mm/0mm/0mm |
武装 | 5.5fin対戦車砲 |
グネライン製
第二紀末期から第三紀最初期にかけて登場した新型帝国戦車群に対抗するため急遽制作された対戦車砲。大口径榴弾の破砕力に頼っていた旧来の戦車砲と違い、高初速の徹甲弾を射出する”まっとうな”対戦車火器である。
しゃがんだ兵士の体高を超えることがないよう設計されているため、巧妙な偽装が施された対戦車陣地に秘匿された本砲を戦車から発見することは困難を極めた。
車両牽引を本格的に意識した初の砲でもあり、防盾と比して巨大な車輪がそれを物語る。結局車載型の生産数が敷設型のそれを上回ったため効果があったかは疑問だが、アーキル連邦陸軍の機械化構想を垣間見ることができる...かもしれない。
堅牢な正面装甲を有するゼクセルシエが投入されると外装式の対戦車擲弾が配備された。
その軽量さ、取り回しの良さから終戦まで前線で戦い続けた傑作と言えよう。
第三紀世代
つよいぞ
乗員 | 9名 |
動力 | N/A |
出力 | N/A |
最大速度 | N/A |
装甲(前/横/背) | 8mm/0mm/0mm |
武装 | 9fin対戦車砲 |
グネライン製
老舗大砲メーカーであるグネライン社が設計した対戦車砲。
帝国のエマーリアン甲冑戦車の登場に恐慌状態に陥った連邦軍が送り込んだ"蟹殺し"だ。
同じく傾斜装甲で一時期は無敵を誇ったゼクセルシエ中戦車も1500mlt離れた距離から安々と撃破可能な強力な砲を搭載する。
車体の設計が甘く、強烈なリコイルにサスペンションがついていけず射撃不能になる問題が多発。その後は安定脚付きの個体が順次生産された。
第二紀世代
つよそう
乗員 | 104名 |
動力 | ジャンク浮遊機関 x4 砲塔旋回用エンジン x1 簡易発電機 x12 |
出力 | 6800lc x4 340ps |
最大速度 | 30km/h |
装甲(前/横/背) | 220mm/120mm/80mm |
武装 | 35.5fin単装砲 x1 15.2fin単装砲 x2 |
トダ工廠シグモダン工業マグラダ工業製
大火力を持つ遠距離砲撃支援ができる兵器を陸軍が欲し、倉庫に眠っていたトリプラの主砲を取り付けた陸上戦艦。しかし陸軍、これほど大きな砲を使ったことが無いため設計段階から迷走してしまう。その上司令塔となる艦橋の建造知識もなく、その結果このような不安定な”艦橋のような何か”が出来上がった。
使用する浮遊機関も機能不全の不良品のため、その身なりはまさに地を這うようにゆっくりゆっくり進む龍そのものだ。
ホタテ氏によるSS「大地を這う龍」に登場。