ガンダム・エアリアル(改修型)

ガンダム・エアリアル(改修型)
GUNDAM AERIAL REBUILD
登場作品 機動戦士ガンダム 水星の魔女
型式番号 XVX-016RN
全高 18.2m
重量 53.2t
所属 シン・セー


【設定】

シン・セー開発公社によって全面的に改修が施されたガンダム・エアリアル
グラスレー寮との決闘で負ったダメージの修復に伴って、外部装甲や装備類の刷新・追加が行われた。
翼型のフライトユニットを追加する事で、従来の弱点だった空間機動性や飛行時の旋回能力が向上し、胸部装甲の増強によりコックピット付近の防御力が上昇。
これらを含めた大規模な改修により、全重は2割強の大幅増となり、全高も若干伸びた。

また型式番号も「XVX-016」から「XVX-016RN」へと変更されている*1
外見もほとんど原型を留めておらず、エアリアルの特徴だった丸みを帯びたデザインの面影はほぼなく、全体的に直線的な厚みを増したパーツで構成されている。
頭部にはブレードアンテナがもう一対追加され、口の赤い部分が増えてへの字スリットが刻まれるなど、良くも悪くも従来のガンダムらしさを彷彿とさせるデザインとなった。
アイカメラも若干細く角張った形状となり、特に作画においてはカメラの硬質さが強調され、対峙したソフィ・プロネは相手がエアリアルとは認識しながらも「怖い顔」「前の方が好きだった」などと評している。


【武装】

ビームライフル

改修前のものと比べて大型化し、無骨なデザインとなっている。
ガンビットとの連携を重視した設計が行われ、ビームブレイドの機能がオミットされたが、代わりにバレルを伸長し、長距離狙撃に対応するロングレンジモード、そして後述のガンビットライフルへの変形・機能向上が可能となった。

エスカッシャン

改修前から引き続き使用されている多目的攻防用プラットフォーム。以前と変わらず11基のビットステイヴで構成されており、シールドやビットオンフォームへの合体も可能。
機体の改修に合わせて外装のリニューアルが行われた他、今までは2基だけだったビームライフルとの合体機能がビット全てに追加されている。

ビームサーベル

改修前と変わらずバックパック上部に2基が備わっており、ビームの色も変わらず青緑となっている。

頭部バルカン砲

こちらも改修前と変わらず、頭部ブレードアンテナより上側に装備されている。

ガンビットライフル

全てのビットステイヴをビームライフルの銃身に接続した形態で、本機の最大兵装。
この状態だと、掠めただけで戦闘用MSの脚部を融解させるほどの高威力のビームを発射できるようになったが、この時のビームの色は実戦用ではない出力の低い決闘仕様の状態であり、その力はまだ底を見せていない。
設定でも、対艦級の火力までビーム出力を引き上げることが可能になったとされている。


【原作の活躍】

プラント・クエタの襲撃者の一味であるガンダム・ルブリス・ウルとガンダム・ルブリス・ソーンを相手にしても苦戦することなく終始優勢で、他の要素もあったものの最終的には撃退に成功した。
その後はテロリストに襲われているミオリネを救出すべく、そのテロリストを文字通り叩き潰した。

プラント・クエタでの事件から学園に帰還したのち、改修中に溜まっていた決闘をまとめて消化。
5連戦というハードな内容であったが、これに難なく勝利した。
オープンキャンパスに合わせて開催されたバトルロイヤル型のエキシビション『ランブルリング』でも出撃。
チュチュのデミトレーナーとエランのファラクトが僚機となり、それをすり抜けてきたレネ・コスタのハインドリーや、さらに割って入ったラウダ・ニールのディランザと交戦する。

ソフィのルブリス・ウル、ノレア・デュノクのルブリス・ソーンがガンヴォルヴァを引き連れて乱入した際には直前に約束していた"決闘"と称して実戦出力のルブリスウルに執拗に狙われ、「(エアリアルが暴力マシーンでないなら)何故武器を持っているのか」と問われ困惑するスレッタは防戦一方に。右フライトユニットを破壊されてしまう。
そのまま撃破される危険もあったが、ここでガンビットによる空間の掌握が発生。ルブリスウルのGUNDフォーマットに干渉し、さらにガンヴォルヴァのコントロールを奪い取る。この結果、ルブリス・ウルに乗っていたソフィにデータストームが逆流し、その負荷に耐え切れず息絶えてしまった。

ランブルリングでの事件後は地球寮に事件関与の疑いがかけられたため、デミトレーナー共々フロント管理社に接収されてしまう。
この時、エラン・ケレスがペイル社の命令により本機の奪取を試みるが、突如強制的にGUNDフォーマットとリンクさせられ、本機の中にいるエリクト・サマヤにも拒絶されたことで失敗に終わった。

地球寮の嫌疑が晴れると返却されたが、直後にミオリネの差し金により、スレッタは復学したグエルのダリルバルデと決闘を行うことに。時間や資金の問題とニカの不在もあり、右フライトユニットを損失したまま決闘に臨むことになる。
片肺の状態ではあったが本機の性能とスレッタの実力、そしてグエル自身のトラウマによる不調により優勢で戦闘を進めるも、意思拡張AIの補助もあり反撃に出たダリルバルデによって左腕を切断される。
それに対抗すべくオーバーライドで敵機のドローンを奪ったエアリアルはさらにパーメットスコアを上昇させ、シェルユニットが白く発光。相手に致命的な損傷を与えたのち、必殺のガンビットライフルをスタンバイし、この戦いはスレッタの勝利で終わる……かと思われた。

クワイエット・ゼロによる悲願の成就のためにパーメットスコアの上昇が必要だったプロスペラと、これ以上彼女の計画や復讐、ガンダムなどにスレッタを関わらせたくなかったミオリネ。彼女たちの結託により、ミオリネがスレッタの端末に仕込んでいたアプリを起動。エアリアルは一切の機能を停止してしまう。
その隙を逃さなかったダリルバルデは満身創痍の状態ながらエアリアルのブレードアンテナを切断。決闘はグエルの勝利で終わり、無敗のGUND-ARM、エアリアルは初の敗北を喫する。
グエルが決闘に賭けていたのは「エアリアルを貰い受ける」こと。そして失意のスレッタの元に現れたミオリネは自身がスレッタを負けさせるためにエアリアルを止めたことを告げ、『取引』の終了と訣別を言い渡した。
スレッタはこの敗北によってホルダーの地位、ミオリネの花婿の地位、そして家族だったエアリアルを失うことに。戦術試験区域の曇天の下、本機はただ、力無く跪くのみだった。

その後はシン・セー開発公社によって修復される。ミオリネが地球に赴きアーシアンの抗議活動側と交渉に向かう際には株式会社ガンダムと、ひいては総裁選後のベネリットグループの理念を体現する存在としてエアリアルを非武装・学園設定で同行させる事を決定する。
その後、スレッタがミオリネに会いに来た際には何故かエアリアルまで誘導され、しばらく宇宙遊泳しながら話をしていたが、本機の中にいるエリクトはスレッタの出生の真実やプロスペラの目指すものをデータストームによって明かし、スレッタをコクピットから排出。そこにやってきたプロスペラも彼女を自身らから突き放して本機に乗り、ミオリネがいるシャトルに格納されて地球に向かった。
地球のクイン・ハーバーではプロスペラが搭乗し、非武装でミオリネらの車列に同行。しばらくしてグエルがケナンジと共に急遽宇宙に帰還することになったのだが、これを見計らって、密かに持ち込んでいたガンビットにより周辺のパーメットを使用する機体を掌握。アーシアン側の戦闘用モビルクラフトを操って自身に至近弾を撃たせ、「デモ側から攻撃を受けた」と通告。武力衝突を誘発した。
その後はこれまた持ち込んでいたライフルを装備して近郊の山岳地帯へ移動。その中の地下施設に向かったプロスペラの前に並んでいたのは大量の量産型ルブリスであった。オックス・アース社の残党とそれを工作組織として利用する議会連合が密かに保有していたそれらを、彼女はガンビットライフルの実戦出力で一掃した。

クイン・ハーバーでの一件以降は消息不明となっていたが、プロスペラと共に宇宙に帰還。クワイエット・ゼロと呼ばれた大型衛星内部において、コアとして接続される。
その後宇宙議会連合の艦隊が衛星を押収せんと攻撃してきた際には、この計画用に開発された無人機『ガンドノード』を制御して応戦。最終的にはクワイエット・ゼロによる広大なデータストームネットワークで艦隊全てをオーバーライドし、無抵抗となったMSカラゴールや戦艦をガンドノードに蹂躙させた。

第23話では、クワイエット・ゼロを止めるべく立ち向かってきたスレッタのガンダム・キャリバーンと本作の事実上のラスボス機として対決(プロスペラがクワイエット・ゼロ内の管制室にいた描写から、このときのエアリアルのコクピットは無人となっている)。
スレッタがデータストームのハンデを負っていることと、エリクトを傷つけたくない一心もあってか、常に優勢だった。
ボロボロになりながらも諦めないスレッタに猛攻を加えながら諦めてくれと優しい声で語りかけるエリクトの様子は必見。
しかし、突如としてクワイエット・ゼロのデータストームが弱体化し、ガンドノードが機能を停止してしまう。更に、宇宙議会連合とペイル社が結託しL1惑星間レーザー送電システムILTSをクワイエット・ゼロに向けて照射。プロスペラとクワイエット・ゼロを守るために、ガンドノードと共にその身を盾にして防ぐが、大破してしまった。大出力ビームを防いだ反動で大破した本機はキャリバーンに抱えられてGUND-ARM.inc陣営に回収される。

四肢を失い、その他の破損も酷かったためにその場での再起動はできず、急遽クワイエット・ゼロに持ち込まれ、プロスペラから『クワイエット・ゼロと再度接続すればエリクトは目を覚ます』ということを伝えられるも、スレッタはエアリアルを抱えさせたままのキャリバーンをクワイエット・ゼロとリンクさせてエリクトの意識を覚醒させようとする。
データストームに取り込まれていたスレッタの知るエランの協力もあってエリクトの意識を覚醒させることに成功するも、同時に再び大出力ビームが発射されようとしていることを感知し、スレッタはエアリアルとともにクワイエット・ゼロを飛び出しエリクト達と対話。
スレッタの選択を受け入れたエリクト達によりエスカッシャンがキャリバーンに装着され、両機共に『スコア8の先』へ到達しシェルユニットが虹色に変化。更にキャリバーンのデータストーム空間により呼び寄せられた無人のシュバルゼッテとファラクトの4機で共鳴し合うことで極大データストーム空間を展開、ILTSをオーバーライドして強制停止。大出力ビームの発射シークエンスを強制的に中断させることに成功する。
そして4機のGUND-ARMはパーメットを消費しすぎたことで、機体をパーメットに変換・分解されて消失。消失間際にエアリアルからエリクトが抜け出し、キーホルダーに宿ることでエリクトを生かしたままGUND-ARMの呪いを断ち切ることを果たした。



【搭乗者】

スレッタ・マーキュリー

CV:一ノ瀬佳那
新たな『ガンダム』の攻撃から必死で逃げ惑い、エアリアルが格納されている格納庫に辛うじてたどり着くスレッタだったが、そこはフォルドの夜明けにより占拠されていた。
隠れている最中に物音を立ててしまい絶体絶命の危機に陥るが、プロスペラとその部下のゴドイが兵士を射殺し窮地を免れた。眼前で死を目撃したショックで戦意を失った彼女に、プロスペラは「皆を救えるのはあなただけ」と、幼い頃から聞かせてきた「逃げたら1つ、進めば2つ」の言葉と共に激励する。

プロスペラの激励を受けて奮起したスレッタは、改修されたエアリアルの力で自身をつけ狙う『ガンダム』と、合流してきたもう一機の『ガンダム』を退けると、ミオリネがいる場所へ急ぐ。スレッタがたどり着いたちょうどその瞬間に見たものは、重傷を負ったデリングを運ぶミオリネと、二人を射殺しようとしているテロリストの姿だった。スレッタはエアリアルの手でテロリストを叩き潰しミオリネを救い、血塗れの手で救いの手を差し伸べるが、ミオリネは「人殺し」と静かに拒絶してしまう…。

プラント・クエタのテロ事件から2週間後。プラント・クエタでの事件はテロではなく事故として処理され、スレッタたち株式会社ガンダムのメンバーには箝口令が敷かれていた。ミオリネが事件の事情聴取で不在の中、スレッタはホルダーの義務として定められた決闘をこなしつつ、近く行われるオープンキャンパスへの準備を進めていた。

そんなある日、クエタの襲撃犯であるソフィ・プロネとノレア・デュノクが編入生として学園に潜入してくる。ソフィに「お姉ちゃん」と慕われることに気を良くするスレッタだったが、オープンキャンパスの当日にニカを殺害しようとするソフィとノレアを目撃する。ニカを助けるために、スレッタは二人に対して決闘を申し込む。
ソフィが決闘を受諾し、自分が勝った場合はスレッタに本当の姉になってもらうと宣言。その後に行われた乱戦形式の決闘イベント「ランブルリング」にスレッタは出撃するが、姿を見せたルブリス・ウルとルブリス・ソーンは決闘仕様ではなく実戦仕様になっており、召喚したMS型GUNDビット「ガンヴォルヴァ」と共に決闘会場を破壊し尽くしていく。ソフィが普通の子供が欲しがるものを叫びながら襲ってくるのを「人を殺してまで欲しがるのは間違っている」と諭しながらいなすスレッタだが、自分がプラント・クエタでしたことを思い出して一瞬躊躇してしまう。
あわやという瞬間にエアリアルは再びパーメットスコア・シックスを発動し、ルブリス・ウルの制御系を乗っ取る。その影響で、ソフィは膨大なデータストームの逆流により死亡。ノレアはソフィを連れて撤退するが「ガンダムの呪いで死なない貴方は、何者なんです?」と問いかけを残していった。スレッタはその言葉に呆然としつつも、被害を最小限に留められたことに、無意識に涙を流しながら安堵するのだった。
一方、プロスペラことエルノラの元を訪れていたベルメリアは、エアリアルのシステムにエリクトが組み入れられている事実を知らされる。それと同時に「エリーを幸せにする」為に『クワイエット・ゼロ』なる計画を進めている本心も。

ルブリス・ウルとソーンの事件後、プラント・クエタのテロ事件に関する事情聴取を終えたミオリネが学園に戻って来るが、スレッタはクエタの一件以降、ミオリネとギクシャクしてしまっていた。ミオリネはスレッタを温室に連れていき、命を救ってくれた彼女を「人殺し」と思わず呼んでしまったことに対し謝罪と感謝を述べたかったと言うが、スレッタは笑顔で「あの時お母さんが言う通りに進んでよかった」と殺人を肯定するばかりか、ミオリネの「母が言うなら水星に学校を作る夢も、ガンダムで人を救う夢も捨てられるのか」という問いかけにも、即答は出来ずに迷いを見せながらもさも「母の言うことは当然正しいので自分の夢も捨てろと言われれば捨てられる」といった態度で笑顔で肯定する。
プロスペラがスレッタを操り人形にしていると感じたミオリネは激怒し、プロスペラを糾弾するために出て行くが、スレッタはその背を追いかけることも無く立ち尽くすしかなかった……。

後日、ミオリネの誕生日が近づく中、スレッタは先日の発言について自分でもおかしいと気づいており、ミオリネに謝る。そこで彼女から「私が言うなら、エアリアルを捨てられるか」という問い掛けをされたスレッタは、エアリアルは家族なので捨てられないと答える。
その後、温室で植物の世話をしていたスレッタの元にエランが現れ、これまでの好意的な態度をかなぐり捨て、エアリアルをよこせとスタンガンを片手に強要する。そこに地球から帰還したグエルが現れてエランを取り押さえ、難を逃れた。

グエルは父との絆であるジェターク社を救うために帰ってきたことと、スレッタへの好意を彼女自身に対してあらためて伝える。スレッタもその気持ちを嬉しく思いながらも、大切な人がいることを理由に辞退するが、お互いに友人として歩み寄ることができた。そのやり取りを物陰で聞いていたミオリネは、スレッタにベネリットグループの策謀やガンダムと関係ない世界で幸せになってほしいという思いから、グエルに「スレッタと決闘をして勝ち、エアリアルを取り上げて欲しい。見返りに株式会社ガンダムがジェターク社の後ろ盾になる」と取引を持ちかけ、同時にプロスペラにも根回しし、エアリアルを緊急停止させるソフトを手に入れる。
約束通り決闘は執り行われ、スレッタは「地球寮に対して行われている嫌がらせを止めるために協力してほしい」、グエルはミオリネとの打合せ通りに「エアリアルをもらい受ける」ことを勝った際の条件として提示する。グエルはダリルバルデに乗り込み、父殺しのトラウマとも戦いながら互角の勝負を繰り広げるが、エアリアルのパーメットスコア上昇によって機能不全に陥り、勝負はスレッタの勝利で決着すると思われた…が、ミオリネがエアリアルを緊急停止させ、そのスキにダリルバルデがエアリアルのアンテナを斬り飛ばされ、ついにスレッタは敗北してしまったのである。
決闘場に現れたミオリネにスレッタは必死で謝罪するが、ミオリネはあえて冷たく振る舞い、スレッタを突き放す。プレゼントとして渡したクールさんのキーホルダーを返却され、ホルダーの称号を取り上げられたスレッタは泣き叫んでしまう。

その後、何事もなかったかのように着々とやりたいことリスト(「友達と誕生日を一緒に祝う」項目だけ未達成なのがわかる)を埋めながら学園生活を続けていたが、前回の決闘での衝撃を誤魔化しながら空元気で日々を送っており、その姿から地球寮の皆に心配されることが多かった。のちにホルダーでは無くなったものの、ミオリネの温室の世話をしていた所にやってきたチュチュからミオリネに対しての気持ちを聞かれるが、「(決闘に勝利する)約束を破った自分が悪いから」と言って自分を責めている様子を見せる。
地球寮の面々に背中を押されミオリネに会いに行くスレッタだったが、プロスペラの誘導により遭遇したエアリアルによってコックピットに招き寄せられ、「スレッタ、乗って」という言葉を聞いてそのまま搭乗。宇宙に飛び立つ最中、エアリアルに母への疑問やこれまで信じてきたことに対しての疑問を相談したが……突如、データストームの白い空間に引き寄せられる。

そこにはエアリアルの本当の姿であるエリクト・サマヤ、そして、分解されていたガンダム・ルブリスがいる空間だった。さらにそこでは、ガンダム・ルブリスの肩に乗るエアリアルもとい「エリクト」と、その周りに「12人のエリクト」がいた。そして、彼女らによって、己の本当の正体を語られる。それは、エリクトの遺伝子から作られたクローン人間「リプリチャイルド」だった。
衝撃の事実を知り愕然とするスレッタは、エアリアルから拒絶されてしまい、やってきたプロスペラに「学園に戻りなさい」と救難信号用ビーコンを渡されると同時に宇宙空間へと再び置き去られてしまう。多くを失うだけに留まらず、大切だと思い続けてきた「家族」にまで置いて行かれた理由も、真相も、現実も全く理解できないまま、スレッタはただ真っ暗な世界で一人泣くことしかできないのであった。

後日、救出されたのか学園に戻っていたスレッタは、前述の経緯によるショックで意気消沈し、引きこもり状態に陥っていた。しかし、空腹に勝てずに部屋から出てきたところをチュチュに捕まる。そこで地球寮の面々と朝食を共にしたのを切っ掛けに、ようやく立ち直る気概を取り戻しはじめる。

【原作名台詞】

  • やめな…さい!
    • 逃亡中のミオリネとデリングを発見し射殺しようとするテロリストを、エアリアルの手で文字通り叩き潰す。スレッタもまた、生身の人間をMSで殺したキャラの仲間入りを果たしてしまった。
    • テロリストの腕が千切れてミオリネの顔面目掛けて飛んでいくというスプラッターマニアも真っ青なグロシーンに、これまでは比較的平和な展開だっただけにお茶の間が凍り付いたのは言うまでもない。スプラッター描写が多かった前身の土6枠アニメからの視聴者は耐性はあったものの、一般視聴者からの反響も大きく、BPOで議論*2された。
  • スレッタ「助けに来たよ、ミオリネさん!」
    ミオリネ「何で笑ってるの…?人殺し…」
    • 殺したテロリストの血に塗れた手で救いの手を差し伸べるスレッタ。しかし、ミオリネは自分を助けるとはいえ、躊躇いなくテロリストを殺害するスレッタに対し、「人殺し」と拒絶するしかなかった…

プロスペラ・マーキュリー

CV:能登麻美子
スレッタの母親で、頭部の上半分を覆うヘルメット状のヘッドギアを被って素顔を隠した女性。
露出している下半分(口元)より妙齢、また長い黒髪である事がわかるが、シン・セー社自体がベネリットグループ内で注目されていない末端企業ということもあって、その素性には不明な点が多い。学園への入学にはベネリットグループ傘下企業の推薦が必須であるため、それなりの人脈や取引関係を築いている筈だが……。
シン・セー社を「潰されるほどの業績悪化もさせず、目立たないながらも確実な業績を上げる」絶妙さで維持する経営手腕、辺境にあってエアリアルというハイスペック機を仕上げるなど技術トップとしての才能も侮れず、独自の情報網も持っているようで、ヴィムがデリング・レンブラン暗殺を企てた事もどこからか把握している。
右腕はGUND技術の義手であり、日常生活に不自由はなく、また取り外しは容易。隻腕と言う事情やそれを晒す事に抵抗がない、どころか、Season1で外した2回とも、その取り外しを見せつけ、会話に間が空いた瞬間に会話のペースを奪う事に用いたり、相手からの言及を避けられるよう話の流れを変えている。

その正体は「PROLOGUE」に登場したエルノラ・サマヤその人。


エリクト・サマヤ

CV:一ノ瀬佳那
「PROLOGUE」に登場したエルノラ・サマヤの娘。
ヴァナディース機関に所属するテストパイロットのエルノラ・サマヤと、オックス・アース社のガンダム・ルブリス開発マネージャーであるナディム・サマヤとの間に生まれた一人娘。愛称はエリィ。
ヴァナディース機関のルブリス開発チームが拠点とするフロント「フォールクヴァング」でモビルスーツに親しみながら育った。
4歳でありながら言動ははっきりしており聡明さがうかがえる。また非常に好奇心が旺盛なようで、格納庫に度々侵入しては窘められているようである。
母の赤毛を受け継ぎつつ、穏和な印象のタヌキ顔と麻呂眉は父のナディムから引き継いだようである。
監査機関カテドラルがヴァナディースを襲撃した際にエルノアと共にガンダム・ルブリスに搭乗、驚異的な戦闘力でハイングラを全滅させた。
その後、ベギルベウの襲撃から逃げ延びたエリクトとエルノラだったが、フォールクヴァングの庇護を失ったことで4歳児の体は宇宙環境に耐えられず衰弱していった。エリクトの生体コードが、ルブリスを通じてデータストームと完全に同調できていたことを知ったエルノラは、最愛の娘を生き永らえさせるためにデータストームのネットワークを利用してエリクトの生体コードを転移させるという苦渋の決断をする。
その後、ルブリスはエリクトの新たな身体・エアリアルへと改修され、新たなパイロットを見守るようになる。現在のエリクトはパーメット粒子の塊と言える状態。

データストームの中でしか実体化できないため、その姿は(おそらく肉体を失った時点の)幼い頃の姿のままで常にノーマルスーツを纏った姿になっている。しかし人格の方はエアリアルの中で20年以上経由したこともあり4歳の時点とは口調も変わっており一人称も「ぼく」になっている*3

特殊な環境で人の身を持たず長年を過ごしたせいか辛辣かつ毒舌な面もあり、小説「ゆりかごの星」ではスレッタに助けてもらいながら態度の悪いエルゴに毒を吐いている*4。4歳のスレッタにゲームで対戦して勝ち泣かせたこともあったらしい。
しかし家族に対しては並々ならぬ思い入れがあり、妹とも言えるスレッタに対しては母の復讐に巻き込むことを是としておらず、クワイエット・ゼロの計画を進めるにあたっては母に進言してスレッタを置いていく選択をしている。

クワイエット・ゼロでの最終決戦では、エアリアル改修型を駆って無数のガンドノードを引き連れてスレッタの前に立ちはだかるという、本作の事実上のラスボスキャラとして扱われた。
最終決戦にてエアリアルが消滅してホッツさんの中に移住し、ミオリネが嫁入りして以降の言動は彼女に「母親そっくり」と評されており、「身内以外には容赦がない」「レスバの攻撃力」はある程度元々の性格だった可能性もある。
一方で母や妹が気に入っている地球の田舎町にはさほど魅力を感じないようで、都会の方を好む様子を見せるなど、姿がそっくりでもスレッタとは明確な性格の違いを見せている。

【原作名台詞】

  • ろうそくみたいできれいだね!
    • パーメットリンクで繋がったエリクトは、コンソールで敵をタッチしてエスカッシャンでハイングラを3機撃墜する。その爆風を見たエリクトは「(バースデーケーキ)のろうそくみたいにきれいだね」。とエルノラに告げるが、エルノラは幼いとはいえ無邪気に人を殺すエリクトを見てただ絶句するしかなかった…


【VS.シリーズの活躍】

EXVS.2IB

本作のキービジュアルに登場しており、参戦することが示唆されている。


【勝利・敗北ポーズ】

勝利ポーズ


敗北ポーズ



【その他の活躍】



【余談】



タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2025年05月10日 22:03
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。

*1 RNの意味はおそらく ReNewal =再生、一新と思われる

*2 BPOで取り扱う場合は①議論→②討論→③審議→④委員会としての見解など、という順番で進められる。本件は議論になった程度で終了しており、一連のシーンが問題としては扱われなかったことには留意しておきたい

*3 第18話の回想では、エリクトの肉体が死亡した時には赤ん坊のスレッタがいたため、だとしたらスレッタの「誕生」と入れ替わりで死亡しているため、人間としての享年は7~8歳と推測される

*4 相手には伝わっていないが