ギャルゲ・ロワイアル2nd@ ウィキ

Anti-Mission

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Anti-Mission ◆I9IoWegESk


 以前支倉曜子だった者は、かつて蒼井渚紗だったモノの側に立つ。
怪人の首には、コンサートホールで調達した、紐付きのオペラグラスが掛けられている。
渚紗の亡骸を発見できたのもこのレンズのお陰だ。

「それ」の狙いは首輪の再補充。たとえ、首輪解除を目指さないとしても、
爆弾と榴弾して利用価値があると考えたからだ。
トラップとの複合も考え、中世西洋風の街で必要な工具も調達してある。

 曜子を壊したのは獣がつけた同型のリング。怪人はこの事実に、いかなる感情を抱いているのだろうか。
包帯が怪人の乏しい表情を完全に覆い隠している。
 黒須太一が存在する限り、怪人の指標は揺るがない。「それ」は自動的に、そして機械的に斧を振り下ろす。
オペラグラスが振り子のように揺れ、首輪が弧を描いた。

 † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † †

 暖かな陽光が薄雲に遮られた刹那、定刻の放送が始まった。
それは前回と異なり、至極事務的なものだった。

――太一は生きている。生きている。生きている……。

 曜子は暫し瞬きすら忘却し、音の方向に身体を向けていた。

 太一と共に脱出できないなら、彼ひとりだけで生き延びて欲しい。
それは不純な願望、有体にいえば独占欲。そのために彼女はすべて殺し、そして自害する。
 だが、それは何の見返りのないルーチンワーク。
曜子自身は太一から感謝の声も、労いの言葉も聞くことは出来ない。
彼女は彼のためにモノになったはずなのに……それは寂しかった。悲しかった。苦しかった。

 己の焼け爛れた身体を呪い、白い包帯から漏れる嗚咽。
だが、それも一瞬のこと。曜子の機械的な部分は、戦場で気を緩めることを許さない。
再び地に日が差し込む時、彼女の姿は消えていた。


 † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † †

 暫し姿を晦ました怪人は、変電所の前に姿を現す。
デイパックの中の首輪は1つから2つに増えていた。
無論、「それ」は地図にない施設を予め知っていた訳ではない。
あくまで当初の目的は駅であり、この変電所は予想外の収穫といえる。

理性の怪物は放送の後、
自分が「島に着いてから」出会った参加者の性格を生死問わずカテゴライズしていた。

 正義の味方              3人(如月双七、如月双七の師、棗恭介)
 正義の味方に近い凡人         2人(清浦刹那トルティニタ・フィーネ)
 エゴイストに近い凡人         0人
 エゴイスト若しくは歪んだ理想主義者  1人(衛宮士郎)
 危険人物               1人(侍の魔人)

衛宮士郎は今となっては危険人物だろうが、あくまで初対面を基準に考える。線路沿いで談笑していた少女二人はデータ不足なので割愛した。

 こうして見ると、この「ゲーム」には正義の味方が多過ぎる。
しかも、彼らは連係プレーを得意としており、この手の人物にありがちな思考の硬直性も見られなかった。
世界とは本来、醜いもの。主催者がランダムに参加者を人選すれば、
このような比率にはならないはず。主催者の作為を想定に入れねばなるまい。

 そして、異世界跳躍の技術を持ち、死者復活の力を騙りながら、首輪に監視カメラらしきものを仕込むアンバランスさ。
主催者は「ゲーム」のために、自らに制約を課しているとも考えられる。

 ならば、第一回放送の優勝と脱出を等価とみなす発言は何を意味するのか。
ひょっとすると、この「ゲーム」は参加者の優勝だけでなく、島からの脱出も想定しているのかもしれない。
本当の地獄は「ゲーム」の先にあるのだろう。主催者あるいは黒幕の目的は……

 怪物はここで考察をやめた。現時点では参加者の標本は少ないなど、仮説に穴が多過ぎる。
それ以前に、今の自分は太一の優勝を切り拓くモノ。脱出の先を考えたところで無意味だ。

 怪人は身体をふらつかせながら変電所内部に潜入し、電力の供給ラインを確認する。
日頃の過酷な鍛錬のお陰で、過度の疲労でも簡単に意識を失うことはない。

 正義の味方はこの島の交通網、通信網を利用して、他の仲間と連携を取っているのは想像に難くない。
ならば、彼らのライフラインを断ち切れば良い。初めに駅を目指したのもそのためである。
また、各地の電気供給を遮断すれば、弱者を抱える負担は増大する。

 これらの効果は、遠隔操作やタイマーを用いて、狙った状況で実行できれば増大するだろう。
 ただし、正常な左手だけで作業するのは時間が掛かる。
質より量で、手当たり次第にインフラを切断するのもひとつの手だ。
 ただし、この喧騒で太一を不安定にするリスクは最小限に抑えたい。

……そして、巧妙に隠された地下通路。
これを使えば安全に移動できるが、既に誰かがこの通路を発見していた場合、
狭い場所で戦いを強いられる危険がある。

 理性の怪物は、前頭葉を馬車馬のように働かせ、最適解を模索する。
もっと上手くやらねばなるまい。もう失敗は許されない。

【G-4 変電所(駅)/1日目 日中】

【支倉曜子@CROSS†CHANNEL ~to all people~】
【装備】:斧、投石器、全身に包帯、トレンチコート(男物)、バカップル反対腕章@CROSS†CHANNEL 、オペラグラス
【所持品】:石材3個、シンナー入りガラス瓶3個、首輪2つ(蒼井、向坂)、工具一式
【状態】:肉体疲労(大)、右半身大火傷(処置済み)、胸部に激痛(処置済み)、右目が充血(視力低下)、髪を切りました
【思考・行動】
 基本方針:太一の為に、太一以外を皆殺し。
 1:ゲームの参加者を見つけたら殺す。
 2:人間でなくとも生きているなら殺す。
 3:動いたら殺す。動かなくとも殺す。
 4:話しかけてきても殺す。無言でも殺すし、叫んでも殺す。
 5:泣いても殺す。怒っても殺す。笑っても殺す。
 6:投石器で殺す。なくなったら斧で殺す。殺したら相手の武器を奪ってそれでまた他の人間を殺す。
 7:交通・通信網を分断し、電力を遮断して殺す。
 8:殺す。
 9:(…………………………………………太一)

【備考】
 ※登場時期は、いつかの週末。固定状態ではありません。
 ※佐倉霧山辺美希のいずれかが自分の噂を広めていると確信。
 ※支倉曜子であることをやめました。
 ※「ゲーム」の主催者は脱出も想定していると考えました。


156:赤より紅い鬼神/無様を晒せ (後編) 投下順 158:キャル・ディヴェンス
156:赤より紅い鬼神/無様を晒せ (後編) 時系列順 158:キャル・ディヴェンス
125:オペラ座の怪人 支倉曜子 160:世界の中心、直枝さん(後編)

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