続く夜に負けないで 朝の光信じて ◆aa/58LO8JE
走って、走って、走って。
何度も転んで、何度も起き上がって。
逃げて、逃げて、逃げて。
アルちゃんから、尾花ちゃんから、嫌な事から逃げ続けて。
何度も転んで、何度も起き上がって。
逃げて、逃げて、逃げて。
アルちゃんから、尾花ちゃんから、嫌な事から逃げ続けて。
「桂!」
なのに、アルちゃんの声はわたしにすぐに追いついてきて。
「……あうっ!」
もっと走る速度を上げようとしたわたしは、足がもつれさせて転んでしまった。
「桂……」
アルちゃんが真後ろに立つ。
わたしは怖くて、振り返ることが出来なかった。
わたしは怖くて、振り返ることが出来なかった。
「こないで……!
……わたし……わたし、嫌な子になっちゃった……
わたし、尾花ちゃんの事……」
「案ずるな、あの者は生きておる。
生きて、汝の事を心配しておった! だから……」
……わたし……わたし、嫌な子になっちゃった……
わたし、尾花ちゃんの事……」
「案ずるな、あの者は生きておる。
生きて、汝の事を心配しておった! だから……」
アルちゃんの言葉に、少し安心する。
生きててくれて、ほんとうによかったと思う。
でも……
生きててくれて、ほんとうによかったと思う。
でも……
「でも、だめだよ……わたし、尾花ちゃんにひどい事した。
嫌な気持ちをコントロールできないで、尾花ちゃんの事を傷つけた……!
このままだと、わたし、アルちゃんにもひどい事しちゃう!
会う人みんなを傷つけちゃう!」
嫌な気持ちをコントロールできないで、尾花ちゃんの事を傷つけた……!
このままだと、わたし、アルちゃんにもひどい事しちゃう!
会う人みんなを傷つけちゃう!」
だから、終わりにしよう。
嫌な子になってしまったわたしは、もうサクヤさんと同じ所にいけないかもしれないけれど。
でも、このまま一人ぼっちで生きていくのは嫌だ。
このまま生き続けて、誰かを傷つけるのは嫌だ。
だから。
「汝の……汝の悲しみはわかる。
妾とて永遠に近き時を生きる魔導書……人ならざる存在。
幾人ものマスターと死に別れてきた」
妾とて永遠に近き時を生きる魔導書……人ならざる存在。
幾人ものマスターと死に別れてきた」
不意に、遠くを見るような目でアルちゃんが言った言葉。
その言葉にわたしは今朝の事を思い出す。
その言葉にわたしは今朝の事を思い出す。
『皆死んだぞ。正義のため欲望のため復讐のため……あらゆる動機で外道の知識を欲した者共が妾を手に取った
男も女も若者も老人もいた。その数はもはや十や二十で数え切れぬ。だが誰も彼もが悲惨な最期を遂げよったわ』
男も女も若者も老人もいた。その数はもはや十や二十で数え切れぬ。だが誰も彼もが悲惨な最期を遂げよったわ』
そうだ。
アルちゃんも同じだったんだ。
なのに、わたしは自分だけが不幸だって顔をして……
やっぱり、わたしは嫌な……
「だがな……その者達は消えてしまったわけではない」
「え……?」
「肉体を失おうと……魂が消滅しようとも……
あやつらは妾の記憶に残っておる! 心に刻み込まれておる!」
あやつらは妾の記憶に残っておる! 心に刻み込まれておる!」
アルちゃんは自分の胸を叩きながら言う。
その目はまっすぐにわたしの事をみつめていて……
その目はまっすぐにわたしの事をみつめていて……
「汝の心は本当に虚ろとなったのか?
そこにもう、浅間サクヤは存在せんと言うのか!?」
そこにもう、浅間サクヤは存在せんと言うのか!?」
そう言われて、わたしは振り返る。
自分の中を見つめてみる。
からっぽで、何もないはずのそこを覗き込む。
自分の中を見つめてみる。
からっぽで、何もないはずのそこを覗き込む。
真っ暗な、ほんとうに真っ暗なそこに、小さな光を見つける。
それは……
それは……
「いるよ、サクヤさん、ここにいる……」
「ならば」
「ならば」
「でも、やっぱり、もうダメ……
嫌な気持ちが止まらないから……
だから、わたしはいなくなった方が……」
嫌な気持ちが止まらないから……
だから、わたしはいなくなった方が……」
そうだ、このままいなくなってしまえば、きっと楽に……
「この大うつけが!
憎しみに負けそうだから死ぬだと?
自分はいなくなった方がいいだと?」
憎しみに負けそうだから死ぬだと?
自分はいなくなった方がいいだと?」
「そうだよ……だって、わたしが生きてると……」
「汝の意思など関係ない!
浅間サクヤが生きろと願うから!
尾花が生きろと願うから!」
浅間サクヤが生きろと願うから!
尾花が生きろと願うから!」
アルちゃんが叫ぶ。
わたしのほうに手を伸ばして叫ぶ。
わたしのほうに手を伸ばして叫ぶ。
「汝のたいせつなもの達がそう願うから!
そして、なにより……妾が汝に生きろと願うから!」
そして、なにより……妾が汝に生きろと願うから!」
ああ、どうしてだろう。
「だから生きよ、桂!
生きて、生きて、生き続けよ!」
生きて、生きて、生き続けよ!」
このまま生きていてはいけないはずなのに。
いなくなってしまった方がいいはずなのに。
いなくなってしまった方がいいはずなのに。
「憎しみなどに負けるな!
強さを……汝の強さを思い出せ、羽藤桂!」
強さを……汝の強さを思い出せ、羽藤桂!」
どうして、わたしは……
「わた……し……」
涙があふれて止まらない。
わたしの両目から、ぽろぽろと涙がこぼれる。
そして、それはアルちゃんも同じだった。
わたしの両目から、ぽろぽろと涙がこぼれる。
そして、それはアルちゃんも同じだった。
「わたし、尾花ちゃんに……謝ら、なきゃ……」
「ああ、きっと、あやつは許してくれるはずだ」
「ああ、きっと、あやつは許してくれるはずだ」
わたしたちは二人で抱き合って泣いた。
泣いて、泣いて、泣き続けた。
どうか、この涙で憎しみが消えますように。
【チーム『天然契約コンビ』】
【G-6歓楽街/1日目 昼】
【羽藤桂@アカイイト】
【装備】:今虎徹@CROSS†CHANNEL ~to all people~
【所持品】:支給品一式、アル・アジフの断片(アトラック=ナチャ)
魔除けの呪符×6@アカイイト、古河パン詰め合わせ27個@CLANNAD
【状態】:深い悲しみ、憎しみ?、右腕切断、全身に擦り傷、鬼、アル・アジフと契約、サクヤの血を摂取
【思考・行動】
0:今はただ泣きたい
1:尾花に謝る
【備考】
※古河パン詰め合わせには様々な古河パンが入っています。もちろん、早苗さんのパンも混じってます。
※魔除けの護符は霊体に効果を発揮する札です。直接叩き付けて攻撃する事も可能ですし、四角形の形に配置して結界を張る事も出来ます。
但し普通の人間相手には全く効果がありません。人外キャラに効果があるのかどうか、また威力の程度は後続任せ。
※マギウススタイル時の桂は、黒いボディコンスーツに歪な翼という格好です。肌の変色等は見られません。
使用可能な魔術がどれだけあるのか、身体能力の向上度合いがどの程度かは、後続の書き手氏にお任せします。
※制限によりデモンベインは召喚できません。
※B-7の駅改札に、桂達の書いたメモが残されています。
※桂はサクヤEDからの参戦です。
※桂は、士郎の名前を知りません(外見的特徴と声のみ認識)
※桂はサクヤの血を摂取したお陰で、生命の危機を乗り越えました。
※サクヤの血を摂取した影響で鬼になりました。身体能力が向上しています。
※憎しみに囚われかけていましたが、今は安定しています。しかし、今後どうなるかはわかりません。
【装備】:今虎徹@CROSS†CHANNEL ~to all people~
【所持品】:支給品一式、アル・アジフの断片(アトラック=ナチャ)
魔除けの呪符×6@アカイイト、古河パン詰め合わせ27個@CLANNAD
【状態】:深い悲しみ、憎しみ?、右腕切断、全身に擦り傷、鬼、アル・アジフと契約、サクヤの血を摂取
【思考・行動】
0:今はただ泣きたい
1:尾花に謝る
【備考】
※古河パン詰め合わせには様々な古河パンが入っています。もちろん、早苗さんのパンも混じってます。
※魔除けの護符は霊体に効果を発揮する札です。直接叩き付けて攻撃する事も可能ですし、四角形の形に配置して結界を張る事も出来ます。
但し普通の人間相手には全く効果がありません。人外キャラに効果があるのかどうか、また威力の程度は後続任せ。
※マギウススタイル時の桂は、黒いボディコンスーツに歪な翼という格好です。肌の変色等は見られません。
使用可能な魔術がどれだけあるのか、身体能力の向上度合いがどの程度かは、後続の書き手氏にお任せします。
※制限によりデモンベインは召喚できません。
※B-7の駅改札に、桂達の書いたメモが残されています。
※桂はサクヤEDからの参戦です。
※桂は、士郎の名前を知りません(外見的特徴と声のみ認識)
※桂はサクヤの血を摂取したお陰で、生命の危機を乗り越えました。
※サクヤの血を摂取した影響で鬼になりました。身体能力が向上しています。
※憎しみに囚われかけていましたが、今は安定しています。しかし、今後どうなるかはわかりません。
【アル・アジフ@機神咆哮デモンベイン】
【装備】:サバイバルナイフ
【所持品】:支給品一式、ランダムアイテム×2 、斬り落とされた桂の右腕
【状態】:背中に重度の打撲、全身に擦り傷、魔力消費中、肉体的疲労中、羽藤桂と契約
基本方針:大十字九郎と合流し主催を打倒する
0:桂を慰める
1:桂と協力する
2:九郎と再契約する
3:戦闘時は桂をマギウススタイルにして戦わせ、自身は援護
4:信頼できる仲間を探す
5:時間があれば桂に魔術の鍛錬を行いたい
【備考】
※制限によりデモンベインは召喚できません。
※B-7の駅改札に、桂達の書いたメモが残されています。
※アルは士郎の名前を知りません(外見的特徴と声のみ認識)
※アルからはナイアルラトホテップに関する記述が削除されています。アルは削除されていることも気がついていません。
※アルはサクヤと情報交換を行いました。
※斬り落とされた桂の右腕は、氷の詰まったビニール袋の中に入れられています。
【装備】:サバイバルナイフ
【所持品】:支給品一式、ランダムアイテム×2 、斬り落とされた桂の右腕
【状態】:背中に重度の打撲、全身に擦り傷、魔力消費中、肉体的疲労中、羽藤桂と契約
基本方針:大十字九郎と合流し主催を打倒する
0:桂を慰める
1:桂と協力する
2:九郎と再契約する
3:戦闘時は桂をマギウススタイルにして戦わせ、自身は援護
4:信頼できる仲間を探す
5:時間があれば桂に魔術の鍛錬を行いたい
【備考】
※制限によりデモンベインは召喚できません。
※B-7の駅改札に、桂達の書いたメモが残されています。
※アルは士郎の名前を知りません(外見的特徴と声のみ認識)
※アルからはナイアルラトホテップに関する記述が削除されています。アルは削除されていることも気がついていません。
※アルはサクヤと情報交換を行いました。
※斬り落とされた桂の右腕は、氷の詰まったビニール袋の中に入れられています。
◇◇◆◇◇
「私は何をやっているんだ……」
繁華街から少し離れた民家の一室で、なつきは自嘲気味に呟いた。
静留を探すでもなく、かと言って羽藤桂とフカヒレを探すというわけでもなく……
溜息を吐く少女の視線の先には、いまだ意識のない白い獣の姿。
全身に応急処置がなされたその姿を見つめながら、なつきは再び溜息を吐いた。
静留を探すでもなく、かと言って羽藤桂とフカヒレを探すというわけでもなく……
溜息を吐く少女の視線の先には、いまだ意識のない白い獣の姿。
全身に応急処置がなされたその姿を見つめながら、なつきは再び溜息を吐いた。
【G-5民家/1日目 昼】
【玖我なつき@舞-HiME 運命の系統樹】
【装備】:ELER(二丁拳銃)、尾花@アカイイト
【所持品】:支給品一式×2、765プロ所属アイドル候補生用・ステージ衣装セット@THE IDOLM@STER、
『全参加者情報』とかかれたディスク、カードキー(【H-6】クルーザー起動用)
ベレッタM92(9ミリパラベラム弾 15/15+1)、ベレッタM92の予備マガジン(9ミリパラベラム弾 15発入り)×3
七香のMTB@CROSS†CHANNEL ~to all people~、不明支給品(0~1)、
クルーザーにあった食料、双眼鏡、首輪(サクヤ)
【状態】:健康、迷い
【思考・行動】
基本:静留と合流する
0:私は何をやっているんだ……
1:羽藤桂、フカヒレを探す?
2:ゲームに乗るかどうかは未定だが……
【備考】
※装備品のELERは支給品ではなくなつきのエレメントです。
※チャイルドが呼び出せないことにおそらく気づいています。
※人探しと平行して、ゲームの盲点を探し本当のゲームの参加者になる。
※盗聴の可能性に気付きました。
※『本当の参加者』、もしくは『主催が探す特定の誰か』が存在すると考えています。
※佐倉霧の言いふらす情報に疑問視。
※権利は元の世界に返すや死者蘇生と考えてます
【装備】:ELER(二丁拳銃)、尾花@アカイイト
【所持品】:支給品一式×2、765プロ所属アイドル候補生用・ステージ衣装セット@THE IDOLM@STER、
『全参加者情報』とかかれたディスク、カードキー(【H-6】クルーザー起動用)
ベレッタM92(9ミリパラベラム弾 15/15+1)、ベレッタM92の予備マガジン(9ミリパラベラム弾 15発入り)×3
七香のMTB@CROSS†CHANNEL ~to all people~、不明支給品(0~1)、
クルーザーにあった食料、双眼鏡、首輪(サクヤ)
【状態】:健康、迷い
【思考・行動】
基本:静留と合流する
0:私は何をやっているんだ……
1:羽藤桂、フカヒレを探す?
2:ゲームに乗るかどうかは未定だが……
【備考】
※装備品のELERは支給品ではなくなつきのエレメントです。
※チャイルドが呼び出せないことにおそらく気づいています。
※人探しと平行して、ゲームの盲点を探し本当のゲームの参加者になる。
※盗聴の可能性に気付きました。
※『本当の参加者』、もしくは『主催が探す特定の誰か』が存在すると考えています。
※佐倉霧の言いふらす情報に疑問視。
※権利は元の世界に返すや死者蘇生と考えてます
【尾花@アカイイト】
【状態:気絶中、脳震盪、刀によるかすり傷、右後ろ脚骨折(共に応急処置済み)】
【思考】
基本方針:桂を救う。葛を探す
【状態:気絶中、脳震盪、刀によるかすり傷、右後ろ脚骨折(共に応急処置済み)】
【思考】
基本方針:桂を救う。葛を探す
112:Monochrome~モノクローム~ | 投下順 | 113:Second Battle/少年少女たちの流儀(前編) |
時系列順 | 115:もう一人の『自分』 | |
羽藤桂 | 122:決意 ~誇りと思い出を胸に | |
アル・アジフ | 122:決意 ~誇りと思い出を胸に | |
玖我なつき | 118:I am me |