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  • 胎動編『開戦 ウドガルド城』

hengokurowa @ ウィキ

胎動編『開戦 ウドガルド城』

最終更新:2022年01月12日 16:49

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 艱難の先に、少女たちの進むべき道は───
 血染めの空が照らし出す、未踏の物語。





「嬢ちゃん。そったら歩いてっと、
 いざって言うときばてんね。少しは休んどき。」

 定期的にたずね人ステッキを倒しては道を進む三人。
 あゆりがステッキを使っては先行して走っている中、鉄平が声をかける。
 出会ってからと言うもの、ずっとそんな調子で動いているのでは体力がもたない。
 彼としては沙都子を探してくれるのは嬉しいが、無理をさせたくもない。

「大丈夫、こう見えて足は鍛えられたんで。」

 膝に手を打ちながら小走りするあゆりを二人は見やる。
 簡単な自己紹介しかしてないので知らないが、あゆりは城址巡りをする身だ。
 城址、城の遺構と言うものは東京都内でもかなりの数が存在していて、
 自分達が何気なく通ってる場所の近くも、城が建ってた場所だと言うこともある。
 だが中には深沢山にあった八王子城は標高四百メートル以上の場所に位置する城址もあり、
 城址巡りに慣れた友人や顧問も、登山服でなければ気軽に行けるものではないと称するほどだ。
 (なんだかんだあゆりは普段通りの格好で行けてしまったのは、あゆりも鍛えられたと言うことだろう)
 一時期飲んだくれだったのと、スクーターで移動する鉄平より足腰は年齢も合わさりずっと上になる。

「それに、助けに入った人を振り切って、
 エスデスって人が追いかけてくる可能性もあるでしょ。」

 鉄平からすれば、助けに入った善の強さは全く測れない。
 判断できる材料があるとするなら、エスデスを前に割って入れる度胸や移動速度。
 それだけでしかなく、一方でエスデスとは一応戦ったが常人ではとても叶わないものだ。
 技術や鍛錬でどうこうで覆せるものではない。銃があっても決して当たらない、
 そう確信できるだけの、文字通りの化け物や怪物と呼ぶほかなかった。
 善が相手にできるのかどうかという不安自体は存在している。

(あの兄ちゃんはきっと無事や。わしが信じなくてどないするんや。)

 確証はない。でも無事だと思う。
 正確には無事だと思いたいと言う希望混じりだ。
 北条鉄平と言う男は死んでも仕方ない人間、それは彼自身が自覚している。
 そんな自分を逃がしたら死んだ、なんてことはしてほしくなかった。
 殺し合いの中で子供の言うことを信じてやって来てくれた人物。
 こんな場所で死んでいいような青年ではないのだけはわかる。
 だから信じたい。彼はきっと無事でまたどこかで再会できると。
 沙都子に信じてもらいたいように、鉄平も彼を信じたかった。

「……さっきから感じてはいたけど、景観ガン無視すぎでしょ。」

 歩いていると見かけた存在に、あゆりが目を細める。
 先ほどからもずっと塔のようなものが平安京に見えていた。
 近づけば朧気だったものもはっきりとわかるようになるが、
 平安京と言う場においては余りにも景観を無視した、西洋の城跡。
 一部の壁が崩れてこそいるが、倒壊の心配はすぐにはない保存状態だ。

「……どこの言葉だろ。」

 近くの看板に記された謎の文字と思しき羅列を注視する。
 アルファベットの文字に近いようではあるが、近いだけで同じではない。
 その文字の下には他の人でも読めるようにしてるのかいくつかの言語があり、
 一つはあゆりでも読める日本語で『ウドガルド城跡』と記載されていた。
 少なくとも日本ではないし、あゆりも特別地理に明るくはなかった。
 これが彼女の世界には存在しない城跡だと言うことも判断ができない。

「誰かと関係がある施設なのかな。」

 明らかに景観が浮きすぎている。
 元々平安京を再現した殺し合いの舞台だ。
 どこかから持ってきた、或いは模倣したとも受け取れる。
 人の築いた残滓たる遺構となる城址を巡るだけの女子高生。
 異能とは無縁な人生ではあるが、リリアーナや手に持つひみつ道具の存在から、
 随分異能慣れしたもんだと我ながら若干呆れた気分になる。

「あ、そうだ。この塔登ってそこから探してみない?」

 平安京はその都合開けた道が非常に多い。
 細い路地は流石に見落とすにしても、大まかな場所は把握できる。
 高さも十メートル程度。程よい高さのお陰で肉眼でも多少はましだろう。

「あゆり、だったらこれを使って。」

 あゆりの提案を聞くと、
 デイバックからリリアーナはあるものを取り出す。
 赤色を基調とした小型の望遠鏡で、それを二人に見せる。

「私の支給品の『手に取り望遠鏡』って言って、
 望遠鏡の中の物とか人を引き寄せたり、自分がその場所に行けるみたい。」

「ナイスタイミング!」

 人探しとしてはたずね人ステッキが有効なのと、
 平安京は建物以外は殆どが平地で構成されている。
 高い場所がないためこれを使う機会がないまま放置されていた。
 望遠鏡を受け取り、一足先にあゆりが塔の方へと向かう。
 浮き足立つ彼女を追うように、二人も塔の中へと入る。

「レッツ登城っと。」

 普段なら友人の美音が言っている言葉だが、此処にはいない。
 ムカついたから殺し合いに抗うといっても、一介の女子高生だ。
 知り合いはいないし、不安になって何処かゲン担ぎ感覚で呟いた。
 ひょんなことから美音と城址巡りするのが今の日常とも言えるものだ。
 だからいつもの日常のように、怪我がないまま終わることを願う。
 そんな風にも思いながら口にしつつ、年季の入った古びた扉を押す。
 見た目通りの軋んだ音を奏でながら開かれた扉の先にあるは、
 城跡と言う外見通りとも言うべきな、質素な内装になっている。
 同じく年季の入ったテーブルや木製の扉、上へと続く階段。
 焚火の跡があるが、元々此処に誰かがいたものかの判断はつくことはない。
 壁にあるのは精々壁掛け松明ぐらいなもの。辺獄の月明りで解決される今、
 使い道が存在しないと言うのはあゆりであっても理解はできることだろう。
 屋上への道は螺旋階段のように壁に沿って続いているので、
 入ってそのまま転ばないように壁に手を当てながら登っていく。

(城に入るのは松本城以来か。)

 城址散策は城の石垣や堀、櫓に石碑などがあった場所だったりと言ったもの。
 城としての形を留めてるものを巡ることは基本的にはない。
 (城の原形をとどめるものがそもそも多くはないのもあるが)
 合宿の際に長野の松本城へ行ったことはあるが、それぐらいだ。
 国宝指定されてる城と比べてはいけないのは分かってるものの、
 随分と寂れている場所と思うと同時に、

(可哀そうに感じるな。)

 僅かながら憐む。
 この城がどんな目的で、
 どんな歴史を経験したかは知らない。
 城と言うものは戦の為に築かれてきたものだ。
 『殺し合いの為に用意された』のは確かにお誂え向きだが、
 決して『この殺し合いの為に用意された城』ではない。
 メフィス達の勝手で呼ばれた城に、僅かながら憐れみを感じた。
 『此処に城があったなんてロマンとかある』といった考えを持つ田辺や美音とかなら、
 もっと憤ったかもしれないがあゆりにとってはその程度の感想だ。

「到着っと。」

 鋸壁に囲まれた屋上にジャンプするかのように着地する。
 屋上も焚火ができる環境があること以外は特に特筆すべきことはない。
 後から来た二人も到着し、三人でそれぞれ別の方角をみやる。
 平安京の街並みらしい、整然されすぎてる建物の並びや等間隔の道。
 中には此処と同じように景観を無視したような建物がいくつかあるが、
 重要なのは人の存在であって、建物のことについてはスルーしておく。

(いないなぁ。)

 軽く数分の時間が経過する。
 結局のところ探してるのは、百人以上の中の一人。
 外見の特徴は把握してると言ってもこの広さでたった一人。
 それに望遠鏡を使ってるのは自分だけで他は肉眼で見つけにくい。
 同じ方角に逃げたかもわからないのでは仕方ないとは思うが、

「じょ、嬢ちゃん! あっこにおるん、沙都子か確認してくれんね!?」

 鉄平の声に反応し、二人も鉄平のいた方角へと向かう。
 望遠鏡を持ってるのはあゆりだけなので、鉄平の指示で確認する。
 スコープの中に捉えることができたのは三人の男女。

「沙都子ちゃんって金髪でヘアバンドしてる女の子でしたよね!」

「それだったら間違いなく沙都子や!」

「リリアーナ、さっき引き寄せたり移動できるって言ってたけどどう使うの?」

「えっと、望遠鏡に手を映すようにして掴めばいいみたい。
 でも待って、いきなりそんなことしたら一緒の人を誤解させちゃうわ。」

「じゃあ、私が行って説明してくる!」

 説明書を片手に手に取り望遠鏡のため適当な家屋を見る。
 固定されてるものであれば自分が向こう側へ行くことができるので、
 塔を下りずとも即座に三人の所へと向かうことが可能だ。
 殺し合いで戦いの際困るであろう子供を武器を持ちながら連れており、
 二人といる沙都子の表情がいやいや従ってる風にも見えないことから、
 殺し合いに乗ってないと言うことを判断して手を伸ばす。

「後はこうしてつまめば───」










 つまもうとしていた手は何も掴むことをしなかった。
 その寸前に、一発の銃声が轟くと同時に彼女に激痛が走ったから。

「───ッ!!!」

 悲鳴を上げながら、左手が痛みを抑えるように右腕をあるだけの力で握りしめる。
 手に取り望遠鏡は同時に破壊されて、その残骸が塔の下へと落ちていく、
 下で落ちた音を聞くが、三人はそれどころではなかった。

「今の音、まさか撃たれとるんか!?」

 あゆりが抑えてる右手へ視線を向ければ、
 そこにあるのは人間の手であってはならない光景だ。
 右手は口でもできたかのような風穴が赤く染めた地面を見せる。
 見え隠れする骨や肉を外気に晒しながら、多量の血を流してさらに血の水たまりを広げていく。

「鉄平さん! 何か回復できる支給品とかは!?」

 リリアーナは回復できる術はあるにはあるがこの状況では解決できない。
 彼女の秋服は厳密には回復促進。回復する道具を用いた上で本人の治癒力に依存するもの。
 もっとも、あったところでリリアーナはアルーシェと再会したばかりの頃の彼女。
 治癒促進の能力も特別高いものではないので、気休め程度にしかならないが。
 それはそれとして、腰のベルトをあゆりの腕に巻きつけて止血をしておく。
 薬とかも没収されてる今、何もないベルトを装備する意味もない。

「あんまし、勧められんね……」

 あるにはある。
 まだ残ってるヘルズクーポンを使えばこの傷も治せるだろう。
 だがこれはドーピングアイテム。しかも材料は複数の麻薬も混入される。
 先ほどは沙都子を守るためだったし、元々老い先短い身体でもあるから使ったが、
 目の前の彼女は酒を飲みすぎたわけでも、ましてやタバコを吸い続けたわけでもない普通の子だ。
 自分が使う分には躊躇うことはないが、彼女にこれを使ってその後大丈夫なのかと思えてしまう。
 タバコや酒が子供の方が悪影響があるように、麻薬もそういうのがあるのかもしれない。
 そのことを伝えると鉄平が言い淀んだ理由を察して、複雑な表情へと変わる。

「ただ、使えば身体はあり得へん速度で治るんや。
 わしも姉ちゃんと戦って腕ぇ切り落とされちょるが、ほれ。」

 腕をかるく振り回して、その回復力を示す。
 効果自体は絶大だ。元々忍者を殺す為極道が研究を重ねたもの。
 尋常じゃない再生力なのは確かであり、使えば一瞬なのもわかる。

「……あゆりは、使いたい?」

 ずるい逃げ道だとリリアーナ自身も思う。
 本人の意思確認という、体のいい逃げ道だ。
 もっとも、内容を知ってもすぐ飲ませようとする、
 と言うのも少し考え物な気はするが。

「正直、本音を言うとめっちゃ使ってほしい。
 やばい薬だけど、死ぬかもって思うよりずっといいし……」

 涙と脂汗で自分でも酷い顔してそうだと思いながら震えた声で返す。
 当たり前だ。こんな傷、城址巡りでなくとも絶対にあり得ない傷だ。
 銃で風穴が開くとしても、指数本は余裕で入る弾丸なんてないのは素人でもわかる。
 何が言いたいかと言うと滅茶苦茶痛い。おどけてる感じがあるが、本気で痛い。

「でも、貴重な支給品だし、敵も此処へ来るし……」

 撃たれたと言うことは、つまり敵がいると言うことだ。
 痛みで思考は纏まらないが、とにかくそれだけは分かる。
 此処は屋上。下から昇られてはこの高さでは飛び降りて逃げるのは難しい。
 それは邪妖と戦ってきたリリアーナも同じことだ。今の彼女に経験はないが、
 基本的に危ない場所はアルーシェに抱きかかえられた状態で飛んでいるので、
 運動神経が人間離れしてるわけではない(これはアルーシェが半妖だからなのもあるが)。
 このまま居座っていては逃げ場のない場所で銃撃を受ける可能性だってある。
 ドラッグであることはともかく、それがないと対処できないかもしれない。

「今すぐ死ぬってわけじゃないし、そっちなんとかしない……ッ?」

 そのためにヘルズクーポンを無駄に使わせるわけにはいかない。
 彼女の言うとおり、今すぐ死ぬかどうかとはまだ別のレベルだ。
 事が解決してから使うかどうか、それを考えても遅くはないと。
 死ぬほど痛いと思って宇ので本当に使ってほしいと言えば、それも本音だ。

「……私が先行します! 鉄平さんもきてください!」

「お、おう! 嬢ちゃんには指一本触れさせんね!」

 時間がない現状、此処で敵を待ち受けるわけにはいかない。
 あゆりを一人にさせるのは危険だが、敵も近くの負傷者ならまだしも、
 屋上にいる彼女を優先して二人を放置する、と言うこともしないだろう。
 可能なら自分一人で何とかしたかったが、一人だと刻を遅くしても防御も回避もできない。
 対処できるが一人でもいることが彼女の戦いでは重要になる。
 鉄平も意図を理解して、急いで彼女の後に続く。
 風だけが耳に届く中、一人残されたあゆりは涙が零れる。

(やばい。なんか痛みとは別の涙出てきた。)

 痛みとか、手が使い物にならなくなったのが理由と言うのはある。
 一方で別の理由、殺し合いを侮りすぎてた自分に対しての後悔だ。
 殺し合いが始まる前は怒りやすい性格が災いして彼氏には振られるし、
 時には美音の機嫌を損ねたり、生徒会長とも対立し合うこともあった。
 でも最終的には和解するし、暴力に出ることは一度としてなかった。
 (寧ろやるなら自分からで、現にリリアーナとの出会いも怒ったのが原因だし)
 要するに、彼女は此処が殺し合いの場という認識が甘かったのだと。

(考えれば、当然じゃん。)

 仕方ないと言えば仕方ないことだ。
 鉄平はエスデスと戦うことになって、元より邪妖と戦ってるリリアーナと違って、
 彼女は此処まで異能と触れ合う機会があったが、それはリリアーナの能力とひみつ道具だけ。
 しかも前者は直接的な戦闘向けではないし、ひみつ道具も直接的な結果か視覚には反映されにくい。
 気が緩んでもおかしくなければ、一方的に攻撃する容赦ない参加者が最初の敵だ。
 こればかりは仕方ないとも言える。

「でもやっぱ……ムカついたなぁ。」

 身を起こして、痛みにこらえながら立ち上がる。
 一介の女子高生に出来ることなんて高が知れたものだ。
 それでも何かやってやる。あの銃の犯人を殴ってやりたいと。



 ◆ ◆ ◆



「撃たれる可能性もありますから、盾に隠れてください。」

「そ、そうやな……炙り出すっちゅーのもあるけん。」

 支給品である紅葉が描かれた白い盾を構え、
 窓際からの狙撃を警戒しながら階段を下っていくリリアーナと鉄平。
 時に先読みで弾丸が窓際を狙った一撃がとんでくるが、
 あくまで牽制程度。当てるつもりがないことはわかる。
 特に何事もなく一階まで降りて、リリアーナが扉に手を掛けるが、

「待っとくれ嬢ちゃん。わしがそん盾持って先行く、」

 寝覚めの悪い夢を何度も見続けたことで、
 その中で誰かに待ち伏せされたような記憶があった。
 誰に待ち伏せされたのかは朧気だし思い出したくもないが、
 そんな悪夢の経験……否、別の世界における彼の記憶が安易な行動を避けさせる。
 ヘルズクーポンを手にしながら、右手を出して盾を渡すように促す。

「鉄平さん、それは……」

「元々酒にたばこで身体悪ぅなっとるんや、わしのことはええ。
 タバコも材料は麻薬と言うやろ。それとあんまし変わらんけ。
 それに、嬢ちゃんたちにこんな危険なもの安易に飲ませるわけにはいかんね。」

 タバコと違いこれがあれば沙都子を助けられる。
 老い先短いであろう自分の人生できる、精一杯の贖罪だ。
 沙都子を守る。嫌われても、せめてそれだけはしなければ、死んでも死にきれない。

「……分かりました。でも無理はしないでください。」

 時間がないし、他の有効打があるとは言えない。
 無駄に時間を割くわけにもいかず、折れる形で盾を渡す。
 鉄平の言う、誰かのために命を賭して挑むと言う点は彼女も同じだ。
 世界を救うため自分が犠牲になる。花のように誰かを喜ばせてから散りたい。
 故に、その考えを否定することはできなかった。

 盾を渡すと、そのまま前へと構えながらヘルズクーポンを口にして突進する。
 人間離れした身体能力で体当たりすれば、扉は簡単に壊されながらそのまま直進、

「!?」

 した瞬間、鉄平は一瞬全身がつぶれるような感覚に襲われた。



 ◆ ◆ ◆



「当たったか。」

 塔から轟く悲鳴からして、
 弾が当たったことを確信する完全者達。
 正直、当たったところで嬉しいとは思わない。
 この殺し合いで位置を示すように月明かりが反射するものを持ち、
 その上で壁と言う安全地帯から身を乗り出していたような相手だ。
 殺し合いの経験も乏しい一般人か、ただの莫迦以外にないだろう。
 たかだかその程度の連中相手に一喜一憂するほど、彼女も長生きしてない。
 これでおびき寄せるための罠としてるなら、逆に賞賛するものだが。

「ヨが先行しておくでワール。」

 制限こそされてるがある程度の距離は転移ができるノワール伯爵にとって、
 足並みを揃えない状況であれば完全者よりも速い速度で移動ができる。
 相手が負傷しても逃げられないように先に釘づけにしておくことは大事だ。

「私は牽制して足止めしておくが、気をつけておけ。
 どうやら近くに他の参加者もいるとみてよさそうだからな。」

 高い所から軽く身を乗り出すのと月明かりが反射するものが見えた。
 場所からして、双眼鏡とかそういう類を持っていたと言うことはわかる。
 動きが止まっていたところから参加者がいて注視してたと仮定しておく。
 夜兎の番傘の銃声は決して小さくはないし、悲鳴から向こうも気付いてるはず。
 合流される前に支給品を確保して、盤石になったところを迎撃するのが理想的だろう。

「無論、心得てるとも。」

 さっきまでふざけてた口調をしていたと思えば、
 突然普通の喋り方になりながら軽く一回転すると同時に姿を消す。

「さて、黒の伯爵の実力はいかほどか……ん?」

 手元に残しておいたビブルカードの内の、一枚が燃え尽きる。
 燃え尽きたと言うことは該当する参加者が死亡したと言うことだが、大して興味はない。
 たかが数時間で死ぬ参加者で、名前しか知らない奴に抱く感想など彼女には何もなかった。
 ……なお、死んだ相手はその世界においてある意味では彼女の求めるものに近いとも言えるが。

(ふむ、二人以上いたのか。)

 窓から覗く盾を見て、軽く一発か二発程度牽制だけに留める。
 撃たれたはずの相手にしては動きが早いことからあれは仲間だ。
 すぐに降りてくることもあり、目的の場所へと赴きたいところだが、
 複数の参加者で二人が挟み撃ちに合う形になるのは好ましいことではなかった。

「仕方があるまい。奴もいない今、此処が文字通りカードの使い時だ。」

 余り支給品をすぐ消耗するものではないのだが、
 死ぬことや同盟が破棄されるような行為も困る。
 必要経費と割り切り、デイバックに眠っていたカードを掲げる。
 カードは消滅すると共にディメーンが姿を現す。

「ボンジュ~ル……おや、これはこれは。伯爵がお世話になってるようで。」

「ほう、貴様がディメーンか。黒き伯爵を裏切った気分はどうだ?」

 時間が惜しい所ではあるが、
 一方で主催陣営と話せる機会は希少だ。
 使えるものは何でも使おう。少なくとも、
 使った支給品はそれをリカバリーは出来るはずだから。

「ンッフッフ~、何の感慨もないかな。
 これで裏切ったのは二度目───おっと、
 彼は僕が裏切る前の伯爵だったかな? 知らないか。
 何にせよ、元々僕はこういう奴だからね。何もないさ。」

「だろうな。元々裏切る奴なんぞに何の感慨もあるまい。して、支給品は何処だ?」

 彼女もムラクモとの関係は所謂ビジネスパートナー。
 人類救済の為の手伝いをするされるだけの関係であり、
 裏切ることになっても当たり前のことでしかない。

「そう焦らない。ドドンタ君みたいに急いて死んだら元も子もないよ? ま、今からパパッと出すから。」

 ドドンタスの死についてもやはり把握しているらしい。
 まだ首輪解除の算段も何もないので特に言及はしてないので、
 出し抜くことは(性格で気づくことはあっても行動で)感づかれてはないはずだ。

「ドドンタスを殺した奴は強かったのか?」

「おっと、それ以上は尋ねることはなしだ。
 君が殺し合いを盛り上げる側であったとしても、
 一人だけ有利にするような発言をするつもりはないからね。」

 見た目の道化からして遠慮なく話すと思ったが、
 運営の一人として任せられるだけあって割と慎重だ。

「はい、お届け完了。後は好きにそれに命令してね。」

 発言と共に彼女達を覆うような黒い影が背後に降りたつ。
 背後を見やれば、彼が贈ってきたものが鎮座している。
 二つ目の支給品は、今の状況においてはとても都合がいいものだ。

「そう易々とはいかんか。」

「そういうこと。まあ、もう少し生き延びてくれるのなら、
 少しぐらいは君とお話してもいいかもね。それじゃ、ボン・ボヤージュ~。」

 おどけた態度を取りながらも、
 攻撃する隙を見せないままディメーンは姿を消す。
 大した情報はなかったが、進展自体はあった。

(奴が監視役を担っているようだな。)

 盗聴されてる可能性があるのに、
 自分の目的のための行動をしてる様子。
 少なくとも監視してるであろうはずなのに、
 それを公言するのはメフィス達が承知の上で任せたか、
 彼自身がその監視役の立場を担ってるかの二つになる。
 後者であれば、いくら自由にやろうとバレることはない。

(もし後者であればこれは重畳だが、
 果たしてそんな都合がいいものか判断しがたいな。)

 後者であるならば、ディメーンは支給品を届ける間は監視ができない。
 その隙に首輪解除をすることも難しくはない……と言いたいところなのだが、
 ディメーンが分身魔法を使うことができることを伯爵から聞いている。
 分身を監視役において情報共有してる、と言う可能性はあり得る話だ。
 代役を置いている可能性だけは彼の行動からないと判断できるが。
 (参加者との過度な接触の約束は、いかに受け入れてるとしても度が過ぎているだろうから)

「まあ良い。魔女らしく『魔』を『従』える……いい使い魔となってもらおうか?」


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