4月2日速報 モイピック大宰相暗殺
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【速報】本日未明、マルユディーここに文字を入力の別荘宅においてジュール・ド・モイピック大宰相が殺害されているのが発見された。軍警察によると、モイピック氏は腹部が吹き飛ばされているとのこと。
クリーブマン最高報道官は事件発生から1時間後に記者会見を開き、大宰相代行として副宰相のザームエル・フォン・ノイガラート氏が選任されたことと全土に二等戒厳令を発令することを宣言した。これにより軍警察と市民警察及び国家破城鎚部隊は60時間の厳戒態勢をとり、全国の主要道路及び主要空路に検問を設置するとのこと。
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4月2日分 モイピック氏暗殺事件の合同捜査本部立ち上げ
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本日未明にモイピック大宰相が暗殺された事件に関して新しい情報がマルユディーにある軍警察及び市民警察の合同捜査本部から発表された。
合同捜査本部によるとモイピック氏の死亡推定時刻である3時に、別荘付きのメイドがモイピック氏のいる部屋の方から破裂音がしたとの証言があり、同時刻に近くを深夜徘徊していた男性により別荘から出ていく4人組の人影を見たとの証言があった。また、事件直後に別荘地の近くに翅のないヴェストバルカ型を見かけたという未確認情報もある。
合同捜査本部ではこれらの証言を元に国内または国外からの組織的な犯行と見て捜査している。
本事件に関しては発生から3時間以内に偽帝国が声明を発表し、「我が国は本事件とは何ら関係もなく、今後六王湖の逆賊共から主犯だと言われても我が国は一切感知するものではないものと断言する。」という自己弁護のような声明を出した他、パンノニア王国が深い哀悼の意と強い怒りを抱いているという声明を出した。
国内においてはかつての二等国民だったガリアグル人の地位向上と本国系人との融和を計った宰相だけに悲しみの声が多く、何故殺害したのかなどの疑問や代行である本国系のノイガラート氏への不信感、戒厳令による経済の混乱などに不安を覚える声も多かった。
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4月3日分 アイギス陛下のおことば
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昨日発生したモイピック大宰相暗殺事件に関して、我が国の皇帝アイギス陛下がおことばを発表なされた。
アイギス陛下は「今回の事件は帝政ダルト全国民を深い悲しみに陥れただけでなく、このアイギスの心も重く、朝食のプリンが3杯しか食べられなくなるほどの悲しい出来事であった。ところで今朝はバルコニーから市街を見渡していたのだがモイモイ(モイピック氏のこと)が死んだこともあってどうも暗く感じた、そこで皇帝アイギスの名において本日から一週間はモイピック氏を偲び、各家家で盛大なパーティーが開けるよう、臨時休日とする。」と宮殿バルコニーから臣民へ語り掛けられた。
これを受けて大宰相が欠けた執政評議会はモイピック氏死後最初の会議を招集、数時間の審議の末即日政令を発布、翌日4日からの一週間の休日が施行される運びとなった。
暗殺事件に関しては合同捜査本部の粘り強い捜査によって、犯行は4人組で行われたこと、深夜2時頃に外にいるボディーガードを麻酔銃で撃って眠らせ、2時半頃に天井裏などを伝ってモイピック氏の寝室内に侵入、そこに時限式の小型爆弾を仕掛けたのち脱出し、外に止めてあった無騒音型のヴェストバルカ型軽戦闘艇に乗り込み逃亡したとみられること、などが新たな捜査結果として合同捜査本部が発表した。
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4月4日分 暗殺事件の犯人を確保
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2日に発生したモイピック大宰相暗殺事件の犯人が軍警察に保護されたと合同捜査本部が記者会見の席で公表した。
合同捜査本部によると本日24時、バリグ工業城塞特別区の軍警察本部の警戒艇格納庫に犯行に使われたと見られるヴェストバルカ改造型に乗って突っ込み、格納庫内に駐留されている警戒艇を破壊しながら止まり、大破した機体から這い出してきた男を確保した。男は「貴族警察に追われている。」「貴族警察に引き渡さないならなんでも話す。」などと発言したとのこと。
合同捜査本部は『現在取り調べ中の為、詳細な情報を出すのは控えさせてもらうが、男性の身柄の安全の確保を最重要事項に位置付ける。』と本部としての対応を示した。
一方、貴族警察は『早急な容疑者の身柄引き渡し』『合同捜査本部の全捜査情報の開示』を求めており、報道陣の「なぜ男性は貴族警察を恐れているのか」の質問に対しての回答はなかった。
今回の"逮捕劇"は警察組織間にまん延する秘密主義と派閥主義によって暗殺事件の状況がますます読みづらくなっており、四警体制始まって以来の緊張が各警察組織間に走っている。
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4月5日分 【独自】暗殺事件にはノイガラート氏がかかわっていることが判明
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モイピック氏暗殺事件に大宰相代行を務めているザームエル・フォン・ノイガラート氏(65)が関わっていることが本誌独自で行った市民警察高官への取材で明らかになった。
市民警察高官は名前を伏せることを条件に本誌の取材に応えてくれた。本誌記者からの"犯人は何をしゃべったのか"という質問に対して、高官は少し咳払いし「彼が話したことが事実だとするならモイピック氏の暗殺事件には彼の後任候補が関わっています・」そう小声でささやいた、"後任候補とはノイガラート氏のことですか"というさらに重ねた質問に対しては、「それ以上言わないでください、我々合同捜査本部でもこの情報を公開するべきかどうか揉めに揉めているのです。ただ、貴族警察が本部周りに部隊を配置させていることから鑑みてこの情報は真実だと私は思います。」そう答えてくれた。
"他に何か言ってはいなかったか"と聞くと、「男達は偽帝領ガリアグル出身で、近衛大叛乱直後に起こった大飢饉からここへ逃げ込んできて路頭に迷っていたところをノイガラート氏に拾われ、モイピック氏暗殺の命を受けた。そして暗殺成功の暁にはここでの永住権と一生遊んで暮らせるだけの大金が得られるはずだったが、暗殺に成功して帰ってきた彼らを待っていたのはノイガラート氏の私兵の銃口で、彼はそこから命からがら逃げてきたらしい。」と語った。
高官が言っている情報が真実かどうかは不明だ。しかし、もし真実だとしたのなら、それはこの国を揺るがすとても重大なことになるのではないか。
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4月7日速報(バレグ・インペレーター紙) 【速報】バリグ工業城塞、封鎖
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昨日25時、バリグ工業城塞をノイガラート艦隊が封鎖した。
本日1時にクリーブマン最高報道官はノイガラート氏の大宰相代行職を罷免したことを発表。また、全土に無期限の一等戒厳令および戦争準備宣言を発令。全航空便を停止させ、予備役の招集も行われている模様だ。
また、バリグに駐留していないデシュタイヤ艦隊、ザニアル艦隊、ダットファング艦隊及び国家破城槌部隊の実働艦隊が母港から出港した他、新帝都のフィッター戦闘機部隊がスクランブルをかけているとのこと。
【おことわり】現在、バリグにある日刊バレグ本社と連絡がつかなくなっているため、事態が解決するまでの間ギッザスにあるバレグ・インペレーター紙から発行いたします。また、その間本来バレグ・インペレーター紙が掲載する記事は載りませんのでご注意ください。
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4月7日分(バレグ・インペレーター紙) バリグ工業城塞封鎖から一日
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アイギス陛下が皇帝に即位なされてから初めての危機だ。昨日からノイガラート艦隊が"モイピック氏暗殺犯が城塞内に逃亡し、人民の安全を確保するため"としてバリグ工業城塞を封鎖している。
城塞封鎖から一日経って事態の全貌が見えてきた。ノイガラート艦隊は同じバリグを母港としているガーニェト艦隊を脅し、都市中央部の上空に待機させ、ノイガラート艦隊自体は北東に向き、デシュタイヤ艦隊と対峙しており、城塞内はノイガラート家の部隊によって制圧されているものと見られる。また、各地の貴族警察が市民、軍、交通の三警察と戦闘状態に入っており、首都ギッザスでは貴族警察の特殊部隊"王盾"と国家破城槌部隊との間で市街戦が発生している。
貴族警察のベスター公安伯爵はギッザスの報道陣に対し、「モイピック氏暗殺を阻止できなかった市民・軍警察にはこの国の治安を守る能力が無いため、全権を一つに集約する。」と発言、貴族警察の行動を正当化した。
ノイガラート氏に代わって大宰相代行を務めることになったクリーブマン大宰相代行兼最高報道官(27)は記者会見で「世間では今回の事件に偽帝国が介入してくるなどの噂が広まっていますが、安心してください。近衛大叛乱で名だたる戦果を挙げてくれた我らがダットファング艦隊が近衛の叛乱者共から我々を守ってくださいます。ですのでどうかご安心してお過ごしください。」と国民に平穏にするように伝えた。
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4月7日分(日刊バレグ紙) 摂政評議会の叛乱から一日
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アイギス陛下が皇帝に即位なされてから初めての危機だ。昨日、摂政評議会が何の前触れもなしに大宰相代行であるノイガラート氏を罷免すると告げてきたのだ。
ノイガラート氏はこれを大宰相への叛乱とみなし、また、軍警察が暗殺犯を故意に解放したという情報がもたらされたため、バリグ工業城塞の人民の安全を確保するためにノイガラート艦隊及びガーニェト艦隊で都市封鎖を行った。デシュタイヤ率いる叛乱軍はアイギス陛下を幽閉、アイギス陛下の名を騙りダットファング艦隊と国家破城槌部隊を操り、人民に対し略奪や暴行、凌辱の限りを尽くしており、これに激怒したベクター公安伯爵は「モイピック氏暗殺を防げなかった三警察と共にこれらの悪しき組織を我らの新しき地より一掃する。」と高らかに宣言し、新帝都において市街戦を繰り広げている。
ノイガラート大宰相は「自身の権力欲のためにモイピック氏を暗殺したデシュタイヤを許すことは出来ない、この我らの新天地をより豊かにしていくためにも、腐りきった摂政評議会を粛清しなければならないのだ。」と中央塔の大バルコニーで演説した。
【お詫び】5日に発行された日刊バレグに掲載されていた独自取材の記事は、追跡調査で事実無根であったことが分かり、誤った情報を掲載したことを深くお詫び申し上げます。
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4月8日分(バレグ・インペレーター紙) 連邦「不安定な地域関係をさらに複雑にする行為」
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バリグ工業城塞の封鎖と国内の混乱はいまだに続いている、しかし、国内ばかり憂慮するわけにもいかないようだ。
本日、国境付近に展開を完了したダットファング艦隊の従軍記者によると、国境付近にはヨダ叛乱地区のものとみられる偽帝国軍の艦隊が散開しており、また、小規模な陸上強襲部隊が幹線道路上空に待機しているとのこと。ジャン・ド・ダットファング艦隊総司令(58)によると「偽帝艦隊は小規模であり、恐らく偵察ついでに威圧しているのだろう。」として即座の侵略行為はないとしている。
今回の叛乱劇については諸外国も憂慮しているらしく、パンノニア王国からは「ノイガラート氏の反乱行為を強く非難する」という表明が出てきており、そのほかにもアーキル国及び北パンノニア連邦国からは「不安定な地域関係をさらに複雑にする行為」、メル=パゼル共和国からは「南北戦争の状態を混乱させ、六王湖そのものを危機に落としれる行為」としてノイガラート叛乱軍に対し非難をした。また、近衛簒奪政府からは「残党軍共を自滅に追いやる愚かで嘲笑的な行動」という意見を出している。
クリーブマン大宰相代行兼最高報道官は「我が国は近衛大叛乱以降、またとない大変な危機に襲われております。もしここで少しでも手を抜いてしまっては、即座に国際紛争へと発展してしまうでしょう。」としたうえで、「皆さま、わたくしめに10日間の猶予をお与えください。10日間あれば必ずやこの叛乱劇を終結させてご覧に入れます。」と国民に訴えかけた。
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4月8日分(日刊バレグ紙) 城塞内でのシンパの活動が過激化
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摂政評議会の叛乱と国内の混乱はいまだに続いており、城塞内では摂政評議会派のシンパが残虐な行為を繰り返している。
マストレイ・アイエル報道官(37)は6日から本日20時までで33件の殺人と57件の強盗、26件の婦女暴行が保護地域内で起こっており、シンパに扇動された大規模な暴動も4回発生、現時点までで150人の逮捕者を出しているという。このことをアイエル報道官は「摂政評議会派シンパの活動は日増しに強くなっており、いつ叛乱が起こってもおかしくはない。」とし、「シンパ達は慈悲なき存在であり、摂政評議会と神を崇めたてまつる恐ろしき人間たちである。あなたの隣の家の人ももしかしたらシンパかもしれない、そうなったら最後、あなたは家と家族と財産をすべて信仰者に奪われてしまうだろう。」と発言し、シンパ達へ容赦しないように人民に告げた。
一方、ノイガラート大宰相は駐留艦隊の再編成を命じ、ノイガラート艦隊とガーニェト艦隊を解散させ新たに国家艦隊とバリグ防衛小艦隊を編成、国家艦隊の総司令官として新たにハズバンド前ノイガラート艦隊総司令(47)を抜擢した。ハズバンド氏は「3日以内にこの裏切りを終わらせることが出来る」と豪語し、事態解決への意欲を見せた。
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4月9日速報(バレグ・インペレーター紙) 【速報】ベンスンヌにて叛乱艦隊とモルゼア艦隊が衝突
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本日13時に新帝都南西約30レウコに位置するベンスンヌ上空でノイガラート叛乱軍の国家艦隊と新帝都防衛の任を受けたモルゼア艦隊が衝突、交戦状態に入っているとの知らせだ、また、各地の貴族警察及び王盾とノイガラート家の私兵部隊がギッザスに向かっているという陸軍からの情報もある
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4月9日分(バレグ・インペレーター紙) ノイガラート叛乱軍の国家艦隊がベンスンヌで敗北
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本日13時にギッザス南西約30レウコに位置するベンスンヌにて国家艦隊とモルゼア艦隊が激突、6時間に及ぶ艦隊戦の末モルゼア艦隊が勝利を収めた。
12時にノールハイバール軍港所属の第3インダストラリーゼ飛行隊が北東方向に進行しているノイガラート叛乱軍の国家艦隊を発見、すぐに同軍港から新帝都防衛のモルゼア艦隊が出撃、13時にベンスンヌ上空で両軍が接触し、艦隊戦が発生した。戦闘は最初は国家艦隊側が有利であったが、中盤に各地航空隊の支援により戦況が好転、最後にモルゼア艦隊のディル級戦艦アドミラーレ・モルゼアⅢが国家艦隊の旗艦グロアール級ド=アルボーを撃沈したところで国家艦隊が降伏し、戦闘が終了した。
この戦闘でモルゼア艦隊の指揮をとったオボロ・ブラッデンロス司令はギッザスに付くなり報道陣の前に現れ、「戦闘開始からしばらくまで、敵のグランヴァールの攻撃により身動きが取れなかったが、途中から集まってきた友軍機隊や新帝都から出張ってきた最新鋭のフィッター戦闘機隊の活躍で難をしのぐことができた。彼らには感謝してもし切れない。」と勝利の感動に浸りながら語った。
また、地上においてはカルムカン陸軍大元帥が陸軍の治安出動を許可、三警察が手こずっていた各地の貴族警察に戦車隊を使って威嚇、ほとんど流血を出さずに武装解除させた。
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4月9日分(日刊バレグ紙) バリグ工業城塞第8地区にて大規模な叛乱が発生
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本日6時、バリグ工業城塞第8地区の都市生体循環施設で爆発が発生したのを皮切りに第8地区全域で大規模な暴動が巻き起こった。
循環施設の爆発はシンパが仕掛けたものであり、これにより第8地区全域のインフラが停止、インフラが停止し、人民が混乱しているところにシンパ共は"ノイガラート叛乱軍が仕掛けたテロ攻撃である"と虚偽の事実を流布させ大規模な叛乱行為に繋げた。
20時までに集計された情報によると、叛乱による逮捕者は300人を超え、死者は20人を超えているという。さらに叛乱行為が周辺地区に伝播し、第7、第9地区でも暴動が発生しているとのこと。このことについてアイエル報道官は「叛乱の拡大はとても憂慮するべき事態だ。早急な対策が必要である。」と足早に答えた。
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4月10日分(バレグ・インペレーター紙) バリグ工業城塞にて大規模な戦闘が発生
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本日8時、クリーブマン大宰相代行兼最高報道官はデシュタイヤ艦隊にバリグ解放の指令を下し、城塞の上空を制圧した。しかし、地上においてノイガラート私兵部隊や貴族警察との間で大規模な戦闘が発生したとのこと。
クリーブマン代行の命を受けたデシュタイヤ艦隊は10時にバリグ工業城塞に入城すると、旧ガーニェト艦隊で構成されていたバリグ防衛小艦隊に降伏勧告を出し、一発の砲弾も撃たずに上空を制圧した。城内を制圧するためデシュタイヤ艦隊の陸戦隊を地上に降ろすとノイガラート私兵部隊や貴族警察との間で銃撃戦が発生、現地抵抗組織と共同で戦っていたが16時までに叛乱軍が戦車隊や砲兵隊を出動、無差別な砲撃によってデシュタイヤ軍と抵抗組織、そして民間人に甚大な損害が生じておりデシュタイヤ艦隊総司令ユーナ・フォン・デシュタイヤ(35)は「対空砲による攻撃のため艦隊による地上支援が困難であり、陸戦隊も苦戦を強いられている。戦闘の早期決着のために戦車や砲を有した陸軍部隊と更なる艦隊の増援を要請する。」と本誌従軍記者に語った。
先日のベンスンヌの戦闘により、叛乱軍の城外戦力はほとんど無力化され、各地に展開していた陸軍の実働隊および三警察の武装部隊はバリグ工業城塞に集結してきており、また、先ほどのJ・デシュタイヤ氏の要請に応じカルムカン陸軍大元帥は近隣の貴族私兵隊の動員を各貴族家に要請した。
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