&italic(){「 救われてくれよ。我が父のように、母のように……娘よ……」} &italic(){「おまえは幸せになるべきだ」} 崑崙宮殿に単身乗り込んだ[[静乃>石神静乃]]はそこで自分の心から発せられる声に気付く。 [[万仙陣]]を崩せば、[[黄錦龍]]を倒せば、偽りであり幸福である夢は消え、自分にとって理想ともいうべき世界が壊れてしまう。現実はとても辛い、この夢を消してしまえば残っているのは荒野だけだ、だからお前を許容できない。 そうして自分自身と戦いを始める静乃だが、その姿に黄錦龍は胸を痛め、深く悲しんでいた。 自分自身と傷つけあう、それが己にとっての理想ならば好きにやればいい、だけどこの少女はそれを望んでいない、苦しみながら自分と傷つけあっている。 それではいけない、どうすればこの少女を救えるのだろうか?心の奥底から悲しみながら考えていた。 やがて戦いが終わり、静乃がもう一人の自分というべき自身の心と共に現実を生きよう、と折り合いをつけた時である。黄錦龍はその結末を許容できなかった、彼女は救われるべきだ、自分の母が、父が、そうであったように。 娘である静乃も救われるべきだと。 それにより彼は[[致命的な反撃>静乃の急段]]を受け、それが最終決戦に尾を引く形になってしまう。 ---- #comment