他の金融マーケット
世界の投資マネーは、ある程度決まっている。その投資マネーが為替市場・株式市場・証券市場・商品市場・不動産などをめぐりつつ流れる。そのため、為替も他の金融マーケットの影響を受けることになる。
また為替は国力が反映されやすいため、その国の景気が如実に表れる株式市場や証券市場とは相関関係にあるとされる。では、他の金融マーケットの動向が、為替市場にどのような影響を及ぼすか知っておこう。
また為替は国力が反映されやすいため、その国の景気が如実に表れる株式市場や証券市場とは相関関係にあるとされる。では、他の金融マーケットの動向が、為替市場にどのような影響を及ぼすか知っておこう。
株式市場
「米国株(ダウ)上昇 → ドル買い」「米国株(ダウ)下落 → ドル売り」というはっきりした連動性を示す。
通貨には国力が反映される。国力には政治や軍事力も含まれるが、現代で最も顕著に国力が顕在化するのは経済力である。金融マーケットは常に先を読んでいるため、経済の成長力が求められる。景気の先行きを示す指標として毎日見ることができるのが株式市場だ。株式市場は企業が発行している株式を売買するマーケットだが、為替市場に影響を与えるのは、米国であればダウ平均株価やS&Pであり、日本であれば日経平均株価やTOPIXなどの指数である。
基本的に米国株とドル相場は連動するものだと覚えておこう。これは過去の歴史を見れば明らかなことで、ニューヨーク市場で米国株が上がっている時は素直にドル買いになる。反対に米国株が下がっている時はドル売りになる。
ここでいうドルというのは、ドルに関するすべての通貨ペアであり、ドル円以外にもユーロドルでも顕著にその傾向が現れる。それだけ米国市場は世界からの投資を多く呼び込んでいるというわけだ。
通貨の金利差を利用する「キャリートレード」(金利の安い通貨で資金を調達して、より金利の高いものに投資する)という手法により、超低金利の続く円がその対象とされ、調達した資金は株式などにも投資されているため、近年、特に株価と為替相場の連動性は高まっている。細かく株価を見ている必要性はないが、時々は株価指数などがどうなっているか確かめることは必要だろう。
基本的に米国株とドル相場は連動するものだと覚えておこう。これは過去の歴史を見れば明らかなことで、ニューヨーク市場で米国株が上がっている時は素直にドル買いになる。反対に米国株が下がっている時はドル売りになる。
ここでいうドルというのは、ドルに関するすべての通貨ペアであり、ドル円以外にもユーロドルでも顕著にその傾向が現れる。それだけ米国市場は世界からの投資を多く呼び込んでいるというわけだ。
通貨の金利差を利用する「キャリートレード」(金利の安い通貨で資金を調達して、より金利の高いものに投資する)という手法により、超低金利の続く円がその対象とされ、調達した資金は株式などにも投資されているため、近年、特に株価と為替相場の連動性は高まっている。細かく株価を見ている必要性はないが、時々は株価指数などがどうなっているか確かめることは必要だろう。
債権市場
金利市場の代表・債券市場の動向は、FX投資をするうえで見逃せない。
債権とは、国や地方自治体・金融機関・企業などが必要資金を借り入れるために投資家に発行する借用書のようなものだが、為替市場に影響を与えるのは、主に国債の債権市場である。
金利動向の観察は外国為替市場では特に重要である。なぜなら為替市場はインフレ指標には非常に敏感に反応するからである。インフレ指標が発表されても、為替市場がどちらに動いていいかわからず、小動きの時などは、金利動向を参考にするのがよいだろう。債権価格は世の中の金利を基本として決められているため、日々の金利動向によって債権価格も変動しているからだ。
この金利市場の代表である「国債」などを売買する債権市場の市況を伝えるニュースを見れば、金利の動向を確かめることができる。原則として、金利が上昇すると債権価格は下がり、金利が下落すると債権価格は上がるという性質を持っている。そのため、為替市場と債券市場は反相関の動きをみせる。つまり、ある国の金利上昇(債券価格の下落)はその国の通貨買いに結びつく。
特に米国債の価格の上昇は、米ドル金利の低下をうながし、ユーロドルの上昇やドル円の下落を招く。反対に米国債の価格の下落はユーロドルの下落とドル円の上昇を伴うことになる。
また債券市場にはもうひとつの重要な役割がある。「質への逃避」と呼ばれるものである。債権というものは本来、安全・確実・有利をうたい文句にしている元本保証の確定利回り商品だ。「リスク選択度」という視点から考えてみると、株式相場が下落に向かう時は株のようなハイリスク商品よりも、安定利息収入の期待できる債権が好まれ、反対に株式相場の上昇局面では債権を売って株式投資が盛んになる。
債券価格は比較的動きがわかりやすい米国の10年債を見るだけで十分だろう。無理にリアルタイムで債券価格を追う必要性もない。米国の10年債の価格が上がる(金利が低下している)時には、ドルは売られやすくなり、逆に価格が下がる(金利が上昇している)時には、ドルは買われやすくなることを頭に入れておけば問題はない。
金利動向の観察は外国為替市場では特に重要である。なぜなら為替市場はインフレ指標には非常に敏感に反応するからである。インフレ指標が発表されても、為替市場がどちらに動いていいかわからず、小動きの時などは、金利動向を参考にするのがよいだろう。債権価格は世の中の金利を基本として決められているため、日々の金利動向によって債権価格も変動しているからだ。
この金利市場の代表である「国債」などを売買する債権市場の市況を伝えるニュースを見れば、金利の動向を確かめることができる。原則として、金利が上昇すると債権価格は下がり、金利が下落すると債権価格は上がるという性質を持っている。そのため、為替市場と債券市場は反相関の動きをみせる。つまり、ある国の金利上昇(債券価格の下落)はその国の通貨買いに結びつく。
特に米国債の価格の上昇は、米ドル金利の低下をうながし、ユーロドルの上昇やドル円の下落を招く。反対に米国債の価格の下落はユーロドルの下落とドル円の上昇を伴うことになる。
また債券市場にはもうひとつの重要な役割がある。「質への逃避」と呼ばれるものである。債権というものは本来、安全・確実・有利をうたい文句にしている元本保証の確定利回り商品だ。「リスク選択度」という視点から考えてみると、株式相場が下落に向かう時は株のようなハイリスク商品よりも、安定利息収入の期待できる債権が好まれ、反対に株式相場の上昇局面では債権を売って株式投資が盛んになる。
債券価格は比較的動きがわかりやすい米国の10年債を見るだけで十分だろう。無理にリアルタイムで債券価格を追う必要性もない。米国の10年債の価格が上がる(金利が低下している)時には、ドルは売られやすくなり、逆に価格が下がる(金利が上昇している)時には、ドルは買われやすくなることを頭に入れておけば問題はない。
商品市場
商品市場の通過単位は「米ドル」のため、米ドルとの関連性は高い。
商品市況も外国為替市場において見逃せない市場だ。貴金属やエネルギー関連および食料類などの価格は、すべて米ドルで表示されている。単純な図式でいうと、ドルのままで持っているか、そのドルで商品を買うかとの選択となり、商品相場とドルの価値は反相関であるとされている。
商品相場は価格変動が激しいので、微々たる保有コストは問題にならず消極的に値上がり益を狙いにいく対象となりやすい。商品の値段が高いときにはドルが売られ安くなり、安いときにはドルが買われやすくなる。このことは原油先物市場の高騰を見てもわかるだろう。「原油高 → ドル安」「ドル安 → 原油高」の関係は、米ドル建てになっている宿命でそれに呼応して世界の投機筋がさらなる原油買い(ドル安)を行ない、天井知らずの原油高騰となっているのが現状だ。
しかし、そういった投機だけでなく、原油高は世界一の原油消費国である米国の経済を圧迫し、その観点からもドル安へと傾いているのだ。
日本の円も原油高に弱い通貨といえる。日本は石油輸入率が非常に高く、またエネルギーの石油依存率も高い。そのため、ドルほどではないが、原油高が円にとってプラス材料となることは為替市場では考えられない。
逆にユーロは対ドル、対円という立場から、「原油高 → ドル安 → ユーロ高」になる傾向が強い。その他、石油資源国であるカナダドル、北海油田を持つ英ポンドは原油高の恩恵を受けやすい。また、豪ドルは原油高は経済で見るとマイナスだが、石炭や鉄鋼などの資源が豊富に取れるため、原油高につられて、それらの鉱物の価格が上がり、プラス材料になる。このようにひとつの商品価格の変動を見ても、影響を受けやすい通貨と受けにくい通貨がある。
商品相場は価格変動が激しいので、微々たる保有コストは問題にならず消極的に値上がり益を狙いにいく対象となりやすい。商品の値段が高いときにはドルが売られ安くなり、安いときにはドルが買われやすくなる。このことは原油先物市場の高騰を見てもわかるだろう。「原油高 → ドル安」「ドル安 → 原油高」の関係は、米ドル建てになっている宿命でそれに呼応して世界の投機筋がさらなる原油買い(ドル安)を行ない、天井知らずの原油高騰となっているのが現状だ。
しかし、そういった投機だけでなく、原油高は世界一の原油消費国である米国の経済を圧迫し、その観点からもドル安へと傾いているのだ。
日本の円も原油高に弱い通貨といえる。日本は石油輸入率が非常に高く、またエネルギーの石油依存率も高い。そのため、ドルほどではないが、原油高が円にとってプラス材料となることは為替市場では考えられない。
逆にユーロは対ドル、対円という立場から、「原油高 → ドル安 → ユーロ高」になる傾向が強い。その他、石油資源国であるカナダドル、北海油田を持つ英ポンドは原油高の恩恵を受けやすい。また、豪ドルは原油高は経済で見るとマイナスだが、石炭や鉄鋼などの資源が豊富に取れるため、原油高につられて、それらの鉱物の価格が上がり、プラス材料になる。このようにひとつの商品価格の変動を見ても、影響を受けやすい通貨と受けにくい通貨がある。