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"忘神群島"
それは周辺に数多くの遺跡を抱える地区。
一攫千金のお宝を求めるトレジャーハンターや、歴史上の遺物を求める先鋭的学徒が、周りの者を出し抜いて獲物を獲得すべく嘘にまみれ、幻を追い求める。
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"カジノタウン"
それは忘神群島一の都市。
あらゆる賭け事が行われており、他地区では希少な種族もここでは大手を振って歩き回る。
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そしてこの物語は、この街に流れ着いた徒弟見習いの災難から語りはじめよう。
azathoth PC /イケイアス /M26 /地元やくざ系海底探査人 /元徒弟
早瀬PC /レイヒルト /M23 /師匠探しの旅に出た徒弟 /徒弟
NPC /ティンク /F20?/女ギャンブラー /不明
きつい日差しの港に降り立ち、あてもなく道を進み始めたレイヒルトは、後頭部に激しい衝撃を感じると同時に一発でノックダウンしてしまう。
ふらふらする頭を振って起き上がろうとするが体の自由が利かない。
そんな彼に、女性が声をかける。
女「どうしたの?大丈夫?」
レイヒルト「うっ。」
まず短いスカートから突き出した足に目がすいつけられるが、目を上げるとそこには派手なメイクをした赤毛の小柄だがグラマーな女性がいた。
レイヒルト「何か…」
といって後頭部に手を当てると、そこには派手な瘤ができはじめていた。
困惑顔で女性を再び見ると、つまらなそうに立つ女性の胸元に見慣れた印が刻まれたペンダントがあるのに気づく。
このような故郷から離れた土地で自分の学派の印を見ることになるとは思ってもみなかったため、痛む後頭部を気にしつつも「それは…」という言葉が口をついて出てしまう。
女性もその視線の先にあるものに気づき、「これ?さぁ、ナンだったかしら」と胸元に仕舞ってしまう。
肩をすくめると「その調子じゃ、大丈夫そうね。じゃぁね」と言って、立ち去ってしまう。
残されたレイヒルトは「あれは、師匠の…?」と呟いた。
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ギャンブルに興じる酷い風貌の男イケイアス(APP4)と、それを退屈そうに眺めるトロールのダーグ(SIZ21)。
イケイアス「のーーーーーぉ。なんてこったい。あとひと転がりでぇーーーーー。」
ダーグ「ふっ。(鼻息)」
そこに先ほど道でレイヒルトに声をかけていた女性が近づく。
女性「また負けたの?あいかわらず派手な負けっぷりねぇ。」
イケイアス「うっせいやい、ティンクめ。俺は自分の船を持つための積み立てをしてるんでぃっ。おめーにゃー分かるめーさ。海の男のロマンはよー。ぬぁーーーー。くそぅ。ばーろーめ。」
ティンク「(ふふん)そうね。あんた、もう今日の分は無いんでしょ?そこどきなさいよ。」
ティンクと呼ばれた女性は、テーブルにつくと、目を光らせてチップを引き寄せた。
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そのカジノへ、先ほど道に倒れていたレイヒルトが入ってくる。
上の階層から見下ろすと、下階には先ほどの女がいるのが見える。
彼女はひとしきり勝負をすると、びっくりするぐらいの金額を取ったらしく、まわりのとりまき(イケイアスとダーグ)を連れて、飲み屋へ移動していった。
彼女を追いかけて飲み屋へと踏み込んだレイヒルトは、一直線に彼らのテーブルに近づくと、田舎者が都会の女性へもじもじ告白をするようになにやら語りはじめた。
イケイアスのからかいにもめげず「自分は人探しをしているのだが、こういう人は知らないか」などと話し続けるレイヒルトに興味を持ったティンクが、とりあえず座るように言って、しばらく言葉を交わす事になる。
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そしてしばらくすると、ティンクが目を細める。
ティンク「ねぇ、今の聞いた?」
イケイアス「…っつーわけさ。んぁ?何を?」
ティンク「ミスティックチョイスの事よ!」
イケイアス「???」
『ミスティックチョイス』とは、カジノタウンにおける隠された賭場のひとつという噂で、代価は大きいがあらゆる望みが適うチャンスが与えられるものだという。
ティンクはその賭場が今日開かれるという事と、場所、秘密の暗号が語られるのを聞いたのだという。(01クリティカル)
ティンク「どう?行ってみない?」
イケイアス「ふーーーん。(輝くティンクの目を眺めながら)
そんなチャンスがあるなら、のらねーわけにはいかねーな。」
ティンク「あんたらはどうする?」
というわけで、たまたまその場にいた4人は連れ立って秘密の場所へと出向いた。
そこはうす暗がりの広い部屋で、40~50人ほどが集まっていた。
入り口で渡された券に表示された番号順に、中央に置かれた奇石に手を触れ、順に望みを思うのだと言う。
司会「この石は、この世に2つとなき、貴重なもの。多くの宝が眠りし我らが地の、奥底から伝説のダイバー××が持ち帰りし石でございます。
この石は、望むものの重さを測り、その価値を望んだものに支払わせる、まさに我々のような生半可な陰ごとに慣れきった者には、またとないものです。
忘れてはならいのは、皆様の一部が賭けられているということです。望みの大きさにかなうだけの代償が常にそこに賭されるのです。
それでは皆様、こよいの出来事を楽しみましょう。」
中央に出てくる人を見ると、様々な障害を持った人が見え隠れしている。
何人かの様子を見ると、何もなく笑みを浮かべて立ち去る者、即死する者、身体部位を失う者、絶叫する者など、様々。
中には望みを口にする者もいて、情報は出やすく、力を求める者はその肉体が賭されていることが見え隠れする。そして何も口に出さない者には即死する者が多い事もわかってくる。
そして順番がまわってきた、イケイアス、レイヒルト、ダーグ、ティンクの順で奇石にふれて願い事をそれぞれがした。
その願いがどういうもので、かなえられたかどうかは本人のみが知っている。
第1話:賭と誓い(2006/8/19)
"忘神群島"
それは周辺に数多くの遺跡を抱える地区。
一攫千金のお宝を求めるトレジャーハンターや、歴史上の遺物を求める先鋭的学徒が、周りの者を出し抜いて獲物を獲得すべく嘘にまみれ、幻を追い求める。
:
"カジノタウン"
それは忘神群島一の都市。
あらゆる賭け事が行われており、他地区では希少な種族もここでは大手を振って歩き回る。
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そしてこの物語は、この街に流れ着いた徒弟見習いの災難から語りはじめよう。
登場人物紹介
ディアスダロPC/ダーグ・デーン/M25 /海難中に救出されたトロール/カイガーリートールazathoth PC /イケイアス /M26 /地元やくざ系海底探査人 /元徒弟
早瀬PC /レイヒルト /M23 /師匠探しの旅に出た徒弟 /徒弟
NPC /ティンク /F20?/女ギャンブラー /不明
本編
カジノタウン。夏。きつい日差しの港に降り立ち、あてもなく道を進み始めたレイヒルトは、後頭部に激しい衝撃を感じると同時に一発でノックダウンしてしまう。
ふらふらする頭を振って起き上がろうとするが体の自由が利かない。
そんな彼に、女性が声をかける。
女「どうしたの?大丈夫?」
レイヒルト「うっ。」
まず短いスカートから突き出した足に目がすいつけられるが、目を上げるとそこには派手なメイクをした赤毛の小柄だがグラマーな女性がいた。
レイヒルト「何か…」
といって後頭部に手を当てると、そこには派手な瘤ができはじめていた。
困惑顔で女性を再び見ると、つまらなそうに立つ女性の胸元に見慣れた印が刻まれたペンダントがあるのに気づく。
このような故郷から離れた土地で自分の学派の印を見ることになるとは思ってもみなかったため、痛む後頭部を気にしつつも「それは…」という言葉が口をついて出てしまう。
女性もその視線の先にあるものに気づき、「これ?さぁ、ナンだったかしら」と胸元に仕舞ってしまう。
肩をすくめると「その調子じゃ、大丈夫そうね。じゃぁね」と言って、立ち去ってしまう。
残されたレイヒルトは「あれは、師匠の…?」と呟いた。
:
ギャンブルに興じる酷い風貌の男イケイアス(APP4)と、それを退屈そうに眺めるトロールのダーグ(SIZ21)。
イケイアス「のーーーーーぉ。なんてこったい。あとひと転がりでぇーーーーー。」
ダーグ「ふっ。(鼻息)」
そこに先ほど道でレイヒルトに声をかけていた女性が近づく。
女性「また負けたの?あいかわらず派手な負けっぷりねぇ。」
イケイアス「うっせいやい、ティンクめ。俺は自分の船を持つための積み立てをしてるんでぃっ。おめーにゃー分かるめーさ。海の男のロマンはよー。ぬぁーーーー。くそぅ。ばーろーめ。」
ティンク「(ふふん)そうね。あんた、もう今日の分は無いんでしょ?そこどきなさいよ。」
ティンクと呼ばれた女性は、テーブルにつくと、目を光らせてチップを引き寄せた。
:
そのカジノへ、先ほど道に倒れていたレイヒルトが入ってくる。
上の階層から見下ろすと、下階には先ほどの女がいるのが見える。
彼女はひとしきり勝負をすると、びっくりするぐらいの金額を取ったらしく、まわりのとりまき(イケイアスとダーグ)を連れて、飲み屋へ移動していった。
彼女を追いかけて飲み屋へと踏み込んだレイヒルトは、一直線に彼らのテーブルに近づくと、田舎者が都会の女性へもじもじ告白をするようになにやら語りはじめた。
イケイアスのからかいにもめげず「自分は人探しをしているのだが、こういう人は知らないか」などと話し続けるレイヒルトに興味を持ったティンクが、とりあえず座るように言って、しばらく言葉を交わす事になる。
:
そしてしばらくすると、ティンクが目を細める。
ティンク「ねぇ、今の聞いた?」
イケイアス「…っつーわけさ。んぁ?何を?」
ティンク「ミスティックチョイスの事よ!」
イケイアス「???」
『ミスティックチョイス』とは、カジノタウンにおける隠された賭場のひとつという噂で、代価は大きいがあらゆる望みが適うチャンスが与えられるものだという。
ティンクはその賭場が今日開かれるという事と、場所、秘密の暗号が語られるのを聞いたのだという。(01クリティカル)
ティンク「どう?行ってみない?」
イケイアス「ふーーーん。(輝くティンクの目を眺めながら)
そんなチャンスがあるなら、のらねーわけにはいかねーな。」
ティンク「あんたらはどうする?」
というわけで、たまたまその場にいた4人は連れ立って秘密の場所へと出向いた。
そこはうす暗がりの広い部屋で、40~50人ほどが集まっていた。
入り口で渡された券に表示された番号順に、中央に置かれた奇石に手を触れ、順に望みを思うのだと言う。
司会「この石は、この世に2つとなき、貴重なもの。多くの宝が眠りし我らが地の、奥底から伝説のダイバー××が持ち帰りし石でございます。
この石は、望むものの重さを測り、その価値を望んだものに支払わせる、まさに我々のような生半可な陰ごとに慣れきった者には、またとないものです。
忘れてはならいのは、皆様の一部が賭けられているということです。望みの大きさにかなうだけの代償が常にそこに賭されるのです。
それでは皆様、こよいの出来事を楽しみましょう。」
中央に出てくる人を見ると、様々な障害を持った人が見え隠れしている。
何人かの様子を見ると、何もなく笑みを浮かべて立ち去る者、即死する者、身体部位を失う者、絶叫する者など、様々。
中には望みを口にする者もいて、情報は出やすく、力を求める者はその肉体が賭されていることが見え隠れする。そして何も口に出さない者には即死する者が多い事もわかってくる。
そして順番がまわってきた、イケイアス、レイヒルト、ダーグ、ティンクの順で奇石にふれて願い事をそれぞれがした。
その願いがどういうもので、かなえられたかどうかは本人のみが知っている。