<p>このページはまるりょう作のSS『<a href="//www59.atwiki.jp/flightglide/pages/173.html" title="Orbitta Parle:対立の惑星 (6h)">Orbitta Parle:対立の惑星</a>』に出てくる登場人物とメカの紹介ページです。<br /> キャラやメカの設定はSSに必要な以上に詰めた結果、分かりにくい&もったいない、ということでここで公開します。三次創作にもどうぞです。</p> <p><span style="color:#FF0000;">注意</span>:<a href="//www59.atwiki.jp/flightglide/pages/173.html" title="Orbitta Parle:対立の惑星 (6h)">Orbitta Parle:対立の惑星</a>のネタバレ要素が少し入っています。大したものでは無いですが、気になる方は先にお読みください。<br /> また、このページもSS本編が続くとともに加筆されていきます(予定)。現時点でSS未公開部分のネタバレはありませんのでご安心ください。<span style="color:#D3D3D3;"><s>逆に言うとここの中身がSSのダイジェスト版になっている</s></span></p> <p> </p> <p> </p> <p><span style="font-size:16px;">パルエ歴700年前後。この地球で言う1980年代程度の技術を持つまでに進歩したパルエ人は、南北冷戦における際限なき宇宙開発競争の末、北陣営はウィトカ、南はエイアへの有人飛行を行うまでに至った。無限に膨れ上がる宇宙開発および軍事予算に嫌気がさした両陣営は関係改善を行い、数年前についに冷戦の終結が宣言された。新時代の幕開けの象徴として、前人未踏の惑星ルーン有人探査隊が南北合同で計画された。<br /> これまでルーンに到達した探査機はいずれも奇妙すぎるこの惑星の特徴をとらえていた。曰く、濃密な大気と液体の海が存在し、赤道付近で大出力レーザーの発振が確認されている。旧兵器の生き残りか、パルエ外知的生命体の存在か。万全を期し、南北合同の一大プロジェクトとして計画されたこのミッションの概略は以下の通り。</span></p> <p> </p> <p><strong>有人ルーン探査母船”パルエ・ド・ピシア”(平和パルエ)</strong><br /> 居住区10メートル+推進系統 原子力巡航エンジン4基 クランダルト式水食料循環器・対旧兵器ECM装置・アーキル製トリムバラスト兼非常糧食100キログラムを搭載。広角太陽光パドル4基、高出力アンテナ1基。大口径観測装置や多数のセンサーで地上の隊員を支援する。7人乗り。<br /> 乗組員と大量の物資を乗せてパルエ軌道上からルーン軌道上、ルーンからパルエの移動に使うマザーシップ。歴史上最大の宇宙船……もはや宇宙ステーションである。旧兵器と戦う可能性もあることから、重量が許す限りの対旧兵器戦武装を施している。乗組員も7人中4人が軍人である。</p> <p><strong>ルーン探査機”リューネ・エキスプラ”1号・2号</strong><br /> パルエ・ド・ピシアがルーンに到達する前に、事前探査としてルーン周回軌道に到達した無人探査機。母船が着陸したチームの裏側に居る時は通信が確立できないので、この探査機が中継衛星となる。もちろん母船と協力してルーン観測も行う。アーキル製・パンノニア打ち上げ。1号に搭載されていた着陸探査機は着陸失敗したようである。</p> <p><strong>有人着陸船”チゴネル・ワイゼン”</strong><br /> メルパゼルとフォウの共同開発、5人乗り。機体とコンピューター、電源系統はメルパゼルが、高性能のジェット・ロケット複合エンジンと燃料製造装置はフォウ王国が、各種観測機器は様々な国の大学や研究機関が開発して、メルパゼルで最終組み立てされた。エアバックで展開する居住区や探査車を搭載する大型SSTO。分光観測で水蒸気を持つ惑星だというのは知られていたため、原子力で水を電気分解し、液酸・液水ロケットエンジンの燃料を調達。長距離移動の際は高空まで上がり効率のいいターボファンを燃焼、翼を使い巡航するため、事実上無限の惑星内航続力を持つ。技術大国メルパゼル・ジェットエンジン先進国フォウが協力して造り上げた渾身の逸品だ。<br /> 重力が低いわりに大気が濃いのでパラシュートが使えることが、燃料節約に寄与している。対旧兵器ECM装置と12.7ミリ機銃のガンポッドを搭載している。エンジンは3基、左右に二つと胴体後部に一つ。そのうち1基のエンジンが故障しても問題なく母船まで帰還可能である。エンジンはモジュール化されていて、2基が故障しても故障個所が別なら、片方のエンジンを分解したうえでニコイチして修理できるので、場合によっては2基までの故障に対応できる。次世代惑星探査船のプロトタイプとされており、今回の探検の結果をフィードバックした機体が、外惑星の探査でも本格的に運用される予定である。<br /> すべての任務完了後、母船の観測機材を搭載されてルーン周回軌道に乗せられ、無人探査機として使われることになる。<br /> </p> <p>まるりょうによる超適当なイメージ図</p> <p><img alt="" src="//img.atwikiimg.com/www59.atwiki.jp/flightglide/attach/193/659/Wisen.PNG" /></p> <p><strong>装甲探査車”タンケ・ボラッタ”</strong><br /> アーキル製のルーン探査車。旧兵器との戦闘を前提に、20ミリ連装機銃と高価なECM装置を載せたこいつのあだ名は金食い神。ぼったくりカー。被弾傾斜が効いてるとはいえ装甲5ミリの歩兵戦闘車とか恥ずかしくないの?重量制限が厳しかったから仕方ない。どうせ旧兵器のビーム食らったら即死だし。探検隊の貴重な足だが居住性がアレなのはさすが旧連邦譲り。与圧はされてるが……。余談だが競争試作にベルゲⅧ改というものがあった。一体いつのだ。<br /> 妙なギミック満載である。</p> <p><strong>無人探査ヘリ”メッツドラゴン”</strong><br /> ナニ! メルパゼルが着陸船を作るのか、なら負けてられんな! と、ライバル心を燃やした統一パンノニアが、資金と製造を各国で分担する探査メカの中で小型ヘリ担当を勝ち取った。いわゆる無人の大型ドローンで、様々な計測機器と通信システム、初歩的な人工知能である程度の自立飛行は可能なのに、かなり小さくまとまっており分解して3人で持ち運べる。塔状物体の遠隔探査時に衝撃波によって破壊された。</p> <p><strong>惑星探査・通信用気球”タンテ”</strong><br /> ワイゼンやらボラッタから放つ使い捨て気象観測気球。製造は、気球関連の製造に定評があるアナンサラド王国。ワイゼンに6基搭載している。</p> <p> </p> <p><span style="font-size:16px;"><strong>探検隊一味</strong></span></p> <p><span style="color:#808080;"><strong>・ムロボロド</strong><br /> パルエ・ド・ピシア船長。医者・軍人。男性。ネネツ共和国人。決断は早くしっかりしており、母船からの指揮者としての素質は十分。クランダルト帝防大卒業時、初めて机上演習980点をたたき出した逸材。50代前半の将校。船長なのに今のところ影が薄い</span></p> <p><strong>・アトイ</strong><br /> パルエ・ド・ピシアの惑星観測官兼火器管制手。気象海洋学者・軍人。男性。ワリウネクル人。諸島宇宙軍が保有する対旧兵器衛星砲台”シンタⅡ”のオペレータを務めた経験からこの任務に。眼鏡を掛けていて、がっしりしている割に頭脳派。気球タンテの運用責任者。40代。</p> <p><br /><strong>・ダウート</strong><br /> ワイゼン機長&パルエ・ド・ピシア副長。空軍パイロット・ベテラン宇宙飛行士。男性。パンノニア人。実質調査隊の隊長。30代。軍人なだけありずばずばと指揮をするが、こわいというより頼れる兄貴。歪みねぇな</p> <p><strong>・メロカ</strong><br /> ボラッタドライバー。エンジニア・軍人。女性。アーキル人。調査隊のメシマズ枠。この人は連邦チョコうめぇというレベルの味障でそのうえ料理好きというシリアルキラー。<s>ポンコツ</s>。20代後半の腹筋系美人。美人だがこいつのキラーレシピを食わされるリスクまで負ってナンパする人間はいない模様。代々軍艦乗りの家で、曾祖母はリューリア作戦での有名人らしい。帝国皇室系の血も交じっている。</p> <p><strong>・ミト</strong><br /> 生化学者・医者。女性。メルパゼル人。テンションの高い<s>おばさん</s>生物代謝専攻の科学者。なんでこんなのをクルーにさせたのか? こう見えて20台で遺伝子構造を発見した、パルエトップクラスの生物学者だ。ケイ素生物の出てくるSF小説を読んで琴線に触れ、この探査に志願。この星で見つかるであろう新生物に胸をときめかせている。30代後半。眼鏡。医者の免許も持っている。卒論のテーマは”クランダルト帝国周辺に生息するクルカが持つ高速遺伝子のルーツ”</p> <p><strong>・クルツ</strong><br /> 古生物学者・地質学者。男性。クランダルト人。静かに考え込む妙な奴。趣味は読書、日記。一人で合同調査中にふらっと明後日の方に行ったり、変な着眼点をもつ40代。とはいえ奇抜なアイデアでも冷静に考えられる能力は極限環境では重要だ。</p> <p><strong>・エディ</strong><br /> 物理学者。男性。フォウ王国人。物理学者という肩書のステレオタイプに反して、ジョークを好み部隊のムードメーカーである。それでも物理学者としての能力は確かである。正確な計算力というより、大まかなデータで高度な結論を出すフェルミ推定も得意で、緊急事態の中データが手元に揃ってなくてもリスク計算をやってのけるところを買われてクルーに。</p> <p><br /><strong>・ピチューチカ(ピチカ)</strong><br /> いたって普通のメスのクルカ。アンモニアで武装したルーンスクムシと対峙せねばならない彼女の明日はどっちだ!?<br /> 得意技はつまみ食い。</p> <p><strong>・セニャ</strong><br /> オスのメッツクルカ 勝手に増えないように別種のクルカを乗せている。ピチューチカともどもクルカにしては頭がいい方。スクムシにも冷静に対処できるが包囲されたら無理ぽい。冷めた目で人類を見ているつもりだが人間にはピュイとしか聞こえない。ピチカと肩を並べてリバースする、所詮はクルカだ。<br /> 得意技はピチューチカをパルエ版軍人将棋で負かすこと。</p> <p> </p> <p><strong><span style="font-size:16px;">現在判明しているルーンの情報</span></strong></p> <p>一日の長さ:44時間(地球時間)<br /> 平均気温:-12℃<br /> 最高気温:7℃<br /> 最低気温:-78℃</p> <p>直径はパルエの半分弱。金属量が多く、引力は比較的強い。大気が低温で重いため、濃密な大気に覆われている。<br /> 大気組成は窒素:酸素:アンモニア=7:2:0.5。ほか、微小な割合のガスが二酸化炭素、水素、水蒸気、ヘリウムの順に含有。</p> <p> この天体の一番の特徴は、二種類の海洋が存在すること。一つは赤道近くに存在する水の海洋。地球で言う熱帯にあたる部分および火山帯に水の湖沼が存在する。平均気温が-30℃程度までは水の海洋が存在するが、これは海水がただの水ではなく、融点が低い水酸化アンモニウムだからである。付近にはパルエ型の生物が存在するが、ほとんどが小型。せいぜいプランクトンやスクムシぐらい。植物は生えておらず、塩基性の海洋に適応した藻類が海中を漂うだけである。</p> <p> もう一つが極域に存在するアンモニアの海洋である。この地域では気温が-60℃を下回るため水の氷は岩盤の一部となっている。この地域には正体不明の塔状物体が存在する。<br /> その塔状物体は、アンモニアの海洋を利用した生命だった。炭素と酸素ではなく、水素とリンで体を構成している。ルーンには赤道に広がる水の海洋と、極地に存在するアンモニアの海洋それぞれに特化した、まったく別の生命圏が存在していたのだった。</p> <p> </p> <p> もともとこの星はソナ系外の天王星型惑星だった。が、その星系には強力な重力をもつガス惑星が3つあり、引力の干渉でガス惑星ルーンの軌道は不安定に。恒星に接近したため、表層ガス層は剥がされ岩石コアがむき出しになった。複雑な気象により化学合成が始まり、温度の安定した地底アンモニア湖でP-N生命が誕生した。<br /> 数十億年ののち、ルーンの所属する星系はソナ星系に近寄り、ルーンのみソナ星系に捕獲される。安定した気候の中地上のアンモニア海洋にP-N生物は進出。パルエで生命が誕生したころにはすでに、アンモニアを基礎とする複雑な生態系が形成されていた。<br /> 数十億年後、P-N生物の生態系が高度に発達したルーンに、旧文明の人類が侵入。人類は彼らが何者なのか、どこから来たのかを理解できず、セレネやエイア、ウィトカと同じようにルーンもパルエフォーミングしようとした。だが高濃度アンモニアの大気はクルカですら粘膜をやられ頓死するレベルであり、最後までルーンで宇宙服を脱いで呼吸するようには不可能であった。それでも人類は赤道付近に水の沼沢地を造り、遺伝子改良でアンモニアに対応したスクムシと藻類を放流し、辺境の研究地兼人気のない植民地として細々と活動していた。</p> <p> この星の大地は、ソナ星系が生まれる遥か昔よりルーンの生命のものだった。赤道の旧人類は侵略軍だ。P-N動物にとって、根本的に体が違う炭素生物は食料にもならないし、住む世界の時間感覚が違いすぎる。P-N生命には知性があるかは分からない。だが炭素生命を駆逐するべく進化した。</p> <p>この星の最前線、緯度30度の火山地帯に沿って、PN生命の生体ICBMによる戦争が繰り広げられたのだった。</p> <p> パルエ文明の大破局後、この地に生活していた人類は補給が効かなくなり速やかに消滅。現在は遺物が赤道直下のところどころに点在するのみである。だが今も、ルーンの南北戦争は続いている。</p>