必殺!スーパー能力

ひっさつ!スーパーのうりょく

ウルトラスーパーボスバトル

収録作品:星のカービィ Wii[Wii]/星のカービィ Wii デラックス[NS]
作曲者:安藤浩和

概要

はかい(りょく) さいだいきゅう!
つるぎの スーパーのうりょく( )
その()ウルトラソード!
大地(だいち) もろとも きりさいて
みごと いっとう りょうだんだ!( )


本作の象徴というべきシステムである「スーパー能力」を発動すると流れる曲。
星のマークを付けた綺羅びやかな敵からコピーした瞬間に、インパクトのあるイントロとともにカメラが2周して豪華な見た目のカービィが見栄を切るという特殊演出が入り、この時点で今までのコピー能力とは訳が違うと一発で認識できる。
そして「スーパー能力」はどれもこれもが画面全体に及ぶ豪快な技であらゆる敵を全て薙ぎ倒すのはもちろん、地形にまで影響を与えるほどの力を持っており、これまでのコピー能力とは完全に別次元の破壊力と演出で新時代のカービィシリーズの幕開けをプレイヤーに知らしめることになった。
その後の作品で「ビッグバン」や「ロボボアーマー」といった「スーパー能力」の流れをくむシステムが続いていったことを考えると、シリーズに与えた影響は大きなものであったと言えるだろう。
なお最初のスーパー能力であるウルトラソードは演出面における力の入れ方が特別であり、その後の作品やブラにも顔を出す、事実上の『星のカービィ Wii』における看板役となっている。
これだけの大胆極まりないシステムに見合うように、曲はオーケストラ調の勇ましく力強い曲となっている。
また一部には「スカイタワー」や「GREEN GREENS」のフレーズも含まれており、新しさと懐かしさを両立した雰囲気も併せ持っている懐の広い曲と言えるだろう。


異空(いくう)まう 金色(こんじき)巨鳥(きょちょう) グランドローパー。
スフィアのもつ ジゲンをこえる (つよ)いパワー
ひきよせられて あらわれた! ナッツヌーンの( )
上空(じょうくう) ぜんたいが ゆがみ はじめ この、
ローパーの親玉(おやだま)まで よびよせてしまった!



スフィアの エネルギーによって、あちこちに
異空間(いくうかん)へと つながる あなが あいてしまう。
(なか)でも パワーの(つよ)マストのパーツに より
とても巨大(きょだい)な あな()き、ついには
グランドローパー EX までも ひきよせたのだ!()

レベル5「ナッツ ヌーン」のボスにして、ポップスターにおけるラストボスを務める「グランドローパー」との戦いは、「スーパー能力」を使ったシリーズ前代未聞の演出が仕込まれていた。
グランドローパーのHPを削り切ったかと思うと僅かに残り、カバードスフィアを展開し普通の攻撃が一切効かない状態となる。
しばらくすると虹色に光るスーパーブレイドナイトが現れるのでウルトラソードをコピーすると、曲が「必殺!スーパー能力」…ではなく「ウルトラスーパーボスバトル」に切り替わる。
この曲は「必殺!スーパー能力」を熱く激しくアレンジしたものであり、疾走感も相俟ってプレイヤーのテンションを一気に引き上げてくる。
戦闘もウルトラソードでカバードスフィアをすべて叩き割り、乱れ切りをぶちかましてフィニッシュという豪快な内容である。
この戦闘曲の変更とトドメ演出を採用したグランドローパー戦は大きな衝撃を与え、発売直後はこの先のハルカンドラの事前情報もなかったことから本作のラスボス戦と勘違いしたプレイヤーもいたとか。
なお本作のラスボス戦でも同じ展開となるのだが、この後の展開を考えると、グランドローパー戦の演出はこのラスボス戦の仕込みも兼ねていたようである。
この曲は7-3の終盤でも流れるのだが、不穏極まりない曲が一転した後ウルトラソードで中ボス勢を無双していく様は爽快である。

この演出は後の作品におけるスペシャル能力を使った最終決戦のアーキタイプとなり、曲も付随して最終決戦イベント曲を次々と排出していったことを考えると、このグランドローパー戦はシリーズの演出に決定的な影響を与えた極めて重要なイベントであったと見ていいだろう。


支配(しはい)の じゅ(ばく)から あの()()きはなち、
この滅亡(めつぼう)の れんさを ()()には…
(みずか)らの悪事(あくじ)ケジメを つけるには…
コレしかない! ()にした(つるぎ)全魔力(ぜんまりょく)をそそぎ、
(いっ)(とう)(りょう)(だん)Pay For One's Sin!


リメイク作『星のカービィ Wii デラックス』の追加エピソード「マホロアエピローグ」でも、なんと最終決戦イベントが用意されていた。
これが通算六曲目にして初となる追加エピソードでの最終決戦イベントとなる。
また作曲者も初めて安藤浩和氏の手を離れ、「マホロアエピローグ」の曲の半分近くを作曲した下岡優希氏が担当した。
王亡き樹冠と化したマスタークラウンとの因縁を断つため、マホロアは近くに突き刺さっていた一本の剣を手に取り、全ての力を注ぎ込む。
すると剣は本編のそれによく似た、以前の作品でマホロア自身が振るっていた造形のウルトラソードへ変化。
真っ向から振り下ろしマスタークラウンと雌雄を決することになる。
罪を清算する(Pay For One's Sin)ために立ち向かう熱い展開に見合うように、この最終決戦イベント曲「アトシマツ ~Pay For One's Sin!~」は、イントロの「ウルトラスーパーボスバトル」以降メインテーマの「断罪のマルスプミラ」となり、終盤は「支配してアゲルヨォ」のフレーズの裏で「彼方からの旅人マホロア」のフレーズが入った疾走感全開の熱いロックアレンジメドレーとなった。
先のラストバトルと含めてマホロアに関係する曲の集大成というべきものとなっており、12年の時を経て明かされるアトシマツと、その先に繋がる物語に相応しいものである。

"One's" というのは本来 "my" や "your" などに置き換えるべき単語。つまり、「己の罪を清算しろ」ならば "Pay For Your Sin" あたりにするのが適切である。
しかし、この曲名では英名も含めて、敢えて所有者を指定しない "One's" とされている。つまり「清算すべき罪」の持ち主は必ずしもマホロアに限らず、かつてマスタークラウンに頼った誰か、あるいはマスタークラウンを生み出した者、はたまた幾星霜業を積み重ねられたマスタークラウンそのものなど、多様な解釈ができるようになっている。

この曲は『テトリス99』でのコラボイベントである第33回 テト1カップでも使用されており、残り人数10人になるとこの曲が流れ始める。
これまでのコラボイベントの残り10人以下の曲は、第19回での「ヒストリー オブ カービィファイターズ」以外は全て「マスクド・デデデのテーマ」の派生曲だったが、これらの曲に負けないほどの熱さを持った曲だからこそ抜擢されたのだろう。

過去ランキング順位

星のカービィ Wii「必殺!スーパー能力」

星のカービィ Wii「ウルトラスーパーボスバトル」

星のカービィ Wii デラックス「アトシマツ ~Pay For One's Sin!~」


サウンドトラック

星のカービィ Wii ミュージックセレクション


関連動画

星のカービィ スペシャル能力「スーパー能力」紹介映像

第33回テト1カップ「星のカービィ Wii デラックス コラボ祭!」

「ぼうけんのはじまり」と「WELCOME TO THE MAGOLOR LAND!」と「アトシマツ ~Pay For One's Sin!~」が使われている。

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最終更新:2025年03月13日 22:20