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毎日新聞 12月28日(水)0時55分配信
大阪府は27日、東日本大震災の被災地で発生した災害廃棄物(がれき)の処理指針を発表した。受け入れるがれきの基準は、含まれる放射性セシウムについて1キロ当たり100ベクレルとすることにし、がれきを燃やした後の焼却灰を管理する際の基準として国の基準より厳しい1キロ当たり2000ベクレルとする方針を盛り込んだ。府は
岩手県のがれきを受け入れる方針で、近く府内市町村と協議に入る。
指針は有識者会議の意見を踏まえて策定した。府での作業実態に沿って、作業時間を国の想定よりも長く見積もり、焼却灰を安全に埋め立てられるとする国の基準1キロ当たり8000ベクレルよりも厳しい2000ベクレルを基準とした。府は1キロ当たり100ベクレルのがれきを焼却した場合、灰が2000ベクレルを超える可能性は低いとみている。
木くずや廃プラスチックなど可燃廃棄物を中心に、受け入れに応じた府内市町村で焼却処理し、最終処分場で埋め立てる。
最終処分場について、府は近畿2府4県などが出資する「大阪湾広域臨海環境整備センター」(大阪湾フェニックス)の大阪沖埋立処分場(大阪市此花区)を候補地の一つとして検討しているが、海面埋め立て式処分場についての政府の埋め立て指針が示されていないため、政府に指針策定を求めている。松井一郎知事は27日の記者会見で「フェニックスは候補に挙がるが、現在、国から処分方法が示されていないため、海面処分は検討する段階にない」と述べるにとどめた。【佐藤慶】
基準明確化前提で震災がれき処理検討 関西広域連合
関西広域連合(連合長・井戸敏三兵庫県知事)は10日、京都市で会合を開き、東日本大震災のがれき処理の受け入れを前向きに検討する方針を決めた。福島第1原発事故で拡散した放射性物質への懸念があるため、受け入れ前に国に処理する際の安全基準の明確化などを求めることで合意した。
環境省は岩手、宮城両県で発生した災害廃棄物の受け入れを全国の自治体に要請。8月に広域処理の安全性ガイドラインをまとめた。しかし、放射性物質への懸念があり、
東京都など一部自治体を除き、受け入れは進んでいない。
国への申し入れでは、安全基準に加え、広域処理が必要な全体量や処理方法、スケジュールの明確化を要請。処理施設の候補に近畿の自治体などでつくる埋め立て場があることから、水に溶けやすい放射性セシウムの性質を踏まえ、処理指針を示すことも求める。
受け入れをめぐっては大阪府は専門家委員会で、兵庫県は県内部で検討しているが、安全性の課題から兵庫の全市町は受け入れ困難との姿勢を示している。
一方、知事就任後初めて会合に出席した松井一郎大阪府知事は「地方分権を進めることが関西の発展につながる。関西が力を付けるために協力したい」と述べた。(井関 徹)
(2011/12/11 10:08)
(文章の一部)
山内知也・神戸大教授(放射線計測学)は今月、府が定めた1キロ当たり100ベクレルのがれきを燃やすと仮定し、府内のある焼却施設で放出量を試算した。その結果、セシウムを99・99%除去できたとしても、1日120トンペースで1年間焼却を続けた場合、約44万ベクレルが大気中に放出されると評価した。山内教授は「周辺住民が受ける線量は低いかもしれないが、放出を完全に止めることはできず、焼却を続ければ放出量も増加する」と指摘する。
また、山内教授は、排ガス中のセシウムがほぼすべて塩化セシウムになり、固体化するという環境省の考え方についても、「別の化合物やイオンの状態で存在する可能性が高い。だとすればバグフィルターで本当に除去できるか分からない」と懸念する。
毎日新聞 2011年12月28日 大阪夕刊
大阪府 震災がれき2年で最大18万トン受け入れ検討
2012.2.3 08:26 [地震・防災]
事業費49億円ほぼ全額を国が補助
東日本大震災のがれき処理に関し、大阪府が岩手県内のがれきを平成24年度から2年間で最大18万トン処理する体制を取る方針を固めたことが2日、分かった。平成24年度当初予算案には、同年度の処理想定分8万トンの処理事業費約49億円を計上するが、ほぼ全額が国の補助金でまかなわれる見通し。震災がれきを処分する自治体として、西日本で唯一名前が挙がる大阪府の、具体的な処理計画が明らかになるのは初めて。
国は全国の自治体に
宮城県と岩手県のがれきの広域処理を呼びかけているが、がれきに含まれる放射性物質への懸念から、東北以外の自治体で受け入れているのは東京都だけ。24年度予算案に処理事業費を計上するのは西日本では初めてとなり、府は「被災地の早期復旧・復興に向けた支援としたい」としている。
府の計画では、東京都の手法を参考に、運搬から中間・最終処分を岩手県から一括受託。本格的に受け入れる前に、まず100トンを岩手県から密閉式コンテナで海上輸送し、府内の処理施設で試験的に焼却処理。府の定めた安全基準に適合するか確認する。
府は府内施設の処理能力から2年で最大18万トンの受け入れが可能と試算、実際に処理を行う市町村との調整に入る方針。一方岩手県は昨年8月、可燃物132万トンのうち50万トンについて、広域処理を求める計画を打ち出していた。
24年度の約49億円の処理事業費のうち、府負担分は約270万円。残りは国の災害等廃棄物処理事業費補助金を活用する予定。
災害廃棄物等の処理によって放射性廃棄物を 拡散させないことを求める意見書
昨年3月11日に起きた東日本大震災の地震と津波は、かつてない規模で大量の木くずや瓦礫などの災害廃棄物の発生をもたらしたが、その多くは、東京電力福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性物質による深刻な汚染を被っている。昨年政府は、東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理に関する方針を明らかにし、全国の自治体に対してその受け入れ、焼却、埋立処分を依頼した。これを受け大阪府は昨年末、「大阪府域における東日本大震災の災害廃棄物処理に関する指針」を示し、府内自治体に対してその受け入れ、焼却、埋め立てを依頼した。それらの指針はICRP(国際放射線防護委員会)に準拠しているが、最近そのICRPの指針が自然科学的な客観的事実に基づかないことが明らかになった。どんなに低い数値であっても低線量被曝の危険性があり安全性に保証はなく、成長が盛んな子どもたちは大人の20倍から30倍もの被曝をするとも言われている。
放射性物質で汚染された災害廃棄物が各自治体で焼却処理されれば、全国の焼却場から放射性物質が拡散することになる。しかも、一般焼却炉で処理することは危険性が高く、放射能による人体への健康被害や放射性物質の拡散は、経済、産業面においても多大な影響を及ぼしかねないのである。
よって本市議会は、災害廃棄物の広域処理による市民の健康と安全への懸念が払しょくすることができない限り、広域に放射能汚染が拡大しないよう、以下の対策を講じることを強く要請する。
記
1.放射性物質を含む災害廃棄物の受け入れは、分散しないことを原則とすること。
2.大阪府の指針の見直しを行うとともに、国に対して広域処理計画を根本的に見直すよう要請すること。
3.放射性物質で汚染された廃棄物が全国各地に移動しないよう監視体制を確立するよう国に要請すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成24年3月15日
泉 大 津 市 議 会
送付先:大阪府知事
最終更新:2012年03月20日 20:19